ファミコン アクション 横スクロール

ホーリーダイヴァー - 難易度がトチ狂っているゲーム

投稿日:2018-03-05 更新日:

1989年4月 アイレム

概要

「悪魔城ドラキュラ」のシモンに似た姿の主人公を操作し、その鬼のような難易度でヒイヒイ言わされる横スクロールアクションゲーム。全6ステージ。

主人公はマッチョですが、ジョブ的には魔法使いです。

格闘攻撃は一切無し。通常攻撃は、シンプルな魔法弾

あらすじ要約

とある王国。

魔王の侵略を危惧した国王は、まだ幼い二人の王子を逃がす。

その数十年後、

成長した息子達は、自分たちの国を取り戻す為、打倒魔王を目指し旅立つ。

 

主人公は、の方です。

兄の方は旅の途中で敵に捕らわれの身となっており、また国王は、話の流れ的にすでに魔王の手にかかってしまったようです。

エルちゃんでお送りします。

 

ちなみに、この世界は「魔法世界」との事なので、魔法を使えるのは普通の事かと思われます。


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ゲームの印象

第一印象は良ゲー

  • 主人公   ➡「シモン」みたいで見慣れているので、親近感がある
  • アクション ➡ そこそこの攻撃射程・操作も重くない・ジャンプ性能も悪くない

真上に向かって攻撃することも可能。

但し、ノックバックはなかなかで、その後の無敵時間も短めです。忍者龍剣伝」的。

ストーリーは不明瞭

ゲーム内にはまったくストーリーらしきものがないので、ゲーム単体だと主人公が戦っているいきさつが全然わかりませんが、

  • 主人公が魔法使い
  • 敵がバケモノばかり

という事で、ファンタジー要素強めの悪魔城ドラキュラといった感じで思っておけばいいかと。

後半に瞬間的にですが主人公がドラゴンに変身したりするので、ストーリーを知らないとますます彼の素性がミステリー化しますが、調べたところ主人公は純粋な人間らしいので、ドラゴン化は魔法の一種かと思われます。

超高難易度ゲーム

このゲームの際たる特徴が、その鬼のような難易度です。特に後半。

これまでのゲームでも難しすぎる!鬼だ!と何度も声をあげてきてますが、このゲームはさらにその上をいってます。

中盤あたりはまだガマンできますが、後半になると何か取り忘れた必須アイテムでもあるに違いない!とゲームを最初からやり直そうかと一瞬悩むレベルです。

.

魔法システムとアイテム

魔法システム

最初は使える魔法が一つですが、ステージをクリアする度に使える魔法が一つずつ増えていきます。

どんな魔法が使えるようになったか確認する時がワクワクものですが、その使用方法に関しては少々面倒でした。

魔法の使用方法

  1. セレクトボタン ➡「通常モード」から「魔法使用モード」に切り替える
  2. スタートボタン ➡ 表示される魔法一覧から使用する魔法をセットする
  3. 攻撃ボタン押下 ➡ 通常攻撃から魔法攻撃に替わる

思うに、魔法一覧の中に「魔法を使用しない」という項目を作れば、手順1がいらなかったのでは?

マジックポイント

  • 青い液体ビン ➡ MP回復(敵が落とす)
  • 白色の翼   ➡ MPの最大値増加(所々に放置されている)

ちなみに、

  • 「ハートマーク」 ➡ 体力回復
  • 「ハート入りの瓶」➡ 体力の最大値増加

なのが、悪魔城ドラキュラを連想せざるを得ない。

アイテム

道中で拾うことができる自動装備アイテムが全部で4つあります。

説明が無いと効果がわからなかった2つ

  • パワーリスト ➡ 障害物を破壊(破壊可能なもの)できるのは、実はコレのおかげ
  • マント    ➡ 空でも飛べるかと思いきや、実は防御力UP

効果が目で見てわかる2つ

  • ブーツ ➡ ジャンプ力が倍ぐらいになる
  •    ➡ 消費MPが半分になる

.

