1994年 TGL
エルちゃんの部屋にて
ヴァリアブル・ジオですよ!
バリバリバブルぜよ?
もうとっくにバブルは終わってますよ…。
ふっふーん…!シオンくんのバブルは終わってるかも知れないけど、私はバブル真っただ中なのよ!
シオンくんにだけ特別に見せてあげるわ!私のバブリーを!
じゃーん!
…
…
…
…
こ、これは!?
ふっふっふっ!これは私が管理人さんからもらった小遣いをコツコツと溜めてきた魂の結晶とも言うべきものよ!
いち、に、さん、し、ご…
どう?驚いた?
これだけあれば私の欲しいものは何でも手に入るって管理人さんが言ってたわ!そう!人間基準で言うと…クルマとか!
クルマですか…?
ご、5,683円…で?
そうよ!…ふふふっ、シオンくんったら驚きすぎて言葉も出ないって感じね。いざとなったら何でも手に入ると考えていいってことだわ!
エ、エルさんは人間のお金の価値のお勉強は進んでますか…?
まだよ!
必要なものは全部管理人さんが持ってきてくれるのよ。
だからお金の価値は後回しにしちゃってるのよねー。
でも、このバブリーの価値は大体合ってると思うわ!だって私、半分だけど女神だしね、それぐらいはわかるわ。
…。(こ、これは本当のことを教えてあげるべきなのか…?)
嬉しそうに話をしているエルさんにあえて、これしきのお金ではクルマどころか自転車も買えるかどうかということを…。
必要なものは管理人さんが調達してくれているようだし、真実を今すぐに教えるという必要は無いかもしれない。
いずれ自分で気づくかも知れないし、とりあえず今はこのままバブリー気分にさせてあげておいた方がいいのかな…。
しかし管理人さんってば、エルさんにぬか喜びさせかねないマネして、さらに僕にこんな迷いを生じさせるなんて…、いつか…
いつか焼き鳥にしてやるっ!!
…というのは冗談です。
なんせ、エルさんと出会えたのは誰あろう管理人さんのおかげですしね。
僕は管理人さんには頭が上がらないのです。
しょうがない…やはりエルさんには、
だまっておこう。
そんなことより今日はエルさんに「ヴァリアブル・ジオ」の話をしようと思ってたんだった。
普通の女性にはこのゲームの話は遠慮したいところですが、エルさんならゲームということで受け入れてもらえると見ています。
それでですね、このゲームは… あれ? エルさん?
シオンくーん。ポテチとサイダーでいいー?
あ、なんか用意してくれていたのか。
はい。どうぞー。
…!!
先読みされた!?
何が?
その服ですよ!それヴァリアブル・ジオの主人公「武内優香」の衣装でしょ!?
どこで手に入れたので!?
何となく…こういうのが欲しいってつぶやいたら管理人さんが調達してくれたわ。
(…やはりあの管理人さんには逆らわない方がいいな。いや、逆らう気とかホントは全然無いんですけどね。テヘッ)
それでは、話を聞こうじゃないかシオンくんよ。
そうですね、では、気を取り直して…このゲームは簡単に説明すると、アニメに出てくるようなファミレスのウェイトレスのコスチュームをした女の子達が戦う格ゲーです。
何言ってるのシオンくん?ウェイトレスは食べ物を運んできてくれる人よ!さっきの私のようにね。
ねぇ~、それも食べていい~?
どうぞ、どんどん食べていいですよ。
ありがとー!ポテチって美味しいわ!止まらないわ!
でも安心して!ちゃんとシオンくんの分は残しておくから!
いや、全部食べてもいいですよ。
やったー!
確かに、実際のウェイトレスは食べ物を持ってきてくれますが、このゲームで持ってくるのは勝利への執念のみです。
ふーん。で、なんでそんな格ゲーとの繋がりが全くもって想像できなさそうな職業の人たちが戦うの?
いや、ヘンタイさんではなく、これはウェイトレス限定のバトルトーナメントで、優勝者には莫大な賞金プラスアルファが貰えるという、例えば資金繰りにあえぐ弱小ファミレスにとってはまたとない経営立て直しのチャンスというわけなのです。
ふむふむ。つまりウェイトレスコスチュームで戦う女子たちという設定にする為に仕立て上げたストーリーというわけね。
さすがエルさん!理解が早い。
エッヘン!だてにシオンくんと長くつるんでないわよ!
