1996年5月 マイクロキャビン
ジャケットのルシオンを見て、購入を決めたゲーム。
タイトルを訳すと「剣と魔法」と、めちゃくちゃシンプル。
こういうのに限って歴史に名を残す名作になったりするんだよな!って思ってましたが、そうでもなかったです。
でも、ルシオンのおかげで個人的にはかなり思い入れのあるゲームです。
あらすじ
ピナコテイクの塔に住む大魔導士コッキンドール。
共に暮らす弟子で魔導士見習いの少女ルシオンがこの物語の主人公。
大事な用でしばらくの間外出することになったコッキンドールに留守番を頼まれたルシオンに、ある日、夜になると獣人化してしまう症状をコッキンドールに治してもらおうと一人の男が塔を訪れます。
彼の名はエルゴート。
コッキンドールが長期不在と聞き落胆したエルゴートだったが、ルシオンが水晶玉で治療方法を占ってあげることに。
留守番に飽きてきていたルシオンは、エルゴートの獣人化治療の旅に同行できるようにウソの占い結果を告げます。
自分を連れていくべし、と。
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ゲーム概要
序盤はエルゴートの獣人化治療の方法を探す旅ですが、その過程でこの世界を我が物としようしているデス・シャドウを倒す旅へと目的が変わっていきます。
目的の変化の原因は、すべて超楽観主義のルシオンの気まぐれです。
楽観主義かつ、それなりに正義の心を持っているルシオンは、行く先々で困っている人達の願いを安請け合するも見事解決。
その際、デス・シャドウ討伐に賛同し、またはルシオンたちの魅力に惹かれ、新たな仲間が加わっていくという寸法です。
その為、物語はかなり王道で自由度は全然ないですが、逆に考えると何も考えずにRPGを楽しめるとも言えます。
FFシリーズなどのようにあの武器を取り逃したとか、ボスより強い隠しボスがいるとか、あれもこれもしなきゃ、というのがないのでラクです。
では何が魅力かというと、ルシオンと仲間たちとのやりとりかと。
ボケ役のルシオンの楽観的発言がこのゲーム最大の売りで、一応よく言うセリフが「大丈夫、じょぶ☆」です。
この、特に根拠のない大丈夫発言によって仲間が、特にエルゴートが振り回される感じなのがオモシロいです。
あとの仲間は結構ルシオンに同調してます。
しかも、イベント時の音声はほとんどが音声付きで、ルシオン役が林原めぐみさんということもあり、めちゃくちゃ合ってます。
登場キャラクター
メインキャラクター
ルシオン
主人公の少女で職業は魔法使い。15歳。
魔法使いでありながらいかにも活発そうな衣装と、そこだけ魔法使いっぽい大きめの帽子が印象的です。
大きな帽子、カワイイです。
前述通り楽観的思考の持ち主で、何かあっても「大丈夫、じょぶ☆」発言をする以外にも、何か思いついた時に言う「にゃは☆」など、語尾に「☆」が付くことが多々あり、もはや楽観主義を通り越してちょっとおバカさんな感じが否めませんが、これがルシオンの魅力です。受け入れましょう。
また、あまりそんな感じのキャラではなさそうですが、冗談ぽくですが自分がオンナであることをちょっとだけ利用したりします。
ルシオンはどうみてもザ・少女なのであまり色っぽい感じではないですが、言うなればさわやかセクシーといった感じでしょうか。
肝心の魔法ですが、基本的に新たに訪れた町のイベントをクリアすると、町のどこかしらにいる人が魔法を3つずつ教えてくれるという流れで覚えていきます。
補助魔法的なのはあまりなく、攻撃魔法が多めです。
バトルに関しては、魔法使いということで体力と防御力は低いので、常に誰かの背後に配置してできるだけダメージは受けないようにしてあげましょう。
よく次の行動目的を忘れちゃうルシオン。
エルゴート
ルシオンがヒマつぶしの旅に出ることになるキッカケを作った人物。
礼儀正しいイケメン剣士で、ルシオンの仲間の中で最も常識人です。
彼の最大の特徴は、夜になるとオオカミ男になってしまう体質です。
ですが、その体質は望むべくしてなったものではなく、とある事件によって半ば強引にさせられてしまったものなのでした。
その事件というのが、オオカミ族による彼の村へ襲撃です。
