1987年1月 ナムコ (開発:トーセ)
概要
主人公「クロービス」を操作して、ドラゴンを退治し、お姫様を救出するアクションRPG。全12ステージ。
「月風魔伝」のようなボードゲーム風のマップを進んで、ステージに突入するとアクションゲームモードになる。
あらすじ
舞台はローレンス王国という美しい国。
クロービスはローレンス王国の親衛隊長の息子でありながら乱暴者でケンカが絶えず、遂には父親に勘当されてしまい、行く当てもなく放浪しているという身分の、主人公らしからぬ主人公。
ある日、とある一匹のドラゴンがローレンス王国を支配しようと、王女セリアを人質としてさらっていってしまった。
それを知ったクロービスは、密かに想いを寄せていた美しく優しいセリア姫の為、また祖国の為に打倒ドラゴンを決意し、王国へと帰還する。

ちなみにこのドラゴンは元々は神の使いでしたが、謀反を企て地上に追放された経緯のある不良ドラゴンなのです。
つまりこのゲームは、人間の不良vsドラゴンの不良という構図なわけです。
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ゲームの進行
マップモード
左下からスタートし、右上にゴールがあります。
途中にあるアクションステージをクリアしながら、一番右上のドラゴンのいる山を目指し、ドラゴンを倒すとステージクリアです。
全12ステージですが、クリアすると裏12ステージをプレイする為のコマンドが表示されるので、合計24ステージです。
ドラゴンまでのルート
ルートは分岐しているので、進め方によっては少ない労力でドラゴンの山へ到達できますが、ステージの後半はマップが1画面に収まりきっておらず、先を見えなくする事でそう簡単に近道できないように工夫されてます。
なので基本的にアイテムを使って進む場合は、確実に近道ルートを通れるようになってます。
- 「斧」 ➡「森」を伐採して進む
- 「カギ」➡「扉」を開けて進む
この地味な仕掛けがファミコンっぽくてイイです。
人質は姫だけではない
実はセリア姫だけではなく、その侍女達もさらわれており、3ステージクリア毎に人質救出演出が挿入されます。
最初に順次侍女3人と、最後にセリア姫、という順番で見ることになります。
セリア姫を救出するとクロービスに小走りで近寄った後、ゆっくりと近づき、最後はクロービスに抱き着くという演出になってますが、侍女達の演出も抱き着くとまではいかないものの、結構クロービスに自ら密着します。
それに対しクロービスもまんざらでもない様子(に見える)。

セリア姫が見てないからって…。
アクションステージ
マップモードで見えているステージオブジェクトの形で、ステージの種類を確認することができます(洞窟や塔っぽかったり)が、種類によってある程度の迷宮の構造が決まっているので、自分の好きな種類のステージに進んだ方が攻略しやすいかと。
ステージの構造はめちゃくちゃ簡単なものから、意外に複雑なものもあるので油断してると結構迷います。「レイラ」のような理不尽さは無いです。
きゆこう的には、後々の為にステージ構造は軽くメモっておいた方がいいかなと。
コンティニュー
コンティニューはタダではできず、日記帳みたいな形のアイテムが必要です。
つまり、回数制限アリ。
なので実はこのゲーム、途中まではオモシロいですが、クリアは結構至難の業なのです。
アイテム
ステージ中に数体出現する「ルームガーダー(=中ボス)」を倒すとアイテムが一つ手に入ります。
ルームガーダーは通路よりも天井が高くなっている部屋のようになっている所で待ち受けており、侵入するとおもむろに戦闘が始まります。
- 扉が閉まり、勝つまで出る事が出来ない
- 専用BGMが流れてアツい
ステージクリアとなる「出口」オブジェクトについても、ルームガーダーのどれかを倒した時に出現するので、ヤツらとの戦いは避けて通ることはできませんが、コツを掴むと瞬殺できるようになる絶妙な強さに設定されているので、恐れる必要はそれほど無いです。
むしろ彼らとのバトルがこのゲームの一番の醍醐味とも言えます。
必殺攻撃
ヤツらと戦う際にほぼ必須となるアクションとして、必殺攻撃が2種類用意されてます。
- 「垂直斬り」 ➡ 2段ジャンプ中に、下を押しながら攻撃ボタン
- 「カブト割り」➡ 通常ジャンプ中に、下を押しながら攻撃ボタン

