1991年8月 ベア・ナックル 怒りの鉄拳 開発・発売:セガ
1993年1月 ベア・ナックルⅡ 死闘への鎮魂歌(レクイエム) セガ(開発:エイシャント)
1994年3月 ベア・ナックルⅢ 開発・発売:セガ
「ファイナルファイト」風ベルトスクロールアクションで、Ⅱ以降はもはやファイナルファイト風というかほぼファイナルファイトです。
初代についてはキャラが少し小さめで動きもちょっとモッサリなので、どちらかと言うとダブルドラゴン風です。
必ずと言っていいほどファイナルファイトと比べられてしまうこのゲームですが、オリジナル要素もありますし、世界観の設定にシュールな部分があったりして普通に面白いです。
セガらしい世界観を醸し出してますし、私はこっちの方が好きだったりします。
あらすじとプレイヤーキャラ
初代ベアナックル
あらすじ
「平和だった街は今や犯罪シンジケートに支配され、治安は悪化する一方であった。警察すらも支配下に置かれているこの街にはもはや絶望しか無い。そんな警察を辞め、自らの手でこの街を救うことを決意した3人の若者たちがいた。」
ありがちなストーリーですが、鉄板ストーリーでもあります。
プレイヤー
・アクセル・ストーン
パワー・スピードのバランスの取れたキャラで、格闘のタイプはマーシャルアーツ。ファイナルファイトで言うところのコーディーです。
シリーズ皆勤賞の実質主役です。
・ブレイズ・フィールディング
このゲームシリーズ中、プレイヤー側の紅一点で、スピードに優れたキャラです。
格闘タイプは柔道だそうで、投げアクションでは巴投げを披露してくれます。
トレードマークはミニスカートです。
ブレイズは、アクセルと共に皆勤賞のほぼ主役です。
ちなみにファイナルファイトシリーズの女性キャラは「源柳斎真紀」と「ルシア」の2人ですが、マキの女忍者(くの一)スタイルは絶品です。
・アダム・ハンター
パワータイプのボクサーです。
彼の特徴は次回作の「Ⅱ」ではまさかのさらわれ役になっているという点です。
特に使いにくいというわけでもないですが、「バランスタイプのアクセル」に、「女性キャラのブレイズ」が存在していることを鑑みるとアダムを使う人は少ないだろうという推測は容易です。
でももし熱狂的なファンがいたとしたら「Ⅱ」ではさぞショックだったことでしょう。
ちなみにボクサーとのことですが、蹴りが得意です。
以上の3人がプレイヤーキャラですが、ここはどう考えても戦う為の衣装とは思えないものをわざわざ着用しているブレイズさんを使ってあげるべきでしょう。
これからストリートファイトするというのに、こんな衣装で蹴ったり転んだりするわけです。
ベアナックルⅡ
あらすじ
「前作から1年後、崩壊したはずのシンジケートのボスでアクセル達に倒されたはずのMr.Xが甦り、復讐を企てる。
彼は前作のアクセルらの仲間であるアダムをさらい、取り返したければここまで辿り着いてみろ、と挑戦状を叩きつけてきたのである。
アクセルとブレイズは友情と平和の為に新たな仲間を連れてMr.Xの挑戦を受けて立つのであった。」
逆恨みですな。
プレイヤー
・アクセル・ストーン
前作に引き続き主役です。
今作から各キャラに消費メーター無しの簡単必殺技が導入されており、アクセルの「グランドアッパー」なる必殺技は隙の無いほぼ完璧なものになってます。
バランスタイプというキャラに加えてこの必殺技ですので、初心者向きです。
・ブレイズ・フィールディング
アクセル同様、引き続き主役級です。
今作は新たな仲間として「サミー」という純正スピードタイプキャラが登場するので、彼女もちょっとスピードタイプですがサミーと比べるとノーマルタイプということになります。
但し、前作で羽織っていた上着を脱ぎ捨て、スポーツブラ(っぽいやつ)にトレードマークのミニスカという装いでストリートファイトしているあたりは全くノーマルではないです。
大いに気になる点として、後ろ方向への投げが巴投げなのは前作と同じですが、前方向への投げが完全に「春麗」のそれであることです。(春麗はストⅡ[’91]から登場してます。)
それとSP攻撃の「気功掌」ですが、気功掌と言えばまたしても春麗です(世間的には)。
気功掌は、ストⅡでは飛び道具を持っていなかった春麗がストⅡターボから使えるようになった記念すべき飛び道具である「気功拳」の強化版であり、ストⅡZERO(’95)から使えるようになったものです。
ベアナックルⅡは’93発売なので、普通に考えるとお互い様という事なんでしょうか?
