1990年7月 ナムコ
ギリシャ神話の世界観漂う縦スクロールシューティングゲーム。
主人公の騎士アポロンは、デュポンにさらわれた恋人アルテミスを助けるべく、ペガサスに乗ってデュポンの神殿を目指すのであった。
というわけで、ステージの合間のデモシーンで画面いっぱいに表示される、拘束された王女の姿こそがこの「フェリオス」の神髄と言えましょう。
この頃のナムコさんはどうも腕を拘束するのがお好きなようで。
FC「ローリングサンダー」しかり。
ステージ概要
ステージ1「ディロスの悪魔」
BOSS:メデューサ
アルテミスは両手を拘束された上にさらに石にされているので、まずは石化を解いてあげる必要があるというわけで、ボスはギリシャ神話の有名怪物メデューサです。
メデューサは頭部だけで飛び回り、目から光線を発射して攻撃してきますが、シューティングゲームなのでもちろん石化はしませんよ。
討伐後のデモシーンでは、石化を解かれたアルテミスが音声付きでアポロンへ語り掛けてきますが、ノイズが多くて何て言ってるのか全然わかりません。
確認すると、デュポンの神殿で囚われているから助けに来て!という感じで、そう言われると何とか聞き取れます。
ちなみにこのステージの「ディロス」という地名は、ギリシャの東の海、エーゲ海にたくさんある島の一つである「デロス島」とも発音される実在する島の名称です。
この地で本来のギリシャ神話の神である「太陽神アポロン」と「月の女神アルテミス」の兄妹は産まれたのであります。
ステージ2「死の洞窟」
BOSS:グライアイ
「グライアイ」はギリシャ神話に登場する3姉妹の怪物で「老婆たち」を意味しています。
つまり、3姉妹まとめて一つのキャラとして「グライアイ」です。
ちなみにメデューサとは姉妹関係にあります。
ゲームでのグライアイは、老婆の顔×3個がフラフラと飛びながら主人公を追いかけつつ弾を撃ってきますが、この顔は倒しても倒しても無限に湧いてくるので、画面奥にある弱点であるクリスタルをメインに攻撃しましょう。
討伐後、デュポンのシルエットが現れ、自分へ対抗してくるアポロンへの怒りと共に炎を吐き出します。
その炎にまかれるアルテミス。
アルテミスの運命やいかに!?
急げ、シオンくん!
ステージ3「空の道」
BOSS:セイレーン
ファンタジーものでよく登場するセイレーンはギリシャ神話に登場する海の怪物で、上半身は人間の女性で下半身が鳥という姿をしています。
現在では下半身が魚という人魚のような姿も定番となってます。
美しい歌声に釣られて近づいてきた人間を食べるというなかなか残酷な怪物です。
このゲームでは完全に鳥の化け物の姿で、羽を飛ばして攻撃してきます。また、たまに口から炎を吐きます。
飛ばす羽は複数枚で、飛ばしてくるタイミングが結構早いので意外に避けにくい上に、時折ザコが画面端から現れて援護射撃してくるので想像以上に苦戦します。
討伐後、アルテミスがアポロンとの幸せだった日々を思い出すというデモシーン。
先程デュポンの炎にまかれましたが、全然無事でした。
ステージ4「炎の魔界」
BOSS:アンタイオス
アンタイオスはギリシャ神話に登場する巨人です。
好戦的で近くを通りかかる者には戦いを挑み、倒した後は戦利品や相手のドクロを神殿に飾るのが趣味。
ちょっとした弁慶です。
アンタイオスはその秘密がわからなければ無敵であり、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスでさえも苦戦を強いられます。
その秘密というのが大地からの力の享受です。
大地に足が触れている限り、アンタイオスは無限の力を発揮でき、倒されてもすぐに復活できます。
というのも、アンタイオスの母親は世界そのものとも言われる大地の女神ガイアであり、それが足元にあるからです。
その秘密に気付いたヘラクレスはどうしたかというと、アンタイオスを持ち上げた状態で絞め殺します。
なるほど。
そんなアンタイオスですが、このゲームでは全身に炎をまとった魔神と言った様相です。
画面外から自分の腕を飛ばして攻撃してくる上に、ダメージを与えるとそこから炎がこぼれるように飛んできます。
腕は撃ち落とすことができるので、こぼれる炎を避けつつ、腕を撃ち落としつつ、ヒットエンドランでダメージを与えていきましょう。
討伐後のデモシーン
思わせぶりにレンガで囲まれてます。
崩れました。
どうやらデュポンの炎で焼かれたのは服だけだったようです。
ステージ5「氷結されし亡霊」
BOSS:スキュラ
非常に美しい外見をしていたことにより、海神グラウコスと魔女キルケーとの三画関係のいざこざで怪物にされてしまった元人間の女性。
具体的には魔女キルケーの特殊な毒薬で下半身が6匹の犬にされるというもの。足は12本。
自身のそんな姿を悲観したスキュラは、穏やかな性格が一転し凶暴なものとなる。
人間だった頃、海の精霊ニュムペーと遊ぶのが好きだったこともあり、凶暴な性格となってからは海に潜み通りかかった船の乗組員を犬の数と同じ6人ずつ襲うようになります。
下半身が犬、しかも6匹って…ちょっと多いな!