ザコにも使えるので、使用頻度はかなり高いです。
お手玉
このゲームでは、ダメージ後の無敵時間がほぼ無いです。
なので、必殺攻撃の為にジャンプする ➡ 敵の攻撃を食らう ➡ 空中でノックバック ➡ 無敵時間が無いので、お手玉状態でダメージを食らい続ける、という状況がよくあります。
たまに泣きそうになります。
ルームガーダー
ファフネル
4足歩行の小型ドラゴンで、口から上下45度方向に火炎を放射して攻撃してきます。

必殺攻撃で瞬殺可能ですが、たまに上方向の炎攻撃でお手玉されます。
動きは緩慢なので、それほど脅威ではないです。
スケルトン
ガイコツ剣士です。
剣をグルグルと振り回し、せわしなく攻撃してくる落ち着きのないヤツ。

天高く掲げて構えている剣にも攻撃判定があるので、必殺攻撃に失敗してお手玉にされる確率が一番高い敵です。
ウィザード
上空に待機させている無数の剣と、自身が放つファイヤーボールの二刀流で攻撃してくる、魔法使いです。

近づく前に2段ジャンプしてしまうと空中剣の餌食になり、走って近づくとファイヤーボールを食らうのでなかなか厄介です。
空中に剣を漂わせるという攻撃スタイルが、敵ながらカッコイイです。
ビショップ
斧を持った僧侶です。
メインの斧攻撃に加え、ファイヤーボールもたまに撃ってきます。

印象としては一番弱いですが、斧攻撃は防御力アップアイテムである「盾」を破壊するという特殊効果を持っています。
印象的なザコ1
ザコの中でも最も印象的なのが「ゴーレム」です。

- 他の敵よりデカイ!
- ゲームのカセットのジャケットに登場している!
デカいのでいかにも強そうですが、ノロノロと前進してくるだけの木偶の坊です。
カブト割りで瞬殺です。
スターウォーズのC3POを思い出します。
印象的なザコ2
次に「シーフ」です。
シーフは主人公と接触した際に、「剣」を盗んでいきます。
- 「剣」 ➡ 攻撃力がUPするアイテム
ステージ10ぐらいから、ザコですらこの「剣」が無いと一撃で倒せなくなり、ダメージ食らいまくりになるので、絶対に盗まれたくないのです。
ザコでダメージを食らってる場合ではないのだ。
弱いですが、動きが速いのでかなりの注意が必要です。



ボスドラゴン
ドラゴンの山に辿り着くと、内部に落下する演出を経て、着地した所でドラゴンが待ち受けています。
ファミコン初期なのになかなか大きめのボス描画で、しかも結構クニャクニャ動きます。
あらすじではボスドラゴンは一匹かのようですが、ドラゴンはマップ毎にいるのでどうやら仲間がいた模様。
攻略方法
弱点
各ドラゴンにはそれぞれ弱点箇所が設定されていて、攻撃した時に赤く光る所がそれで(通常は青色)、できればそこを狙って攻撃していきたいところですが、結局のところダッシュで突っ込んで行ってドラゴンの懐で手あたり次第に剣を振りまくってる方が勢いで倒せるかと。
ドラゴンの行動アルゴリズム
ドラゴンは、クロービスがジャンプすると、後退するようになっています。
なので、端に追い詰められた場合や間合いを取りたい場合はジャンプジャンプです。
攻撃アイテム
ドラゴンとのバトルはでは、「運」の要素が結構影響します。
ノーダメージであっという間に倒せたりする事がある反面、吐いてくる炎で全然近づけなかったり。
攻撃アイテムを使うとほぼ確実にノーダメージで倒せるので、危ない時は使うべし。
攻撃アイテムはこの時の為にあるのです。
あとがき
このゲームはファミコン初期のピコピコ系ゲームですが、中ボスを倒してアイテムゲット、大ボスが立派、そしてアクションRPGとしてもなかなかバランス良く仕上がってる感じです。
ナムコのゲームとして知られてますが、ナムコが作ったわけではなく、開発は「トーセ」です。
トーセと言えば「ゲーム業界の影武者」として、自社の名を出さないまま数多くの名作を世に出している事で有名です。
著作権はメーカーに残し、開発だけを請け負うというスタイルだった為、自分達が作ったゲームをすべて把握しきれていないんだとか。
その主張の無さがカッコイイっす。
でも、実際は著作権がらみでメーカーとの信用を崩さない為だとかナントカカントカ。
おまけ
ドラゴンを倒し、最後にやっと姫様を救出しました。






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