村を壊滅させられたエルゴートですが、なぜか自分だけ生きており、しかも夜になると獣人化するようになっていたわけです。
ちなみに村の壊滅という事実は、実はエルゴートも知らない事情が絡んでますよ。
それと、顔はワイルドな感じのイケメンですが、喋るとワイルド感はゼロになります。
フィールドを歩いていると昼→夕方→夜と時間経過の概念があるので、夜になるとエルゴートはオオカミ男に変身します。
本人はイヤなんでしょうが、オオカミ男状態は人間状態よりも強いので、プレイヤーからするとウェルカムです。
特にダンジョン内では時間経過がないので、ダンジョンには夜を待って入るのが得策となります。
あと、彼の装備できる武器ですが、メインは剣ですが、他にもナギナタ系が装備できます。
このゲームでは武器によって攻撃範囲が変わるので、例えば、ナギナタ系だと自分の周囲1コマ分の敵をまとめて攻撃できるので、ザコ戦ではナギナタ系を装備させるとよいかと。
(バトル画面はちょっとタクティカルな感じで、少しの範囲ですがキャラを移動させつつ攻撃するタイプなのです。)
雰囲気では、エルゴートはルシオンのことをお子様のように見ており、あまり女性としては意識していないのかと思いきや、後述のミミナガに対して、とある出来事のご褒美としてほっペにチューをした際、心の声で「いいなぁ…」と言っており、意識してたんだ、とちょっと意外な感じの部分がありました。
ミミナガ
土中を住処とするモールベアと呼ばれる種族の族長の息子。
ウサギみたいな姿でカワイイですが、力は人間よりも強いです。
本来ならモールベア族内では、誇りある戦士になるのが子どもの憧れであるはずが、ミミナガは族長の息子でありながら臆病者として知られており、戦士になることを拒んでいます。
村の人々も、ミミナガは臆病者だから頼りにならないと口々に言ってる状態です。
そんなモールベア族は、現在オーガ族と交戦中です。
交戦中ですが、オーガ族がはるかに優勢な為、土の中で籠城中です。
オーガといっても土の中まで攻め入るのは不利らしく、現在戦闘は膠着状態なのです。
そこにやってきたルシオンとエルゴート。
事情を聴いたルシオンは、言葉巧みにミミナガを誘い、オーガ族の本拠地を案内させます。
戦うことはもとより、敵の本拠地への案内もビビっているミミナガですが、このルシオンのさわやかセクシー演出炸裂で、めちゃくちゃ顔を赤らめながら案内を引き受けます。
どうみてもウサギ姿のミミナガですが、人間の女性に対してそういう感情は抱くようです。
その後結局、オーガヘッド(オーガのボス)とのバトルにも参加してくれて、このバトルで戦士としての誇りが沸き上がり、以後仲間になります。
このことからミミナガは以降は常にルシオンの為に、またルシオンがそういうなら自分はそれに従う、と完全にルシオン派の人物となります。
エルゴートからすると、能天気なルシオンの無茶な考えを後押しする人物が増えることで、より厄介なことに巻き込まれやすいことになるわけですね。
それと、ルシオンはミミナガのことを「ミミナガちゃん」と呼びます。
ミミナガの武器は槌系です。おおきなハンマーです。
こう見えて、力自慢の種族なので武器も力任せの武器というわけです。
でも、そう見せかけておいてからの実は弓も装備可能です。
弓はルシオンも装備できますが、縦方向のマスすべてを貫通して攻撃できるので、威力は多少劣りますが、障害物があっても攻撃が滞ることなく、複数の敵に攻撃できるので、場合によっては弓は効率的な武器です。
ちなみに武器は戦闘中に変更可能です。
あと、ミミナガは固有の技として「アースクエイク」を使用可能です。
画面内のすべてにダメージを与えることができますが、それほど威力はなく、また障害物をすべて消してしまうので、状況によっては不利になる可能性も否めません。(障害物は盾としての利用効果がある為)
でも、アースクエイク使用時にランダムで発声される一つ「揺らしちゃうぞ~!」のセリフがカワイイのでたまに使います。
ちなみにミミナガの声優は、当時の人気声優の一人椎名へきるさんです。
カネヨン
二刀流使いのリザードマン。
リザードマンの町であるオーケンシールドのイベントクリア後に仲間になります。
こう見えてちゃんと喋れます。
カネヨンというのは個人名ではなく、リザードマンの言葉での「勇者」という意味だそうです。