こじつけ感溢れる設定ですが、PCエンジン版に搭載されているストーリーモードはビジュアルも凝ってますし、音声もあり、意外な方向へと向かう終盤のストーリー構成はなかなか頑張ってる感じはありますよ。
特に基本はおちゃらけストーリーですが、最後の意外な方向部分は突然シリアスになります。
途中で、忍者なのかウェイトレスなのかよくわからないハイブリッドなキャラも登場して、終盤のストーリーに関わってくるって感じかしら?
エルさん…
このゲーム、すでにクリアしてますね?
エヘッ。
余談コーナー
ところでさぁ、シオンくん、私「サムスピ」なら、ナコルルより、チャムチャム派よ。
突然話が変わりましたね。でもまぁいいです。
そして、なるほど、僕もチャムチャム派ですよ。
物事をあまり知らない天然娘って部分がポイントですよね。(そしてエルさんもそんな感じです。)
そうそう、よくわかってるじゃない!でも、ナコルルもキライってわけじゃないのよ。
チャムチャムちゃんの方がシンパシーを感じるのよ。
チンパンジーじゃないわよ。シンパシーよ、シンパシー!
わかるかなぁ、シオンくんにこの感じが…わかるかなぁ!?
(よく、わかります。)
ちなみにシャルロットはどうですか?
なかなかシブイところをつくわね!
ほとんど露出の無いシャルロットだけど、戦いの場に来ているわけだから本来はああいう装備になるのが普通よね。
(エルさんはそういう部分もちゃんと見てるんですね、なんか意外です。そんなエルさんは、完全に露出派ですね。いや、この露出度の高さにしているのは管理人さんの仕業ですね…、管理人さん、グッジョブ!)
まぁ私は身軽なのが好きだからあの鎧を管理人さんに頼むことは無いかなぁ。
それと、もっと有名どころで言うと、「ストⅡ」のチュンリーって筋肉モリモリの立派な脚をしているじゃない?
彼女は中国の警察官ということで、犯罪組織を追う者という設定としては、あれぐらい鍛えられていてこそその設定が自然よね。
チャイナ服を着た女性キャラではあるけれど、設定に矛盾無きよう脚を筋肉モリモリにしたカプコン。
さすが硬派ですね。
でね、そんなマッチョなチュンリーよりも、私はユリ・サカザキ派なのよ。
ゲームが違う?
まぁいいじゃナイかシオンくん。有名な格ゲーどころとして、硬派の「ストⅡ」そして、軟派の「KOF」でしょ?
僕、何も言ってませんが…。
あと、軟派の「KOF」っていうのはつまり、コレ(下の方)のことですね。(確かにこういうのはカプコンでは絶対に無い。)
格闘技をしている女子とはまるで思えない普通の体型なのに格闘家とか、私大好物なのよね。
あのカスタム道着…欲しい!
(こんな感じで管理人さんに注文してるわけですね。)
そして、忘れちゃいけないのが「ファイティングバイパーズ」のハニーちゃんね!
こちらはポリゴンでできてるから、あらゆる角度からの造形が拝めるのがいいわ。
おっと、ここに来て結構ナナメ上方向のキャラをチョイスしてきましたね。
いや、でもわかりますよ、エルさん!
ファイティングバイパーズに登場させるという時点でセガの心意気を感じますよね。ファイティングバイパーズと言えばアーマー破壊。
もちろんハニーの衣装であるゴスロリ天使衣装も破壊される対象で、これを破壊するのが…
ちょっとシオンくん!何言ってるの!?
はっ!
…しまった、調子に乗って、まるで男同士の会話レベルをしてしまっていた…!
(あぁーっ!エルさんに幻滅されてしまう!)
ハニーちゃんはゴスロリ天使衣装がかわいいんじゃない!?
それを壊しちゃうことにワクワクするなんてどうかしてるわ!
いや、むしろ… どうかしてるわ!
(2回も言われた…。もうダメだ…。)
あの衣装はハニーちゃんが夜なべして作った世界に一つしかない衣装なのよ!
(あ、そっちか…)
そ、そう言えばハニーの頭の翼って、エルさんの翼に似てますよね?かわいいですね。
うふふ、ありがとう!エヘヘ…カワイイだって…。
エルちゃんの機嫌はすぐに元どおりになりました。
おまけ
主人公:竹内優香をベースに作られたクローンさん。