FC:1988年12月 開発:スクウェア 売上本数 76万本
PSP:2007年6月 開発:トーセ
あらすじ / レジスタンス / 登場人物 / フリオニール / マリア / ガイ / レオンハルト / ヒルダ / ミンウ / スコット / ゴードン / ヨーゼフ / ポール / シド / レイラ / リチャード / ボーゲン / ダークナイト / 皇帝
おまけ部分 / ピッコーン / 優勝賞品 / 匂い / アナザーダークナイト
ファミコン全盛期、しかもシリーズ2作目にして、RPGなのに「レベル」の概念を無くしてみました!というチャレンジ精神溢れんばかりのゲーム。
「レベル」という大きな括りでの成長は無くし、キャラの能力を個々に、かつ、バトルを終えたその都度成長させるという画期的な試みのシステムなのですが、この時代にこのシステムをこれほどバランス良く作り上げたのはさすが後の巨大ヒットメーカー「スクウェア」様です。
考えてみれば、経験値を一定ラインまで溜めたら能力が全般的に一気に上がるよりも、一度のバトル毎に個々の能力が少しずつ上がっていく方が、ザコとの一回一回のバトルに意義が感じられるような気もしますね。
現実世界でヒトが日々のトレーニングでパワーアップしているかのような。
ちなみに私はこのゲームを幼き頃にやった記憶はありますが、クリアした記憶が無かったので、改めてクリアしてみようと思った次第です。
あらすじ
パラメキア帝国の皇帝は魔界から魔物を呼び出し、全世界に対して攻撃を仕掛けた。
目的は世界征服。
これに対し、フィン王国はカシュオーン王国、ディスト王国とともに抗戦するも、魔物を引き連れた帝国の圧倒的な軍事力によりついに陥落。
しかし、フィン王国王女ヒルダは病床にある父王に代わり、辺境の町アルテアにてレジスタンスを指揮継続していた。
同じ時、フィン王国で暮らしていたフリオニール・マリア・ガイ・レオンハルトの4人の若者もこの戦争により、両親を失い、そして王国から逃げ延びようとするも途中で帝国軍の追手に深手を負わされてしまう。
レジスタンス
フリオニールらはフィン王国から逃げる際、帝国兵の黒騎士に追い付かれ、ケタ違いの強さに手も足も出ず瀕死の状態にされます。
ゲームがスタート時、いきなりこの黒騎士とのバトルから始まるところが印象的です。
まさに赤子の手を捻る状態。
しょっぱなから完膚なきまでに叩きのめされて、絶望と屈辱を味わうことで、プレイヤーに帝国の強大さを知らせると共に、打倒帝国をたきつけるという、お約束ですがよくできた演出であります。
フィン王国からアルテアに落ち延びる途中だったヒルダ王女と側近の白魔導士ミンウらは、瀕死のフリオニールを道中で発見し保護。
アルテアにて目覚めたフリオニール → ここは?みんなは?の状態で部屋を出る → 仲間発見!
登場人物
フリオニール
白髪の一応イケメンの青年でこのゲームの主人公。
よくRPGにある「実は伝説の勇者の孫」とか「剣術の才能がケタ外れ」とかそういった肩書きや特徴などもない普通の主人公で、あえて言うと別に彼が主人公でなくてもいいレベルの存在感。
オープニングのムービーによると、追手から逃げつつ放ったナイフが、黒騎士の鎧のわずかな隙間を縫い、見事に目の部分に突き刺さるシーンからすると、一応はそれなりのバトルセンスの持ち主であろうことは窺えます。
ちなみにこの黒騎士は目にナイフが突き刺さって一瞬落馬しますが、その後何事もなかった様に起き上がるところを見るに、どうやら魔物が鎧を着てるのか、鎧そのものの魔物か、そんな感じの存在のようです。
このゲームでは、誰もがあらゆる武器・防具を装備できますが、フリオニールは一応主人公ということで、王道の「剣」をメインに成長させてあげました。
マリア
冒頭のバトルで行方不明になってしまったレオンハルトの実の妹で、一応ヒロインの立場と言えましょうか。
しっとりした感じの女性で、おとなしめ妹系キャラ。
ステータス画面の顔はちょっと怖い。
目つきが少々怖めですが、ある町で酔っ払いに絡まれた時の「やだぁ…もうっ!」というセリフが、目つきとのギャップで一気に惚れました。
そんな彼女は実はフリオニールに想いを寄せています。
