1990年8月 PCエンジン ナムコ(開発:トーセ)
FC「ワルキューレの冒険 時の鍵伝説」の続編。
前作ではパッケージに描かれたワルキューレとはかけ離れた黒髪のドットキャラがプレイヤーでしたが、今作ではハードがPCエンジンということもあり、ちゃんとワルキューレになってます。
描画サイズが大きくなり見やすくなっただけでなく、表情も豊かでふわふわした感じがとてもかわいいです。
PCエンジンだからこそ出来る技なんでしょうが、それにしても出来過ぎです。
ファミコン版からの反動でしょうか。
一体ファミコン版のあのキャラは何だったのかと問い詰めたいですよ。
…とはいえ、あれはあれで問題無かったのも事実。
あぁ素晴らしきかな脳内補完。
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あらすじ
その昔、神が人間に与えた不思議な種。
これを黄金に輝く泉の水で育てるとどんな願いでも叶ったという。
これを人々は「黄金の種」と呼んだ。
人間が願ったのは「豊作」そして「平和」。
しかし悪の化身「カムーズ」がこの種を奪い、世界の支配を企む。
大地は荒れ、作物は育たず、平和が乱された人々。
人々の嘆きを聞いた天上界の大女神はワルキューレにカムーズ討伐の命を下す。
仕様
ジャンル
今作もアクションRPGですが、前作のRPG寄りから一転し、ほぼアクションです。
RPGっぽく経験値や体力・MPの最大値増加の要素がありますが、敵を倒したからと言って増えていくわけではないです。
- 経験値 ➡ スコアの代わりで、一定値に到達するとクレジットが増加する
- 体力・MPの最大値 ➡ ステージを進めると勝手に増えていく
ステージは途中で分かれ道になってる箇所があり、一部のアイテムや魔法を取り逃す可能性がありますが、到達地点は同じなので道に迷ったりするということは無いです。
取り逃した物によっては以降、多少不利になる可能性は無くも無いです。
武器
剣を振るとエネルギー波が飛んでいきますが、取得した武器によって色んなタイプの形に変化します。
取得武器は選択して使用するわけではなく取得した順番に自動で装備され(8個までストックできる)、武器の弾数が尽きると次の武器が自動で装備されるという寸法です。
なので、使いたい武器を任意で選択することはできないということです。
アクション
物理攻撃
連射が利きます。
剣を振る際のワルキューレの口の開いた顔がかわいいです。
魔法
攻撃ボタン長押しの魔法選択モードから魔法を選びます。
ジャンプ
ボタンを押す長さで飛距離が調節できますが、見下ろし型アクションなので特に前後の飛距離の感覚を掴むのは少し難しく、慣れが必要です。
手を広げてジャンプする姿がかわいいです。
普通に移動するより、ジャンプ移動の方が速いですよ。
水場
池ポチャには2種類あって、溺れる水場(ダメージを受けて陸に戻される)と歩ける水場がありますが、後者はワルキューレがバシャバシャと池を歩くのがなんか遊んでるみたいでかわいいです。
特定アイテム取得時
アイテムを掲げ、喜ぶワルキューレの姿が拝めますが、このワルキューレはあんまりかわいくないです。
ステージ見所と簡易攻略
ステージ1「サンドランド」
前作で唯一の味方だった「サンドラ」が登場しクイズに正解すると「分身の術」をくれます。
クイズ内容は「おいらの名前を憶えてる?」です。
逆にこちらが問いたい…オマエはそもそも何なんだ?
またアイテムショップが散在してますが、店員がなぜか「盗賊ズール」です。
前作では死んでも無くならないクリア必須アイテムすらも盗んでいくというタチの悪い敵キャラだったのが、今作ではなぜかワルキューレの味方です。
手をスリスリしてヤラしい目つきで店番してるので、なんだかウラがありそうな感じがしますが何もないです。安心してください。
というかその売り物…全部盗品じゃないの!?
