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霊幻道士 - 古き良きチャイニーズゾンビ

投稿日:2016-07-22 更新日:

1988年9月 ポニーキャニオン

概要

当時流行った香港映画を題材にした横スクロールアクションゲーム。

主人公の「道士」を操作して、各地で村人を苦しめている「キョンシー」を退治していきます。


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キョンシー

キョンシーとは

中国の死体の妖怪

風水的に正しく埋葬されていない死体が、キョンシーになったりならなかったり。

キョンシーの特徴

ピョンピョン移動

死体だからなのか、体が硬直したような感じで、移動する際は揃えた脚の足首だけを使ってピョンピョン跳ねて移動します。死後硬直はとっくに解けているはずなので、妖怪化したら固まる感じなのかも。

あと、バランスを取る為か、両腕は真っ直ぐ前に伸ばしています。

起き上がり小法師 (おきあがりこぼし) 

硬直したキョンシーが転倒すると、どうやって起き上がるのか?

背中を折り曲げることができないので、どこも曲げることなく、踵(かかと)だけで起き上がります。

置き物の、起き上がり小法師みたいな感じ。

ヒトの体でそれをやると不気味さ満載ですが、この動作はピョンピョン移動と共にキョンシーを象徴する動作の一つです。

性格

性格は凶暴ですが、道士が特別に作った「御札」をキョンシーの額に貼ることで、行動を完全制御することができます。

これは、中国に「一部地域の出稼ぎ労働者の遺体を故郷に移動させる際に、道士が呪術を用いて遺体を自ら歩かせた」という伝承から設定されたのかと。

暴走したキョンシーに対して、御札を貼ったキョンシーで制圧を試みるというシーンが映画の中でちょくちょくあります。でもたいがい暴走キョンシーに蹴散らされる。

視覚

目が見えていませんが、人間の吐くを察知して動きをとらえることができます。

息を止めて、その場でじっとしているシーンとかがあるので、もしかしたら聴覚とか気配での察知も可能なのかも。息止めつつ、戦ったり逃げたりしたらいいじゃん、と思った事がある。

 

ちなみに、スゴいキョンシーになると視覚が復活する事もある。

 

攻撃方法

  • メイン攻撃 ➡ 真っ直ぐ前に伸ばした腕での、突き攻撃

硬直してる設定ですが、間接部分はある程度動かすことができ、肘を一瞬折曲げて反動をつけるように突いてきます。

  • ツメや歯に含まれる毒素

ただの突き攻撃なのではなく、ツメに毒素が含まれている為、ツメによって傷を負った人間はそれが原因でキョンシー化してしまいます。

また、噛み付かれて傷を負った場合も同様です。

つまりキョンシーとは、

 

チャイニーズゾンビ!

 

というわけです。

アメリカンゾンビとの違いは、傷を負ったら必ずキョンシー化するわけではなく、ゆで卵やもち米などを用いて適切に対処すれば、治療することが可能という点です。

防御

防御を行うわけではなく、硬いので普通の打撃攻撃はほぼ効かないという感じ。

丸太で殴っても平気なぐらい。

 

ちなみに、スゴいキョンシーになると、硬直が解けて普通に動いたりするヤツもいたりする。

衣装

キョンシーはほとんどが、中国が清の時代の満州族の正装を身に着けてますが、それは、基本的には死体がキョンシー化して動き出しているので、埋葬時の衣装で登場しているから、というわけです。

なので、キョンシーに噛まれてその場でキョンシー化した場合は、あんまり見ない私服キョンシーになったりしますが、私服でキョンシーの動きはただのヤバイやつにしか見えないので、やっぱりキョンシーはこの衣装であってこそだなぁと思いました。

この衣装。

ゲームの流れ

さて、キョンシーについて分かったところで、ゲームの話に戻りましょう。

大まかな流れ

  1. 村を訪れる
  2. 「古法書(こほうしょ)」を手に入れる
  3. 「道場」で技を覚える
  4. 「翡翠(ひすい)の玉」を3つ集める
  5. ボスキョンシーと戦う
  6. 次の村へ

となります。

パワーアップ

キョンシーは村の建物内に潜んでおり、退治すると「古法書」や特殊アイテムが貰えます。

古法書を持って「道場」へ行くと、

  • 技を教えてもらえる
  • 能力をアップできる

で、強くなれます。

 

