ダブルドラゴン 1988年4月 テクノスジャパン
ダブルドラゴンⅡ 1989年12月
ダブルドラゴン3 1991年2月
アクション / 旋風脚 / 吹っ飛ばし系の技 / 肘撃ち / 「3」の特徴 / シリーズの繋がり / シリーズの特徴 / 動きが重い / 女性タイプの敵 / ボスキャラ / ラスボス / エンディング /「初代」/「Ⅱ」/「3」/ あとがきエルちゃん
アクション
ベルトスクロールアクションの概念を作った記念すべき作品です。
これまでの横スクロールアクションとは違って、真横からの視点ではなく少し斜め上から見下ろした視点にすることで、左右どちらかのみのアクションだけでなく、上下(奥行)移動をすることができるようになり、それにより戦略の幅が広がりました。
そして、このタイプのアクションは、登場する敵を全て倒さないと次のエリアに進めないようになってます。
というのも、敵との軸をずらせば簡単に敵をやり過ごすことができるようになったからかと。
製作者からしたらやっぱり丹精込めて作ったゲームはちゃんとプレイしてほしいでしょうし、せっかく作り上げた敵キャラクターと戦わずに一気に駆け抜けられたら作り甲斐もなくなっちゃいますよね。
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旋風脚
ダブルドラゴンと言えば「旋風脚」です。
正式名称は「龍尾嵐風脚 (りゅうびらんぷうきゃく)」という難しい名前です。
「Ⅱ」の旋風脚
- 空中でグルグルと回りながら蹴る技で多勢相手に効果を発揮する
- ジャンプしてタイミングよく攻撃ボタンを押すと出せる
- 意外とタイミングが掴めず、ただのジャンプキックになることが多い
この技で敵を倒すというよりも、この技自体を出したい!っていうことに目的がいつの間にか変わってることが多いです。
そんなダブドラを象徴する技ですが、「初代」では序盤では使用することができません。
私は最初に「Ⅱ」をやってしまったもので、初めて「初代」をやった時「あれ?」ってなりました。
「初代」では簡単な経験値システムが存在し、レベルが上がると徐々に使える技が増えていきますが、最高レベルの7まで上がると使うことのできる「軽く跳ねてからのまわし蹴り」というフィニッシュ技があります。
実はこれこそが「初代」の「旋風脚」なのです。
かなり地味です。
吹っ飛ばし系の技
他にも「爆魔龍神脚 (ばくまりゅうじんきゃく)」なる跳び膝蹴りがあります。
- 旋風脚は「ガシガシガシ」という効果音で発動。爆魔龍神脚は「キーン!」という効果音で発動。
- これを食らった敵はダイナミックに吹っ飛んでいくので、爽快感は抜群
旋風脚よりも出しやすいですし、こっちばっかり使いがちになりますが、残念なことに「3」ではこの膝蹴りはなくなってしまいました。
代わりに「3」では、前方宙返りの際に敵の頭をガシリと掴み、そのまま遠心力を利用して敵を投げ飛ばす技が追加されています。
これはダブドラのお約束システムである場外即死ルールととても相性がいい技です。
必殺技で敵をやっつけるのも楽しいですが、ポイポイ敵を場外に投げ飛ばして落とすだけで一撃で敵をやっつけることができるっていうのは、なんだかお得感があって楽しいです。
アボボとかは図体がデカくて顔が気持ち悪いので、落として瞬殺できるとかなり楽しいです。
肘撃ち
ダブドラでは敵を「ダウン」させるのが戦略的に重要で、まともに殴り合いをしていたらチリも積もればでいずれやられてしまいます。
「初代」では必殺技が無い代わりに「肘撃ち」という最強の通常技(?)があります。
これを食らった敵は一撃でダウンし、攻撃力も最高クラスなので、さっきのアボボなんかもほとんどダメージを食らわずに倒せます。(肘撃ちはレベル6で使えるようになります。)
なので、「自分はパンチとキックのコンビネーションだけでやってのけるぜ!」というような、敵とボコスカやり合って格闘アクションを堪能したい人には「肘撃ち連打」はおススメできません。
ちなみにこの肘撃ちは少しクセがあって、後ろにいる敵に対して攻撃をしてるのになぜかプレイヤーの向いている方向へダウンしてきます。
