1989年6月 ナムコ(製作:ゲームフリーク) ナムコットファミリーコンピューターシリーズ 第60弾
似たような内容の多いファミコンソフトの中でも、他に類を見ないオリジナリティ溢れるゲーム。
一見簡単そうに見えますが、意外に難しく、特に誰かがやっているのを見てると、なんでそこでミスするかなぁ?と思いがちですが、やってみると自分も同じようにミスしまくるゲームです。
またこのゲームの面白い所は、ちゃんと物語が設定されているわけですが、その内容がなかなか人間味があふれているというかなんというか。
その内容が…
人形の国に住む主人公のカートン少年、そして3人の兄と1人の妹の5人は仲良し兄妹。
特に妹のクインティはお兄ちゃん達が大好きです。
そんなある時、兄のカートンにジェニーというガールフレンドができました。
クインティ「お兄ちゃんが取られてしまう!」
クインティは他の3人の兄達に協力してもらい、ジェニーをさらいます。
カートン少年「待ってろ、ジェニー!今助けに行くぞ!」
という具合です。
身内間でのバトルとなっているわけで、ジェニーにとってはいい迷惑です。
迷惑しているとはいえ、そこまで妹に慕われているカートン少年はそれはそれで幸せ者です。
ちなみに3人の兄がクインティに協力している理由は、実は3人ともジェニーに恋心を持っているから。
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ゲームシステム
画面いっぱいにめくることのできるパネルが敷き詰められており、接近してきた敵をこのパネルをめくった勢いで吹き飛ばすことができます。壁に向かって吹き飛ばすと敵を倒すことができ、全滅させればステージクリアです。
ちなみにこの敵というのは人形の国の住人で、クインティに(一時的に)支配されています。クインティは特殊な能力を持っているのです。
パネルは敵を飛ばすだけでなく、めくると特殊な効果や特典を持つパネルに変化するので、これらを利用してステージを攻略していきます。
ステージ数は全部で100面あり、結構ボリューミーです。
内訳は、まず最初は8つのエリア(1エリアは10ステージ構成)から任意のエリアを選択しクリアする。
8エリアをクリアすると、9つ目のエリアに進むことができ、最後にクインティが直接支配している最終エリアへと進むことができる。
またコンティニューは、ゲームオーバーになってもそのエリア、そのステージから開始できるので特に悲観することはありません。残機制を採用しているので、残機がある内は、残存している敵の数はそのままでステージが開始します。
パネルの種類
スターパネル(100pt)
100枚集めると1UPプラス主人公の移動速度アップ。
初期の主人公は動きが非常に遅いので、基本的にこのパネルを取りつつ敵を倒していくのがセオリーです。
そのステージに存在する最後のスターパネルは点滅して「これが最後ですよ!」と教えてくれます。これを取るとスターパネル10枚分のカウントと10,000ptもらえます。
クロスパネル(1,000pt)
通過すると上下左右4方向の全てのパネルがドミノのようにめくれていきます。
クロック&タイムパネル(1,500pt)
可動式の印が指している方向のみ全てのパネルがめくられていきます。
サンパネル(5,000pt)
画面内全てのパネルがめくられていきます。このパネルの爽快感は病みつきになります。
エネミーパネル
ここから敵が追加で出現します。
クロスパネルやサンパネルをむやみに取るとこのパネルが出現して、敵がわんさか補充されるのがこのゲームのあるあるですが、それでも一気にめくれる系のパネルは楽しいので取らずにはいられません。
ルーレットパネル
4種類の絵が回転しているパネル。効果は様々ですが、やっぱり1UPがお得です。
タイムパネル(2,000pt)
制限時間が5秒延長される。
敵は制限時間を超えると強化され、めちゃくちゃ動きが早くなり、動作パターンも変わります。
アタックパネル(1,00pt)
パネルに乗ると、クルクルと回転して主人公を壁まで吹き飛ばします。吹き飛んでいる時は人間魚雷の状態なので、体当たりで敵を粉砕できます。
吹き飛んだ先にもアタックパネルがある場合、行きたい方向を押しておくと今度はその方向に吹き飛ぶことができます。
このパネルで点滅しているバージョンのものに乗ると、ボーナスステージへと移行します。
メタルパネル
通過できないパネルですが、めくることもできます。
アタックパネルや、敵の体当たりなどで粉砕されるとガレキパネルに変わり、通過できるようになります。
ムーンパネル(3,000pt)
これに乗ると画面が暗転し、ノーマルパネルがスターパネルに変わります。
お得なように見えますが、メタルパネルが点在しているステージでは、メタルパネルも見えなくなり不利になりがちです。
ロックパネル
鉄板のようなものがネジ止めされていて、めくれなくなったパネルです。
エリアと敵キャラ
レストラン
ウォークマン
ただ歩くだけの敵で、色の違いで性質が変わってきます。
青色は弾き飛ばした時に倒せなかった場合のみ、2体のミニウォークマンに分裂します。
BOSS:不在
バトルは無く、ジェニーが長男プラムにさらわれる演出があります。
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コテージ
プランプ