敵幹部の放った怪物、カツオノエボシは樹を食いあらす害獣で、放っておくとオーケンシールドの樹が全部食べられてしまいます。(カツオノエボシは現実ではクラゲの一種ですが、ゲームでは巨大なダンゴ虫っぽい姿してます。)
そこでカツオノエボシ討伐に向かう町一番の勇者カネヨンですが、実はリザードマンにとってカツオノエボシは天敵。
この怪物のツノから噴射されるクサイ気体は、リザードマンの体をマヒさせてしまいます。
オーケンシールドの領主はそれでもカネヨンに頼らざるを得なかったわけですが、翌日になっても討伐から帰ってこないカネヨンがやはり心配で、ちょうどこの町に来ていたルシオン一行に助力を頼みます。
そして、向かった先で見た光景がカツオノエボシを前にして直立不動のカネヨンでした。
最初はなぜ戦ってないんだろうと思ってましたが、前述通り体がマヒしてたってわけですね。
いくら勇者だから討伐に行かなければならないといっても、これがわかってて行くのは勇気ではなく、蛮勇というものです。
そんなカネヨンですが、話し口調からしても、好戦的な江戸っ子的な感じのキャラで、蛮勇キャラではありますが、それだけ勇者の名に恥じない仲間思いな人物です。
武器は二刀流ということで剣オンリーです。
なので盾が装備できませんが、その分2本分の剣の攻撃力が発揮できるので、単体に対する攻撃力は仲間の中でカネヨンが一番です。
ボス戦でかなり役に立ってくれます。
おまけに、固有技である「ファイアブレス」を使うことができます。
威力はそれほどではないですが、前衛の横一列に対してダメージを与えることができます。
前衛の前に障害物があるとそっちに当たってしまったり、敵が横一列になっていることもそれほどないので、結局は普通に攻撃している方がメリットが大きいかと。
ビオメルダー
オープニングで登場した時、絶対敵だと思ったほど、見た目が怖くて敵っぽいキャラクターです。
ジャケットの右上の緑色の生物がそれです。
彼はカネヨンも認める戦闘民族であるトラメック族で、甲殻種族と呼ばれているように体が硬い殻で覆われています。
但し、この殻は人間の爪のように日々成長しており、定期的に削る必要があるわけですが、その削るための素材「削岩」が入手不可能になってしまい、ゴツゴツに成長した殻のせいで彼は動くことすらできなくなっています。
というのも、トラメック族はデス・シャドウへの服従を拒んだせいで、この削岩が取れる鉱山をデス・シャドウに占領されてしまい、取りに行けなくなったからというわけです。
これを解決すると、お礼にビオメルダーはルシオンの仲間になります。
ビオメルダーは仲間の中でも、頭一つ飛びぬけて大きく、またその見た目通り怪力です。
おそらくモールベアよりも力持ちでしょう。
彼には「投げる」という固有の技があり、戦闘画面内の障害物を投げて攻撃することができますが、その障害物が無くなると、今度は仲間を掴んで投げ飛ばします。
この技にデメリットはなく、投げる用にされた仲間がダメージを受けたりすることもないです。
なんなら仲間を投げた方が、障害物を投げるよりダメージが大きい気がします。
あと、彼はその殻が防具の役割を果たしているので、武器以外は一切装備不可です。
でもその殻の防御力は総じて高く、防具不要で仲間の中で最高の防御力を誇ります。
防具代がかからないので、節約にもなります。
また、武器は主にランスです。
ランス系は、縦2マス分の敵を貫通して攻撃可能です。
ちなみにビオメルダーのキャラ設定は、場数を踏んだベテラン老戦士のごとく、冷静沈着です。
カネヨンのように蛮勇行動は取らないでしょうが、戦闘民族だけあって、いざ戦闘に赴くにあたってはその意気込みが他の仲間に後れを取ることは一切ないです。
サブキャラクター
※以降のキャラ解説はネタバレ満載です。
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アーヤ
序盤の町ミラドールの領主の女性。若くて美人。
この街に入ると、警備の者によって有無を言わさずアーヤの元へ連行されますが、実はここで早速エルゴートがオオカミ男になったいきさつが判明します。
結論から言うと、エルゴートはアーヤによってオオカミ男にされたのですが、それによって命を落とさずに済んだのです。
