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スペランカー - 史上最弱の主人公現る

投稿日:2016-02-08 更新日:

1985年12月 アイレム 売上本数42万本

豆つぶぐらいの赤ランプを見ると思い出すのが「スペランカー」です。

タイトルである「スペランカー」の意味は「(趣味としてやる)洞窟探検家」だそうです。

昔はゲームのタイトルの意味なんて考えたりしなかったけど、ちゃんとそれなりの意味のタイトルつけてるんですね。

これを踏まえて、早速このゲームの真髄に触れますが、このゲームの主人公は洞窟探検家にはまったく向いておりません。

というのも、自分の身長分ほどの高さから落ちただけで死んでしまうからです。

確かに現実で少し高く見積もって2メートルぐらいのところから飛び降りた場合、個人差はありますが、ケガをすることはあってもさすがに死にません。(頭からいったら別ですが。)

ということで「史上最弱の主人公」という不名誉な異名をつけられているんですね。

おかげで一部ではクソゲー扱いされていますが、マリオがクリボーに触れた途端に飛び上がって死ぬのと何が違うのでしょうか!?

ファミコンの世界では主人公があまりに弱いのは常識なのです!

スペランカーはマリオよりもシビアな操作が要求されるのは認めましょう。しかし、騙されたと思って練習してみてください。

慣れてくるとアラ不思議!

テンポよく進めるようになった時の快感は他では味わえないものがあることを保証します!


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アクション

断面図でこまごまと描画された地下世界には様々なトラップが張り巡らされてますが、それらを突破する為の演出が何気に凝ってます。

爆破

行く手を阻む岩石をぶち壊すためには見た目そのまんまの「爆弾」を使います。

使用方法は、アイテム欄から選択するなどというまどろっこしい操作ではなく、下を押しながらBボタンというスマート操作。

爆弾使用時の注意点は、設置後3秒ぐらいで爆発するので、仕掛けたらすばやく一定の距離まで退避しないと巻き込まれて爆死します。

爆死を確実に回避するなら、爆破するまでの間ひたすら反対側へ逃げるべし。

ちなみに、真のスペランケストを目指すならギリギリ安全な距離を手探りで見つけておきましょう。

酸素

ひたすら地下に向かう洞窟探検ということで「酸素不足」の概念があるため、途中途中に置いてある酸素補給アイテムを無視すると窒息死します。

取ると画面上部の酸素メーターが勢いよく回復しますが、気になるのが未だにこのアイテムの形が何を表しているのかよくわかりません。

コウモリ

主人公の行く手を阻むのはトラップだけではありません。

ところどころにコウモリが飛んでいて、死に至るフンを撒き散らしてきます。

「アトランチスの謎」のコウモリと同じことしてきますが、フンのグラフィックは簡略化されてます。(ただの2本線です。)

それより気になるのがそのフンの量です。

猛烈な勢いでずーっとフンしてきますよ。

むしろフンをし続けるコウモリがかわいそうなので、「フラッシュ」を使ってラクにしてあげましょう。

「フラッシュ」を使うとシュパッという効果音と共に打ち上がり、コウモリは一瞬で昇天します。

どういう仕組みかよくわかりませんが、地味に気持ちいい演出です。

爆弾同様、フラッシュの使用方法もスマート操作となっており、上を押しながらBボタンです。

ちなみに、真のスペランケストならこの大量のフンの雨をフラッシュ無しでくぐり抜けますが、きゆこうにはムリでした。

思っている以上にフンの量は多いのです。

ゴースト

トラップ以外にもこの地下洞窟にはゴーストが出現し、主人公に襲い掛かってきます。

ゴースト出現時は専用のBGMに変わるので、どこからゴーストがやってくるかまずは落ち着いて確認します。

適度な距離を確保できたら手持ちのマシンガンみたいなやつをぶっ放してやっつけましょう。

マシンガン発砲時の注意点として、マシンガンを撃っても一瞬で倒せるわけではなく徐々に消えていく為、その残りカスみたいな部分に触れても死んでしまうという点です。

マシンガンの3つの欠点

  • すぐには倒せない!
  • 撃っている間は動けない!
  • 遠すぎると「射程外」で倒せない!

なのでまずは適度な距離であることを確認してからぶっ放すようにしましょう。

それとマシンガン攻撃は、酸素が多めに減るので無駄撃ちは避けるべし。

というか、ゴーストみたいな霊体にマシンガンのような物理攻撃が効くのでしょうか?