肘撃ちで敵を落として倒す場合は方向を考えて攻撃する必要があります。
「3」の特徴
シリーズ3作目では、必殺技が旋風脚だけになった代わりに特殊攻撃が増えており、2人同時プレイ時に重なって同時に旋風脚をすることで範囲が広めのものを出せるようになったり、主に協力技が増えています。
というか、使用できるキャラ自体が増えています。
ダブドラのゲームでダブドラ兄弟以外を使うというのが、すでに根本的な枠組みを超えてしまっている気もしますね。
追加キャラは、太極拳使いの「チン」と忍者の「乱蔵」です。
チン・セイメイ
お腹が出っ張り気味の太極拳の達人です。
日本では朝の体操のイメージしかわかない太極拳で敵を倒すことができるのか?と思いがちですが、実は極めると恐ろしい拳法なんだとか。
太極拳はパワー任せで戦うのではなく、人間の本来持っている潜在能力を引き出して戦うというような、常人には理解できないレベルのものです。
チンは、パンチではなく掌底で敵を攻撃しますが、もしかしたらこの掌底攻撃は太極拳で言うところの「発勁」の意味合いも込めているのかも、と勝手に思ってます。
発勁の特徴は、相手との距離がほぼ0の状態でも出せるいわゆるワンインチパンチで、その威力は大人2,3人をも転ばせるほどだそうです。
というわけで、見た目と走り方がコミカルなチンさんですが、実はスゴイ拳法家なんです。
柳生 乱蔵
名前からして剣豪「柳生十兵衛」と忍者の定番「服部半蔵」をとりあえず組み合わせとけ!みたいな感じでしょうか。
乱蔵は基本攻撃が刀で、2回攻撃すると敵がダウンしてしまうので体力を削りにくいですが、忍者キャラということで動きが早く、ジャンプ力も他のキャラを遥かに凌いでます。
ダブドラのキャラのジャンプ性能は歴代通してかなりショボく、途切れている足場を飛び越えるエリアなどはある意味一番の難所である為、乱蔵は珍しく安心して足場を飛び移ることができるキャラとなっています。
ちなみに「初代」では足場のない所へジャンプせずに行こうとすると、ダウン時のモーションになってしまって、ただ飛び降りてるだけなのに足場に着地する度に一人でダウンしてしまい、思わず突っ込みを入れたくなります。
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シリーズの繋がり
「初代」
冒頭で主人公のビリー・リーのガールフレンド「マリアン」が悪者にさらわれてしまいます。
この彼女を助けるのが目的の王道ストーリーとなっています。
「Ⅱ」
マリアンが冒頭で撃たれて死にます。
ファミコンのクセになんて衝撃的な始まり方なんでしょうか!
そして、ビリーによる復讐のストーリーとなりますが、最後にあることによりマリアンは蘇ります。
蘇った理由をラスボスの「格闘家」が教えてくれますが、ちょっと何言ってるのかよくわかりません。
「言い伝え」がどうのこうの言いますが、要領を得てないです。
とにかく、ハッピーエンドに越したことはないですがね!
「3」
「ロゼッタストーン」を集める旅に出るという、ちょっと意味不明の物語になっています。
リー兄弟は、物語の鍵を握る謎の老女「ヒルコ」に、ロゼッタストーンを3つ全て集めると「世界最強の勇者」になれるという言葉にまんまと引っかかり旅に出ます。
ロゼッタストーンを持っている人物というのが新登場キャラのチンと乱蔵で、彼らを倒すとそれ以降は使用可能キャラとなるという寸法です。
3つ目は誰が持っているかというと、ヒルコが最後にしれっと「実はわしが持っていた。よし、わしも仲間になってやろう」とか言うのでもしかしてヒルコが使えるのか?と思うかもしれませんが、使えません。ただ付いてくるだけです。
どう見ても怪しいこの老女ですが、最後に、実はリー兄弟を利用していただけだったことがわかります。
ロゼッタストーンはクレオパトラの財宝のある場所への鍵で、うまいこと言ってリー兄弟にそれを集めさせていただけでした。
一人でペラペラと真実を暴露しながらリー兄弟をほったらかしにして財宝の部屋へ入って行きますが、その後どうやって持ち帰るつもりだったのでしょうか?
