1987年12月 ナムコ (開発:データイースト)
平和の戦士
パッケージに描かれたクセ強めのおっちゃん。
スキンヘッドにプロレラー風マッチョな上半身ハダカで、見えている毛がラーメンマンのようなヒゲだけというどう考えてもサブキャラどまりのデザインですが、彼は天界から遣わされた平和の戦士なのであります。
そしてこのゲームの主人公「カルノフ」です。
パッケージのカルノフはまだ愛らしい顔で描かれていますが、実際のゲーム画像ではどう見ても敵として登場しそうなグラフィックとなってます。
昔、このパッケージを見て、その主人公としての違和感の半端無さに子供ながらに、たぶん何か別のゲームの敵か脇役キャラがスピンオフで主人公に抜擢されたのかな、と思ったほどです。
ちなみに後のゲームに実際に敵キャラとして登場してます。
「ドラゴンニンジャ」や「ファイターズヒストリー」など。
めちゃくちゃしっくりきてます。
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あらすじ
「アラカタイ」という魔法使いが人間の宝物を奪い取ったので、人間はそれを取り戻そうとした。
逆ギレしたアラカタイは地上に魔物を放つ。
苦しむ人間の様子を見かねた神様が地上に遣わしたのが、自分の召使いをしていた「カルノフ」だった。
カルノフは、わけあって今は神様の召使いをしているという実は元・人間なのです。
そのわけとは、人間の時に悪い事ばかりしていたからということで、おとぎ話にありそうな設定です。
そして、今回「アラカタイを成敗できれば召使いから解放してあげる」という条件で地上に遣わされたのです。
条件を聞いた感じでは「神様の召使い」というのはさぞ辛い仕事ということなんでしょうね。
どうやら我々が思っているような誇らしい仕事ではないようです。
姿を悪者っぽくしているのも少しは納得ですね。
「ワルキューレの冒険 時の鍵伝説」では同じように、地上の人々の苦しむ姿を見かね、ワルキューレという美しい乙女が地上にやってきてくれましたが、こちらはつるピカヒゲデブのおっちゃんです。
もちろんワルキューレに来てほしいところですが、人類の危機にそんな贅沢言ってる場合じゃないですな。
ところで「アラカタイ」という「魔法使い」とのですが、最初にシルエットで確認できますが形が「龍」です。
人型してませんよ。
アクション
ジャンプ
アクションゲームのジャンプはそのゲームを特徴づける重要な要素ですが、カルノフではこんな感じです。
- 高く飛べる。
- 空中での制御がユルく、かなりの範囲を移動可能。
- 反対に、重力感が無さ過ぎて慣れるまでは難しく感じるかも。
- ジャンプせずに落下すると垂直落下となって制御が一切できなくなる。
落下する時でも、軽くジャンプをした方がいいですね。
ともあれ、ジャンプ性能は悪くないです。
赤玉
カルノフは地上に降りる際に「炎」を飛ばして攻撃するという魔法を神様から授かっています。
所々に配置されている「赤い玉」を取ると一度に2発同時に発射するようになり、もう一個取ると3発発射することができます。
連射可能で初見時は頼もしく感じますが、やはり1発では攻撃は当たりにくいので早急にパワーアップしたいところですが、この玉はもう一つの役目を帯びており、それが体力回復としての役目ということでそう簡単にパワーアップできないのであります。
というのも、ダメージは2回食らうとミスとなる為、1回食らった後にこの玉を取ると、体力回復が優先されてしまうのです。
赤い玉は出現頻度もそれほど高くないので、定期的にダメージを食らっていると、いつまで経っても3連弾攻撃できないのです。
負のスパイラルです。
敵の攻撃がなかなかのものなのに「魔界村」よろしく、耐えられるダメージは1回だけで、しかもパワーアップアイテムと体力回復を同じアイテムが兼任。
さらにコンティニューはたったの2回までです。
結構なスパルタです。
ちなみに、コンティニュー方法は、ゲームオーバー時、神様のメッセージが表示されている時にセレクトとスタートボタンを押す、です。
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アイテム
・ハシゴ
至る所にアイテムパネルが配置されていますが、ジャンプで届かない場所のものはハシゴを使って取ることになります。
ハシゴのインパクトが相当強かったのか、カルノフと言えばハシゴです。
ハシゴ利用後、下まで戻ると自動で回収され、後で再利用できますが、途中で飛び降りてほったらかして行ってしまうと、またどこかでハシゴを入手するまで高所のアイテムが取れなくなります。
現実的ですね。
ちなみに、ハシゴはアイテム入手以外にも上下に移動できる利点を生かし、上下移動で敵の攻撃を避けながら攻撃するということにも使えます。
・翼
一定時間空を飛べますが、それゆえに頻繁にゲットできるものではない希少品です。
ハシゴのような現実的なものとは逆にこちらはとてもファンタジー。
これがまたファンタジーにある綺麗な天使様の羽のような形をしているので、カルノフには全然似合いません。
ちなみに似合わないと言えば、ステージ5では海中を泳ぐカルノフの姿勢がマーメイドのそれのようです。
どこからか取り出した足ヒレをつけているということもありますが、一番の原因は、腕を後ろにピーンと伸ばしているところかと。
・ブーメラン
その強力さゆえに一回使うとせっかくパワーアップした炎攻撃がリセットされてしまうという、使いどころをしっかり考える必要がある最終兵器です。
ファミコンゲーム恒例の武器。
・爆弾
画面内の敵を全滅させることができす。
この種のアイテムは使いどころを絞りすぎて、結局使わずじまいになりがちなので、瀕死状態になったらすぐに使う心構えで挑みましょう。
敵キャラ
主人公がヘンテコですが、敵もヘンテコです。
・黄色のマッチョマン
一番ヘンテコです。
複数でおもむろに空から舞い降り、ピョンピョン跳ねながらカルノフを追い回してきます。
頑丈な見た目に見えますが一撃で倒せるので、囲まれる前に仕留めていけば全く問題は無いです。
・金色マン
たまに出現し、仁王立ちのまま動かないヘンテコです。
しばらくすると複数の光の弾に分裂し攻撃してきます。
この光の弾は避けにくいので分裂する前に倒したいところですが、耐久力が高めです。
・岩男
おそらくゲーム中、一番よく相手にするのがこいつで、地面から突如現れ岩を投げ飛ばしてきます。
離れている時は余裕をかましているのか腕を組んでクックックッと笑っていますが、こちらが攻撃を仕掛けると同じように攻撃してきます。
階段をスタスタと進んでいると急に出現して攻撃してくるので、登るシーンではあまり先を急がない方がいいです。
・人魚
グラフィックだけではよくわかりませんが、マーメイドではなく上半身が半魚人で下半身はヒレの、「半魚人魚」とでも言いましょうか?
キモチ悪いです。
色も紫ですし。
エンディング
ラスボスの魔法使い龍アラカタイですが、こいつの攻撃方法は、三つの窓のどれかからカルノフ目がけてニョロっと首を伸ばしてきて、1発何かを飛ばしてから引っ込む、を繰り返すだけの動きです。
ちょっとしたモグラ叩きです。
次に首を伸びしてくる窓の暗闇部分に目が光るのが合図となっているのでパターンを掴めば楽勝です。
こんなのカルノフじゃなくたって倒せるじゃんというレベル。
ここまでの道中の方がよっぽど試練です。
エンディングで、ついにカルノフは神様の召使いから解放されます。
そして、すっかり自由の身に戻れると思い込んでいる彼に神様はこうおっしゃいました。
「これからのお前は、この神の国の番人として働いてくれ。」
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