ちなみに、道場に入るにはなぜかクイズを出題され、正解しないと入れません。

出題内容はキョンシーに関するものや、中国に関するもの、武術に関するものだったりで、たまに「へぇ~そうなんだ」ってなったりならなかったり。

ボス討伐

  • 村人不在の建物をクリアすると「翡翠の玉」なる赤い玉を入手できる
  • 翡翠の玉を3つ集めることで、ボスキョンシーの建物に入れる

 

ちなみに映画の霊幻道士では2人の弟子が登場しますが、このゲームでは弟子1人だけが登場しており、見た感じや言動からダメな方の弟子ですが、ゲーム内の村人のセリフや、シャンシーの誘惑対象にもなっていることからすると、おそらく2人を1人にまとめたキャラとして登場させている感じです。

キョンシー以外の怪異

シャンシー

20歳という若さで死んでしまった美人女幽霊キャラです。死亡原因は不明。

映画ではカッコイイ方の弟子のとあるやさしさに触れ、幽霊でありながら彼にをしてしまいます。

彼女は、術を使ったり、オンナとしての狡猾さを利用したり、何とかして弟子を自分のものにしようとしますが、あと少しで完全に自分のモノにできるというところで道士にやられてしまいます。

 

道士に正気を取り戻してもらった弟子はトドメを刺すように委ねられますが、危うくアッチの世界に取り込まれる寸前だったものの、若くして死んだシャンシーへの同情心もあり、彼女を逃がします。

シャンシーは、女幽霊が人間の男をたぶらかす類の事をしていたわけではなく、弟子がキョンシーに襲われていた時は必死に助けにいったりと、その恋は本気のものであった為、ここは何だか切ない物語部分となってます。

 

ちなみに、助けられたシャンシーですが、恋愛未達という未練を持ったまま幽霊として過ごすのと、弟子に成仏させられるのと、一体どちらが幸せだったのか、気になるところではあります。

 

あと、シャンシーは、普段は生前の美人な女性の姿をしていますが、怒ると顔の半分がただれ、髪は針のように逆立った醜い姿になってしまいます。

この髪の毛は自在に操ることができ、人を縛ったり、持ち上げたりも可能。

また、頭部を分離して飛ばして攻撃することもでき、怒らせると何でもアリになります。

 

ちなみにこの絵は、シャンシーを描こうと思ったけど、ただの幽霊っぽいのになっちゃっただけです。(2025/11/19 描き直し)

コンシー

ゲームでは、シャンシーを倒すと「鈴」を入手でき、この鈴を使うと「コンシー」というミニキョンシーを仲間にすることができます。

ですがコンシーは非常に弱く、弟子とはタイプが違う役立たずキャラです。

  • 移動速度(ピョンピョン移動)が恐ろしく遅い
  • 攻撃力がスズメの涙ほど

なので、ザコキョンシーすら倒すのが至難の業です。

 

ボスキョンシーに至っては、例えば遠距離攻撃を使われると近づくことすら不可能。

なぜこんなキャラを登場させたのか?

 

カワイイからですね。

 

ちなみに映画では、前述した「御札を貼って行動を制御しているキョンシー」の事を、コンシーと呼んでいます。


 

BOSSキョンシー

天門の村(1)

残像を残しながらスローなジャンプ移動をするヤツ。

なんかカッコイイ。

冥州の村(2)

キョンシーのクセにナイフを投げてきます。

しかも、ナイフなのに放物線を描いてきます。ヘタなのか?

永逞の村(3)

変わった攻撃はしてきませんが、外でカミナリが発生しています。

よくわからんボス設定。

玄省の村(4)

頭髪部分がボーボーなのようなヤツで、もはやキョンシーの姿ではないです。

轟音を響かせて低空を滑空し、体当たり攻撃をかましてきます。

なかなかの強さです。

呂雲の村(5)

重量級キョンシーで、ジャンプ移動の着地の際に地響きを鳴らします。

この着地の際に、地面に立っていると転ばされてしまったり、攻撃を喰らうと画面端まで吹っ飛んでいったりのパワータイプです。

洛黄の村(6)

前述の猿タイプのボスで、今度は斧で攻撃してきます(飛ばしてはこない)