装備は、最初から後衛に配置されており、武器も弓矢だったので、とりあえずそのままずっと弓矢使ってました。
それとやっぱ回復は女性キャラにしてもらいたいので、魔法も頑張ってもらうことにしました。
ガイ
フリオニールとガイはすでに両親が他界しており、二人ともマリアとレオンハルトの家に引き取られ生活してきており、この4人はただの仲間ではなくほとんど「家族」のような状態です。
ガイはそんな彼らの中でも一番の巨漢でパワータイプのキャラ、でも性格は優しく温厚というお約束設定。
一番の特徴としては、話し方がなぜかカタコトなところ。これが余計に心が純粋系キャラに思わせている気がします。
極めつけがなんと、動物と話せる能力です。
そう、心が純粋なキャラはもはや動物と意思の疎通が可能なのです。
パワータイプな彼は最初から装備している斧をメインに育てました。
レオンハルト
マリアの実の兄で、濃い顔立ちとカッコイイ名前の通り、頼れる兄貴的キャラ…と思いますが、そんな彼はオープニングでの黒騎士戦以降、ずっと行方不明で仲間になるのは終盤の終盤です。
ちょっといわくつきでの仲間入りとなります。
ところで、このレオンハルトの立ち位置である4人目の欄は、目まぐるしく仲間キャラが入れ替わります。
この仲間の入れ替わりがストーリーに深みを持たせてくれる要因にもなってます。
ヒルダ
フィン王国の王女。
国王は存在してますが、ゲーム中ではいきなり病床の身のキャラなので、その代わりに王女が実質この国のトップという状態です。
王妃は出てこないので、すでにこの世にいないと思われ、また兄弟なんかもいないようです。
まだ若いのにこの一大事を任されてしまったヒルダ様。
ちょっとおっちょこちょいなところはありますが、責任感のあるしっかりした性格で健気に頑張る姿がカッコイイ女性です。
また、キリっとしたその顔立ちにゾクゾクします。
物語のかなり中心にいる人物なので、その存在感はマリアよりもヒロイン的立場にある言っても過言ではなさそうですが、フリオニールとはそういう関係にはなりません。
一応婚約者もいますし。
彼女の一番の見せ場は「ラミアクイーン」のイベント絡みでしょう。
ラミアクイーンのイベント
物語中盤、ヒルダはフリオニール達ばかりに任務を遂行してもらい、自分はアルテアの町(レジスタンスのアジト)でジッとしているのが申し訳なくなってきます。
フリオニール達が敵の主要戦略兵器である「大戦艦」を破壊する為のアイテム「太陽の炎」を手に入れた後、彼らを労おうとしたのでしょう、自ら迎えに出向くためシドの飛空艇に同乗したことによって、逆に飛空艇もろとも帝国に捕まってしまうのでありました。
その後太陽の炎を持って大戦艦に乗り込んだフリオニール達は、破壊工作の実行前に王女を助け出し、事なきを得ますが、レジスタンスのリーダーである王女を人質に取られたとなると、通常考えられうる行動として、これを材料にレジスタンスの壊滅を図ってきそうなものですが、特にそんなことは無いのがラッキーでした。
レジスタンスのリーダー自らが表に出るというのはタブーな行動ですが、そんな健気なヒルダ様が私は好きです。
そして、何がラミアクイーンなのかというと、この話にはまだ続きがあります。
この助け出したヒルダ王女ですが、実はニセモノです。
このニセ王女は、そのままヒルダのフリをしてレジスタンスのアジトに潜り込みますが、特にレジスタンスをどうこうしようという行動には出ず、ただただヘラヘラしてます。
ニセモノとは知らないレジスタンスのメンバーや一般人などはいつもと様子の違う王女を不信がり、ゴードンからもちょっと様子を見てきてくれないかと頼まれます。
ヒルダの部屋に入ったフリオニール達ですが、ニセ王女はフリオニールと二人だけで話がしたいと言って、あとのメンバーを外に出します。
そして、突然フリオニールを誘惑します。
その人柄から、ヒルダは絶対にこんなことしない人(しかもこんな有事の際に)であることはわかるのに、フリオニールときたら…。
「ゴクッ…。」
この後ベッドに近づいたフリオニールに対し、正体を現したニセ王女… 改めラミアクイーン(モンスター)。
いやまぁ…フリオニールも思春期真っただ中の青年ですしね、気持ちはわからなくもない。
でも、キミはこのゲームの主人公だぞ!
