1993年7月 美少女雀士スーチーパイ(スーパーファミコン) ジャレコ
1995年2月 アイドル雀士スーチーパイ Special(セガサターン) ジャレコ
概要
「美少女」が登場する麻雀ゲームの中でも色々頑張ってるゲーム、スーチーパイシリーズ。
ヒロイン、御崎恭子が変身するスーチーパイコスチュームの斬新さに心を射抜かれたのはいい思い出ですが、このゲームを作ったのがあのジャレコと知った時はとても驚きました。
「えっ?忍者じゃじゃ丸くんとか作ってたメーカーでしょ?」
という具合。
さらに今やシリーズも結構出ており、ゲーム内容も例のルールなので、てっきりアーケード始まりかと思っていたら、元祖はなんとスーファミだそうで。
というわけで、今回はそのアーケード版(=セガサターン版)とついでにスーファミの方について、書きなぐってみようと思います。
セガサターン「アイドル雀士スーチーパイ Special」
スーファミ版はまだスーチーパイの世界観が確立されておらず、アーケード版が「スーチーパイ1」とすると、スーファミ版は「スーチーパイ0」みたいな感じです。
そしてセガサターン版がBGMや音声付きのセリフなどの追加で「スーチーパイ1.5」ぐらいでしょうか。
というわけで、とりあえず基礎となるセガサターン版から。
ゲームの進行
会話シーン
ストーリーというようなものはなく、最初に選択したキャラが街を徘徊し、出会ったキャラと会話 ➡ 無理矢理な理由で麻雀対戦、という流れです。
会話内容はどうでもいいようなものが多いですが、起用されている声優さんが有名な方ばかりなので、演技力はハズレ無しです。
声優好きにはたまらないと思います。
対戦シーン
選んだキャラはそれぞれ得意技があり、配牌された時点で得意技に近い状態になっているので、基本はそれを狙っていくのが効率的かと。
でも得意技に沿って牌がツモれるというわけではないようです(流れる事が多い気がする)。
また、実はスーチーパイは自キャラとして選択することはできませんが、補助キャラとしてイカサマアイテムの効果が発揮される際に登場し、色んなセリフを発してくれます。
カワイイです。
イカサマアイテムはプレイヤーが上がった際の点数によって、ボーナスゲーム(アイテム獲得コーナー)である「パネルマッチ」(神経衰弱)でゲットすることができます。
個人的にはこちらのフリコミを無効にしてくれる(フリこんだ牌を粉々にする!)、『ハイパーせっかん』が好きです。
あと、パネルマッチの時の「ハイパーせっかん」というセリフの音声が好きです。
パネルマッチ
パネルマッチは主にイカサマアイテムのゲットがメインですが、「ポイント」を稼ぐのが結構大事なのであります。
ポイントを稼いでレベルが上がると、得意技が配牌に積み込まれる質が良くなりますし、何よりも裏ボス(後述)との対戦資格を得る為にはポイントをMAXにする必要があるからです。
そこで問題となるのが、「パネルクリアー」となるパネルです。
パネルクリアーを揃えてしまうと、まだめくってないアイテムを取り損ねる上に、ポイントもしかりなのです。
揃えてめくりつつも、パネルクリアーは揃えないようにしましょう。
ちなみにパネルマッチの際、めくられたパネルは無くなって背景が見えるのですが、その背景に対戦勝利後の相手の姿がチラチラと見えているのが、はっきり見えているのよりも逆にドキドキしたりしなかったり。
登場キャラクター
御崎恭子 (みさき きょうこ) / スーチーパイ [声:かないみか]
このゲームの主人公で、ゲームセンターYou&Me神用賀店のアルバイト。
「スーチー変身システム」を使用することで、アイドル雀士『スーチーパイ』へと変身できる。
ゲーム内では変身する理由とか、どういったものなのかの説明が無いですが、スーファミ版によると、父親が作った正義の為の変身システムだそうです。
