1987年4月 テクノスジャパン
概要
主人公の「くにおくん」を操作して、悪者にさらわれた親友の「ひろし」を助ける格闘(ケンカ)アクションゲーム。
横スクロールアクションではなく一定の場所で次々に現れる敵を倒し、全滅させたら次のステージに進める、いわゆるベルトアクションな感じです。➡ スクロールはあまりしない。
くにお
「熱血高校(2年)」の健康不良少年な主人公。

不良は不良でも、弱者に対する暴力は嫌う正義の不良。
なので、仲間や後輩から慕われてます。
そしてその風貌からわかるように、ただの不良ではなく1980年代に流行った「ツッパリ」というやつです。
ツッパリとは
髪の毛
リーゼントやパンチパーマなど、派手で目立つ感じのやつでキメている。
剃り込みを入れるとより深みが増す。
ロンゲのストレートなどというチャラチャラした感じは、この頃はまだ無いのだ。
服装
彼らは主に中学・高校生なので学生服にその特徴が表れます。
長ランにドカンか、短ランにボンタンでキメている。
どっちかというと、長ラン&ドカンの方が気合が入ってる感じがする。
ガン飛ばし
ツッパリの目を見るということは、ケンカを売っているのと同じ事なので、争いを避けたい場合は目を逸らす。
しかし、血の気の多いツッパリはお互いに逸らそうとしないことが多い。
このガンの飛ばし合いは壮絶で、チューしちゃうんじゃないかというぐらいお互いに顔を近づけます。
縄張り
学校単位で争うことが多いので、自分が学校のボスになった場合、今度は自分の学校を守る義務みたいなのが発生する。
仲間が他校のツッパリにやられたら、報復してあげないとメンツが保てなくなります。
でも校内派閥抗争みたいなのももちろんある。
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ひろし
くにおの親友で、同じくツッパリですが、ケンカは弱い。

弱いので、いつもくにおに助けられる役柄です。
ツッパッているのは、くにおの漢気に憧れと尊敬の念を持っている事から、彼と同じ外見をしているだけかと思われます。
中身は多分マジメくん。
そんなひろしは、このゲームのタイトル画面でヤクザに車で連れ去られてしまいます。
連れ去られた理由はどうあれ、親友がさらわれたとあってはくにおくんが黙ってません。
その熱血硬派逆襲劇がこのゲームの内容です。
ちなみに、ヤクザに拉致されるぐらいなので相当なことをしてしまったのだと思います(?)が、いまだに連れ去られた公式な理由は不明。
熱血硬派なところ
熱血
親友を助ける為には、敵がヤクザ(拳銃所持)であろうが武器も持たずに立ち向かっちゃう。
武器は己の身一つのみ!
硬派
救出対象が「野郎」。
男が男を助けに向かうという、ある意味全然燃えないシチュエーション!
でもツッパリストーリーはこういうの多いです。
ステージ1
新宿駅にて「花園高校」のツッパリ達とのバトルです。
1-1 ホームA
ここの特徴として画面の右側がホームの先端となっており、敵をホームから落とせば一撃で倒せる仕様になっています。
反対に自分も落とされる可能性があるものの、胸倉を掴んでポイポイ投げ落として倒すのがここのバトルでの醍醐味です。
というか、ホームから落ちただけで死ぬなよ!と言いたい。実際は伸びてるだけですが。
1-2 電車内
車内ではもちろん、投げ落とし作戦はできなくなります。
ところで攻撃方法ですが、
通常のパンチ攻撃はリーチが短くイマイチなので、リーチの長い後ろ蹴りを使った方が有利です。
但し、後ろ蹴りは敵が後ろにいないと発動しないので、一番のオススメ攻撃はその場ジャンプキックになります。
しゃがんで避けられることも多いですが、反対に反撃も食らいにくいです。
1-3 ホームB
ステージ1のボスエリアで、花園高校の番長「りき」とのバトルです。

りきの強さはくにおと互角程度であり、後輩からの人気も高いという、くにおと似たような存在です。
学生服を肌の上に直に着ており、イカつさを感じますが、こういうのを見るとどうしても汗かいたら気持ち悪いだろうなぁというのが先にきます。
りきはこの界隈では「マッハパンチのりき」として恐れられており、正面から立ち向かうと、
ジャンプキック ➡ 胸倉を掴まれる ➡ マッハパンチ
となりますので、基本的に軸を常にズラして近づかれないようにするのがポイントです。