重量級キャラなので、弾いてもあまり飛びません。
白プランプは弾くと四股を踏みその列のパネルを一気にめくってきます。
紫プランプは弾くと軽く浮き上がるが、着地の際にその列のパネルを一気にめくってきます。浮いてから着地までの間隔が短いので、とても倒しにくいです。リズムよく着地させないように壁まで運ぶ必要があります。
BOSS:三男トライ
ジャンプしながらパネルを飛ばして攻撃してきますが、着地を狙って攻撃すれば難なく倒せます。
シアター
バレリーナ
クルクルと回りながら動き、壁に当たるとビリヤードの玉のように跳ね返りながら動きます。壁に当たる度に移動速度が上がり、最高速度に達するとその場でスピンして一旦止まります。
スキンヘッドの上に面白い顔なので見ていて楽しいです。また弾いた後の乙女チックなポーズが笑えます。
赤バレリーナは円を描きながら、遠心力に導かれつつ主人公を追いかけてきます。
BOSS:赤バレリーナ強化版
動きがかなり速い強敵です。
ピラミッド
ジャンパー
モヒカンスタイルで、口をパックリ開けて、ひたすらジャンプして移動してきます。ジャンプ中はパネルの影響を受けません。
BOSS:次男セカム
ジャンプしながらたまにパネルを飛ばして攻撃してきます。
クラブ
スイマー
外壁から飛び込み、泳ぐ際の蹴りでパネルをめくりながら、パネル上を水面のごとく泳ぎます。
青スイマーは主人公のいる方向に滲みよるように泳いできます。
時間切れになると泳ぐことをやめ、普通に歩いて近づいてきます。しかも早い。
BOSS:次男セカム
2体に分身してジャンプ攻撃、たまにパネルを飛ばして攻撃してきます。1体倒せば撃破となります。
ミュージアム
アーティスト
放っておくとノーマルパネルにイラストマンというラクガキのような絵を描き始め、完成するとそのイラストマンが敵として動き出します。また、描かれたパネルはイラストパネルとなり、めくれなくなります。
このエリアは最初からロックパネルが多く、イラストパネルも増やされるとめくれるパネルが少なくなるので、敵を倒すのが難しくなってきます。しかし、逆にめくれるパネルが1枚もなくなると、敵は全滅してクリアとなります。
ただ、時間切れで敵のスピードが速くなると、とてもではないですが、そうそう逃げ切れるものではないです。
BOSS:青アーティスト強化版
イラストマンではなく自分の絵を描くので、青アーティストまみれになる上に、描かれたパネルはめくれなくなる為、クリアは相当難しいです。
タワー
アクロバット
主人公が近づくとジャンプする、またはパネルをめくる瞬間にジャンプで避けてくる種類が存在します。倒すには着地を狙ってめくる必要があります。
BOSS:赤アクロバット強化版
動きがかなり早く、クリアはなかなか難しいです。
マッシュルーム
ミミー
姿が主人公とそっくりで、動きも真似する敵。主人公が動くと自分も動き、止まると自分も止まり、パネルをめくると自分もめくります。
ついでに止まっている時はBGMも止まります。
黄色ミミーはワンテンポ遅れて真似動作を行いますが、赤ミミーは同時に真似動作をしてきます。
BOSS:長男プラム
ジャンプしながらパネルを飛ばして攻撃してきます。他とは違い斜めにジャンプするので少しだけ倒しにくいですが、基本的には「アニキ達」はそれほど強くないです。
お城
上記8つのエリアをクリアすると進めるようになります。ここはこれまでの総集編のようなもので、これまで登場した敵がステージ毎に順次登場します。
BOSS:長男プラム
スーパーハイジャンプで攻撃してきます。ファイナルファンタジー4の竜騎士カインのような飛びっぷりです。
倒すと、クインティが現れて最終エリアに連れていかれます。
天空のクインティ城(最終エリア)
コサック
コサックダンスのような蹴りでパネルをめくってきます。武闘派キャラです。
BOSS:末妹クインティ
まず最初に主人公に変化魔法を仕掛けてきます。この魔法は主人公をこれまで登場した敵キャラのどれかに変化させる魔法です。変化させた後はパネルめくりで攻撃してきます。
つまり、ここではプレイヤーは敵キャラの気持ちを味わうことになるわけです。
この魔法は必ず食らうことになります。敵キャラに変身させられた主人公は動きがかなり遅くなり、圧倒的に不利になるので、変身させられるキャラを選んで魔法を食らう必要があります。
無難なのはコサックかミミーあたりかと思います。
あとがき
クインティを倒すと、ジェニーが登場し、カートンと熱い抱擁をします。ハッピーエンドというわけなんでしょうが、その傍らにいる倒されたクインティの姿がどうにも可哀想に見えるわけですよ。
できれば、倒されて座り込んでいるクインティの手を取って、最後は仲直り的な演出が欲しかったです。
追記:
ブログ読者の方などから、2人プレイでクリアすると片方のカートン少年がクインティの方へ寄り添うという情報を頂きまして、ようやく2人プレイでクリアしてみました。
そうです!
私が見たかったのがこの光景です。
確かに妹とは言え、ちょっとやりすぎたクインティですが、それも兄を家族として愛しているがゆえ。
問題は、カートン少年が2人いる事象についてですが…
これについては、そもそもこのゲームの舞台がちょっとメルヘンなので、あまり深く考えなくてもいいと思います!
情報ありがとうございました。
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