1991年 ソフエル
「先端にドリルを搭載した空飛ぶ地底探索用戦車」という器用なマシンで地底に潜っていくスクロール型シューティング&アクションゲーム。
マシンに搭乗しての横及び縦スクロールシューティング、マシンを降りて生身での横スクロールアクション、さらには主観視点でのシューティングバトルと、飽きさせない作りになってます。
ストーリーパートのグラフィックはファミコンにしては頑張っており、何よりも主人公の「モービィ」が美人カワイイです。
詰まるところ、これに尽きます。
ところでパッケージのモービィは金髪で、ゲーム内では緑色という、FC「ワルキューレの冒険」やFC「レイラ」のイリスなどに見受けられるキャラ設定の打ち合わせミスというのは、こんなファミコン後期でも起こり得ることなのですね。
あらすじ
近未来、地底開拓に乗り出した人類は地底探索機「バゾルダー」を開発。
しかし、探索に出た2号機3号機が相次いで消息を絶つ。それを探索に出た4号機もまたしかり。
バゾルダー隊員であるモービィは、新たに開発された5号機に乗り込み、消息不明機及び地底の探索へと赴く。
ちなみに4号機にはモービィの父であり、バゾルダーの開発者である「バンダ博士」および恋人である「ジギー」が搭乗しており、モービィにとってその憂色は隠せるものではないでしょう。
操作方法
バゾルダーの操作方法
- 戦車 ➡ 戦闘機 … Aボタン+上
- 戦闘機 ➡ 戦車 … Aボタン+下
- ドリル使用 … 戦車の状態でAボタン+右(左)
- 武器選択 … 戦闘機の状態でAボタン+右(左)
壁が塞がっている箇所はドリルの出番です。他と模様が違っている部分を破壊しながら進みましょう。
戦闘機から戦車になるとストーンと地面に落ちるので、地面が無い所で戦車になる操作をすると落下してミスになります。
バゾルダーの仕様
「燃料」の概念があり、射撃・移動によって減少していきますが、あまりにモタモタしない限り無くなることはないかと。
「耐久力」はシールドという概念でメーター表示され、徐々に回復する仕様なので、多少ダメージを食らってもその場で待機していれば元に戻ります。
但し、後半は1回のダメージが大きい攻撃をしてくる敵もいるので、連続で攻撃を食らうとアッサリ死にますよ。
モービィの操作方法
- Aボタン … ジャンプ
- Bボタン … 射撃攻撃
- 上ボタン … ハイキック攻撃
射撃は弾数制限がありますが、仮に弾切れになってもハイキックで特に問題なく進めます。
というのも、主に戦うことになる地底人は慣れれば簡単にハイキックで倒せますし、それ以外の敵は相手にせず避ける方が効率的なのです。
主観視点バトルの操作方法
- 地底モンスターとのバトルは主観視点となる
- 敵は「ポッシビリティ」という値を100%にした状態で攻撃すると倒せる
- ポッシビリティは仲間との会話、敵へダメージを与えると増加する
- 敵へダメージを与えるには照準を敵の弱点に合わせて射撃攻撃する
- 敵の攻撃は反撃も可能だが、左右ボタンで回避が可能な時もある
仲間と何回か会話するとポッシビリティが増えたりして、そのうち敵が攻撃してくるので何回か反撃したり回避したりしていると、また会話モードに戻る、という感じです。
仲間との会話で敵を倒すヒントや弱点が聞けますし、思ったよりも簡単です。
ゲームの流れ
基本的には、以下のような流れです。
バゾルダーでの横シューティング ➡ 地底モンスター出現 ➡ モービィの地底探索 ➡ イベント後バゾルダーで次のエリアへ
たまに横シューティングの後に縦シューティングがあります。
ちなみに縦シューティングは乗組員によると、戦車では進めない場所とのことです。
地面が無いってことですね。
バゾルダーは横に進んでいますが、実は地下にどんどん潜っているという設定で、ACT1では地下80Km、ACT2では180Km、ACT3で320Km、ACT4で666Km、最終ステージのACT5では674Kmに達します。
その地点毎に地底モンスターが出現します。
- ACT1 ➡ ブヨブヨベトベトしてそうな触りたくない系の地底モンスター。さっきの絵のヤツ。
- ACT2 ➡ 岩でできた人型のモンスター。ヘソが弱点ですが、こいつのヘソは眉間にあります。…どういう事?