「正義のヒロイン」を自称し、多分スーチーパイになることでアイテムが使えるようになり、麻雀対戦にて有利に悪者をやっつけるのを趣旨としているものと思われますが、そのアイテムが要するにイカサマアイテムなので、果たしてこれが正義と呼べるのかギモンではあります。
でも、カッコイイしカワイイので正義でいいと思います。
ところで前述した「裏ボス」ですが、スーチーパイがそうです。
パネルマッチでポイントをMAXにしたら、通常ボスを倒した後にスペシャルマッチとしてスーチーパイが対戦を挑んできます。
彼女を倒して初めて真のエンディングを見る事ができるのであります。
ちなみに裏ボスだけあってスーチーパイはかなり強めなので、アイテムを駆使して倒してあげましょう。
また、主人公ではありますが、使用することができないのがちょっと残念ではあります。
使用可能キャラ
片桐志穂 (かたぎり しほ) [声:矢島晶子]
おとなしく世間知らずのお嬢様。
彼女が街を徘徊するのは、家で飼ってる馬のテンちゃんの元気がないので、元気になる薬を探しに来たというものです。
しかし、餡子(アンコ)入りのパイを、(魚の)アンコウ入りのパイと勘違いしたり、すぐそこの病院なら知ってると言いながら別の場所に着いたりと、何かがズレている部分が影響してか、気が付いたら麻雀対戦を持ちかけられることになります。
基本的に他のキャラは麻雀をしたくて街をうろついている部分がありますが、シホさんについては麻雀はできるが、自身から対戦を持ちかけることは無いのが特徴です。
ちなみに私きゆこうは世間知らずなキャラが結構好きです。
あと、シホさんの声優はクレヨンしんちゃんの声で有名ですね。
西野絵利佳 (にしの えりか) [声:平松晶子]
婦警さんの恰好をしているボブカットの元気っこ。
実はこの姿はコスプレで、しかも警察官が好きでコスプレしているのではなく、メインは銃、ガンマニアなのです。
特にその手に持っている拳銃であるベレッタM84が大好物のようです。
日々事件を求めて街を徘徊しているらしく、敵対心を持った言葉を言われるとそのモデルガンを構えて「射殺するわよ!」とか「脳みそぶちまけるわよ!」などの過激なことを言って相手を脅かし、相手がひるんだところで「じゃあ、麻雀で勝負よ!」となります。
ちなみにただのマニアかと思いきや、最終的(エンディング)には本物の警察官になります。
しかもアメリカンポリス(!!)です。
河本小百合 (かわもと さゆり) [声:西原久美子]
「うさぎハウス」に勤めるバニーガールちゃん。
すでにその姿が対戦後のご褒美画像と言ってもいいような状態なのが最大の特徴。
彼女は大食漢という設定だが、特にそれを強調した演出はあまりなく、どちらかというと、自分はほんとのうさぎであると思い込もうとしている節があるという部分をメインに街をウロつきます。
当然の事ながらこんな恰好なので、いたるところでそこを指摘されます。
ちなみにバニーガールの恰好から、バニーガール以外の恰好になるというのも、案外ありなんだなと思いました。
あと、このキャラは特に声のインパクトが大きくて、喋ってるだけでなんかオモシロイです。
水野佑紀 (みずの ゆき) / スーチーユキ [声:高橋美紀]
発育不良気味の高校2年生。妄想癖あり。
ちょっとナマイキなところがあり、自分が全キャラ(使用可能キャラ)中最も最年少ということもあり、度々他のキャラに対して遠慮無しに「おばさん」と言う失礼さを持ってます。
一番年上でも25才ですよ。
クリアすると、愛と正義の体操服美少女雀士スーチーユキになりますが、これについては変身するのではなく、単に着替えているだけです。
天野麻衣 (あまの まい)[声:吉田小南美]
アニメとかでよくあるウェイトレス姿のファミレス店員さん。
麻雀の対戦を挑む時は結構アグレッシブな感じですが、普段は標準的な感じのあまりクセがないキャラ。
将来の夢が自分のパイの店を持つことですが、街をウロつけば麻雀の対戦ばかり挑んでいる自分がいることに悩みを持っています。