そう、アーヤ達こそ、エルゴートの村を襲ったオオカミ族なのです。
いや、実際は村を襲ったのではなく、村が伝染病で滅びかけている事を知り、村人たちを救う為にこの村に来ていたというのが真実なのです。
アーヤが村に到着した時、伝染病はすでにほとんどの村人を死においやり、かすかに息があったエルゴートをアーヤに流れる獣人の血を分け与えることで獣人化させ、何とか命をつなぎ留めることができたというわけです。
エルゴートは隣村の人間に、村を滅ぼしたのはオオカミ族の仕業だと聞いており、でもそれは見間違いで、そんないきさつがあったなどというのはすぐに信じることなどできず、ではなぜアーヤはわざわざエルゴートの村を救ったのかという疑問が沸き上がります。
それが、アーヤはエルゴートに個人的に関心を持っていたからなのです。
”その昔エルゴートは、罠に掛かった狼を助けたことがあった。そして、傷ついたその体が癒えるまでずっと世話をしてあげた。”
その狼というのが、アーヤだったのです。
アーヤ曰く、狼は受けた恩は一生忘れないとのことで、要するに恩返しに…いや、これは…恋と言ってもいいんではないでしょうか!?
但し、オオカミ族は実際に人里を襲ったことがあるというのはどうやら過去の事実としてはあるようです。
それについては、人里への襲撃は自らの意思ではなく、デス・シャドウに人質に取られている子ども達をエサに、村を襲うように指示されたとのことです。
そこでルシオンはいいことを思いつきます。
「にゃは☆」
私たちが子どもたちを助けてあげるから、もう村を襲ったりしないで、ね?
ということで、一行は子ども救出へ向かうことになります。
ちなみに救出後も、エルゴートはまだ素直になれずオオカミ男にされるぐらいなら死んだほうがマシだった、と言います。
確かにオオカミ男なんかなりたくないですが、アーヤの気持ちも考えずに、自分を助けてくれた人の目の前でなんてことを…と思ったら、ルシオンがすかさず、
「命の恩人に向かってそんな言い方ないじゃない!」
と珍しく怒り心頭します。
負けじとエルゴートも、余計なお世話だ。と言い返しますが、
ルシオン
「なんですって!」
このあと、アーヤの必死の謝罪と命の恩人をどんな手段であったとしても生かしたかった旨を語り、何とかその場は一件落着に向かいます。
ルシオン
「にゃは☆これで一件落着ぅ☆」
ちなみに、アーヤは一応エルゴートを普通の人間に戻せるかのような感じのことを言ってますが、え、戻せるの?って思いました。
魔法構造遺跡物総合研究所の所長
名のあるサブキャラクターは実はあまり登場しない本作なので、前項のアーヤから、かなり終盤に登場するこの所長の紹介へ一気に飛びます。
このゲームの世界には様々な種族の人達が住んでいますが、そのどれに属しているのかよくわからないのがここの所長で、その顔は最強の古代魚ダンクルオステウスのようです。
魚人間なのでちょっと不気味ですが、しゃべると普通に親切なおじさんで、魚顔以外にも、会話の時に語尾に「~ダス」ってつけるのが特徴的です。
この所長に会う理由は、魔法障壁の破る方法を教えて貰うためです。
魔法障壁とは、デス・シャドウの城フィンデサイクル城を取り囲む結界のようなものです。
所長によれば、異次元世界にて2つのアイテムを手に入れることができれば魔法障壁を打ち破ることができると教えてくれます。
異次元世界とは、妖精の国のこと、そして、2つのアイテムとは「星の鏡」と「月の瞳」のこと。
そして、異次元世界に行くにはここから東にある遺跡「ホルカホン遺跡」から行くことができるとのこと。
ちなみになぜこの所長がここまで博識かというと、この研究所がある町「ビルカバンバ」はこの世界では学園都市として発達した町で、様々な文献や資料を保管し、研究が盛んな為です。
あと、この研究所の名前ですが、長すぎるので町の人には「魔総研」という略称で親しまれているようです。
妖精の女王
魔総研の所長から教えてもらった通りにホルカホン遺跡から異次元世界である妖精の国へと行くことができます。
ここはエルコラゾン城とエルドラド城という2つの城から成り立っている国で、最初に訪れることになるエルコラゾン城の城主が妖精の女王となってます。
女王に固有名はないですが、美人です。
