1987年7月 ハイスコア
概要
全5面からなる横スクロールアクションゲームですが、レベルの概念があり、武器やアイテムなどを入手したりできるので正確にはアクションRPGです。
何も考えずに進めているといとも簡単にやられてしまう難しさですが、セーブ機能はもちろん、コンティニューもありません。
なんというクソゲー!
…と思いがちですが、難しく感じたのは単純にレベルが上がってない状態でどんどんと先に進んでしまっているからなので、どう考えても強すぎる敵が急に出現した時は、まだそれ相応のレベルに達していないだけなのです。
ドラクエ3でもレベル2~3ぐらいでロマリアに行くのは少々無謀であるのと似たような感じです(最低でも5は欲しい)。
ちなみにレベルアップに必要な経験値はそれほど多くないです。
風の精霊
突然ですが、みなさんこんにちは。私は風の精霊エアリアル。
ここからは私がこの世界を説明させていただきます。
まず事件の概要だけど、
私たち4大精霊、火・水・土・風の内、土の精霊「ドルゴ」が反乱を起こし、この世界のエネルギーを自由にコントロールできる「ライフシーカー」を奪い、地下迷宮に逃げ去ってしまったの!
人間の都「パルマ」は私たちの力で平和を保っていたんだけど、ドルゴのせいで自然のバランスが崩れ、人々は苦しんでいるわ!
そこで私は「ゼス」をライフシーカーを取り戻せる人間として選定したの。
ゼスとはつまりあなたのことよ!
なぜ私たち自身でドルゴからライフシーカーを取り戻さないのか、ですって?
私たち精霊はわけあってこの地を離れることができないの。
同じ精霊であるドルゴが自由に移動できるのは、ライフシーカーを手に入れたからに違いないわ!
私のできることは、人間の中でドルゴからライフシーカーを取り戻すことができる資質のある者を選定することよ。
それがあなたってわけ。
断ったらどうするのか、ですって?
そ、そんなこと言わないで…。お願い…!
… …。
…、ありがとう!
で、火の精霊と水の精霊は何をしているのか、ですって?
それは…
…
ぷふっ!
「秘密」を…言い換えて… 火と水で… 火水… ぷぷっ…
火・水の2人
※イメージです。
カギとバトル
カギ
敵は決まった場所に決まった配置で出現し、倒すと経験値とお金が手に入るわ。落とすアイテムも決まってるようだけど、必ず落とすとは限らないわ。
またアイテムには、武器だったら「武器レベル」、アイテムだったら「使用回数」を表す数字が記してあるわ。どちらにしても大きな数の方がお得だけど、どの数字になるかは気まぐれよ。
この世界で、ステージクリアに唯一必須のアイテムが「カギ」よ。
これも敵が落とす物で、最初はどの敵が持っているかがわからないけど、頻繁に落とすらしいからゴールの扉に到達するまでには多分手に入っていると思うわ。
手に入らなかった場合はちょっと面倒だけど、もう一度ステージを往復してみてね。
ちなみにゲームモードはAとBの2つあり、「GAME B」にすると主人公が弱体化し、敵の配置や落とすアイテムがランダムとなるいわゆるハードモードもあるわよ。
なぜあえて難易度をあげてくるのか、ですって?
あなたそういうの好きでしょ?
バトル
敵自身に触れてもダメージにはならないけど、敵の飛ばす弾に当たるとダメージになっちゃうわよ。
それより、私に触れたらどうなるか、ですって?
うーん… 触れてみる?
基本的にダメージは受けるのが当たり前だから、多少のダメージは気にせずにそれなりに戦っちゃえばいいと思いわ。
弾以外は触れても大丈夫ということは、敵の頭に飛び乗って大道芸よろしく頭上を行ったり来たりして倒すこともできるってことね。
でも注意すべきは、敵は自分の放つ弾は視認できる範囲に1発までのようだから、あなたに当たって弾が消えると次に放つまでのタイミングが縮まるということよ。
つまり、大道芸をやってると次の弾が瞬間的に当たり、さらに次も…と連発でヒットする可能性もあるからあんまり調子に乗っちゃダメってことよ。
ちなみに敵が出現するとそのままの画面で戦闘状態に移行するからスムーズだし、操作レスポンスも思いの他良好だから戦闘に関しては全体的にストレスフリーよ。
え?あなたにとって私のここもフリーなのか、って?