- ACT3 ➡ 恐竜みたいなヤツで、名はザッタン。水が弱点です。かわいい響きの名前ですね。
- ACT4 ➡ 脳みそ丸見えの見るからに人体を改造して作ったっぽいヤツ。顔が怖いです。
- ACT5 ➡ わけあって奪われたバゾルダー5号機とのバトル。ボスグラで一番ショボイです。
また名のある敵キャラとしてはモービィの探索パートにて、以下の2人が登場します。
- ACT1~2では「ガース」という地底人のリーダー格。トカゲっぽい。
- ACT3~4ではガースの色違いで「イコマーダ」。ネーミングセンスが独特。
ガースとイコマーダは「ノンマルター帝国」なる国の幹部で、つまりここで言う地底がノンマルター帝国、地底人はノンマルター帝国人というわけです。
ちなみに2人ともわけのわからない動きをした挙句、画面上部へジャンプしてどこかへ行ってしまいます。
ACT2のガースに至っては、どう見ても取り逃がしているのに倒した事になっているようです。
またイコマーダはACT5で、仲間ごと強奪したバゾルダー5号機で攻撃してきた後、いつものヘナヘナバトル後に逃げていきますが、もはや倒したのか倒していないのかもわかりません。
ゲームの世界観
敵はただの地底に住む野蛮な生物などはなく、文明と秩序のある国を持つ知的生命体だったわけです。
さらに話をややこしくするように、地底王国「ダイナムール」の王女「ダイアン」なる人物が、ACT2のモービィの探索でノンマルターによって囚われているところを発見されます。
彼女によるとノンマルター帝国はこのダイナムール王国だけでなく、地上への侵略も企んでおり、世界制覇の野望を抱いているとのことなのです。
ダイアンの父であるダイナムール国王も囚われているらしく、共通の敵であるノンマルター帝国の本拠地を目指すなら自分も同行させてほしいと言ってきます。
モービィの仲間の得た情報では、ノンマルターの地底コントロールタワーなる場所で国王の処刑が予定されているとのことで、モービィはもはや自分の父や恋人だけでなく、地底王国の命運までその手に握ることになるわけです。
ちなみにACT5で国王はモービィ達によって助けられるのですが、モービィ一行の素性を尋ねるわけでもなく、お礼を言うわけでもなく、はたまた娘のダイアンとの再会を喜ぶわけでもなく、会って早々に、
と言われます。
…まず名を名乗れ!
あと、モービィも鎖でつながれたおっさんを見つけるなり、「ダイナムール国王!」と言いますが…
顔知らんやん。
ちなみにクリスタルとは各ステージの主観バトル後に入手できる、ダイナムールの平和を守る代物で、ダイアンによるとノンマルターに奪われたとのことです。
全部で4つあり、正式には「ダイナクリスタル」と言います。
国王のせっかちに押され、急いで巨神像(モアイにしか見えない)に4つをセットすると、一体何が起こるのかと思えば、ガイア王国の王女ソーネという人物のメッセージホログラムが起動します。
彼女は太古の昔から続く地上と地底の侵略の歴史を語りだし…、最終的にはなぜか英語で締めくくります。
「GOODBYE MY FRIENDS AND GOOD LUCK」
…どちら様で?
また、このソーネ王女という人物の語り口調から人物像をイメージすると、英語は不似合いですよね…。
この英語ならばこんな感じで。
あら、かわいい。
しかも、これエンディングです。
ちなみに、クリスタルセット時にノンマルター帝国の王「ソガゾルド」が現れてバトルになりますが、セリフも会話もないので全然印象に残りませんよ。
名前だけは印象的ですが。
モービィのセリフ
このソーネ王女の最後の英語もその一端なのでしょうが(?)、モービィのセリフもちょいちょいヘンです。
●ガースとの会話で啖呵を切るモービィさん
「…話すことはそれだけ?地底も暑いけど、女をなめたらヤケドするわよ!」
なんかちょっと違うような…。
●水が弱点である敵モンスターのザッタンとの戦闘中の会話
「私達の飲み水を使うわけにはいかないわ。」
ザッタンはマグマの海に生息するモンスターです…。
●極めつけはイコマーダへ言い放った言葉
「命を張って生きてるから体には自信があるわ!逃げるのが上手なアンタに生きる資格なんかない!」
逃げる奴は死ね、と…?
あと、ついでにACT2の岩人間を倒した後に「ペルシダーよりすごい世界だわ。」と言いますが、「ペルシダー」ってなんやねん状態ですよ。
ゲーム内でそんな単語あったかなと思いつつ、検索すると「ペルシダーシリーズ」と呼ばれる地底探検を描いた冒険小説が現実に存在しているようです。
これは…このゲームの製作者の中に地底マニアがいたに違いないですな!
最後に
モービィの父バンダ博士と恋人ジギーがどうなったかですが…
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まず父バンダ博士は。ACT4にてモービィ達に無事救出されます。
肝心の恋人ジギーですが、彼は脳みそを抜き取られてバイオニックモンスター「バンダール」にされてしまっています(反転でネタバレ1)。
その「バンダール」というのは、ACT4で戦ったあの脳みそまる見えの人型モンスターのことです(反転でネタバレ2)。
おまけ
シオンダー発進!