ファミコン アクションロールプレイング

ドラゴンバスター - お手玉されるのが上手な主人公の物語

投稿日:2018-04-29 更新日:

1987年1月 ナムコ (開発:トーセ)


不良兵士の主人公「クロービス」がドラゴンを退治してお姫様を救出するアクションRPG。

舞台はローレンス王国という美しい国。

クロービスはローレンス王国の親衛隊長の息子でありながら乱暴者でケンカが絶えず、遂には父親に勘当されてしまい、行く当てもなく放浪しているという身分のなかなか変わった境遇の主人公。

同じ頃、とある一匹のドラゴンがローレンス王国を支配しようと、王女セリアを人質にして自分をこの国の新しい王にするように要求してきます。

その事を知ったクロービスは、密かに想いを寄せていた美しく優しいセリア姫の為、また祖国の為に打倒ドラゴンを決意し王国へと向かう、というお話です。

ちなみにこのドラゴンは元々は神の使いでしたが、謀反を企て地上に追放されたという不良ドラゴンなのです。

つまりこのゲームは人間の不良vsドラゴンの不良という構図なわけです。


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ゲームの進行

「マップモード」では左下からスタートし、途中にあるアクションステージをクリアしながら、一番右上のドラゴンのいる山を目指し、ドラゴンを倒すとステージクリアです。

全12ステージですが、クリアすると裏12ステージをプレイする為のコマンドが表示されるので、合計24ステージです。

敵を倒し経験値を獲得することで体力の上限が増加したりと、規模が小さめの「月風魔伝」的な感じといったところでしょうか。

そういえば剣をぐるりと回して振る様が風魔に似てなくもないです。

ルートは分岐しているので、進め方によっては少ない労力でドラゴンの山へ到達できますが、ステージの後半はマップが1画面に収まりきっておらず、先が見えないので遠回りルートになったりしがちです。

反対に、入手できるアイテムの「斧」でマップモードの「森」を伐採する、または「カギ」で「扉」を開けて進むと、どちらも近道ルートを通行することが可能です。

このこまごまとした仕掛けがファミコンっぽくてイイ感じです。

 

3ステージクリア毎に人質救出演出が挿入されますが、実はセリア姫だけではなくその侍女達もさらわれているらしく、最初に順次侍女3人と最後にセリア姫という順番で見ることになります。

最後のセリア姫を救出するとクロービスに小走りで近寄った後、ゆっくりと近づき、最後はクロービスに抱き着くというお熱い演出となってますが、その前の侍女達も抱き着くとまではいかないものの、結構クロービスに自ら密着します。

しかも、それに対しクロービスもまんざらでもない様子(に見える)。

クロービスにセリア姫を任せるのは不安ですな。

アクションステージ

アクションステージはマップモードで見えているステージオブジェクトの形でその種類を確認することができ、洞窟や塔っぽかったりしますが、背景が違うだけで出現する敵や進め方は特に違いは無いです。

但し、ステージの種類ごとにある程度の迷宮の構造が決まっているので、自分の好きな種類のステージに進んだ方が攻略しやすいかと。

ステージの構造はめちゃくちゃ簡単なものから、意外に複雑なものもあるので油断してると結構迷いますが、「レイラ」のように何も考えずに進めるとクリアできないというような理不尽さは無いです。

とはいえ、コンティニューするにもアイテム(日記帳みたいなの)が必要ですし、ゲームを有利に進める為にも色んなアイテムは多く持ってる方がいいので、ステージ構造は軽くメモっておいた方が後々ラクです。

アイテム

アイテムはルームガーダーと呼ばれる中ボスを倒すと手に入ります。

ルームガーダーはステージの通路よりも天井が高くなっている部屋のようになっている所で待ち受けており、侵入すると扉が閉まり、かつ専用BGMに変わって、おもむろに戦闘が始まります。

アイテムだけでなくステージクリアの出口もルームガーダーのどれかを倒した時に出現するので、避けて通ることはできませんが、コツを掴むと瞬殺できるようになる絶妙な強さに設定されているので恐れる必要は全く無いです。

むしろ彼らとのバトルがこのゲームの一番の醍醐味とも言えます。

彼らと戦う際にほぼ必須となるアクションとして必殺攻撃が2種類あり、一つはジャンプ中に下を押しながら攻撃ボタンで出すことのできる「カブト割り」と、2段ジャンプ中に同じ操作で「垂直斬り」を出すことができます。このゲームでは空中でのダメージにノックバックが存在し、必殺攻撃がジャンプ必須という仕様上、攻撃に失敗するとノックバックが発生し、ダメージ後の無敵時間がほぼ無いこともあって、よくお手玉状態でダメージを食らい続けることがあるのも特徴です。