…。
さっきのは精霊という存在が人間にとって珍しいだろうから、触らせて…あげただけで、ここは…あの、やっぱり精霊といっても…その、一応私の…
…って、
な、何を言わせるのよ! 誘導尋問ね!
誘導尋問ってわけね!
武器と防具
武器は、使っても無くならない「剣」が基本武器よ。
その他の武器は振ると何かが飛んでいく性能があったりするけど、そういうのは耐久力があるからいつか壊れて無くなっちゃうわ。
残り耐久力は表示されている数字が減っていくからある程度は予想できるわよ。ちなみに数字は「8」までよ。
末広がりね。
また、魔法攻撃もあって、杖などを装備して振ると炎などが飛んでいくタイプと、スタートボタンを押して持ち物から魔法アイテムを選択して使用するタイプがあって、後者は全体攻撃ということになっているわ。
防具は、入手したら「使用する」ことで装備したことになりアイテム欄から消えるわ。
さっき言ったように数字が大きいほど質の良いもので、装備は自動的に数字の大きな方を装備してくれるから安心ね。
でも、どういうわけかレベルが上がると防御力が何も装備していない数値になって、その後新しく入手した防具を装備するとまた数値が反映されるっていう不可思議な現象が起きるわ。
これは、レベルが1~2上がるとすぐ実感できるほど急に強くなるから、あえてそういう現象を起こしているのかも知れないわ。
…まぁ、いいじゃない、レベルが上がったら防御力も上がっていることだし!
回復アイテムと隠しショップ
この世界では回復アイテムはとても重要よ。
普通に進んでいるとすぐに体力が無くなるから、敵を倒した時に回復アイテムが出てくれるとこれほど嬉しいことも無いと思うわ。
ほんとは精霊の私が癒してあげたいところなんだけど…。
代わりにエアリアルスペシャル情報を教えてあげるわ。
天井の無い所でジャンプすると隠しアイテムショップに行くことができる箇所があるわよ!
場所によるけど、良質の回復アイテムが売ってたらしこたま買っておくことをオススメするわ。
お金貸してください、ですって?
もう、しょうがないわね… って、あなた結構持ってるじゃない!
町で使う? 町なんてそんな大層なもの無いわよ!
そのお金は回復アイテムを買う為にあるようなものよ!
どうしても剣が買いたい、ですって?
じゃあ少しなら貸してもいいけど、その分あなたは私に何をしてくれるの?
ドルゴからライフシーカーを取り戻す?
(うっ…そうだったわ、そもそも私が最初に良心に訴えてお願いしたんだったわ…。)
あ、後で返してよね…。
…! あ、ウソ、ゴメン…! 行かないで!
…そうだ、他に私にできることがあれば何でも言って!
後で言う?
わ、わかったわ!
…さて、ショップでは持っている不要物を売ることもできるわ。
ファミコンゲームはよく「売る」か「捨てる」のどちらかしかできないことがあったりするけど、ここのショップは良心的ね。
ちなみにあの店主はどう見ても人間じゃないわよね。
そして、回復アイテムは回復量に差のある4種があるけど、ヘンな形をしている「たべもの」は、回復量が一番少ないわ。
そして、この形は実はアイスキャンディーを表しているわ!
私はアイスキャンディー大好きなの。
このゲームは元々「エスキモー」(森永乳業の昔のブランド)が発売していたアイスキャンディーの懸賞品だったそうよ。ファミコンソフトが当たるかも知れないなんて、さぞこのアイスは売れたんでしょうね。
精霊がよくそんなことまで知ってるなぁ、ですって?
SNSで何でもわかるわ。
「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」?
なんか微妙に間違ってるわね。
正しくは、「精霊・ネットワーキング・サービス」よ!
懸賞品ということで希少価値が高そうなソフトだけど、ゲームの評判が良かったことから後に市販されるようになって、今は特に何の価値もないわよ。
精霊さん、もはやゲームの世界から飛びだしてしまってるような口ぶりだな、ですって?
あぁ、大変!いつの間にか外に出ちゃってたわ!