ちなみに、マッハパンチのりきに対抗する感じで、後のシリーズではいつの間にか「マッハキックのくにお」という設定になっており、くにおは高速キックを得意技とするようになります。最終的には両人とも、マッハパンチ・マッハキック使いますけど。
りきとのバトルは正統派ケンカバトルという感じがして面白いですが、やはりファミコンゲームということでまともに戦うと、どうしても負け気味になりがちです。
どうしても勝てない場合は、ひたすらその場ジャンプキックでもいいですが、もう一つの禁断の技「ダッシュパンチ」(文字通り、ダッシュしてからのパンチ)も併せて使えば、勝率も上がるかと。
但し、同じ軸にいて距離があるとりきもダッシュパンチしてくるので、同軸線上に立ったら先手必勝で狙っていきましょう。
さらに、実はこのホームも先端が途切れているので、うまくやればまさかのボス瞬殺が可能です。
りきを投げ飛ばして開始数秒で倒した時の爽快感はなかなかです。
なので、ボコスカ殴り合って熱い戦いを繰り広げたい場合はホーム先端には近づかないようにしましょう。
自分が投げられる可能性もありますし。
りきのその後
後のくにおくんシリーズでは主役級に昇格し、1Pは「くにお」、2Pは「りき」という感じで登場するようになります。
このゲームの2年後に発売される「ダウンタウン熱血物語」で りきは、目的は違えど共通の敵の出現によって、くにおと共闘する事で奇妙な友情が芽生え、正式なライバル関係という設定になります。
熱い!
ステージ2
敵は「ブルーエンペラー」という名の暴走族です。
2-1 防波堤
特攻服を着た気合マンマン暴走族とのバトルです。
ここも左端は防波堤が途切れて海になっているので、投げ落とし作戦が可能。
駅のホームと違って、海に投げ落とされての戦意喪失は理解しやすい。
敵を全滅させると、今度はバイクに乗った暴走族が防波堤内を所狭しと走り回り、くにお目がけて突っ込んできます。
もはや殺人未遂レベルです。
バイクは結構スピードがあるので最初はタイミングが難しいですが、正面からバイクが向かってきたところをその場ジャンプキックで運転手を蹴り落して倒します。
この感じだと、くにおはスタントマンとしても食っていけます。
2-2 山道
防波堤で倒した敵のバイクを奪って、走行しながらのバイクバトルです。
並走して敵のバイクを蹴り倒してやっつけるわけですが、転んだバイクが結構派手に爆発しています。
さっきの殺人未遂が殺人になりかねないレベル。
ちなみにバイク同士はぶつかっても特にダメージも無いし、よろけたりこけたりもしないので、この部分は結構簡単にクリアできるかと。
2-3 山頂
ブルーエンペラーの総長「シンジ」とのバトルです。
後ろに見えているのはシンジの車でしょう。
セダンでシャコタン。
ちなみにシンジはりきの先輩にあたります。

シンジの得意技はソバットで、敵ながらモーションがカッコイイです。「ろくでなしブルース」の前田太尊もよく使ってた。
りき同様正面から立ち向かうと普通にやられるので、ジャンプキックかダッシュパンチで倒しましょう。
シンジはそれほど強い感じはしませんよ。

ツッパリはソバットが好き。
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ステージ3
ツッパリの女子版、スケバン達とのバトルです。
スケバンと言えば、ロンゲのくるくるパーマで赤い口紅をして、スカートが足首まである長いのを履いているのがオーソドックススタイル。
上はちょっと短めなので、足が長く見える。

3-1 飲み屋街裏路地
スケバンは武器を使ってくるのが特徴で、学生カバン(底の方に重りが入ってる)、もしくはチェーンのどちらかを持ってます。
くにおくんはワンピースのサンジのように「女性には手を出さない!」などの信念は持っていないので、相手が女子でも躊躇なく殴って蹴って倒します。
親友をさらった奴らの手下には容赦無し。
仲間を助ける為には、敵全てをブチのめすルフィタイプなのです。
スケバンを全滅させると2つある建物のどちかに入りますが、これによって次のバトル相手が変わります。
3-2 建物内
- 左の建物 ➡ ザコとの連戦
- 右の建物 ➡ ボスとのタイマン勝負
右建物にいるボスの名は「みすず」。
もはや、このゲームの顔と言っていいぐらいのインパクトを持ったキャラとして有名です。
その存在にトラウマです。