(追記:後日知りましたが、アーケード版によるとヒルコもああ見えて、武術の心得があるみたいです。しかも、自分の持ってるロゼッタストーンのチカラのおかげなのか、モンスターを従える力も多少あるようです。)
ちなみに「ロゼッタストーン」とは、1799年にエジプトのロゼッタで発見された石板で、この石板の発見によってヒエログリフ(古代エジプトの神聖文字)を解読できるようになり、これにより古代エジプト語の文書が次々と翻訳されるようになったという大変に貴重なものです。
ところで、「初代」と「Ⅱ」はリー兄弟と悪の組織「ブラックウォリアーズ」との争いを描いており、「3」は急に別次元の話になりましたが、無理矢理ですが一応ストーリーにつながりを持たせようとはしてあります。
「3」の冒頭は、リー兄弟の道場が「ネオ・ブラックウォリアーズ」による襲撃を受けるところから始まります。
そして、1面のボスは「ジム」という男でこの組織のボスです。
このジムという男、実は「ブラックウォリアーズ」のボス「ウィリー」の兄なのです。
まぁそれだけですけど。
ジムを倒すとおもむろにヒルコが登場し、いきなり「まずは中国でロゼッタストーンを探せ!」と言う流れですが、道場襲撃とロゼッタストーンに一体何の繋がりがあるのか、という点についてはよくわかりません。
道場襲撃を返り討ちにしたリー兄弟の強さなら、ロゼッタストーン探しに大いに役立つとのヒルコの読みということでしょうか。
シリーズの特徴
動きが重い
ダブドラはシリーズ通して、動きがモッサリしてて、ボタンを押した時の反応が重い感じなのが特に印象的です。
ジャンプも重いので、前述のようにジャンプ力不足による転落死の確率が高いと思われます。
しかし、今となってはこのモッサリ感こそがダブドラの象徴であり、もし「ファイナルファイト」のようにサクサク動きだしたらそれはもはやダブドラに非ずと言っていいでしょう。
女性タイプの敵
「初代」と「Ⅱ」で登場していたファンキーな女性タイプの敵が、「3」では登場しなくなりました。
何となくですが、女性タイプの敵はとりあえずいた方が面白いと思いますよ。
例えば「3」では折角忍者キャラを登場させたことですし、日本ステージに「くノ一」を登場させて欲しかったなぁ、とこっそり思ってます。
なんなら乱蔵じゃなくて、仲間になるのがくノ一だったら良かったのに、と思ったり思わなかったり。
ボスキャラ
「初代」のボスキャラはザコキャラの使いまわしだったり、主にアボボですが、「Ⅱ」になると様々な姿のボスが登場します。
- 1面のボスは鉄のゴーグルをしている大男で、倒すとゴーグルを残して一旦消滅しますが、再度姿が再生する不思議な能力を持っています。
- 3面の途中や5面と7面のボスとして登場する別タイプの大男は間違いなくアーノルド・シュワルツネッガーだと思います。
- 大男タイプのボスが多いですが、アボボに髪が生えたバージョンも登場します。
ラスボス
- 「初代」ではマシンガンが印象的なウィリーがラスボスと思いきや、その後になぜかビリーそっくりな真のラスボスが登場します。
ソックリというか、色合い的に弟のジミーですよね?なぜ?
(追記:これも後日知りましたが、「初代」アーケード版では2人プレイでラスボスを倒すと、今度はマリアンを巡って兄弟で血で血を洗う戦いを繰り広げることになるそうです。その兄弟ゲンカのいきさつを省いたのが、ビリーそっくりな真のラスボスということなんですね。)
- 「Ⅱ」ではビリーとシュワちゃんが会話するシーンで軽く触れられますが「自身の影」というこれまたビリーそっくりなやつがラスボスの前哨戦として登場します。
波動拳を撃ってきます。
プレイヤーソックリのキャラをボスにするのが流行りだったんでしょうか?
私はそういうの好きですけど。
ちなみに「初代」の冒頭でマリアンをさらうシーンの敵一味の中にもビリーそっくりな敵キャラがいますが、その後一切登場はしません。
色々謎めいてますな。
- 「Ⅱ」のラスボスは「謎の格闘家」です。
彼が言うにはリー兄弟と格闘家の一族は長い間の宿敵同士だった、というのはわかりましたが、詳しい部分がイマイチ分からないです。
どうやらファミコンでプレイしているだけではよくわからないストーリーが潜んでいるようです。
まさに「謎」。
- 「3」のラスボスはクレオパトラの亡霊かなんかでしょうか?
色んな超能力を使って攻撃してくる等、間違いなくファミコン3シリーズで最強の敵だと思います。
エンディング
「初代」
- マリアンと再開するシーンですが、マリアンの監禁されていた場所は意外に快適そうな部屋となってます。
- 綺麗なベッドに立派なソファ、そしてテレビや観葉植物が置いてあり、猫までくつろいでます。
- 棚に目を向けると、洋服がハンガーで吊るされているなど、生活感があり、思った以上に丁重に扱われていたのかもしれません。
「Ⅱ」
生き返ったマリアンと見つめ合って、抱擁して終わる感動的な演出です。
王道ですね。ステキですね。
「3」
リー兄弟達はどうやらヒルコの狙っていたクレオパトラの財宝をまんまと自分達のものにしたようです。
使い道は「世界中の恵まれない子供の為に使った」ようで。
これが映画だったら、ラスボスを倒すと神殿が崩れて財宝は誰にも触れることのできないところへ埋もれる、となるのが定番ですな。
あとがき
このシリーズによりベルトアクションの概念が作られましたが、後にカプコンが「ファイナルファイト」で完全版ベルトアクションを作りあげてしまいました。
そのせいではないですが、テクノスジャパンは後日倒産、一方カプコンは現在ヒットメーカーの一角です。
ちょっと「くにおくん」だけに頼りすぎちゃいましたね。
ところでこの2つゲームのアーケード版の注目すべき3点を挙げておきます。
- まず、ゲームの目的が「さらわれたプレイヤーの大切な人を取り戻す」というところ。➡ 命を懸けて戦い抜く覚悟!
- ダブドラのマリアンは担がれた時にパンツが見えてます。➡ あぁ、パンツが…!
- ファイナルファイトでさらわれ役のジェシカは、上半身が下着状態で拘束されてます。➡ あの無法者達はニヤニヤしながらこれを見てやがるのか!チキショーッ!
下2つ…まったくけしからんですな!
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