ところで、ラミアクイーンの姿になってから、フリオニールが「きさま!王女じゃないな!」といいますが、普通このセリフを言ってからラミアクイーンの姿になる方が自然なのでは。
それにしても、ニセ王女を助けてからラミアクイーン発覚まで結構時間が経ってるし、その間にラミアクイーンは特に何も行動を起こしていないのはいかなる理由でしょうか。
帝国にレジスタンスの情報を送るわけでもなく、破壊工作などをした気配もありません。
もちろん誘惑するフリをして油断したフリオニールを葬る計画だったのでしょうが、ちょっと時間が掛かりすぎちゃいました。
何なら本当にフリオニールを誘惑しようとしたんじゃないのだろうかと思ったり思わなかったり。
フリオニールがベッドに近づいてきた際に、かかったな、フリオニール!と言ってまるで攻撃を加えようとしている感じでしたが、実はそのまま熱い抱擁するつもりだったとか。
そう、ラミアという怪物はそういう趣向を持った怪物だからです。
さて、本物のヒルダは一体いずこに?
その答えは、ラミアクイーンを倒した後すぐに判明します。
部屋に飛び込んできた兵士の報告によると、帝国の本拠地パラメキアにて闘技会が開かれ、その優勝者への賞品はなんとヒルダ王女!
しかも、どうやら帝国の皇帝主催ということです。
ということは、こんなに時間が経っても戻ってこないラミアクイーンは作戦に失敗したと見做し、次の作戦の実行に移ったということでしょうか。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
優勝賞品がヒルダ姫だったのを見たフリオとゴードンの反応はコチラ
とにかく、フリオニール達は闘技会に出場し、優勝してヒルダ王女を取り戻す為に皇帝の居城パラメキア城に向かいます。
そして勝者となったフリオニール達はヒルダ王女を取り戻すと同時に、皇帝に近づいて倒すチャンスをうかがいます。
まさか自分達の顔が割れていないと思っているのでしょうか、殺意むき出しで玉座に近づくフリオニールに向かって皇帝は、褒美はこれだ!反乱軍の戦士、フリオニール!と言われ、床に開いた穴に落とされ捕まります。
ラミアクイーンですらフリオニールの事を知っていたのに、皇帝が知らないわけがありません。
ラミアクイーンを送り込んだり、闘技会の優勝賞品をヒルダにしてフリオニールをおびき寄せたり、なんだかまどろっこしい作戦を立ててる皇帝ですが、やはり前述したように、シンプルにヒルダを人質にしてレジスタンスを無力化・壊滅させた方が効率がいいと思うのですが。
オープニングで派手に攻撃をぶっ放している皇帝からすると、要するにこれはレジスタンスのことなんて別に脅威とも思っていないし、ただお遊びでやっていたんじゃないかなとか思えたりしてきます。
ミンウ
ヒルダの側近の白魔導士。
頭部をシンドバット的な装いにしており、かつ、顔の下半分も布で覆っているので顔立ちがよくわかりませんが、見えてる目だけだと男か女かわからないぐらいの美形魔導士です。
名前もどっちかなと思わせるものですが、この人は男です。そしてマジメでいい人。
最初に仲間になる4人目枠の人物で、ヒルダの命によって同行することになりますが、まだひ弱な主人公たちのいわばお守り的な立場ということなのか、彼は最初からかなりの魔法熟練者です。
めちゃくちゃ頼りになります。
こういう美形で、イイ人で、有力者の側近は結構何かしら怪しかったりしますが、結論から言うとミンウは最後までイイ人です。
彼には最初に会った時からちょっとした不思議な能力を感じることがありましたが、フリオニールたちに対し、自らの運命を委ねることこそが彼の使命だったようです。
帝国の大戦艦破壊作戦成功後、病床にあったフィン王のミンウへの最後の言葉は、今こそアルテマの封印が解ける時だと思わんか?でした。
死を目の前にした王は、それでもなお世界の平和への道筋を皆に伝え、ミンウに対してもこの最強の魔法「アルテマ」を手に入れよという遺言を残します。
アルテマ入手の為に魔法の里ミシディアへ向かったミンウは、しばらくの間なんの音沙汰もなく、ヒルダをはじめ、皆に心配されまくります。
イイ人なので人望も厚かったのでしょう。
彼は物語の後半、ミシディアの塔の最上階にてフリオニール達を待っています。
ここでなぜ今まで連絡もせずここでフリオニール達を待っていたのかが判明します。
