1989年6月 日本テレネット(レーザーソフト)
あらすじ
夢幻王ログレス(前作のラスボス)の死によって、暗黒界(ヴェカンティ)はログレス派と反ログレス派による戦乱の世となる。
この戦乱に乗じ、新たにヴェカンティの支配を目論む者が現れる。
その者の名は幻夢皇帝メガス。
何者かに封印されていたメガスだったが、反ログレス派によって解放され、その強大な力であっという間にログレス派を劣勢に追いこんだ。
さらにメガスはヴェカンティだけでなく、夢幻界(ヴァニティ)をも我が物とすべく侵攻を開始。
優子は、麗子(の霊体)によって女王ヴァリアの危機を知らされ、再びヴァニティへ向かったが時既に遅しであった。
前作ではファンタズム・ジュエリーで次元世界をコントロールだとか、ややこしい感じの世界観設定でしたが、今回はその辺はとりあえず置いといて、暗黒界「ヴェカンティ」を手中に収めたメガスが、夢幻界「ヴァニティ」までも支配しようとしたのを、人間界「リアリティ」のヴァリスの戦士、優子が救助に向かうというシンプルなあらすじです。
システム
オブジェクトを壊したり、一定の場所に設置されている武器アイコンを取ると、ヴァリスの剣から発射されるエネルギー体の形状が変わり、強化アイコンを取ることで強さも3段階までアップできます。
また、おまけ程度ですが、いくつかの魔法も用意されてます。
大幅な改善点として、初代のやたらと厄介だった迷路システムは排除され、オーソドックスな横スクロールアクションになっているのが何よりも評価されるところかと。
そして、PCエンジンということで、ステージの合間に音声付きの良質なビジュアルシーンが挿入されているので、感情移入もしやすくて良いです。
ステージ概要
全6ステージで、戦う相手がステージ1~2はログレス派の残党、それ以降はメガス軍となってます。
ステージ1 人間界
ログレス派残党の将軍「赤闘竜のザルーガ」がヴァリスの剣を奪いに人間界へやってきます。
彼は、メガスに対抗するには、優子の持つヴァリスの剣を手に入れるしかないと考えたわけです。
普通に考えたら、ログレスを倒した優子の持つ武器をログレスの部下ごときが奪えるとは思えませんが、まぁ彼らも必死だったのでしょう。
ザルーガを倒すとおもむろに麗子の霊体が現れ、状況をまだ知らない優子にログレス亡き後のヴェカンティの様子を教えてくれます。
ここでのポイントはメガスの正体ですが、麗子によると彼は元々ヴェカンティの王位継承者だった男で、ログレスの兄だそうです。
ステージ2 ヴェカンティ
早速ヴェカンティへやってきた優子、ログレス派最後の将軍「黒豹竜のギラン」と戦います。
倒すとメガスが登場します。
ギランが死ぬと完全にログレス派は消滅となるので、一応顔を出したのでしょうか。
最後の慈悲なのか、ギランに対しメガス軍に入るか死ぬかを問いかけますが、ギランは答えずメガスに斬りかかるも、メガスに一刀の元に斬り捨てられます。
メガスが去った後、ヴァリアの女官ジューダが現れ、メガス軍に攻撃を受けているヴァニティ城へと救援を急かされます。
メガス役の声優の人は今でもよく聞く声で演技がうまいですが、ギラン役の演技は微妙です。ステージ1のザルーガもしかり。
ステージ3 ヴァニティ城
ここからはメガス軍との戦いになり、将軍「青犀のガイアス」と戦います。青色の巨漢で、喋り方が変なヤツです。
ちなみに「犀」は「サイ」と読みます。動物のサイのことです。
撃破後ヴァリアの元へ向かうも、すでに息を引き取った後です。傍らにいるのはヴァリアの娘「ヴァルナ」。
ところで初代ヴァリスで、ヴァリアはファンタズムジュエリー自体になってた気がしますが、まぁ気にしないでおきましょう。
ここでのポイントは、ヴァリアの遺言によると彼女には実はもう一人の娘、ヴァルナに双子の姉がいたが、王位継承時の混乱を避けるために姉の方をリアリティに送り込んだとのことです。
その姉というのが、優子です。
前作で優子を自分の後継者にしようと躍起になっていたヴァリアですが、ヴァルナってのがいるんじゃん!と思ったり思わなかったり。
いや…双子とは言え、資質の有る無しってのがあるんでしょうね。そして、優子は全然普通の女子高生ではなかったってことです。