精霊さん、外に出れるんじゃん、ですって?
(私って…外に出れるんだ…!? 知らんかった!)
その他とまとめ
音声
電源を入れると女性の声で「ハイスコア!」と再生されるわ。私の声じゃないわよ。
またすぐ後に男性の低い声で「ゾ~ンビハンタ~」と再生され、この頃はまだ珍しかった音声ありソフトね。
さらに、ゲームオーバーになると、それまでのステージの進み具合によって数種類のひとこと音声が聞けて、最初はステージ1で死にまくると思うから、一番よく聞くのは女性の声による「しっかりしろよ!」で間違いないわ。
なんか悔しい、ですって?
大丈夫。私が応援してるから頑張って!
ボス
一応ステージの最後にボスがいるけど、そこまで辿り着けているということはボスはほとんど目じゃないと思うわ。
複数のザコを一度に相手にしている方がよっぽど大変よ。
それはラスボスもしかりよ。弱っちいわ。
なんでそんなことがわかるのか、ですって?
女のカンってやつね。女は何でもわかっているのよ!
ちなみにザコは画面外へ消えると逃げたことになって、全部の敵が画面外に出ていくと戦闘終了になるわ。
敵が画面外になるまで自分から逃げて行っても同じで、強引に戦闘を終了させることができるけど、戻りすぎて一つ前の敵出現ポイントまで行ってることもあるから、そうなると逆に損よ。
そこで、ザコが複数で出現するのが嫌なら、AポイントとBポイントの敵は同時に出現はしないので、一匹を残してを画面外に追いやった後、残った一匹を画面内に保ったまま再び元の場所へ戻れば、タイマン勝負に持ち込むということも可能よ。
もう「画面外」とか言っちゃってますね、ですって?
言い方が他に見つからなかったのよ!
レベル
あなたが到達できるレベルは最高で31よ。
中途半端よね。
それ以降も次のレベルまでの経験値が据え置きで表示され続けるから、戦闘が終わる度に上がらないのにレベルアップの音が鳴り続けるわ。
通常のアクションゲームはレベルの概念が無いから、プレイヤーは練習して身に付けたテクニックのみを駆使してクリアを目指すことになるから、ヘタだとずっとクリアができないことも有り得るわよね。
でも、この世界はアクションぽいけどレベルの概念があるから、どうしても先へ進めないときはチマチマと弱めの敵を倒してレベルを上げさえすれば必ずクリアできるってわけよ。
堅実にレベルを上げつつ進むか否かはあなた次第よ!
ちなみに、正直に言うとこの世界は極端な低レベルクリアはまず不可能だし、反対にやろうと思えば結構短時間で最高レベルまで上げることができて、そうすると強すぎて残りがただの作業になって全然面白くなくなるわよ。
面白いとかの問題なのか、ですって?
ゲームが面白くなくてどうするのよ!?
なんか精霊さん、途中からキャラ変わってきた、ですって?
私は私よ!精霊はそんなに簡単に変わるものではないわよ!
でも、精霊さん楽しそう、ですって?
そうね、あなたと話しているととても楽し…
…ちょ、ちょっと! 何を言わせるの!
またしても誘導尋問ね!
誘導尋問なのね!
疑問
一体どこに「ゾンビ」がいるのか、ですって?
そうよね。どこにもいないわよね。
今流行りのゾンビを倒すゲームとは全く無縁よ。
このタイトルは実は、さっきの懸賞品の元になったアイスキャンディーの名前から取ったものだったのよ。
そしてそのアイスキャンディーの名称が「ゾンビハンター」。
そのまんまよ!
このアイスは食べるとゾンビの形をしたグミが中から現れるそうよ。
”そして、あなたはめでたくゲームをクリアしました。”
ありがとう!
あなたのおかげで世界は救われたわ。
ウフ、あなたとの約束を守る時ね。さぁ何でも言ってちょうだい。
…フムフム…
…!?
そ、それは原理的に…無理ね…。だって私は精霊だもの!
…。
…でも、精霊のままでいれば問題無いハズよ!
だってさっき触れることもできたじゃない?
”かくして、パルマの都では2人の仲睦まじい姿が度々目撃されたようです。”
めでたし めでたし。