初陣 - エルシオンクエスト その2 からの続き
レーベの村
エル
わぁー!ここが最初の村ね!
シオン
ですね。まぁアリアハンからほんの目と鼻の先ですけど。
甘いわよ、シオンくん!もっとこの世界に精神的にダイブするのよ! そうすればアリアハンとレーベと言えども、そうね…オオサカ~キョウトぐらいの距離はあるハズよ(…たぶん)!
(もっと遠い気がするけど) …確かに!縮尺は省略されてますよね。
では、シオンくん、早速やるわよ!
やるって…何をですか?
決まってるじゃない、村探検よ!
…この扉はカギが掛かってるわね。
ほんとだ。
仕方無いわ。しかし、開かないとなると開けたくなるのがファミキューレの性分、シオンくんいつものヤツやっちゃいなよ!
任せてください!こんなカギ、僕にかかればちょちょいのちょいですよ …って
…ちょっと!!
紛らわしい言い方しないでくださいよ、エルさん!僕はそんなコソ泥みたいな技持ってませんよ!
冗談で言ったのに…ほんとにできるのかと思っちゃったわ。フム、いわゆるノリツッコミというやつね。
あの…、冷静に説明されるとなんか恥ずかしいんですけど…。
そういえば、さっき村の人が『盗賊の鍵』を手に入れたかどうか、って言ってなかった?つまり、この扉はその鍵があれば開けられるってことじゃない!?
そういえば、どこぞの塔にあるとか言ってましたね。では、準備ができたら早速行ってみましょうか。
その前に宿を確保しておくわよ。
では、まず受付へ…。
待って、こっちよ、シオンくん。
?
ちょっとエルさん!勝手に入っていったらマズいんじゃないですか!?
大丈夫よ。行ってはいけない所は行けないようになっているハズよ。さっきの扉がその例よ。
な、なるほど。確かに…。しかし、こっちに行ったら何があるんでしょうか…?
わからないけど、行けそうな所は全て行ってみるのが私のモットーよ!知ってるでしょ?
も、もちろん知ってますよ(初めて聞きましたけど…)!
おや?子どもが一人…。
こども
…! 勇者様…?
お、勇者ってよくわかったわねー。スゴイね、キミ!
シオン
(僕はコレで、エルさんはアレ…一目でよく勇者一行だと見抜いたな…この少年…只者ではないな…)
こんなところにボク一人かい?お父さんとお母さんは買い物にでも行ってるの?
…うっ、うっ…
どうした、ボク? 何かあったの!?
ボクのパパとママは…モンスターに… モンスターに…
…そうか。 エルさん、この子のような子どもを増やさない為にも一刻も早く魔王を倒さなければなりませんね! …エ、エルさん?
な、なんて可哀想な子なの… よし、わかったわ!今日は私を母親だと思って、思いっきり甘えていいわよ!
(気持ちの切り替えが早い!)え⁉ いや、エルさん…今はそんなことをしている場合では…まぁ、可哀想なのはわかりますが、初めて会った子にそこまで…。
本当に?甘えていいの、お姉さん?
(この子も乗り気だ!)
そうよ。そして…
ありがとー!
ママーっ!
…。
よしよし。
あ…。
ジー…。(羨望のまなざし)
勇者様たちは冒険の途中なんでしょ?じゃあさ、今日はここで一緒に泊まろうよ!そしたら、パパとママがいるみたいでボク嬉しいな!
パパ…。
(ウルウル…)なんて無邪気なの…! ねぇ パパ、鍵探しは明日にして今日はとりあえずここで一泊していきましょう。
パ、パパ…、そ、そうですね。(フム…僕がパパで、エルさんがママ…ということは僕とエルさんは夫婦…! …悪くない。)
ところで、キミのお名前は?
ボクの名前はジービィです。
ジービィね。私はエル、そしてパパの名はシオンよ。
よろしく、ジービィ。
よろしく、パパ!
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