1987年8月 開発:テレネット 発売:徳間書店
概要
世界を救う使命を突然与えられた普通の女子高生・麻生優子が、ビキニアーマーを装着して戦う横スクロールアクションゲーム。全6ステージ。
プロモーションビデオやCMでしっかりしたアニメによる紹介があった為か、てっきりそういうアニメのゲーム化かと思いきや、最初からファミコンソフトとして作られたものみたいです。
オープニングで、上から降ってきた「剣」を見た主人公が「こ、この剣は…」とだけ呟いて突然スタートするのが印象的な本作ですが、おそらく大半の人が最初の数十分で挫折するんじゃないかなと思います。
ある程度の前知識が無い場合、背景やら目的がわからないままゲームが始まり、無限に出現するザコ達にあれよあれよとやられてモチベーションだだ下がりですし、なんと言っても最大の難点がステージが迷路のようになっているところです。
アイテムとしてステージ毎に「マップ」が配置されていますが、まずこれがどこにあるのかわかりません。
運よく手に入って参照しても道筋とプレイヤーの現在地がわかるだけで、アイテムなどの表記も一切なく、目的地ももちろんわかりません。
しかも、横スクロールゲームなのに縦方向の道があったり、マップにはない場所が記されていたりと、とてもわかりにくいです。
とは言うものの、自分の現在地がおおまかにわかるだけでもかなり助かるので、まずは何とか気合でマップを手に入れるのが最初の目的となります。
スポンサーリンク
主人公「麻生優子」
いきなりクソゲー的評価を下してしまいましたが、それでもクリアできたのはなんといっても麻生優子というキャラクターのおかげと言わざるを得ないかと。
ファミコンソフトの中でも人気の高いビキニアーマーキャラですね。
シンプルなデザインですが、しっかりと描かれています。
アニメの「うる星やつら」タイプの顔立ちをしており、色合いで見ると「めぞん一刻」の音無響子さんに一番似てますかね。
と言うのも、作画監督が同じなんだとか。
ちなみに、迷路要素さえなければそれなりにアクションゲームとして成立してるんです。
入手するたびにパワーアップしていく「剣」や防御力がアップする「盾」、ジャンプ力や移動速度アップする各種「ブーツ」と、やり続ければちゃんとゲームしてる感が出てきます。
単にゲームに慣れていってるだけかもしれませんが…。
特に武器は、最初はまんじゅうのような弾が飛び出るショボい剣だったのが、最終的には主人公の身長ほどの大きさの衝撃波みたいなのを飛ばして攻撃できるようになるので、快適にザコを蹴散らすこともできます。
あらすじ
このゲームを楽しむにはストーリーを知っておいた方がモチベーションが上がります。
モチベーションを維持しないとすぐやられます。
いや、維持してもよくやられます。
麻生優子が戦士として選ばれた理由
夢幻界(ヴァニティ)の女王ヴァリアにその戦士としての資質を見出された為です。
その資質というのは現段階では曖昧ですが、「ヴァリスⅡ」によると実は麻生優子は女王ヴァリアの娘であるということが判明。
それが選ばれた本当の理由です。
そもそも女王ヴァリアは次元の均衡を保つ為の資質を持つ「パワーコントローラー」という立場だそうで、優子はその資質を受け継いでいたということですね。
ちなみにヴァリアに選ばれた者を「ヴァリスの戦士」と呼び、また、ヴァリスは次元の均衡を保つ「力(の意思)」のことです。
それにしても、ヴァリアとかヴァリスとか…ネーミングが似ててややこしいですね。
ファンタズム・ジュエリーとヴァリスの世界の構造
この現実世界は幾重にも重なった次元の一つであり、夢幻界にある「ファンタズム・ジュエリー」なるもので次元の均衡が保たれています。
ヴァリスはこのジュエリーに宿っており、ジュエリーはそれを持つ資質のあったヴァリアの元にあります。
侵略者「ログレス」
倒すべき相手は暗黒界(ヴェカンティ)の支配者ログレス。
ヴァリアはパワーコントローラーとしての寿命が尽きかけた隙を狙われ、ログレスにファンタズム・ジュエリーを奪い去られます。
ちなみにログレスはジュエリーを奪う際に誤って破壊してしまい、5個に割れてしまいます。
ジュエリーが壊れたままだと次元が崩壊してしまいますが、ログレスはそれを特に気にしていない様子です。
スポンサーリンク
ログレスがジュエリーを奪った理由
普通に考えると夢幻界を支配する為ですが…。
次元の均衡を保つ力ヴァリスと、それを均等に振り分ける資質のあるヴァリア、そしてヴァリアの力を受け継ぐ可能性のある麻生優子。
ヴァリスの宿るファンタズム・ジュエリーだけ持ってても仕方ないだろうし(しかも割れてますし)、仮にジュエリーを修復できたとして、夢幻界を支配するつもりなら次期パワーコントローラーの麻生優子とは敵対せず、無理やりにでも仲間にする必要があります。
そこで登場する麻生優子のクラスメイトである「桐島麗子」ですが、彼女はヴァリアが優子を見出すより先にログレスにより暗黒の力の資質を見出され、暗黒戦士として優子の前に立ちはだかるキャラです。
桐島麗子がファンタズム・ジュエリーのパワーコントローラーになるとか?