アルテマはこの世界の最強魔法であり、予想以上のチカラを持つ皇帝に確実に対抗できるであろうこの古の魔法を確実にフリオニール達に託す為に、そして近い日に必ずやフリオニール達はここにやってくると予知していた為ここでずっと待っていたものと思われます。
そして、この魔法はおいそれと使えないよう強力な封印がなされています。
そうまさにこの世の存続の危機が訪れでもしない限り使ってはいけないものなのです。
そんな強力な封印の解き方ですが、ミンウ曰く、自分の全ての魔法力を扉にぶつける、だそうです。
フリオニールらの前でそれを実行したミンウは見事アルテマの封印の解除に成功しますが、その代償としてここで命尽き果てます。
魔法力どころか、人ひとりの全ての生命エネルギーと引き換えに得られる禁呪法とでも言い換えられましょうか。
彼の最後のセリフが「案ずるな… これが私の… 運命だったようだ…」です。
スコット
オープニング直後、まだフリオニールたちがヒルダにレジスタンス加入を認められていない状態の時、ミンウの助言でフィンに潜入することになります
といってもフィンの町をうろついている強敵「キャプテン」達は、話しかけさえしなければ襲ってこないので、堂々と街中をめぐり、入れるところは入ってみます。(通常のエンカウントは発生します。)
酒場でかくまわれているスコットを発見。
何を隠そうこの人物は、フィンと同じく帝国に蹂躙されてしまった国、カシュオーン王国の第1皇子であり、ヒルダの婚約者なのです。
よくできた人間で、オープニングによるとおそらく帝国が襲撃してきた為フィン王国に来ていたスコットは、身を呈してヒルダを逃がし、討ち死にしたと思われていましたが、何とか生き延びてここに匿われていたようです。
しかし、傷が深かったのかもはやその命は消えかけようとしています。
また彼には弟がいて、すでにヒルダとともに国を脱出しており、実はアルテアにコッソリと居ます。
弟の名はゴードン。
スコットは弟に対し、お前はもっと素晴らしい力を持っている、そしてヒルダにも、愛していると伝えてほしいとフリオニールに頼みますが、直後、やはりヒルダには何も言わないでくれと言います。
これから死にゆく者の言葉で生者の生き方を縛るのを躊躇ったわけです。ヒルダには自分よりもっとふさわしい者がいるはずであると信じて。
そして自分が身に着けていたリングを外すとそれをフリオニールに渡し、絶命します。
ゴードン
帝国によるフィン王国襲撃の際、兄のスコットが身を呈して自分を助けたとは言え、兄の言うままに、国を捨てて逃げたという事実で自分を責めており、完全に覇気を失ってアルテアの町の片隅で佇んでます。
ヒルダにレジスタンスへ入れてもらおうにも、兄の婚約者だったということもあるので合わせる顔が無いし、拒絶されるのを恐れているのです。
ちなみにスコットからリングを託されて、それを見せながら兄の言葉を伝えても、それでもその心の溝は埋められないご様子。
それと、ヒルダの前に姿を現せないのにはもう一つ理由があって、実は彼はヒルダに密かに想いを寄せているのです。
ただ拒絶されるのが恐いのではなく、自分の想い人からの色んな理由での拒絶に恐怖しています。
そんなゴードンは人格者だった兄が言うように、本当はできるヤツなのです。
最終的にはフィン王の遺言もあり、カシュオーン王国が壊滅させられてしまった今、ヒルダと共にこのフィン王国(物語中盤でフィンを帝国から取り戻した後)の復興に励んでくれと頼まれ、当初の覇気のなかった頃からは信じられないぐらいしっかりとフィンのリーダー的存在となります。
ちなみにこの「ヒルダと共に」というのは、あくまでも協力して国を再建するというだけの話なのか、ゆくゆくはヒルダと結婚してフィンの国王となれと言う意味なのか、つまり兄のスコットが言っていた自分よりヒルダにふさわしい人物というのが、実は弟だったという意味なのか、はっきりとはわからないままです。
…なのですが、ゴードンは物語が少し進んだあたりで、ようやく動いたかと思ったその行動がある意味人一人死なせてしまっているのです。
犠牲者の名はヨーゼフ。サラマンドという町の有力者でレジスタンスの協力者です。
そして、この人物どうやらヒルダ王女から結構厚い信頼を得ているらしいレジスタンスの中でも有力者なのです。