落ち着いた話し方でまさに女王の貫録を感じますが、ルシオンによって少しそのペースを乱される様がここでのオモシロ部分です。
一行は事情を話し、アイテムを貸してもらう為に女王の試練を受けることになります。
女王の試練と言っても、ここから西の洞窟にいる女王に盾突く不届き者の成敗ということで、女王からすると、この一行の力を試すと同時に、厄介な仕事を片付けることができるという、とても利用されてる感のある内容です。
これをクリアすると星の鏡を貸してもらえます。
ちなみに星の鏡は国宝級の代物なんだそうです。
妖精の王
エルコラゾン城から南をグルっと迂回して東側にあるのがエルドラド城で、そこの主が妖精の王です。
女王は人間で言うと、大人の女性って感じの年の姿ですが、王はなぜか中年を通り越して、もはや老人の姿してます。
エルドラド城まではちょっと遠いですが、設置されている街道に沿って歩く限り、敵とのエンカウントは無いです。
街道が途切れている箇所はいくつもありますが。
月の瞳はこの王が管理してます。
星の鏡と同じく、月の瞳も国宝級の代物ゆえに、王と女王があえて別々に住むことで2つともまとめて悪者に奪われないよう厳重に管理しているんだとか。
ちなみにもちろん王と女王は夫婦ですが、この管理方法のおかげでもう何世紀も会っていないそうです。
女王の試練をクリアし、星の鏡を貸してもらったことを伝えると、王もそれに倣って試練をだしてきます。
今度はレッサードラゴンの討伐です。
この魔物がいる洞窟に行くには川の向こうへ渡る必要がありますが、川に橋はなく渡れません。
ということで、エルドラド城で飛んで行きます。
そう、この城はなんと空が飛べるのです。
サプラーイズ!
ルシオンが女王に、星の鏡を貸した後は管理のために城にいる必要がないから、王のもとへ行くことも可能だね、と言われ、ちょっと女王からオンナへと変わる場面がありますが、王についても、こんなものがあるおかげで女王に会えない、いつか捨ててやろうかと思っていたと冗談ぽく言うあたり、2人ともちゃんと相手を想っているのがうかがえます。
ちなみに、この2つのアイテムを揃えたら、ビルカバンバの魔総研所長の元へ戻ると、「どこまでもドア」なる、文字をパッと見ただけなら絶対「どこでもドア」と読んでしまうであろうドアを出現させ、魔法障壁の内側へと転送してくれます。
ともあれ、この所長はかなり有能です。
コッキンドール
高齢で白髪ロンゲを生やしたトカゲ顔をしたルシオンの魔法の師匠です。
最初にエルゴートが、ここが大魔導士コッキンドール様が住むピナコテイクの塔か、と言ってるあたり、コッキンドールはこの世界で名の知れた魔法使いであることがわかります。
また、デス・シャドウもその力を認めており、かつどうやら2人は過去に因縁を持っていることからしても、コッキンドールの実力はホンモノなのでしょう。
ルシオンに対して話しかけるやさしい口調からして、とてもおっとりした優しい人物であることがうかがえます。
さてそんなコッキンドールは、前述しましたが、ゲーム冒頭でルシオンに留守を任せ、しばらくの間外出しますが、登場するのは最後の最後です。
どこに行っているのかと言うと…
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「デス・シャドウの元」へ行ってます。(反転ちょっとネタバレ)
詳しくはわかりませんが、2人の間には昔から何らかの因縁らしきものがあるのかと思しき会話が聞けます。
デス・シャドウの幹部
デス・シャドウには3人の幹部がいますが、その存在感はかなり薄めです。
ブラック・ウォーリア
アーヤ達オオカミ族の子供をさらって、言いなりにさせていたのがコイツです。
倒すまではデス・シャドウの部下とは知らなくて、こやつの、デス・シャドウ様がフィンデサイクル城にいる限りうんたらかんたら…という発言で初めてルシオン達はデス・シャドウという悪の親玉の存在を知ります。
ルシオンが、じゃあ、デス・シャドウをやっつけよう!と言い出したのもこのタイミングです。
シャドウ・クイーン
3幹部の中では一番存在感があった人物です。
クイーンというだけあり、女性タイプです。
①ミミナガがオークションでシャドウ・クイーンに落札される!