…いや、桐島麗子は家庭環境の違いを理由に優子のことを嫉妬しているので、そのような心のバランスに乱れのある者はパワーコントローラーにはなれないはずです。
うーん…結局、よくわかりません。
というか、ストーリー懲りすぎ。
もっとビキニアーマーを推しましょうよ!
ゲームの進め方
剣とその他のアイテム
各ステージのボスのエリア(部屋)に入るにはそのステージにある「剣」を入手する必要があります。
基本的には剣を入手しないと先へ進めないので、取りこぼすということはないです。
ボス戦に関してですが、ステージ3「ジャングル」の地面に潜ったり出てきたりするやつだけは多少苦戦しますが、他はそれほどでもないです。
最終武器である「ヴァリスソード」も御多分に漏れずボスへの鍵なので、この剣がある部屋へ辿り着く為には「ヴァリスブーツ」(ジャンプ力アップ)が必須アイテムとなっています。
ちなみに、ダメージを半減してくれる「シールド」、持ち運び可能な体力回復アイテム「ポット」は、個人的にほぼ必須品です。
このポットは複数入手可能なので、あればあるほど安心です。これはステージ3の「ジャングル」エリアの「滝」へ行けば、中身を補充することもできますよ。
「アイテム」は建物に入って入手することになりますが、何回か出入りすると複数個もらえたりするというクセがあるので覚えておきましょう。
補助攻撃アイテムの「手榴弾」と「ブーメラン」などの消耗品はコンティニューすると消えてしまいますが、それ以外の体力回復のポットや装着系アイテムはそのままなので、コンティニューによるアイテム喪失デメリットは少ないです。
コンティニュー
喜ばしいことにコンティニュー回数制限は無しです。
もし制限があったら、クリア不可能ゲーム伝説になれます。
但し、ステージ2~5はステージとしては分かれていますが、全部繋がっていて、コンティニューするとステージ2のスタート地点からやり直しになります。
つまり、ステージ5ぐらいの場所でコンティニューすると、かなりの距離を再度進まなければならず、めちゃくちゃめんどくさいです。
これがコンティニューのデメリットと言えます。
なので、体力を回復できる場所はメモでもして覚えておいた方がいいかと。
また、ポットとは別にその場で体力を回復できる箇所も散在してます。
キーパーソンズ
最終ステージは、開かずの扉を管理している「鍵の番人」と、ここログレス城に居ながら ログレスなど知らん と言い放つ「謎のおっちゃん」の2人が攻略の大事なキーパーソンとなっております。
鍵の番人の攻略は「根負けさせる」です。
つまり何回か出入りするってことですね。
謎のおっちゃんもまた、出入りすると何度でもこっそりと回復剤を補充してくれてます。
まとめ
つまり、このゲームは探索ゲームなのです。
ただ、響きは良いですが、わかりにくい地図片手に、代わり映えのしない景色内での探索です。辛い。
繰り返しになりますが、そんな時こそ麻生優子のイラストの存在です。
操作しているドットキャラにそのイメージを被せればだいぶマシになることでしょう。
ついでに、このゲームはマルチエンディング方式を採用しています。3パターン。
真のラスボスにやられるとバッドエンディング1です。
これはコンティニューできるので見てもいいです。やり直すのがめんどくさいですけど。
次にパターン2とパターン3ですが、真のラスボスを倒した後に選択肢があります。
こちらは選ぶとどちらかのパターンのエンディングが始まり、ゲーム終了となるのでコンティニュー不可です。
つまり、選ばなかった方のエンディングを見たい場合は最初からやり直しとなります。
…も、もうお腹いっぱいです…。
スポンサーリンク