斧の振り方がヘンです。

邪都の村(7)

手の平で炎を作り出し、それを飛ばしてきます。

炎はしゃがんで避けられないのが少々厄介。

武龍の村(8)

女妖術師「オーボー」という名のラスボスです。

このゲームのキョンシーを操っていた諸悪の根源です。

  • 攻撃は先ほどの炎を飛ばすボスと似た感じ
  • ワープ移動できる

コイツを倒すとエンディング。

セリフがたまにオモシロい

全く戦わず口ばっかり動かして何の役にも立たない弟子ですが、そのおバカなセリフはたまに笑えます。

あと村人や、ゲームのメッセージもなかなかのセンスしてます。

道士と弟子

村人
「いよいよファイナルバトルが近いです。ふんどしのヒモを締めなおして、気合いを入れて下さい。」

弟子
「先生、僕ブリーフなんですけど、どうしましょう?」

道士
「だまれ未熟者め!」

そう言いながら道士はトランクスのゴムをぐっと握った。

ゲームオーバー時

弟子
「全く、なんて弱くて情けない先生だ!仕方が無い、今日から僕が本家本元霊幻道士としてキョンシーどもをやっつけにいこう!ははは、冗談ですよ。慌てても仕方がない。「道士の心」を読んでじっくりとキョンシーの傾向と対策を練りましょう。」

道士
「バカ者!ほんのちょっと油断しただけじゃ。貴様が道士を名乗るなど10年早いわい!さあ、旅を急ぐぞ。グズグズしてないで、付いて来い!」

村人

村人
「うおうおうおう、興奮するぜ!すぽぽーん!鼻血が出るぜ!!あのキョンシーってやつをなんとかしてくれよお!ぼこぼこのうりうりに固めてよお、シメてやってくれよお!」

 

先生
「必殺の奥義を教えよう。全身のエネルギーを拳に集め、コスモパワーを最大にし、キョンシーの秘孔を打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!じゃ。」

 

チャイナドレス姿の村人
「助かりましたわ、脳下垂体がぷるぷるしていましたのよ。」

これは描きたかっただけ。

 

おかしなセリフが多いように感じますが、実は映画でも道士達は結構コメディちっくな言動をしているので、あながち間違いではなかったりします。

またキョンシーについても、基本的にはホラーメイクがバッチリでちょっとコワイですが、そうでないコミカルなキョンシーもいたり。

コワい部分はコワいですが、ユルい部分もちゃんとあるというのが、この映画の特徴でもあります。

もう一つの霊幻道士

「霊幻道士」は香港映画ですが、これに影響を受けて製作されたものに「幽幻道士」というのがあります。

こちらは台湾映画

オマージュしてると言われれば聞こえはいいですが、まぁ…アレです。

ですが、こちらは本家からさらにエンターテインメントの幅を広めてあったり、登場キャラの種類が増えてたりして、結果的に本家より話題になってたりします。

少女な道士

幽幻道士が人気化した一番の要因は、主人公の道士が少女だった事かと。

一応おじいちゃん道士はいますが、その孫である「テンテン」という少女版道士がそのカワイさから一世を風靡しました。

カワイイのに、ちゃんと道士やっててカッコよくもある。

特殊霊魂

親代わりだった「親方」を失った孤児の4人組が主役級キャラとして登場し、少年たちがカンフーを交えた連携プレイでキョンシーと戦ったりします。中でも「チビクロ」くんが人気でした。

 

と言っても彼らは小学生ぐらいの子どもであり、キョンシーを完全に倒せる力はもちろん無いです。

そこで、彼らに大人顔負けの戦闘力を与える特別な術を用います。

それが「特殊霊魂」と呼ばれる状態にする術で、界王拳10倍ぐらいの強さになります。でもこれは本来は禁断の術。

ちなみに、「親方」は後にキョンシー化しますが、歴代キョンシーの中でも最強の部類に入る強さを誇ります。

あとがき

当時は、似たようなタイトル、どっちもキョンシー、どっちも中国語、という事でてっきり同じシリーズと思ってました。

そんなキョンシーですが、いまだに中国系のモンスターとしてその後のゲームなどに登場するなど、かつての「キョンシー」ブームの影響力は凄いなと感心する今日この頃です。


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