でも、犬が好きで好きたまらないという人はたまらないでしょうね。
ちなみに現在スキュラというキャラとしては、犬の代わりにヘビだったり、タコの足だったり、もしくは犬とタコ足のハイブリッドだったりします。
FC「女神転生2」ではヘビでした。
そんなスキュラはゲームでは肝心の下半身は無く、顔だけで登場です。
犬いません。
画面奥にいる顔本体を中心に、さらに小さな顔たちが輪になってグルグル回りながら輪を広げては縮めるを繰り返して攻撃してきます。
小さな顔の方を1~2匹倒しておかないと攻撃を到底避けきれないので、戦いが始まって敵が見えたら至近距離からの溜め撃ちですぐに倒しておくのがポイントです。
討伐後のデモシーン
またレンガです。
崩れました。
今回はさらに崩れました。
ステージ6「地獄の番犬」
BOSS:ケルベロス
これはもはや説明不要なキャラでしょう。
3つの首を持った大きな犬です。
ですが、ゲームでは犬というより、虫です。
しかも、パターンが分かるとこれまでのボスよりも弱いです。
どちらかと言うと、ボスに辿り着くまでに登場した岩を投げてくるザコの方が強敵です。
討伐後のデモシーンで、アルテミスに光の剣「フェリオス」を手に入れて!と言われます。
タイトルの「フェリオス」って武器の名前だったんですね。
ステージ7「光の剣『フェリオス』」
BOSS:デュポン
デュポンよりも「テュポーン」の方が有名かと。
テュポーンはギリシャ神話に登場する怪物の中で最大最強を誇り、全知全能の神ゼウスに比肩する存在です。
まさにラスボスにふさわしいですな。
ちなみに母親はアンタイオスでも触れた大地母神ガイアで、父は「奈落」そのものとも言われる神タルタロスです。
このステージは宇宙空間のような場所に、所々ドットのオブジェクトが敷き詰められており、何かしらの腕がウヨウヨとやる気無く前後左右から漂ってくるちょっとまったりとしたステージです。
しかし、ここの本来の目的はアルテミスに言われたように「フェリオス」を手に入れることです。
その方法がフェリオスをアルファベットにした「PHELIOS」の文字を全部集めるというもので、黄色い玉のオブジェクトを壊すと文字が現れます。
全部集めるとフェリオスを手に入れたことになり、これまでとは比較にならない攻撃力の溜め撃ちができるようになり、ようやくデュポンに対抗できるようになったという寸法です。
デュポン戦で苦戦するのは第2攻撃態勢である、弾をバラまきながら自身の体を徐々にプレイヤーに押し付けるように迫ってくる段階で、溜め撃ちを途切れることなくタイミングよく放ち続け、かつ確実に命中させないと、グイグイ押されます。
特に後半は結構押してきます。
エンディング
再会したアルテミスの顔にようやく笑顔が戻ります。
その後、アルテミスの顔のアップ(瞬き有り)の状態が1分間、無言で表示され続けます。
ちなみにこの時ボタンを押すと「Be Patient. (我慢して。)」と表示されます。
謎演出です。
1分経過後、目を閉じるアルテミス。
次の映し出されたのは「Loving You」と書かれた便せんに添えられたキスマーク。
…謎すぎます。
せめて故郷ディロスの丘で2人で並んで立ってるシーンとかにしたらいいのに!と思った次第です。
ぼやけてたやつをシャープにしました。
早く助けないとあられもない姿になりそうなので急いでましたが、結局、結構あられもない姿になってしまいましたよ。
おまけ
後ろ姿。