➡ 後日ふと調べると、これはマシンガンのような音はしますが、ブラスターと呼ばれるいわゆる光線銃(SF映画とかに出てくるやつ)とのことでした。

光線銃だとしてもやはり霊体だとすり抜ける気はしますけど…、ともあれ武器だけはスゲーもの持ってきてたんですね。

ちなみに撃たれたゴーストですが、すごく悲しそうな顔をして消えていきます。ナンマンダブ。

最弱伝説の一例

「身長分の高さから~…」は、もはやこの主人公を語る上で外せない説明文ですが、個人的にもっとシュールな死に様だと思うのが下り坂での前方ジャンプによる死亡です。

その死因は…

坂道の高低差によるものです。

そんなことあります?

これに関しては必ず死ぬわけではなく、ジャンプと着地の位置によっては死なないこともある特殊な事例であることからして、おそらくゲーム制作者もこれは狙ってやったわけではないのかと思われます。

とにかくなぜかジャンプしたい衝動に駆られる下り坂ですが、進む際はおとなしく歩くことをおすすめします。


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隠しアイテム

地下洞窟には見えるアイテムと、見えない「隠しアイテム」が存在します。

隠してあるぐらいなので、どれも有利なものばかり(?)です。

とある場所でジャンプすることで音と共に4つあるうちの一つがランダムで出現します。

  • 一定時間、得点が2倍になるアイテム
  • 一定時間、無敵になるアイテム
  • 一定時間、移動速度がアップするアイテム
  • 1UPアイテム

どれもアップな感じで有利なものに見えますが、問題は3つ目の「移動速度がアップするアイテム」です。

見た目はビンっぽい何かで、中身は赤い、おそらく液体が入ってるやつです。

取る(飲む)とプレイヤーの動作速度が高速化します。

シビアな操作が要求されるこのゲームでこの速度!

コントロール制御が難しすぎてよく死にます。

例えば、

  • 止まろうと思ったところ以上に進みすぎて、着地点を誤って落下死
  • 前方ジャンプ力もアップするので、飛びすぎによる高低差によって死亡
  • ロープからジャンプしたときに、天井に頭が当たって落ちて死亡

もはやハズレアイテムとしか思えないのですが、真のスペランケストはこのアイテムが大好物です。

このスピードで主人公を的確に操作する様には圧倒されますよ。

きゆこうは無難に「1UPアイテム」が一番嬉しいです。

地味でスミマセン。

それと、これを取った時のドキュンドキュンドキュン という効果音の重量感が心地良し。

ちなみに、無敵アイテムで無敵になっても、さすがに落下した場合は死にます

ダイヤモンド

大量のスコアが獲得できる得点アイテム「埋蔵ダイヤモンド」が存在しますが、壁の中に隠されているので通常は見えません。

このダイヤモンドは大体主人公と同じぐらいの大きさなので、プレイヤーが入れるぐらいのスペースがある壁を探せば見つけることができます。

めぼしい所を爆弾で爆破してみましょう。

天然のトラップ

主人公の行く手を阻むトラップとしては他にもこんなものがあります。

毒ガスA

地面が隆起した部分の先端から一定間隔で噴出してます。

噴出が途切れた瞬間にジャンプで飛び越えましょう。

思うに触れた瞬間に死ぬ演出的に、これは超高熱ガスなんじゃないかなとも思ったりします。

毒ガスB

トロッコ乗車エリアで遭遇するトラップの毒ガスAの天井版で、一定の間隔おきにもにゃもにゃとガスが噴出してます。

ガスとガスの間で一旦停止してガスの噴出が引いた所を見計らって進まないとならないというのが3か所ほど連なっており、また、ガスとガスの間のスペースが主人公一人分しかないので、瞬時に停止位置を調整するテクがちょっとだけ要ります。

なぜここだけトロッコ移動にしたのかわかりませんが、でもイカしてます。

落とし穴

下に大きな空洞があって、明らかに地面が薄くなっている部分は通過すると道が崩れ落ちます。

定番ですね。

ジャンプして回避しましょう。

グニャグニャ道

地面が波打っていて歩きづらい所があります。

ここはただ歩き辛いというだけで、この道を歩いただけで死ぬということはないですが、一部行動の制約を受けることになります。

それがマシンガンの使用不能です。

通過中にゴーストが出現したら一旦後ろへ逃げてグニャグニャ道から脱出しましょう。

ツタ

天井からぶら下がっているツタからツタへ飛び移りながら進む所ですが、かなり難しいです。

ツタから離れる直前にジャンプしないと落ちて死ぬ(方向キーとジャンプをほぼ同時に押さないとならない)という基本リスクに加え、このツタからツタの所は天井に頭を打ち付けてそのまま落下(ツタからジャンプすると着地点はジャンプしたところよりも上になる)というリスクまであります。

