1986年4月 ナムコ (開発:データイースト)
登場キャラクター
リッキーファイターズ
ストロングバッズ
以上、たったの4人です。
しかも、プレイヤーが使えるのはリッキーファイターズの方だけなので、実際に操作するのはこちらのチームの2人だけです。
操作方法
このゲームは操作がちょっと独特で、技を出すには普通、十字ボタンと決定ボタンの組み合わせを想像するかと思いますが、このゲームにはそんなコマンドは存在せず、以下のような仕様です。
- Aボタンでパンチのような攻撃を当てる。
- キャラが硬直し、3秒のカウントダウンと技名が表示される。
- Bボタンでかけたい技を選択し、Aボタンで決定。
Bボタンを押すたびに次の選択肢が現れるので、3秒以内にかけたい技までボタンを連打して決定します。
格闘ゲームなのにコマンド選択方式。
しかも、技の選択肢は全部で7個もある上に、英語表記です。
まず、当時の子どもに英語は読めなかったと思いますし、読めたとしてもたった3秒では技の名前を吟味することができず、適当に押したところの技が発動してしまうのが常でした。
しかし、慣れというのはスゴイもので、何回かプレイしている内にゲームシステムを理解し、最終的には読めてもいない英語の技名を文字の形で記憶し、ある程度かけたい技をかけられるようになるのです。
この時の人間の学習能力を是非オトナになってからも生かしたいものですね。
オトナになったきゆこうは学習能力を生かしてこんなものを描いている。
技
打撃技と固め技
技はおおまかに2種類に分かれます。
- ヘッドバットやドロップキックのような「打撃技」
- バックブリーカーやネックハンギングなどの「固め技」
打撃系は自身も衝撃を受ける為か、攻撃側もダメージを受けます。
打撃系ばかり使っていると、最後に体力が減ったところをフォールされて逆転負けなんてこともあるので、基本は固め技を使います。
※フライングボディアタックは誰も使えません。
逆に固め技を使われた場合は、パートナーに助けてもらわないとズルズルと体力を減らされてしまいます。
また特定の固め技は、体力がゼロの場合「ギブアップ」負けになる場合があり、この場合、ファミコンなのに「ギブアップ」と喋ります。
機械で作られた音声ですが、ちゃんと聞き取れます。
※アキレス腱固めも、誰も使えません。
必殺技
各キャラには個別の必殺技が一応あります。
- リッキー ➡ サソリ固め
- ウルトラマシーン ➡ ブレーンバスター
- マスクロス ➡ 延髄切り
- ウォーリー ➡ ウエスタンラリアート
必殺技は、選択肢の一番最後の7個目で、さらにかけることができる相手が限定されています。
- リッキーとウォーリー
- ウルトラマシーンとマスクロス
以上の組み合わせでのみ発動可能。
キャラの体格や外見が微妙に違う為、ファミコンではゲーム容量の問題で1セットずつしか「描画」ができなかったというのが理由なんだとか。
でも、なかなかそれらしく動きが表現されていて、きゆこうは「延髄切り」がお気に入りです。
場外乱闘
ロープの近くで技をかけると、キャラが場外へ落ちます。
場外では特定の技のみの発動となり、その中でも鉄柱攻撃が個人的にツボでした。
その名の通り、相手の後頭部を掴んで前を押しやり、頭を鉄柱にブチ当てる攻撃ですが、当たった時にヘンテコな声で「イテェ!」って言うのが何回聞いても笑えます。
また、2人同時に場外に落ちると凶器としての「ゴング」が用意されてます。
これは先に取ったもの勝ちで、拾ったら相手に叩き付けることができます。
ちなみにゲームでは特にペナルティーはないですが、この凶器攻撃や鉄柱攻撃は一応「反則攻撃」ということになります。
実際は、反則攻撃は反則負けになりますが、レフリーが見ていないところでする反則攻撃はOKというのが暗黙のルール。
場外に落ちると20秒以内にリングに戻らないとリングアウト負けになってしまいますが、このカウントダウンを利用して、カウントギリギリで相手に技をかけたり、逆にかけられたりの攻防はかなりのコーフンものです。
でも、結局カウントオーバーで両者負けになることも多々あり。
その他おもしろ要素
①歩き方
登場キャラは全員上半身は一切動かさず、ガニ股で動き回っているので、リング上で2人とも同じ要領でチョコマカ動き回るのが滑稽で、なんだか癒しすら感じます。
②効果音
技を出す為に当てるパンチみたいな動作の効果音が「ガッ!」みたいな音で、まずパンチを当てないと何も始まらないので頻繁にパンチしますが、自分も敵もパンチしまくるので「ガッガッガッ!」と、基本的にずっと鳴ってます。
また、技発動時の掛け声は「エァッ!」です。
③レフリーの声
フォールをするとレフリーがすかさずカウントし、体力が残っている場合は「ワン、ツー…」で返されてカウントが止まってしまいますが、最後に聞けるフォール勝ち時の「スリーーッ!」の声はもはや感動ものです。
④ドロップキック
相手をロープに走らせ、自分はその場で相手を待ちかまえ、相手が跳ね返ってきたところに両足で飛び蹴りを食らわせるドロップキックですが、このゲームではイリュージョンマジックさながら、その場で仰向けに浮き上がり、そのまま一直線に飛んで行きます。
動きが不自然すぎて笑えます。
ちなみにフライングヘッドバットの場合は自分もロープに走っていって、跳ね返る反動を利用して相手に頭を向けて飛んでいくので多少は不自然さが無くなってますが、いずれにしても滞空時間の異様な長さもまたしかり。
⑤場外への落ち方
倒れた姿勢のまま水中に沈むがごとく、ゆっくりと落ちていきます。
まるでシータが空から落ちてくる様を見ているようです。
あとがき
ゲームクリアには、同じチーム、同じキャラ、対戦相手も同じ、動きも敵も味方もほぼ同じ、技も大体同じ、全てが同じ状態のままで、クリアするには35回も試合をしなければならず、どう考えても途中で飽きるので、最後までやる人はほとんどいなかったと思います(私見です)が、人気はそれなりにあったようです。
その理由はやはり、
ヘンな効果音とヘンな音声で笑えるからに違いない!
おまけ
セシルちゃんの「グラビア固め」