あと、ヴァルナさん、姉との初のご対面というのに一言も喋りません。
ステージ4 ヴェカンティ
ここのボスは、ひたすらクルクル回るドリルマン、「妖狛のハイゼン」です。
ちなみに「狛」は「ハク」と読みます。狛犬のことです。
ここからステージの難易度がグッと上がり、ボスよりもそこへたどり着くまでの方が難しくなってきます。
具体的には、炎をまとって走り回っているファイアーマンと、ジャンプスライム、強面スライム(全部勝手に命名)のトリプルアタックが厄介です。
ファイアーマンは倒すとしばらく地面に残り火を残していき、それに触れてもダメージになるので、とても邪魔です。
あと、ちょいちょい登場する怪獣みたいなやつ(結構頑丈)も加わったりするので、地味に難関です。
ハイゼンを倒すと、メガスとヴァリアの霊体との会話シーンがありますが、麗子の霊体といいヴァリアの霊体といい、死んで悲しんだのも束の間、すぐに霊体となって登場されるとなんだかなーってなります。
あと、優子はこのステージからなぜか新アーマーを装着しており「聖闘士星矢」のブロンズクロスみたいになりますが、ブロンズクロスしかり、相変わらずピンポイントしか防げなさそうなビキニアーマーなので安心してください。
ステージ5 ヴェカンティ
ここは異世界のくせに機械っぽい作りのステージになっていて、ギミックが多いです。
ボスは「紅蓮のトウ」というちょっとオネエなやつです。
倒すとメガスが登場し、劣勢のトウがメガスに助太刀を求めるも、メガスは動きません。
メガスは勝つことよりも、戦士としての誇りを優先させるタイプみたいです。
そして、ためらうことなくとどめを刺す優子。
メガスに助けてもらえず、優子に一切ためらわずにやられたトウ。
何となく一番かわいそうな感じです。
最終ステージ メガスの居城
ここは何かの生き物の体内を思わせる空洞を、一定速度で自動で進む移動足場に乗って、ちょっとしたシューティングゲームのように敵を倒していく感じで進みます。
自動スクロールに加え、足場から落ちたらミスになるので、武器の種類と強度が整っていないとかなりの苦戦を強いられるステージです。
ノックバックによる足場からの落下が痛いので、武器は敵の弾を打ち消せる上に貫通もしてくれるカッターが一番無難かと。
途中で、まるでオススメしているように他の武器アイテムが出現しますが、取らずにカッターのままにしておきましょう。
この難関を乗り越えるとついにメガスとの最終決戦ですが、弱いです。
適当に戦っても勝てるでしょう。
そもそもこのゲームのボス達は行動パターンが分からなくてもほぼ力技で倒せます。
たまにはいいと思いますよ、か弱きボスというのも。
ラスボス戦が終わると、瀕死のメガスとの会話で、今回の戦乱のいきさつについて語りだします。
- ヴェカンティの第一王位継承者として生まれ、しばらくしてログレスが生まれる。その後、何者かに暗殺されかけたメガスは、瀕死の状態から機械の体にすることで一命を取り留めた。
ということで、メガスは実は体の大半が機械なのです。
先程の機械ステージとか、機械化による延命処置とか。暗黒界というぐらいなら闇のパワーで復活!とかありそうなものですがね。
- 暗殺を企てた人物を調べ、その正体が判明するも、今度は次元のすき間に落とされ今回のヴェカンティの戦乱開始に至ります。暗殺の黒幕の名は「カイザー」。ヴェカンティの前支配者で、メガスとログレスの父です。
メガスは、倒された後にちょっといいヤツになるタイプの理性的なボスキャラで、自分と同じく、姉妹による王位継承の混乱を避ける為にリアリティに送られた優子のことを自分と同じ境遇を持つものとして多少の親近感を持っていたようです。
優子の場合は、ヴァリアの愛情によるものでしたけどね。
あとがき
初代は迷路のせいでストレスばっかり溜め気味でしたが、今回のように単純にアクションを楽しんでこそビキニアーマーが映えるというものです。
初代もこんな感じのアクションだったらなぁと思ってたら、今作の発売から数年後、PCエンジンで単純横スクロールアクションにリメイクされた初代が発売されることになるのでありました。
おまけ