かなり短めのツタが連なってます。

ツタからジャンプすることについては、主人公の体の中心にツタがあることを確認してからジャンプすると失敗する確率は減るかと思いますが、この短いツタは結構ギリギリ下まで下がってからジャンプする必要があります。

下がりすぎてよく落ちて死にます。

個人的に1、2を争う苦手トラップです。

階段

階段がトラップなのか?と思われがちですが、2段目から落ちると死にます。

階段は下り坂前方ジャンプの次ぐらいにシュールな死に様かと。でもこれも下り坂同様たまに死なないこともあるという不安定トラップ(?)です。

このゲームでは階段ですら命取りとなることを肝に銘じておきましょう。

エンディングと周回

最深部到達

さて、念願の最深部には何が置かれているかといいますと、なんともカワイイ宝の山が置かれているのです。到達するとプレイヤーは大人げも無く飛び跳ねて喜びます。

そんな私も飛び跳ねて喜んだものです(ウソです)。

その後はファミコン特有の2週目の始まりです。周回を繰り返すと地面の色とか一部クリア方法が変わってきます。

周回要素

例えば2週目は次の階層に行く際に必要な「カギ」が非表示になっていたり、さらに3周目、4週目になるとカギがあった場所でジャンプしたり、フラッシュを焚かないとカギが取れないなどです。

フラッシュを焚かないとカギが取れないということは、フラッシュを温存しておかないと残機が残っていようが詰むということです。

ということは、コウモリのフン攻撃をフラッシュ無しで通過するというのは、ゲーム製作者としては「可能なアクション」として認知しているということの証です。

それとも、「どうせこんなゲームで周回を繰り返すヤツなんかいねーだろ!」と思って無茶な条件でも施したのか。気になるところです。

あとがき

あとがき1「赤ランプ」

ゲームを起動するとソフト本体についている赤いランプが点灯します。

たったこれだけのことですが、このソフトの印象が記憶の中にやたらと残り続けてます。赤ランプと共に。

実はこれはプレイヤーに、現在起動中ですよというお知らせの為に付けたものなんだとか。

ファミコンカセットは電源がついてようがいまいが、無理やり引っこ抜けますからね。

それでソフトが壊れるということはあまりなかったと思いますが、これが「ドラクエ3」とかだと確実に冒険の書が消えるので、ドラクエ3にこそつけるべきだったかも。

まぁちゃんとやってても冒険の書は消えましたけど…。

あとがき2「オープニングBGM」

このゲームは起動してもすぐにタイトル画面にならずに、暗ーいBGMとともに徐々にタイトル文字が現れるというちょっと怖いオープニング演出があります。

このBGMはめちゃくちゃ暗く、絶望感を漂わせるその旋律に個人的に軽くトラウマです。

なので、音楽が鳴り始める前にすぐにスタート押してました。

プレイ中のBGMはとっても軽快で、今となってはこのギャップがたまりません。

あとがき3「ファミコンのめり込み判定」

もし、友達とスペランカーの話になって「とりあえず2周はできる」と言えるようになる、または友達が言ってくるようなら、それだけでお互い大体のファミコンにどれだけのめり込んでいるかがわかります。

冒頭で触れましたが、スペランカーをクソゲー呼ばわりしている人は、多分ちょっとだけやってすぐに死んで「つまんねー!」と言ってやらなくなっている人かと思われます。

個人的にはこのゲームは理不尽そうに見えて、実はやればやるほどその面白さがわかってくる類の良ゲーなのです。

なので、クソゲーに見えても確実にクソゲーだとは判定できるまでは多少のガマンも必要なのかなと。

何回も挑戦したけど、やっぱりこれはクソゲーだ、となってもそのプレイ時間はムダではなく、今後人に話せる会話のネタにもなりますしね。

ちなみに「3周以上できる」と言ってくるような人は、多分ファミコンカセット30本以上持っている猛者です(私見です)


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