装備魔法

ツインファイアー(消費MP2)

初期状態から使えます。

特徴

  • 炎の弾が2発、螺旋を描いて飛んでいく(通常魔法弾は、弾1発)
  • 飛距離が無制限(通常魔法弾は、ある程度の距離で消える)
  • 障害物を貫通する ➡ 安全地帯から敵を狙い撃つことが可能

但し、連射不可(画面内に1発まで)

ブリザード(消費MP10)

2通りの使い道

  • 動きづらいドロドロのダメージ足場を、凍らせて通過可能にする
  • 一部の敵の動きを止める

特に後者は有用で、クセのある動き・無限に出現するザコ、が多いゲームなのでかなり助かります。

但し、後半は効かない敵も増えてきます。

ブレイカー(消費MP10)

溜めをしてから、三連弾を発射する波動拳です。

特徴

  • 敵・障害物を貫通する
  • 消費MPの割にそれほどの威力でもない

ちなみに、溜め時の光部分はかなりの高威力を誇りますが、敵とほぼ密着する必要があり、リスクが高いので使用するシーンは限定的です。

「ブレイカー」という名の割に、それほどブレイクしてくれない感じです。

オーバードライブ(消費MP16)

  • 数秒間2つのエネルギー体が、プレイヤーの周りをクルクルと回る

一見敵の弾から身を守ってくれそうな感じですが、スカスカなので普通にスルーしてダメージ食らいます。

どちらかと言うと、使用して自ら敵に当てるように使用するものと考えた方がいいかと。通常攻撃の補助的な役割

この魔法はシステム上の欠点として、使用すると敵の弾が見えなくなる事がよくあります。処理落ちの影響?

サンダー(消費MP20)

最強の魔法です。

  • カミナリを発射する(攻撃判定アリ)
  • 発射したカミナリが画面端へ到達すると、衝撃と共に画面全体を攻撃

基本的に魔法は、アイテム「杖」によって消費MPが半減しますが、このサンダーだけは例外です。

20MP消費が固定されてます。

なので、調子に乗って使ってるとあっという間にMPが0になります。

 

ちなみにブリザードでドロドロを凍らせてからサンダーを放つと、凍ったドロドロが一気に全部なくなるのが爽快です。やる意味はほぼ無いです

クセもの揃いの敵たちの中で、注目した敵を挙げていきます。

ちなみに、敵の名前は正式なものではないです(適当につけてます)。

ザコ敵

巨大コウモリ

  • 天井にぶら下がって、左右に交互に飛び跳ねる
  • それと同時に弾を一気に3発撃つ

という動作を繰り返してきます。

動作のタイミングが結構早いです。

 

左右に飛び跳ねる際の、翼を広げた瞬間しかダメージが与えられないので、タイミングを掴めないと下にもぐり込めず何回も弾に当たるので、最初はヘコみます。

他の敵とタッグで登場すると厄介なので、ブリザードで動きを止めてとっとと先に倒しましょう。

フサフサ目玉

  • 目玉から流れ出した涙が、地面を伝って攻撃してくる ナゾの攻撃

地味に厄介なので、ここもブリザードで涙を流すのをやめてもらいましょう。

フライングアングラー

アンコウっぽい形の、空飛ぶモンスター。頭にチョウチンはない

  • ミニアンコウを4匹をけしかけてきた後、プレイヤーめがけて急降下してくる

急降下攻撃はタイミングを合わせて少し後退するだけでかわせますが、そのタイミングがまだ分からない最初の内はなかなかの強敵です。


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巨大マリモ

  • 垂直にピョンピョン跳ねながら、水平飛行の弾を乱発してくる

放つ弾の高さは基本的には一定ですが、敵の立ち位置が変わると都度高さが変わり、さっきまではしゃがんでたら当たらなかったのに、今は当たるという事があります。

なので、弾の高さ調節がうまくいけば、しゃがんで攻撃してるだけで倒せます。

落石注意

敵というか、障害物

  • 同じ場所を同じ軌道で、永久に降り続ける
  • 地面を転がり障害物にぶつかると、割れて破片になって飛び散る
  • 攻撃して破片にしても、それにも攻撃判定がある

かわして進むことができるなら、攻撃はしない方が得策です。

動きが意外に早いのでタイミングを見計ってくぐり抜けないと、ひたすらダメージを食らい続けます。

鉄巨人(赤色)

倒さないとドラゴンに変身する為のアイテムが手に入らない事からすると、中ボス的な存在と言えます。

これと言った攻略法の無い強敵です。

特徴
  • 耐久力が高い
  • 弾を上下から2発撃ちながらジリジリと距離を詰めてくる
  • 衝撃波のようなものもたまに放つ

敵の体に触れると大ダメージなので、ジャンプで飛び越えて後ろから攻撃するなどという考えはやめましょう。

鉄巨人(灰色)

最終ステージには、この赤色の強化版の灰色鉄巨人がいます。

  • 移動速度が赤に比べて、格段にUPしている
  • 逃げると、ワープで追いかけてくる

敵ながらワープのエフェクトがカッコイイです。

 