・マックス・サンダー
突如出現したプロレスキャラです。
誰やねん!?ですが、設定ではアクセルの友人だそうです。
プロレスキャラということでどう見てもパワータイプですが、打撃はそれほどでもなく投げ技に特化したキャラです。
後半は投げにくい敵も多いので、それなりのテクニックを持っていないと敵の攻撃をかわし切れずにボコボコにされてしまうので、上級者向けかと。
・サミー・ハンター
前述のスピードタイプ担当の新キャラで、今作ではさらわれ役となってしまったアダムの弟です。まだ子供です。
ローラースケートを履いているという事で、唯一ダッシュが可能ですが、パワー不足が否めない微妙なキャラです。
彼を見て映画「幻魔大戦」のソニー・リンクスかと思ったのは私だけではないはず。
アクセルのグランドアッパーを駆使すれば簡単にクリアできてしまうし、新キャラはどちらも上級者向け、というわけでここはやっぱりブレイズさんを使うしかないでしょう。
前作をはるかに上回る容量で作られたゲームでもちろんグラフィックも格段にキレイです。そんな中、相変わらずミニスカなブレイズさんはもはや女神です。
ベアナックルⅢ
あらすじ
「とある街で原爆が爆発。この事件を捜査していたアクセルらが、最後に辿りついた先に姿を現したのはまたしてもアイツだった。
一刻も早く奴らの企みを暴き、次なる被害を阻止せよ!」
しつこい奴ですわ。
プレイヤー
アクセル、ブレイズ、サミーは続投、新たに登場するのが「ドクター・ザン」というサイボーグじいちゃんです。
またしても誰やねん!?です。
ちなみに前作の誰やねんマックスは欠場です。
さらに初代のアダムにいたっては、ストーリー上での支援役として登場するも、もはやプレイヤー枠に彼の居場所は無いという扱いです。
可哀想なアダム。
今作では、全員がダッシュできるようになったのと、必殺技が3段階に成長するというシステムが搭載されています。
後に発売されるファイナルファイトタフでもコマンドによるキャラごとの必殺技というシステムが搭載されますが、ここにきてファイナルファイトの追随を許していない感がしないでもないです。
さて、ここまできたら最後もブレイズさんを使うしかないでしょう。
Ⅱをさらに上回る容量で作られていますが、ブレイズさんはこれ以上進化できません。ある意味Ⅱですでに一般的なゲームの限界でしたし。
印象的だった敵キャラ
初代ベアナックル
・ノーラ(ザコ)
派手なボンデージを着用しており、ムチで攻撃してくる女ザコです。
ボンデージもですが、帽子と肩パッドが特に印象的です。
・サウザー(ボス:ラウンド2)
秘孔の位置が逆になっているという特殊な体質である、某世紀末マンガに登場するキャラではありません。
カギ爪を装備しており、プレイヤーが背を向けると高速で近づいてきて攻撃してきますが、正面を向いていればちょっと強めのザコと言った程度のだるまさんが転んだキャラです。
・アバデデ(ボス:ラウンド3)
2mオーバーで180㎏越えという巨漢プロレスキャラで、ラリアットの鬼です。
助走しに戻るタイミングを狙って打つべし。または、ひたすらジャンプキックでラリアットを迎撃しましょう。
名前が面白い。
・ボンゴ(ボス:ラウンド4)
スキンヘッドデブで口から炎を吐きながら走って攻撃してきます。イーアルカンフーの準リアル「タオ」みたいです。
火を吹くまでに準備時間があるのでそのタイミングを狙って打つべし。
このキャラは太っている為投げようとすると失敗して押し潰されます。デブキャラ設定は伊達じゃないのです。
・鬼姫&夜叉(ボス:ラウンド5)
女性2人組のアクロバティックキャラで、普通に攻撃してもバク転とかジャンプで華麗に避けられ、ほとんど当たりません。
ジャンプキックも空中投げで返されます。
一体どうやって倒すのか悩むところですが、実は背中を向けると無警戒に歩いて近づいて来るので、そこへ背後攻撃をしているだけで倒せてしまいます。
2人とも見た目はブレイズの色違いです。
・Mr.X(ラスボス)