ルームガーダー

ファフネル

4足歩行の小型ドラゴンで、口から上下45度方向に火炎を放射して攻撃してきます。必殺攻撃で瞬殺可能ですが、たまに上方向の炎攻撃でお手玉されます。

クロービスとのサイズで比較すると、小象ぐらいの大きさのドラゴンが火を吹いて攻撃してくる感じですか。

大型の犬が飛び掛かってくるだけでもビックリするので、ペットとしては不可ですね。

スケルトン

ガイコツの剣士で、剣をグルグルと振り回してせわしなく攻撃してくる落ち着きのないやつです。

天高く掲げて構えている剣にも攻撃判定がある為、必殺攻撃に失敗してお手玉にされる確率が一番高い敵です。

近年多い素早いゾンビしかり、スケルトンの動きは緩慢であってほしいです。

ウィザード

上空に待機させている無数の剣と、自身が放つファイヤーボールの2刀流魔法使いです。

近づく前に2段ジャンプしてしまうと空中剣の餌食になり、走って近づくとファイヤーボールを食らうのでなかなか厄介です。

空中に剣を漂わせるという攻撃スタイルがちょっとカッコイイです。ガンダムでいうところのサイコミュみたいで。

ビショップ

斧を持った僧侶で、メインの斧攻撃に加えファイヤーボールもたまに撃ってきます。

一番弱い印象ですが、斧攻撃は防御力アップアイテムである「盾」を破壊するという特殊効果を持っています。

頭巾が農家風に見えていたのか、昔は「おばあちゃんな敵」だと思ってました。


 

ついでにザコ敵ですが、中でも最も印象的なのが「ゴーレム」でしょうか。

他の敵より大きいですし、何よりこのゲームのカセットのパッケージにも登場しているぐらいです。

デカくていかにも強そうですが、ノロノロと前進してくるだけの木偶の坊なので、カブト割りで瞬殺される運命の敵です。

これを見るといつもスターウォーズのC3POを思い出します。

 

次に有名なのが「シーフ」です。

シーフの特徴はその名の通り、攻撃力がアップするアイテムである「剣」を盗んでいくところです。

剣が無いと、特にステージ10ぐらいになるとルームガーダーどころか、ザコすら一撃で倒せなくなりダメージを食らいまくることになるので、ほぼ必須アイテムです。

そんな大事な剣を盗むこのザコは、弱いですが動きが速いのでかなりの注意が必要です。

 

 

ボスドラゴン

ドラゴンの山に辿り着くとお約束として内部に落下する演出があり、着地した所でドラゴンが待ち受けています。

山というか「巣」ですね。

ファミコン初期なのになかなか大きめのボスで、しかも結構クニャクニャ動きます。

あらすじではボスドラゴンは一匹かのように書かれていますが、マップ毎にドラゴンがいるので部下ドラゴンってところでしょうか?

各ドラゴンには弱点が設定されていて、攻撃した時に赤く光る所がそれで(通常は青色)、できればそこを狙って攻撃していきたいところですが、結局のところダッシュで突っ込んで行ってドラゴンの懐で手あたり次第に剣を振りまくってる方が勢いで倒せるかと。

それとドラゴンの行動ルールとして、クロービスをジャンプさせるとドラゴンは後退するようになっているので、端に追い詰められた場合や間合いを取りたい場合はジャンプジャンプです。

このバトルでは、ノーダメージであっという間に倒せたりする反面、吐いてくる炎でなかなか近づけなかったりして、結構「運」の要素が影響してますが、攻撃アイテムが豊富ならばほぼ確実にノーダメージで倒せるので危ない時は使っちゃいましょう。

攻撃アイテムはこの時の為にあるのです!

あとがき

このゲームはファミコン初期のピコピコ系ゲームですが、中ボスを倒してアイテムゲット、大ボスが立派、そしてアクションRPGとしてもなかなかバランス良く仕上がっており、さすがトーセが携わっただけのことはあるといったところでしょうか。

無数に存在し、そして倒産していったファミコンソフトメーカーは数知れませんが、表に名前を出すことなくひたすら下請けに徹したトーセの「ゲーム業界の影武者」という異名は伊達じゃないってことですね。

今では東証1部に上場までしており、調べる機会がふとあって、今もなおゲームの開発という昔からの業態を維持しつつ会社が存続しているのがわかると、そんなに知ってたわけでもないのにちょっと嬉しい気持ちになりますね。

おまけ

ドラゴンを倒し、最後にやっと姫様を救出しました。

 

 

 

 

 


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