帝国の大戦艦破壊作戦は、この戦艦の動力原である太陽の炎の中に、さらに太陽の炎を投げ込む事で戦艦を暴走させ爆破してしまうというもので、その太陽の炎という特殊な炎は実はゴードンの祖国、カシュオーンのシンボルでもあり、カシュオーン城の1階で永遠に燃え続けているものなのです。
しかし、ゴードンの兄スコットは帝国に敗北してしまった時を想定し、せめてカシュオーン城だけでも明け渡すまいと、その扉に絶対閉鎖の封印を施していました。
この封印を解くには「女神のベル」なるアイテムが必要なのですが、その在り処を知るのはカシュオーン一族のみ。
フリオニール達に看取られて今は亡きスコット、となればあとはゴードンしか知る人物はいません。
普段はアルテアの片隅でウジウジしてるゴードンですが、この肝心な時に限って、そこに居ないのです。
ヒルダですらゴードンの姿が見当たらないと言っているので、総員総出で探したのでしょう。
しかし、見当たらないのも当たり前です。
なぜなら、この時ゴードンは急に思い立ち、誰にも言わずにすでにカシュオーン城の門の内側で途方に暮れているのですから。
そう、門の内側で。
ちなみにカシュオーン一族であれば、その「声」で封印が解除できるみたいです。
しかも、この封印はオートロック的な仕組みなのか、一度解除しても再度封印が発動してしまうらしく、扉を閉めるとまた開かなくなるようです。
まさか扉の向こうにゴードンがいるともつゆ知らず、しょうがないのでカシュオーン一族以外で女神のベルの在り処を知る者を探すことになりますが、ミンウによると、そうなるとカシュオーンの人間に近しい人物がおそらく知っているだろうという推測をしてくれます。
それが… ヒルダです。
スコットの婚約者ですし。
やはりヒルダはスコットやゴードンからその話を聞いたことがあるらしく、具体的な場所まではわからないようですが、場所は「雪原の洞窟」の奥深くとのことです。
この洞窟がある一帯は、前述したヨーゼフの庭みたいなものであり、彼に案内を頼むことになります。
ヨーゼフのおかげで女神のベルは手に入りますが、洞窟を出る間際、敵の仕掛けた罠で全滅の危機に陥った際、一人で身を呈して受け止めフリオニール達を助けて、自分は死んでしまいます。
つまり、彼と共に女神のベルを取りに行かなければ、彼は死ななくて済んだわけです。
ゴードンがカシュオーン城の扉の外にさえいれば…、ゴードンが誰かに行先を伝えておけば…、何ならゴードンがいつまでもウジウジとアルテアに引きこもってさえいれば…、ヨーゼフは死なずに済んだのです。
帝国に祖国を滅ぼされ、その際、兄と国を見捨てて逃げた亡国の王子として自責の念にかられる日々、その後自分にできることがあり、やっと動き出したと思ったらそのせいで有能な人物を死なせてしまうという、どこまでもついてない王子様なのでした。
ヨーゼフ
サラマンドの町の有力者で、かつレジスタンスの協力者である人物で、ヒルダから厚い信頼を得ているスキンヘッドの強そうなオヤジです。
彼は、当初レジスタンスを名乗る若造たちであるフリオニールらがどうにも信じられない、といった感じでしたが、この町の男衆が帝国によって奴隷労働させられているので、それを解放してきてくれ、とよく考えたら結構な難題をサラリと依頼してきます。
これはヨーゼフのダメ元で頼んだ依頼だったのではないかなと後で思わされます。
この依頼にはヨーゼフの3つの思惑が絡んでおり、一つは文字通り町の男衆の奪還、そしてもう一つはこの若造たちの実力と信用を図るという目的、最後に最も大事なのが、自分の娘であるネリーの救出です。
ヒルダの言うようにヨーゼフからの連絡が来ないのは、実はネリーが帝国によって人質とされてしまっており、レジスタンスとしての行動が取れない状態なのでした。
彼女を救出すると、ヨーゼフはその後最初の冷たい態度とは打って変わって、何でも相談してくれ、とめちゃくちゃ人のいいオヤジになります。
娘が人質に取られていた事から、仮にフリオニール達に娘救出を正式に依頼して失敗した場合、帝国に問いただされた時に言い訳できなくなることを考え、あえて娘が人質になっていることは伏せておき、自分とは関係のない連中が勝手にやったことと言い張るつもりだったのではないかなと思ったり思わなかったり。
失敗時の言い訳 → 人質を救出しようとしたわけではない。誰かが勝手に奴隷を助けに行っただけだ!