あ、違うか… スーツ着てるし。
肉弾戦という暗黙の了解の世界で、銃を使用するという行為はなぜかとても卑怯なヤツに見えますね。
くにおくんの「サブ」しかり。
実際使用しているのはマシンガンで、敵味方構わずぶっ放すというワルの見本全開です。また、異常に動きが速く、その素早さでもって近づき、銃の柄の部分で殴りつけてきます。
動きは速いですが、投げ技を持っていないので、うまく接触できれば捕まえることもできますし、マシンガンは移動可能範囲の一番向こう側から撃つので、基本的にそのラインで戦っていれば発砲時の隙を狙って攻撃可能です。
ベアナックルⅡ
・エレクトラ(ザコ)
ノーラの改良版女ザコなので、やはりボンデージ&ムチです。
今回は前作のようなアレンジしたボンデージ衣装ではなく、純女王サマな恰好に修正されています。
・ハンゾウ(ザコ)
名前のごとく忍者キャラですが、忍者らしからぬゴリマッチョ体型です。
確かに動きは身軽ですが、仮に天井裏などに潜む任務の場合はその重さで天井が抜けそうです。
こんなに幅のある忍者は忍ぶことはできません。
・ジェット(ボス:ステージ2)
ジェットパックを装備して常に浮かんでいる為、地上からの攻撃が当たらないという戦いにくい相手です。
ノコノコ近づくと掴まれて上空へ持ち上げられてから地面へ叩き付けられ、離れるとゆっくり上昇してから急降下キックしてきます。
後でザコとしても同じタイプの敵が登場しますが、特に浮いているせいでそのまま見ると敵の位置が掴みにくいので、攻撃・回避の際は地面の影を追いましょう。
・アバデデ(ボス:ステージ4)
前作から続投のボスで、今作はラリアットの鬼ではなくなってます。
プロレスラーらしくそのまま近づくと逆に掴まれてバックドロップされるので基本は打撃技を使いましょう。
また、通常のコンボは最後にいくまでにカウンター技で返されるので、途中でやめるか必殺技を使いましょう。
・Rベアー(ボス:ステージ5)
一目見て「マイクタイソン パンチアウト」のボールド・ブルだな、と思いました。
ヘンテコな出で立ちですが、なかなかのテクニシャンで強めです。
軸をズラすとヒップアタックで軸移動攻撃してくるので、その直後の隙を狙えば攻撃が当てやすいかと。
・シヴァ(中ボス:ステージ8)
Mr.Xの用心棒的な感じで、Mr.X戦の前哨戦として戦うことになる見たまんま格闘家ですが、全ての面において隙が無く、攻略法も無いかなりの強敵です。
・Mr.X(ラスボス)
前作ほど動きは早くないですが、どこからでもマシンガンを撃つようになってます。
また、相変わらず近づくと銃の柄の部分で殴ってきますが、殴った後はなぜか高笑いして隙だらけになるので絶好の攻撃チャンスです。
戦う直前に吸っていた葉巻をポイ捨てしてますが、床のカーペットが燃えないかが心配です。
ベアナックルⅢ
・ガーネット(ザコ)
新たに登場した女ザコで、またしてもボディコンですが、さらに目を引くのがポルナレフばりの髪型です。
そして移動時は常に両手を腰に当てており、くねくね歩いて、ビンタで攻撃してきます。
どちらかと言うと、私はエレクトラ派です。
・黒スーツ(ザコ)
珍しく、ザコなのに拳銃持ちですが、もちろんMr.Xのような卑怯な強さは持ち合わせていません。
登場頻度も至って低いです。
・アッシュ(中ボス:ラウンド1)
船長帽子を被り、レオタードを着用したヒゲ面のマッチョなオカマさんです。
チョコマカ走って逃げ回り、軽やかにジャンプで移動したりと、アグレッシブさは全然ないですが、接触時にたまに投げ技を使ってきます。
ナヨってますがマッチョなだけあって、投げ方はなかなか豪快です。
立ち姿や走る時は内股ですし、手の角度も女の子のそれなのが気持ち悪いです。
あと、BGMもアッシュっぽくなってて、ここは数少ないおふざけシーンと言えそうです。
撃破後に特定の操作をすることでプレイヤーとして使用することができます。ジャンプキックができませんが、通常攻撃が異様に強い気がします。
・シヴァ(ボス:ラウンド1)