アーヤとの会話の後、目的が打倒デス・シャドウに変わった一行がまず向かった先が「ウィルダネス」という町で、ここは奴隷売買が許されているというのが特徴の町です。
町に入る前にミミナガがおもむろに、ボクが一足先に町の様子を見てくるよ、と言って一人町に入っていきます。
しばらく経っても戻らないミミナガを心配した一行が町に足を踏み入れて見た光景は、なぜかオークションにかけられているミミナガ。
しかも、たったの100ゴールドで落札されます。
エルゴートは奴隷売買の町であることを知っているようでしたが、ルシオンは「ミミナガちゃんが100ゴールド?いったい何のこと?」と要領を得てない様子。
で、その落札者というのが、正体を隠したシャドウ・クイーンでした。
シャドウ・クイーンは実はこのモールベアが一族の族長の息子であることを知っていて落札してます。
というのも、モールベア族とオーガー族との戦争はデス・シャドウの知るところであり、デス・シャドウ寄りのオーガー族を勝利に導きたいシャドウ・クイーンは、このミミナガを人質としての利用を目論んでいるわけです。
ですが、ルシオンたちによってすでにこの戦争が終結し、モールベア族の勝利に終わっていますよね。
モールベアの息子の顔を見分けられるほどの観察力を持つシャドウ・クイーンですが、戦争がすでに終結しているという情報については把握していないのがルシオン達にとってはラッキーでした。
なぜなら、戦争が終結していることを知られた場合、ミミナガの利用価値は無くなり、どのように処分されるかは想像に難くないからです。
急いで助けねば!
幸い、シャドウ・クイーンはミミナガの管理を部下に任せるので、部下さえ倒せば救出は完了です。
もちろんその後、シャドウ・クイーンは怒ります。
これによってミミナガの仲間たち、つまりルシオンたちはシャドウ・クイーンから完全に敵対関係者として見做されることになります。
②自らは積極的に戦わない!
ミミナガを奪われて怒るシャドウ・クイーンですが、まだ自らは手を下しません。
ルシオン一行が次に向かった町「オーケンシールド」は反デス・シャドウ派のリザードマンの暮らす町、つまりカネヨンの故郷ですが、ここでルシオン一行とリザードマンを町ごと破壊することを企みます。
呼び寄せた怪物というのが、カネヨンの項目で出てきたカツオノエボシです。
③あくまで防衛戦に徹する!