ちなみに後述する安西早智子(声 : 折笠愛)とは友達で、そういう悩みがあるということを口にすると、「麻雀でも何でも、何かに打ち込んでる時は人間成長してるもんさ。特に今のお前にゃ全てが勉強さ。」との事。
なんか大した事は言ってないですが、折笠愛さんの声でそう言われると、なんか安心します。
南條理恵 (なんじょう りえ)[声:深見梨加]
コケティッシュな感じのメガネOLお姉さま。
その全てを包む様なおおらかな感じにより、出会うキャラすべてが彼女の虜になります。
その為、自分の敗北すら難なく認めてしまうので、プレイヤーとしては対戦勝利後の優越感はあまり感じられないのであります。
佐々木留美 (ささき るみ)[声:富永みーな]
看護婦(今は看護師と言わなければならないのか?)姿のメガネっこ。
でもほんとはただの看護婦コスプレです。
なのに、病院の子供と看護婦として接触してるみたいですが何か問題はないのでしょうか。
それはともかく、街をウロつく時もこの姿のままで、バニーのさゆりさん同様そこをちょくちょく指摘されます。
また、婦警コスプレのエリカさん同様、クリア後はほんとの看護婦になりますが、その描写はどちらかというと看護婦というかもはやドクターです。
何より、最も気になるのが、声がカツオくんであるところです。
使用不可能なキャラ
最初の橘麗華以外は、会話シーンでのみ登場します。
橘麗華 (たちばな れいか)[声:松本梨花]
通常のラスボス的存在で、一応この世界では最強の雀士として知られている。拠点は中華街。
強者のオーラをまといつつ、チャイナドレスで横たわるその姿はなかなかのセクシーさです。
あまり無駄な会話はせず、とっとと麻雀勝負が始めてしまうので性格はあまりわかりませんが、勝利後はあっさり敗北を認めるあたり、なかなか潔い性格ではあるかと。
スーチーパイほどではないですが、ラスボスだけあってかなり強いので、こちらもイカサナを駆使して倒しましょう。
声優はポケモンの主人公とか主題歌で有名ですね。
安西早智子 [声:折笠愛]
メガネOL理恵の先輩で男前な女性。23歳。
くわえタバコと開いた胸元がカッコイイ。あと声も。
OLのリエ、ウェイトレスのマイと仲が良い。
西原恵子 [声:高田由美]
美人で誠実そうなカフェのウェイトレス。21歳。
バニーのサユリとは幼馴染で、おかしな言動が多いサユリが恵子に対してはまともな会話しているのが不思議な感じです。
またファミレスのウェイトレスのマイとも友人で、カフェの常連である高校生ユキを対戦相手として紹介してあげてます。
ちなみに彼女自身は麻雀のルールも知らないそうです。
片桐美穂 [声:高田由美]
苗字が同じということで、お嬢様キャラのシホさんの妹。17歳。
活発な性格で、見た目はボーイッシュ、家では一応おとなしいフリをしいているが、外での雑な言葉遣いと、姉とは全てが正反対の妹です。
桜井美優里 [声:こおろぎさとみ]
街の病院に入院しているピュアな心の持ち主の少女。8歳。
ペンギンのぬいぐるみを抱えているのは子供らしいが、片方の腕をグラビアタレントばりに挙げているのがどうも気になります。
彼女のピュアな心は、来るものを浄化し、ちょっと小生意気な高校生ユキですら幸せな気持ちにさせられます。
北山満里奈 [声:水谷優子]
やたらとリングの装飾品が目立つボディコンちゃん。20歳。
バニーのサユリ、ウェイトレスのマイ、OLのリエとは友人。
声優の水谷優子さんは、近年ではちびまる子ちゃんのお姉ちゃん役で有名でしたが、51歳という若さで亡くなられました。
木田亜由美 [声:高乃麗]
なかなか迫力のある顔つきをしたセーラー服姿のヤンキー高校生。18歳。
ビジュアル系ロックバンドにいそうなショートカットがカッコイイです。
一人称は「オレ」。
楠本由加理 [声:高乃麗]
和服に身を包みしおしとやかな女性。25歳。
背景からすると、スナックとかの女将さん?