前作から続投ですが、ラウンド1のボスということで前作ほどの強さは無くなってます。
シヴァも撃破後に特定の操作をすることで使用可能です。ジャンプキックもできますし、攻撃力も高いと思います。
・ダンチ(中ボス:ラウンド2)
ピエロ姿の獣使い風キャラでカンガルーボクサーの「ビクティー」を引き連れています。
メインの攻撃はビクティーが担当してますが、オマケキャラなのでダンチだけ倒せばクリアです。
ダンチ自身も射程の長いムチで攻撃してきますし、結構身軽に動くので何気に攻撃が当てにくいですが、大して強くはないです。
また、ビクティーを倒さずにクリアすると次のコンティニューからビクティーをプレイヤーとして選択することが可能ですが、特定コマンド入力で最初から使用することも可能です。
・鬼姫&夜叉(ボス:ラウンド2)
初代で登場した女タッグが復活です。
今作ではブレイズの姿ではなくオリジナルの姿をしており、ピッチリスーツを着用しています。
このゲームの女性キャラの衣装は全部ピッチリです。
初代ほどの身軽さが無くなり、攻撃も当たりやすくなっているのでそれほど苦戦するこもないでしょう。
折角なので「Ⅱ」のブレイズさん風で。
・ロボ.X(ボス:ラウンド5)
見た目はMr.Xですがその名の通り、実はロボットです。
ドクター・ザンのように損傷した肉体の一部をサイボーグ化したとかではなく、Mr.Xに似せた完全なロボです。
初見時は、アレ?もうラスボス?ってなりがちです。
ロボだけにロボ感満載のキャラで、移動はホバーで、パンチは腕が伸びます。
また、腕に仕込まれたマシンガンをぶっ放し、肘には小型ホーミングミサイルが仕込まれていて、さらに掴みかかっても電撃で跳ねのけてきます。
ただ、ロボなのに自分の攻撃が成功すると高笑いするというⅡからのクセまで搭載しているので、被ダメージ後は反撃のチャンスです。
隙しか生まない高笑いまで搭載してますし、倒した後にまるでMr.X本人が話しているかのように喋るので、脳ミソ部分はMr.Xの意識がプログラムされているとかそんな感じなんでしょうか?
・Dr.ゼロ(中ボス:ラウンド7)
自らは戦わず、クレーンゲームのように天井から吊るされたアーム(電撃機能付き)を操作して攻撃してくるマッドサイエンティストキャラです。
髪型がスゴイ。
足場がベルトコンベアになっていて、放っておくと流された先の電撃ギミックでダメージを受ける上に、アーム自体はすぐに届かない位置に戻ってしまうので、倒すのに時間だけはかかるタイプです。
・ネオX(ラスボス)
その正体はMr.Xで、Ⅱで倒された後、脳ミソだけは生き残っていたそうです。その脳ミソで操作をしているロボットがネオXなのです。
しぶとい!
このロボは一応人型ですが、ガンダムのジオン軍にいそうなゴツゴツ系です。
ストーリー的にすでに原爆の発射ボタンは押されていて、発射まで実際の時間で3分となっているので、倒すまでに制限時間をオーバーしたか否かでエンディングが変わってきます。
まともに戦うと初代の鬼姫&夜叉ぐらいの回避率で攻撃がかわされるので、多分時間内では倒せないと思います。
一番簡単な攻略法としては、一度ダウンさせると起き上がってまずジャンプするクセを持っているので、起き上がるのを待ってジャンプキックを繰り返すだけで時間内で勝てます。
あとがき
ところで、シリーズ通して気になるところが、アクセルとブレイズの関係です。
両人とも皆勤賞ですし、どう考えても何かありそうな感じが否めない若い2人ですが、これまでそういった演出は全然なく、結局ただの同僚だったのか…で終わるのかと思いきや、Ⅲのエンディングでさりげなく関係性をうかがわせる演出が…。
エンディングで夕日を眺めるシリーズのプレイヤー達5人の背後からのアングルで、アクセルはブレイズの肩に手を置き、ブレイズはアクセルの腰に手を当てています。
確かに身体自体はそれほどくっついてはいませんが、かと言ってただの同僚がこんなスキンシップはしませんよね?
やはり、そうなるか! …で、いつから?