BOSS:ツインギラス
双頭の怪獣といった感じの敵。
最初のボスだけあって、簡単に倒せますよ。
ステージ2「炎の大地」
ジャンプで飛び移る箇所が多く、特に移動足場に飛び移る時によく落下するステージです。
ジャンプ中にゴブリンの投げる槍に当たってよく撃墜されるので、向こう岸のゴブリンを倒してから飛んだ方がいいです。
また前作の中ボス「シーザス」は今作でも中ボスで、岩らしきものをポイポイと投げてくるあたり前作の雰囲気に似てますが、なぜか胴体が流砂の中にスッポリとはまってます。
BOSS:ボストレント
木の形をしたザコ「トレント」の巨大版。
3体存在しその内1体を倒せばクリアとなりますが、それぞれ特徴があります。
シーザスを倒した後の向かう方向
- 北のボストレント ➡ 移動足場を飛び移る回数が少なく、すぐに辿り着けるというメリット。茶色。
- 北東のボストレント ➡ 北よりは遠いが、得られるお金が一番多い。金色。
- 東のトレント ➡ 一番遠く、移動足場のジャンプテクを身に着けていないと落ちまくる。武器をドロップする。木にそぐわない水色。
得られるものと移動リスクを考慮すると北東の金色へ向かうのが無難かと。
ワラワラとミニトレントを発生させつつ、時折根っこで攻撃してくるので、武器がノーマルしか無いと手数に押されて結構苦戦します。
反対に武器がいくつかあるなら連射してるだけで倒せるので余裕です。
ステージ3「マグマの洞窟」
ここは所々分岐ルートや隠し部屋があり、進み方で多少難易度が変わります。
- 最初の分岐 ➡ 上に進み、溶岩を飛び越え、突き当りの壁の向こうに隠し部屋 ➡ 「永遠の剣」(基本ショット強化)
- 上の分岐点に戻り右へ ➡ 途中の広場の壁の向こうに隠し部屋 ➡ 「BIGの術」
BIGの術はかなり使える魔法なだけでなく、使用すると通常の3倍ぐらいの大きさのワルキューレを動かせるようになるのが魅力です。
効果が、ジャンプして着地した時の振動で画面全体を攻撃するというもので、巨大ワルキューレがドスドスとジャンプしまくって攻撃してる様はどこかシュールでかわいいです。
- BIGの術の所から右に進むとピンクサンドラ(体力回復) ➡ 上に進み突き当りの壁を壊し進む ➡ コアクマンを助けて「赤い土」を貰う ➡ 上の壁を壊し進み、左の扉へ進む ➡ 左の突き当りの壁に「青い土」
- 青い土を取る直前の上への通路を進み、突き当りの壁を壊すと隠し部屋で「紫の薬」(マグマに落ちてもダメージを食らわない)を貰えます。
紫の薬の取得条件が、赤と青の土を持っていることです。
ちなみに今作ではコアクマンはワルキューレの味方です。
BOSS:マグマドクサス
マグマでできたサソリ型の巨大な敵で、足場がマグマなので紫の薬を貰っていないとちょっと苦戦します。
ボスに対しては画面外でもダメージを与えることができるBIGの術が早速役立ちます。
また武器が誘導弾なら立ち位置をあまり気にせず攻撃できるので楽チンです。
紫の薬を貰い損ねて、武器もノーマルしか無い場合相当な苦戦を強いられますよ。
ステージ4「黄金の城跡」
木製の大きなスプーン上でジャンプするとワープ移動できるギミックがありますが、単にワープするとショートカットして進めるというだけなので特に迷ったりするということは無いです。
後戻り不可な場所としては、途中にある城への3つの入り口は最初に真ん中の入り口に入り「竜巻の術」を貰っておいた方が今後が有利です。
また、ボス直前の地下牢への扉の中で「ランダ」から「魔法のコショウ」を貰っておくと後で有利です。
BOSS:エレキマン王
どうにも名前のゴロが悪い、土偶のような顔をした敵で、名前のごとく攻撃方法は電撃系です。
手から電撃を飛ばす、または床を伝った電撃攻撃で、後者は回避場所の見極めがなかなか難しいです。