結果、見事娘を取り戻してくれたフリオニール達でしたが、理由があったとは言え、善意で頼ってきた若者たちに本当の状況を知らせずに、あわよくば自分の子どもを助ける為に利用したという私欲の代償はそれなりに重かったらしく、その後ゴードンの天然の愚行によって命を落とすハメになってしまうのでした。
いやもしかすると、ヨーゼフという人物であれば、フリオニール達に対する借りはこのような形であってこそ初めて清算されるべきであったと、むしろ満足して死んでいった可能性もあります。
ポール
フリオニール達の行く先々でちょいちょい登場する義賊(=ねずみ小僧的なやつ)です。
彼はフィン王国出身ということで、レジスタンスに対しては盗みはやらず、現在は自分の祖国を蹂躙した帝国をターゲットに盗みを働いているようです。
彼は、自分のことを俺様とかポール様とか言うタイプでその性格を察することができると思いますが、そんな調子で帝国から盗みをしており、しかも結構稼がせてもらってるようです。
みな帝国に対し緊張感を持って対峙しているのに、ポールのこの度胸には感服いたします。
このポールという人物は、仲間にはならないものの、かなりの活躍をしてくれるキャラクターです。
ポールの活躍①
ヒルダが闘技会の優勝賞品となった時に皇帝に捕まってしまったフリオニール達を牢屋から出してくれます。
「借りを作るのが嫌いなんでね!」
ポールが言っているように、これについては帝国からミスリルを盗み出そうとしてヘマをやってしまい、捕まってしまった時(ヨーゼフの娘ネリー救出イベント)にフリオニール達に助けてもらった借りを返すという形で助けてくれます。
ちなみにポールの失敗はこの時だけで、これ以降は彼がいなかったら帝国に勝つ事はできなかったであろうぐらいさらに活躍してくれます。
ポールの活躍②
物語後半、最強魔法「アルテマ」の封印を解くには「白い仮面」が必要なのですが、ヒルダによるとこの白い仮面は実はフィン王国にあるとのことです。しかし、フィン王国にあるのは確かですが、その扉がどこにあるかはわからないんだとか。
フィン王は死に際に、ミンウにアルテマの封印を解く時だ、的なことを言ってましたが、アルテマの封印解除に白い仮面が必要なのであれば、これがある場所も伝えておいてくれよと言いたい。さすがに王様ならその場所を知っていたかと。
そこでゴードンにも聞いてみると、ヒルダが知らないとなると…そうだポールならそういう事に詳しいだろう!とか言います。
「あいつは世界一の大泥棒らしいからな。」
泥棒に頼るとか。
早速ポールにフィン城の隠し扉の場所を聞くと、もちろん知ってるぜとの事。
中身が白い仮面という得体の知れない物だったこともあり、自分には不要のモノと判断したのか、あっさりと扉の場所を教えてくれます。
この世に危機が訪れし時その封印が解かれるという最強魔法アルテマ、その封印を解くためのアイテムがある場所を知っているポール。
彼がいなかったら世界は帝国のモノでした。
ポールの活躍③
防御力とか耐性無視でダメージを与えることができる特殊な剣、ブラッドソードをくれます。
ポールの自慢
帝国の本拠地である難攻不落の要塞、パラメキア城に入ったことがある!
この城は周りを山で囲まれている為、空からしか入ることができませんが、フリオニール達はシドから借りた(受け継いだ)飛空艇でもって初めて入ることができるようになりますが、ポールはなんとタコで侵入したそうです。
パラメキア城は行くのが難しいだけで、警備は手薄みたいですね。
というか、滅多な方法でないと行けないから逆に警備とかしてないということなのかも。
シド
元はフィン王国の白騎士団団長でしたが、飛空艇の魅力にとりつかれて騎士団を辞めた飛空艇マニアのオヤジ。
後のFFシリーズに何かしらのキャラとして登場するFFのレギュラーキャラとして有名ですね。
FF2では主にポフトの町で空輸を行っており、運賃を払えば飛空艇で行きたい町まで乗せていってくれます。
但し往路のみなので、復路は歩きとかになります。
それほど利用することもないかと。
メインストーリーに関わる部分としては、帝国の大戦艦攻略作戦では飛空艇に詳しいキャラという事で、大戦艦の攻略方法を教えてくれます。
太陽の炎を動力にしており、これを暴走させることで破壊できるだろうと助言してくれるのが彼です。
また、最後は皇帝の竜巻による負傷で死んでしまうのですが、彼の最後の言葉によって飛空艇がフリオニール達のものになり、帝国の本拠地パラメキア城に乗り込むことができるのです。
レイラ
美人女海賊。
フィン王の遺言で、フリオニールらは竜騎士と飛竜の生き残りを求めてディストの国へ向かおうとしますが、その辺の船乗りたちはなぜかディスト行きをかたくなに拒絶してきます。