自力で倒すことも可能ですが、一定の場所ではおあつらえ向きに用意されている「障害物」と「落とし穴」を利用するとラクに倒せます。

執念深さはなかなかですが、それほど知能は高くない模様。

ツノ土偶

  • プレイヤーの両サイドに突如出現し、弾を放ちながら挟み込むように徐々に近づいてくる

耐久力が高くまともに戦うだけ損な敵なので、飛び越せるスペースがあるなら飛び越えてスルーが一番ですが、大体がスペースが無い場所で登場します。

対応

ある程度のダメージは必至なので、以下の方法で強引に突破します。

  • 出現した瞬間に、進みたい側の一体に集中して近距離でのひたすら連射で倒す
  • 被弾時の無敵時間を利用して、敵をスリ抜ける

ウォールフェイス

最終ステージに出現する固定型の敵です。

おそらく、コイツがいるエリアがこのゲームの中で一番の難関かと。

その最たる理由が、ノックバックによる落下死です。

  • 弾をほぼ途切れる事なく連発してくる
  • 足場が穴まみれなので、被弾すると大体落ちて死ぬ

そんなのが5体分続きます。

 

です。

まるでペプシのCMの鬼を見て、こりゃ鬼退治は無理だわ、って思うぐらい絶望感に浸れます。

BOSS敵

ラスボス以外のボスの名前も適当につけました。

ステージ1「ライオンマン」

巨体ですが、身軽に動くヤツ。

ステージ1のボスという事で、弱いです。

  • プレイヤーを飛び越えながら、炎を連射してくる

吐き出す炎は飛距離に制限があり、ある程度の距離で消えるので口を開けたら反対側へ逃げると食らうことはほぼないでしょう。

また、体当たりをしてくるのかと思いきや、突っ込んできて当たる前になぜかプレイヤーを自ら飛び越えてくれるというトリッキーさを披露してきます。

ステージ2「巨大細胞」

壁に固定された大型のボス。

  • 放物線上に巨大な弾を3発同時に、ひたすら吐き出して攻撃してくる
  • 着弾すると破裂し、それにも攻撃判定がある(適当に避けていると大体ダメージ食らう)

まともに戦うとなかなかの強敵ですが、敵の攻撃方法の仕様上、弾の軌道的にほとんど当たらないか、もしくは飛んできたらちょっとしゃがむだけでかわせる場所、というのが存在します。

敵からプレイヤー3体分ぐらい後ろにさがった辺りで、あとは微調整です。(おそらく他にもいい場所があるかと思われます。)

ステージ3「巨大イカ」

勝手にネーミングしてますが、よく見たら全然イカじゃないヤツ。

  • 2体出現する(その分1体の耐久力は低い)
  • 地面と天井を行き来しながら弾を放つ
  • しっぽ部分からミニザコをけしかけてくる

戦闘開始したら、頭を出すのを待ち構えて被弾覚悟で連射すれば1体目がすぐ倒せます。

そして残り1体になれば、もはやただのザコです。

このやり方で倒した場合は、ステージ1と同じぐらい弱い部類に属します。2体出現しちゃうとちょっと強い

ステージ4「回転塔」

1本のように見えて、実はトーテムポールのように3段(3体)に分かれているので、破壊箇所は3つあります。

  • クルクル回転しつつ、さらに上下移動を繰り返す
  • 目玉が描かれた部分が見えると、弾を放ってくる
  • 目玉の位置が3段ともズレているので、弾は上中下と連続で順番に飛んでくる

このボスもまたノックバックとの戦いです。

 

  • 中に浮いた足場がいくつかあるが、どこに移動しても同じ
  • 足場は狭く、普通に立っていると被弾と同時にほぼ落下死が確定する
  • 弾を避ける為のジャンプ中も、被弾するとほぼほぼ落下死確定
このボスを倒す為に考えられうる唯一の方法
  • 最初に立っている足場のギリギリ先端、しかもプレイヤーの体が半分ぐらい飛び出ているぐらいの位置に立ってひたすら攻撃する
  • ノックバック後はすぐさまギリギリ先端まで戻って攻撃再開する

つまり、

足場のギリギリ先端が、ノックバックでも何とか落下せずに済む位置というわけです。

 

ちなみに、ここで「オーバードライブ」を使うと敵の弾が見えなくなるので、使わない方がいいです。

(目玉が残り1つになったら、処理落ちしなくなるので大丈夫です。)