とはいえ、これまでの例に違わずノーマル武器でなければそれほど苦戦はしないかと。
またBIGの術も有効です。
ステージ5「氷の洞窟」
スタート地点から少し進んだ所にいる「ナゾナゾ名人」に魔法の使用できない体にされますが、ボス直前で再登場しクイズを出してくるので正解すると元に戻してくれます。
正解は「青色」です。
初っ端にある分岐は、
- 「左」➡正規ルート
- 「右」➡ただの遠回り
- 「真ん中」➡ショップ有り。但し高額なのであえて行く必要は無い。
次の扉は、
- 「左」➡正規ルートで近道。
- 「右」➡最初の分岐の「右」ルートからの合流点。
次は「右」に進んで宝箱を回収してから、「上」に進んでボス戦です。
BOSS:スノーバード
コアクマンの助言に従って、高台から竜巻の術を使うと有利に攻撃できます。
敵は飛んでいるので地上で使っても攻撃が当たりません。
でもなぜかBIGの術は有効です。
ちなみに、敵の吐き出す謎の物体を壊すと「魔法の素」(MP回復)が出現するので、MP切れの心配は皆無です。
ステージ6「最果ての村」
ここではいきなり紫の鬼に基本能力を弱体化されてしまいますが、少し進んだところの泉につかることで元に戻れます。
この泉の手前の分岐点では「左」に進んで、最強の鎧作成の為の「鎧のカケラ」をまず手に入れておきましょう。
最終地点の家に入ると、ランダから貰った「魔法のコショウ」と引き換えに「カメレオンの術」を習得できます。
BOSS:スフィンモス
このボスは敵ではなくワルキューレの勇者としての資質を試す者といった存在で、直接は戦うわけではなく、2種類の試練のどちらかを受けさせられます。
- 体力の試練 ➡ 編隊を組んで飛んでくる敵を撃ち落とす
- 知力の試練 ➡ スライドパズルで絵柄を揃える
完全クリアは必要ではなく、ある程度こなせればクリアとなるようです。
ちなみに「試練を受けない」を選択するとステージの最初に戻されます。
ラストステージ「地球内部」
草原エリアにワラワラとザコオールスターズが出現するステージで、進める所まで進んでいけばラスボス「カムーズ」まで到達できます。
敵を倒すとちょくちょく魔力の素(MP回復)をドロップするので、それなりに魔法使えます。
カムーズの所へ到着すると、まずブラックワルキューレとのバトルになります。
BOSS:ブラックワルキューレ
足場の悪い宇宙空間のような場所でのバトル。
ワルキューレの周りをゆっくり旋回しながら時折弾を放ってきますが、ヘタに移動して攻撃を避けるより、ダメージ覚悟でその場で向きだけ変えて攻撃している方が倒しやすいと思います。
BOSS:カムーズ
ラスボスとは思えないオモシロ顔してます。
ワルキューレを追いかけつつ、炎を飛ばしたり、腕をビヨーンと伸ばして攻撃してきますが、ノーマル武器以外なら簡単に倒せます。
BOSS:真カムーズ
ここからがラスボス戦本番で、3WAYの炎や2WAYの電撃、そして基本的には先ほど同様にワルキューレを追いかけながらの腕ビヨーン攻撃を絶え間なくやってきます。
ノーマル武器だとかなり厳しいですが、ノーマルでなくてもさすがラスボスだけあってまあまあ難しいです。
それとこっちのデザインは、それなりにラスボス感あります。
エンディング
ステージの合間には字幕と一枚絵でおとぎ話風にストーリーが展開されてきましたが、最後はよくある感じの「また新たな冒険が始まる!」で締め括りです。
ゲーム中に一切喋ることの無いワルキューレですが、エンディングで唯一の意思表示をする演出があるのが興味深いです。
カムーズから取り戻した黄金の種を改めて黄金の泉に落とす際に、
「これで地球がよみがえります様に…」
と口に出して言ったのか、心の中で思っただけなのか。
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