そんな中、このレイラだけがちょうどディストへ行くから乗っけてってやるよ、とノリノリな感じで言ってきます。
プレイヤー的にアヤシイと絶対思う所で、同じくマリアも都合が良すぎない?とかなりアヤシんでる模様。
フリオニールは、しかし他に手段がないからと言って船に乗せてもらうと、案の定航海の途中で海賊であることをカミングアウトしてきて、身ぐるみはがそうと手下の海賊たちをけしかけてきます。
でもこの子分たちはめちゃくちゃザコたちなので、簡単に返り討ちにすると、あたいらの負けだ、好きにしな!といさぎよく負けを認めますが、フリオニール達は共に帝国と戦ってくれ的なことを提案したのか、あたいらみたいなはぐれ者とかい?と自分たちの様なならず者を認めてくれたフリオニール達を気に入り、仲間になります。
なんというストレートな展開。
最初から二刀流設定で短剣の熟練度が高いので、大戦艦で入手したやたらと強い短剣「マインゴーシュ」を装備させていきなり頼れる戦力になってくれます。
彼女の一番の見せ場は、ラミアクイーンとのバトルイベントでフリオニールの危機を救ったところかと。
おそらく、女でありながら海賊の頭目をやっているその経験上というべきか、その危機管理能力は卓越したものがあり、それによって最初から(ニセ)ヒルダに対して警戒心を抱き、彼女が正体を現した時に誰よりも早くフリオニールの元に駆け付けたのはレイラです。
ちなみにフリオニールのセリフからすると、部屋を出たレイラは中の様子をずっと窺っていたようです。
レイラ曰く、「油断するんじゃないよ、女は怖いんだ!」だそうです。
フリオニールはディストに行く際にまんまとレイラに騙されましたが、今回もなんの疑いもなくニセヒルダに騙されかけてますが、そんな素直なフリオ… 嫌いじゃないです。
「女は怖いんだ!」← レイラのこのセリフ…フリオ達を一回騙してるからすごく説得力があります。
ちなみにレイラはエンディングでのセリフを聞く限り、フリオニールの事を好きになってるみたいです。
気が向いたら一緒に海賊を…みたいな事を言おうとすると、マリアに咎めるような表情をされたのか、どうやら次の戦いが始まっちゃったみたいだね!とのこと。
しっとりした妹系美人のマリアもいいですが、姉御肌の年上風美人も捨てがたい。
リチャード
ディストの国の竜騎士。
ディスト王国は竜騎士と飛竜のコンビネーションによって生まれる高い戦力を持った国として知られているようです。
竜騎士は飛竜と心を通わせることができる、というより、心を通わせることができる人を竜騎士と呼ぶと言った感じでしょうか。
ちなみに心を通わせるとか言うぐらいだからやっぱ素質が必要なのかなと思いきや、「ペンダント」があれば飛竜との会話は可能です。
しかし人間同士で例えたとして、決して「会話」ができるイコール「心を通わせる」とは言えないと思うので、誰でも竜騎士になれるわけではないんでしょうね。
帝国軍がディストを滅ぼしたのはこの竜騎士たちの戦力を恐れたからであり、高い戦力を持っていた為、すぐ様攻撃対象となってしまったのが皮肉といいましょうか。
帝国としては竜騎士を滅ぼしたつもりだったみたいですが、実はたった一人生き残っているのがこのリチャードでした。
リチャードもまた帝国に逆襲するために最強魔法であるアルテマを求めて、ミシディアの塔を目指しているのです。
でも彼と出会うのはリヴァイアサンの腹の中です。
フリオニール達が自分と同じ目的を持っていることを知って、そういうことなら協力しよう、という感じで仲間になります。
竜騎士と言えば、FF4のカインを思い出しますが、すでに「Ⅱ」で登場してたんですね。
竜騎士の兜はカインもそうでしたが顔の上半分が隠れていて素顔がわかりませんが、なんだかバットマンっぽい。
ところで帝国は飛竜も全滅させたと思っているようですが、実は最後の飛竜が生き残っており、自分の持つタマゴをフリオニールに託した後しばらくして息を引き取ります。
このタマゴを孵化させることで、飛竜については何とか絶滅を免れることができることになりますが、その後の繁殖についてはどうなるのか気になるところです。
世界中をくまなく探せばどこかに野生の飛竜がいたりとかするのでしょうか。
あと、飛竜についてはと言いましたが、竜騎士については実はリチャードは最後の方で蘇った皇帝からフリオニールたちを逃がすために、一人で皇帝に挑み、死んでしまいます。
この時点で竜騎士は全滅してしまうわけですが、飛竜と違って竜騎士は特に家系や血統で決まるものではないので、才能があれば竜騎士になれる、ということでFF4でもカインとか竜騎士団てのがいても不思議ではないです。