ステージ5「フライングブレイン」

防御に優れた強敵
  • 耐久力が高い
  • 上空を飛んでいる
  • 弱点である脳ミソの周りを守るように、浮遊している「」の部分がある

なので、なかなかダメージが与えられないです。

攻撃も強力

通常時に放ってくる2発同時の弾が邪魔で攻撃のタイミングも掴みづらく、モタモタしていると体当たりモードに覚醒し、猛アタックされ、場所によってはそのまま瞬殺されます。

両サイドの壁に丁度プレイヤーが収まる程度のヘコみがあるので、おそらく体当たりモードになった時の回避用スペースだと思うのですが、敵の位置次第なのか、かすかに触れる状態になる場合もあるので完全な安全地帯というわけではないです。

 

このバトルでの、一番のポイントは体当たりモードをいかに回避するかです。

ですが、回避方法として、以下の2つぐらいしかなかったです。

  • うまく誘導できれば、近づいてきたところを飛び越し、敵がUターンする慣性を利用して今度は下をくぐるという方法を繰り返して回避する
  • 画面の隅の壁にピタリとくっついてしゃがんでいると、なぜか敵の攻撃が当たらないことがある(運次第なのか、当たる時は当たる)

体当たりモードが多いほどやられる機会も増えるので、ノーマルモードの時にいかに効率良くに攻撃をヒットさせることができるかもポイントです。

兄「ザック」との再会

この部屋には背景に十字架に張り付けられた人がいますが、彼は敵に捕らわれの身となっていた主人公の兄の「ザック」です。

ボスを倒すと救出演出がありますが、喋ったりとかは特にないです。

ステージ6「ブラック・スレイヤー」

ラスボスです。

ステージ5では小さめの脳ミソでしたが、ここでは巨大脳ミソです。

ラスボスだけあり、まともにやり合うとかなり苦戦しますが、実はサンダーの魔法で楽勝なのです。

敵の攻撃対象部分は、以下の合計5か所です。

  • 中央の触手
  • その両サイドの触手
  • 両サイドから突き出た鉤ヅメ付きの触手
攻撃順
  1. 中央の触手両サイドの触手を、横からまとめてサンダーで貫通させて攻撃
  2. 鉤ヅメ触手も同じように攻撃

鉤ヅメ触手攻撃中にMP切れになったとしても、それ以外の触手が無いので残りは特に苦もなく倒せるでしょう。

倒すと今度は第2形態となり、こちらも自動的にドラゴンに変身しての空中戦となりますが、おまけ程度のバトルなので適当に弾を撃ってるだけで倒せます。

エンディング

ドラゴンが2匹画面内をウロウロと飛び回る中での、エピローグのエンディングロールです。

After a long and difficult battle, randy finally retrieved the five different emblem seals belonging to the king crimson family, and exdelled, with his great magic power, the black Slayer, emperor of the darkness, and his devil followers into the graveyard in another dimension!

Thus the apocalypse of the black magic reached the end, and in the magic world two new wizard kings, zakk w. and randy r. crimsons, mounted the thrones to open again the age of light...

the end

長く困難な戦いの末、ランディは遂にクリムゾン家に伝わる5つの紋章を取り戻し、その強大な魔力と暗黒魔王ブラック・スレイヤー、そして地下帝国の悪魔軍団を別次元に追放した。

こうして悪の魔力による黙示録は終わりを告げ、魔法王国の新たな2人の王、ザックとランディ兄弟による光の時代が再び始まる…。

(途中にある”exdelled”はスペルミスで、正しくは”expelled”なんじゃないかなと思います。)

 

という事で、ランディともう一匹のドラゴンは兄のザックという事ですね。

あと、ここのBGMがそこはかとなく暗い。

同社の「スペランカー」のオープニング曲に通じるところがあります。

あとがき

このゲームに登場する名称は、メタル系のバンドの人達の名前を拝借しているようです。

  • 主人公の「ランディ」と兄の「ザック」➡ 2人ともオジー・オズボーン・バンドのギタリスト
  • 父親の国王「ロニー」➡ オジー・オズボーンのバンド「ブラック・サバス」の元ボーカル
  • 兄弟のお目付け役家臣「オジー」➡ オジー・オズボーンその人

他にも、以下の通り。

  • 王国の名前「クリムゾン」➡ バンド「キング・クリムゾン」
  • ラスボス「ブラック・スレイヤー」➡ バンド「スレイヤー」

挙句の果てはゲームのタイトルである「ホーリーダイヴァー」もバンド「ディオ」の曲名(アルバム名)だそうで。

ちなみに、バンド「ディオ」の創設者のフルネームが、ロニー・ジェイムス・ディオで、前述した国王「ロニー」に繋がります。

 

マンガ「バスタード」を思い出しました。


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