カツオノエボシをけしかけた後、シャドウ・クイーンの向かった先は、自分の支配下にある町「クラーケンベルグ」です。
目的はハッキリとわかりませんが、シャドウ・クイーンは突然この町の唯一の船エッツナー号に立て籠もります。
町民が船が使えなくて生活に困っている旨のことを話しているので、いつも立て籠もっているわけではなさそうです。
デス・シャドウのいるフィンデサイクル城へ行くには、この町から出る船で次の「ポートアモン」の町へ行く必要があるので、ルシオンはシャドウ・クイーンを倒してあげるから、ポートアモンまで乗せてってよ、と頼みます。
このエッツナー号でようやくシャドウ・クイーンと直で戦うことになります。
カツオノエボシによって町を荒らされたカネヨンにとっては、このシャドウ・クイーンは目の敵ですね。
ダークメイジ
シャドウ・クイーン撃破から大分先に進んだ、物語も大詰めのところで登場する最後の幹部です。
こやつについては何の前情報もなく突然現れて戦うことになるという、手抜き感満載のボス敵です。
しいて言うなら、この敵がいる場所が魔法障壁の外から内側へ向かう時のテレポートストーンの前ということで、最後の砦の番人とでも言いましょうか。
砂走り
別名、「デザートランナー」。
魔法障壁内で最初に訪れる町「ブラス」。
この町とフィンデサイクル城との間にある町が「コールドドラッケ」となってますが、ブラスからコールドドラッケの間には広大な砂漠が広がっており、人の足では進むことができないエリアになってます。
そこで必要となるのが「砂走り」なる、砂漠に住む生き物で、戦って勝つことで手なずけることができます。
変なカオしてます。
ところで、魔法障壁内に普通に町があるのが不思議ですが、町の人もデス・シャドウを恐れてはいるものの、それなりに普通に生活しているようです。
また、ブラスのある島は砂漠地帯ですが、次に向かうコールドドラッケのある方の島は、その名が示すように凍土となってます。
寒暖の差が両極端な世界が特徴的です。
フローズンエンペラー
「コールドドラッケ」は一応人間の町ですが、デス・シャドウはここに敵対勢力が拠点として居座られると面倒だ、ということで到達時点では、町を魔物が占領しており、町人たちは地下に籠ってなんとか生き残っている状態です。
というわけで、ルシオン達はここを取り戻して、フィンデサイクル城攻略の拠点とすることにします。
ここを占領している敵のボスがフローズンエンペラーなる、氷を全身にまとったホネ姿なヤツです。
それなりに強く、セリフからしても普通にデス・シャドウを崇拝してるみたいなのに、こやつは「幹部」ではないのか?、と疑問に思ったり思わなかったり。
デス・シャドウ
ラスボスです。
前述しましたが、デス・シャドウの元へ辿り着くと、そこにはコッキンドールの姿が。
まさにバトルが拮抗した状態だったのかと思いますが、愛弟子ルシオンの出現という予期せぬ事態にコッキンドールは一瞬の隙をつかれ、デスバインディングなる拘束術で体の自由が奪われます。
このことから、大魔導士コッキンドールと互角の戦いを繰り広げるほどのデス・シャドウはホントに強いみたいです。
ちなみにデス・シャドウは「邪竜」と手を組んでおり、第2形態では大きなドラゴンの姿になります。
しかも名前も「ブラックウイング」に変わります。
こいつは結構ツヨい。
その他のエピソード
エルゴートの項目で言及したエピソード。
カネヨンの故郷「オーケンシールド」へ向かうために通る、「かめの穴」にて。
オーケンシールドから次のクラーケンベルグに行くには、オーケンシールドの大樹リレハンメルを登って越えた先にあるのですが、カツオノエボシ討伐で登った後、一回降りてカネヨンを仲間にして、再度登ることになります。
ミミナガがルシオンに、初めて呼び捨てにされるエピソードです。
あとがき
登場キャラクターだけを見てると、いかつめのファンタジー生物たちの中で、明らかに浮いてるかわいらしい少女の主人公というパーティ編成で、主人公の立場が弱そうな感じがしますが、やってみると全くの正反対だったというのが驚きでした。
ルシオンは魔法使いという立場なので身体的な力は弱いですが、その純粋な心と躊躇う事を知らない行動力は見てて爽快です。
また彼女の明るい性格と、ミミナガの天然、エルゴートのツッコミなどで暗さをほぼ感じさせないストーリー展開は次にどんなオモシロいやりとりを見せてくれるかな、と次の町へ辿り着いた時の楽しみがより一層増えます。
敵からあまり逃げずに普通に進めていれば、それほどレベルアップにいそしむ必要もない程度にレベルは上がりますし、ボス達もそれほど強くはないです。
どちらかというと、後半のザコの方が体力が高くて、ちょっとめんどうなぐらい。
ストーリーは主に人助け行脚でわかりやすいですし、マップやダンジョンもそれほど複雑なことはなく、ゲームクリアまでにかかる時間も他のRPGに比べると大分短め、ということで個人的には気楽にできるRPGかと。
FFシリーズのようなものを求める人には絶対物足りないと思いますが、ルシオンに興味が持てればクリアまでプレイする価値はあります。
私の場合、ジャケットのルシオンを見て買いましたが、クリア後はよりルシオンが好きになってました。
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