ボーゲン
スコットの話によると、カシュオーンが帝国にやられたのはこのボーゲンが裏切ったからであるとのこと。
ボーゲンはカシュオーン王国の伯爵で、典型的な無能貴族キャラです。
大戦艦の建造を行っているバフスクの町では、元はダークナイトが指揮を執り建造を行っていましたが、現在はボーゲンが赴任してきた為、建造のスピードが落ちているみたいです。
また帝国兵の話を聞いていると、ボーゲンの為に働く気が起きない、ヤツの出世に力を貸すようでイヤとか、ボーゲン様の元では誰も働こうとせんっ!と愚痴る上官、そしてシンプルにあんなアホが司令官とは、との酷評です。
そんな無能が死に際にヤケクソになってやらかしたのが、前述したヨーゼフの道連れです。
こんなヤツに殺されてしまったヨーゼフが報われない。
ちなみにこのボーゲンは後で死して尚、「ボーゲンゾンビ」となって敵として登場します。
ダークナイト
一番エラいのが皇帝なら、その次ぐらいの役職かなという感じの帝国の幹部。
オープニングでフリオ達をボコボコにする黒騎士を英語にした感じの名前ですが、それとはまた別物で、ダークナイトは固有名っぽいです。
最後の方では一瞬だけ皇帝になります。
すぐに取り消されることになりますが。
そんなスゴい感じのやつで、当初はコイツとも後で死闘を繰り広げることになるのか、と思っていましたが、繰り広げられることはありませんでした。
なぜならコイツの正体は…
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
レオンハルトだからです。
マリアの実の兄で、オープニングで黒騎士にやられてみんなと離れ離れになった際に、完全に行方不明になってましたが、実はちょいちょい目の前に顔を出してたんですよね。
こっちはその仮面のせいで気づきませんでしたが、レオンハルトからすると、完全にコチラを認識しているわけで、皇帝に洗脳されたのではなく(そういう描写はない)、自らの意思で帝国側に付いていたということになります。
彼のセリフによると、強者にならなければより多くの者が死ぬ、というようなことを言うので、つまり「ラングリッサー」でいうところのレオン的思想の持主なのかと。
圧倒的戦力で世界を支配することで争いを無くし平和を維持する、という意見の分かれる平和維持思想です。
しかし、レオンハルトが皇帝を宣言してすぐ元皇帝が魔界のチカラを得て「悪皇帝」として復活し、リチャードが犠牲になってフリオ達を逃がしたりのドタバタで、レオンハルトとは戦うことはなく、元々戦乱で人が死ぬのを忌み嫌う現実主義者のレオンハルトは「悪皇帝」を共に倒す為に最後の4人目枠の仲間となります。
エンディングにてマリアが、ようやく4人揃った状態で平和な日々を取り戻したから、また前の様に…と言いますが、やはり帝国に加担し、平和の為の多少の犠牲と言いましょうか、それなりに間接的に人々を殺めてしまったレオンハルトは、3人の元を去ることになります。
兄を止めて欲しいとフリオに頼むマリアですが、この時ばかりはフリオももう昔と同じではない、と言わざるを得なかったようです。
皇帝
帝国の皇帝で、固有名は無い。
ゲームをやってるだけでは全然背景のわからないただ倒すべき対象といった感じで、ひねりはほとんどないラスボスです。
普通なら魔界のナントカと手を結ぼうものならそれなりのデメリットがありそうなものですが、この皇帝には一切そういうのは無く、さらに自らの魔力によるものなのか、飛竜でしか入れないほどの強大な竜巻を発生させたり、挙句の果ては、デメリットどころか一度死んでもどちらかというと魔界に近そうな地獄で、生きていた頃より強力なパワーを身に着けて復活するなど、その真っすぐなダークな精神はもはや尊敬に値します。
それほどまでに皇帝でありたいのか、そして世界を支配したいのか。
究極の独裁者気質の人です。
いや、人間の欲求というのは底無しなので、これがその見本とも言えましょう。
ピッコーンの後の妄想
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
優勝賞品がヒルダ姫だったのを見たフリオとゴードンの反応
ラミアクイーンのイベントの時の事を言ってます。
レイラを仲間にした時の妄想
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
おまけ
帝国の大戦艦攻略時、脱出の際マリアは姿を現したダークナイトの声を聞いて、この声は…レオンハルト兄さん!?ってなります。
エルちゃんでした。
おまけプラス