1985年8月 タイトー
男の憧れといえば… そう、戦車!
私が戦車に初めて乗ったのがこのゲームです。
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戦車
今見るとチープなことこの上ないグラフィックのゲームですが、まるで魔法にかかったかのようにめちゃくちゃプレイしました。
多分初めてプレイした「戦争ゲーム」だったからでしょう。
プレイヤーが縦横無尽に動くことができ、かつ拳銃と手榴弾の2種類の武器を使い分けて自由な方向に撃ったり、投げたりできます。
それがどうした、と言われそうですが、まだ歩兵を主人公にした戦争ゲームは無かったような気がするので、今までと違ったシステムに子どもながらに衝撃を受けたのが原因かと。
しかし、最も興奮したのは少し進んだところに用意されている戦車の存在です。
なんとそれに乗り込むことができるんです!
戦車は被弾しても一撃では破壊されず、煙をあげるだけで、一旦降車後再搭乗すれば元通りに復活します。
特に、一旦降りれば元通りになるなんて夢のような乗り物じゃありませんか!?
しかも拳銃では倒せなかった敵戦車が、戦車だと一撃で倒せる!
そりゃそうなんですけど。
ちなみに戦車の置かれている場所はランダムで装甲車だったりする場合があり、その時のガッカリ具合はハンパなかったです。
確かに装甲車の機銃でも敵戦車にダメージを与えることができますが、被弾した場合は一撃でやられてしまい、再搭乗による復活はできません。
一旦戦車の安心感を知ってしまうと装甲車の不安感を消す事はできません。つまり、せっかく乗り物に乗っているのに守られてる感が全く無いのです。
ですから、戦車が用意されていた場合には狂喜乱舞したものです。
また、拳銃に比べて戦車の撃つ砲弾のごっついこと!頼もしすぎです。まんじゅうみたいです。
ただ、戦車も装甲車も移動音である「キャリキャリ」という音が全く重量感をまったくもって感じさせてくれません。
オモシロ要素
というように、子どもの頃は見境なくゲームが楽しかったのですが、大人になってから改めてこのゲームを観察したところ、色々つっこみどころが満載であることに気付きましたよ。
足の動き
ふざけながら歩いているようにしか見えません。
もしかしてこれで敵兵を油断させる作戦なのか?と思いきや敵も同じ動きです。
そして、歩く時の音のピコピコ音が緊張感を吹っ飛ばします。
でも、ちょっとカワイイ。
腕の向き
プレイヤーは基本的になぜか腕を真横に伸ばしてますが、その手に持つ拳銃は前方に向いているという、まさに子どもの落書きレベルの描写なのですが、そのせいで真正面の敵に弾が当たらないのです。ちなみに、伸ばしっぱなしなので、横もしくは斜め方向を向いた時は少しマシな描写になります。
しかも気のせいか、弾も当てやすくなります。
というか、戦場の最前線(フロントライン)で武器がいきなり拳銃ですか。
あと、立ち止まるとキョロキョロとあたりを警戒する仕草をしますが、この仕草は撃ちながらでもするので、もはやただのアブナイ人にしか見えません。
敵兵
見た目と挙動がプレイヤーとほぼ同様ですが、敵だけの特徴として、後ろを向いているのに拳銃だけが器用にプレイヤー方向に向けられて弾が飛んでくるのです。
小学生の時にドッジボールでよく使った、見ている方向と投げる方向をあえてずらし、油断している相手にボールを当てる作戦に似ています。
そして、究極の体勢がコレです。
ちなみに銃口の向きについては、後日よーく見ると先端がひん曲がっているんじゃなくて、これはフロントサイト(前部の照準器)だったんですね。
なぜあのちっちゃな部分にかぎって、そんな目立つような描写にしたのかという新たな疑問発生。
あと気づいたのが、敵戦車もプレイヤー同様、一発被弾だけでは煙をあげるだけなので、おそらく一旦降りれば復活するはずなのですが、敵兵はなぜか降りずに2秒後ぐらいに爆発して戦車とともにあの世へ旅立ちます。
なぜ降りない?
…確かに敵兵にそれをされると永遠に敵戦車を倒せなくなりますがね。
敵の歩兵があさっての方向に拳銃を撃てる代わりといってはなんですが、こちらは戦車の復活という恩恵を受けているってことにしておきましょう。
ラスボス
ステージ最後に登場するトーチカ(見た目はただの敵戦車)は手榴弾でしか破壊できません。
このゲームに果たして手榴弾は必要なのかと疑問を抱いていたところでしたが、トーチカを用意しているなら仕方ありませんね。
直線状に攻撃できない箇所への攻撃となると手榴弾は必需品ですものね。
それに、全部を戦車で進めることができてしまうとなると、難易度も下がって簡単すぎてゲームとして何の面白みもなくなってしまいます。
そう!ここでプレイヤーに戦車から降りざるを得ない状況を作り上げているわけですよ!
散々戦車メインでゲームを進めてきたのに最後は降りて戦わなければならないので、ヤドカリが引越しの為に貝から体をむき出しにする瞬間のように不安感が半端無いです。
…と思ったのは当時だけで、今やると別にそんな不安感は無いですけど。
あと、トーチカを倒すと敵兵が白旗揚げて降参してくれますが、そういう所の演出はちゃんと用意されてます。
そんな手榴弾ですが、投げるとヘンな軌道のヘンな弾を発射しているようにしか見えませんが、見ようと思えば一応 弧を描いて飛んでいるように見えます。
地面側に手榴弾の影をつけるだけで不自然無く弧を描いているように見えたはずなんでしょうけど、そんなことに容量を使う余裕は無かったのでしょう…というよりもう面倒くさかったのでしょう。
あとがき
ファミコンのゲームはちょいちょいBGM無しが存在しますが、やっぱりこのゲームもBGMが無いです。
これも容量の問題でしょうか?
しかしこのゲームのどこに容量を食う部分があるのでしょう?手榴弾の影も無いのに。
さらに、極めつけはポーズ機能がありません。
もはやただの嫌がらせです。
あと、キャラを移動させてると地味に親指が痛くなります。
そんなじゃじゃ馬ゲームではありますが、今でもたまに数分だけやったりしてます。
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