看護婦コスのルミとは仲がいいみたいです。
ハード別のスーチーパイ
セガサターン版のスーチーパイは「Special」が付いてますが、これの翌月である1995年3月のプレステに全年齢対象仕様で移植されたものは、Specialの代わりに「Limited」が付けられています。
また、さらに半年後の6月には再度サターンにて、今度はLimitedの代わりに「Remix」が付されて発売されます。
これら3種の違いとしては、以下の状態変化となってます。
- SS版「Special」 ➡ アーケード版のご褒美画像はそのままに、しかしあるべきもののみを消去するという不自然な仕様を採用。
- PS版「Limited」 ➡ インナー描写すらも不可なので、水着に書き換えたものがご褒美画像となる。ポーズが違うものもある。
- SS版「Remix」 ➡ 「Special」版の消去されたものを復活させた。つまり完全版。但し規制は最高レベル。
あるべきものをそのまま消すというのは、それだけでかようにも不自然極まりない見え方になるということがわかります。
制限があるならば、むしろそれに代わるものを上手く使ったPS版の方がはるかに自然かと。
健康的ですしね。
「Remix」はそのままですけど、個人的にはモロよりチラリの方が良かったり良くなかったり。
スーパーファミコン「美少女雀士スーチーパイ」
「スーチーパイシリーズ」ゲームの世界観やキャラクター設定は、セガサターン版が基礎で、スーファミ版は試作品のような感じです。
スーファミ版は現在認知されているキャラの性格が全然違ってます。
さらに「ストーリーモード」にある東京・横浜・大阪編の3つも、登場キャラは同じですが、ストーリーはそれぞれ独立しており、ストーリーごとにキャラの性格と役割が違います。
「東京編」あらすじ
御崎恭子の父が誘拐された!
犯人はみずぎ軍団「ばっぷシスターズ」。
やつらはイカサマ麻雀で東京を悪の独裁都市にしようとしている。
父を誘拐した目的はおそらく「スーチー変身システム」。
「こうしちゃいられない!一刻も早くやつらをとっちめてパパを助け出さなくっちゃ!」
ポイント
登場キャラはサターン版の登場キャラ達です。
対戦相手はばっぷシスターズ、もしくはやつらに雇われた者という設定。
注目すべき部分は、最後のスッチーパイなる、スーチーパイの黒色版。
恭子の父に無理矢理作らせたシステムでスーチーパイソックリに変身したとのこと。
ゲームでよくある主人公の黒色版がラスボスというオチです。
「横浜編」あらすじ
街の博物館からエジプトの秘宝「おうごんのツカンかめん」が盗まれた!
犯人は横浜を中心に盗みを重ねる女泥棒「ドボンチョ」。
早く「ツカンかめん」を見つけてあげないと、博物館の館長さんがカワイソウ。
「よーし!私の力で『ツカンかめん』を取り戻してみせるわ!」
ポイント
対戦相手とは、ドボンチョの情報が欲しければ麻雀で勝負よ!という流れです。
ここはちょっとだけミステリー要素がはいってますが、もうネタバレしてしまうと、実は「対戦相手の7人全部が実はドボンチョ」というオチです。(一応反転しておきます。)
「大阪編」あらすじ
恭子の友達のミホが行方不明に!
犯人は秘密結社「ぶっとびギャルズ」。
やつらは大阪で女の子たちを誘拐しまくっているという噂がある。
「はやくやつらをとっちめて、女の子たちを助け出さなくっちゃ!」
ポイント
ぶっとびギャルズのボスは麗華です。
麗華との対戦後、彼女が語る女子達をさらった目的とは?
…
…
彼女たちを自家製の機械で麻雀ゲームギャルにする為です。
そのゲームの名は「スーチーパイの着せ替え麻雀」。
実は麗華は麻雀ゲームの世界の住人で、ゲームの世界での麻雀三昧に飽きてしまい、ゲームの世界を飛び出してきたとの事。
しかしその後、麗華のいたゲーセンは、麗華たちがいなくなったことによってお店が傾いてきてしまった。
そこで思いついたのが、
「自分たちの代わりになる麻雀ゲームギャルを探してくればお店も持ち直すかと思って…。」
でも自分達が間違っていたと気付きます。
自分達は麻雀ゲームギャル、自分たちの代わりは自分達しかいないと、スーチーパイと対戦してそのことに気付きます。
スーチーパイ
「麗華さん…。」
麗華
「さようならスーチーパイ、また私たちと遊んで頂戴ね。今度会う時は100円玉が必要になるけれど、あなたとはまた麻雀したいから…。」
そして、ミホを救出成功。
てな感じです。
さりげなく切ない話でした。
おまけ