まず、その図体のデカさにビビリます。
くにおより頭一つ分ほど大きく、身長はおそらく2メートル近くあると思います。
幅もくにおの倍ほどあるので、100キロ前後あるかと。
そして、よほど余裕があるのか、顔は常にうっすら笑顔です。
そんな怪物スケバンの攻撃方法は、こんな感じ。
くにおの襟首を掴み軽々と持ち上げる ➡ 往復ビンタを連打 ➡ 放り投げる
これだけでダメージゲージが3個ほど減ります。
うすら笑顔による余裕表現は、ハッタリではない模様。
また、この女のリーチは圧倒的で、まともに戦ったらビンタ地獄はまず不可避です。

ダッシュパンチは、たまにボディブローで停止されてからのビンタがあるので、その場ジャンプキックの方がまだいいです。
ジャンプキックの場合は、あまり近づくと相打ちになりがちなので、足の先端をみすずの顔に当てるぐらいの距離を保ってしまくるのがよろしいかと。
ジャンプキックのタイミング次第では徐々に近づかれるので、その都度、軸をズラし距離を取って立て直しましょう。
ジャンプキックは3回連続で当てるとダウンするので、これを4~5回繰り返せば、ダウン時に馬乗りパンチでとどめをさせます。
この時、早々に馬乗りになると払いのけられた上に、そこからビンタされる可能性があるので、しっかりとダメージを与えてから馬乗りしましょう。
ステージ4(最終ステージ)
ひろしをさらったヤクザとのバトルです。
4-1 事務所前の路地
ここでは再び花園高校のツッパリとのバトルです。
4-2 組事務所内
事務所内ではこれまでの敵が次々と登場する上に、全滅させる度にどの扉に進むかでバトル相手が変わります。
しかもこの事務所は少し異次元になっているので、これまでのボスが複数同時に登場したり、部屋内を暴走族のバイクが走り回ったりします。
さすが最終ステージ。
しかも迷路になっており、入る扉を間違えると同じ部屋をループします。
ラスボスのサブの部屋への行き方
- vs 棒を持った高校生 ➡ 左の扉へ
- vs りき2体 ➡ 左の扉へ
- vs バイクに乗った族 ➡ 真ん中の扉へ
- vs バイクに乗った族 ➡ 右の扉へ
間違えた場合の出口演出にはいくつかのパターンが用意されてます。
- ループする
- スタート地点(4-1)に戻される
- ニセクリア画面が表示される ➡ その後また4-1から始まる
ハマるとなかなかメンドクサい。
4-3 ラスボスの部屋
最後の部屋で待ちかまえているのが「サブ」。
ひろしをさらった張本人です。

なぜ、ひろしをさらったのか…、その理由を聞く間も無くサブの拳銃は火を吹きます。
体力メーター有りのアクションゲームですが、この拳銃攻撃だけは当たると一撃でやられます。
事務所内バトルはカオス感満載だったのに、一転ここはリアルな設定。

サブの正面直線上に並ぶとすぐに撃ってくるので、軸をズラして接近しつつ、軸を合わせると同時にジャンプキックという王道パターン1本でいきましょう。
それ以外では多分倒せないかと。
攻撃を食らうと、動きを止めた瞬間に撃たれますし。
また、サブの体力が残っている間に掴みかかろうものなら、
すぐにほどかれる ➡ 蹴られて屈まされる ➡ 拳銃でズドン
となります。
掴み攻撃は無しでいきましょう。
それと、サブに対するダッシュパンチは助走の段階で撃たれる可能性が高いのでやめましょう。
救いとしては、サブの耐久力は低い事です。
ところで「サブ」という名前からして下っ端なのかと思いきや、実は組長です。
エンディング
サブを倒すと、後ろのドアからひろしが泣きながら登場。
そして、くにおとガッチリと握手してエンディング。
男同士の握手… あぁ硬派。
あとがき
普通の人間が、特殊攻撃や武器を使わずに純粋にパンチやキックで攻撃して、次々に現れる敵を倒すというゲームは当時あまり無かった(多分)ので、とても斬新だった気が。
オモシロいのは確かでしたが、いかんせん難しいので途中挫折しまくりました。
特にりきとみすず。シンジの記憶があまり無いのは、その後のみすずのインパクトに飲み込まれてしまったものと思われる。
前述した、後に発売される「ダウンタウン熱血物語」からグラフィックやアクションもポップな感じに変わり、難易度も調整されたおかげで本格的に人気シリーズとなります。
きゆこうもこのシリーズはかなりお気に入りでした。
テクノスジャパンはその流れに乗じ、くにおくんシリーズに力を注いでいきますが、最終的にそれ1つに頼りすぎた為や、以後それ以外のヒット作に恵まれなかった事が原因で今は亡き会社に。残念。
しかしその存在(権利)は消えてませんし、これだけ後世に名を残すキャラクターを創造した功績はかなり大きいんじゃないかなと思います。

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