1986年10月 データイースト
ゲームスタート
ゲームを始めると、怪しげな紫色の車が走り去っていくシーンから始まり、その車から吹き出しには「ダレカ タスケテ」の文字。
どうやらプレイヤーはこのさらわれた人を助けることが目的のようです。
説明書が無いとあらすじがわからないことが多いというのがファミコンあるあるですが、これはシンプルでわかりやすいです。
しかしですよ、パッケージを見ると恋人同士であろう男女がバギーでヒャッホーしてるわけです。
そうすると、さらわれたのが女性の方だとすると、この吹き出しのセリフはちょっとおかしいのです。
「誰か」ではなくて、「彼氏の名前」を呼ぶべきではないのでしょうか?
主人公の男「お、俺ってそんなに頼りない…?」
この紫色の車は「ブラック軍団」なる悪党の親玉で、このゲームのラスボスです。
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ジャンプ
このゲームの最大の特徴が、自分の乗るバギーでジャンプできるというところです。
「跳ねる車」で思い付くのは「シティコネクション」(サイドビューなのでジャンプしてる様子がよくわかる)ですが、トップビュー描写のこのゲームではジャンプをどう表現するのか?
それは… 遠近法です。
ジャンプ時の高度が高いほどマイバギーが大きく描画されるという寸法です。
ジャンプがメインとなるゲームなのに、あえてトップビューという設定で完成させるとはなかなかのひねくれものですね。
ジャンプの効能
- 障害物を飛び越える!
- 敵を踏み潰してやっつける!
ちなみに一般車もたくさん存在しており、このトラブルに巻き込んでしまうことになるわけですが、図らずとも救急車をクラッシュさせてしまった時はなんだか罪悪感を感じます。
主人公「お、俺のやっていることは、ブラック軍団より迷惑なことなんじゃないか…?」
ガソリン
ジャンプするには条件が2つあって、時速が150Km/時であることと、パワーエネルギーが溜まっていることです。
時速に関しては、加速後すぐに200キロぐらいになるので、走り出してすぐにはジャンプできないぐらいに考えておけばいいです。
ちなみにマイバギーの最高時速は240Kmです。
…意外にハイスピード。
パワーエネルギーとは、つまりガソリンのことで、コース上に点在している「P」表示のドラム缶を取ると回復することができます。
取り損ね続けたとしても、残りが10ℓ以下になると突然ガソリンスタンドが出現してくれます。
但し、ここに入るには時速が160Km以上であるという謎な条件設定ありです。
ピットインすると、バギーのメンテナンス演出中(約20秒間)に、Aボタン連打でパワーが1ずつ回復していくという寸法です。
ただこれには難点が多数存在します。
- 入るには時速が160Km以上でないとならない!
- ガソリンスタンド表示が小さくて接触しにくい!
- 突然出現するので、敵と勘違いして思わず避けてしまう!
- 挙句の果ては、進入不可能な場所に出現することがある!
主人公「補給させる気、ほとんど無いでしょ…?」
スーパーテクニック
ジャンプの最大の見せ場は、途切れたコースをジャンプで回避するというところです。
コースが壁で塞がれていたり、途切れて海になってたりするので、「コース寸断警告の表示」が出たらジャンプに備えます。
よくあるのが、ジャンプで敵を踏みつけまくるのが楽しいからといって、むやみやたらとジャンプしていたせいで、肝心の途切れ部分の飛び越えタイミングを外すというもの。
ジャンプ動作は開始から着地まで約3秒なので、警告表示が出たらジャンプは一旦やめましょう。
逆にこれを利用したスーパーテクも存在します。
壁の上の「細い道路」や、海の「小さな孤島」、コース外にそびえる「ビルの屋上」は、走行はできないが、着地は可能となっています。
そうです!
そこに一瞬だけ着地して、すぐさま再ジャンプで通過するという荒技です!
高得点が得られるし、成功時はこのゲームで最もアドレナリンが流出する瞬間となること間違いなし!でも…
めちゃくちゃ難しいので、普通はやりません。
ちなみに、狙った場所に着地するという点では、ゴール地点でも所定の位置丁度に着地できればボーナスポイントがゲットできます。
なんとこのバギーは、空中でもブレーキが利くのです。
大いに利用しましょう!
主人公「おいおい! そんなテクより、彼女の救出が第一ってこと覚えてるよな!?」
早く助けてあげましょう。
1UPアイテム
登場する敵はブラック軍団以外にも「ダンプカー」みたいな、体当たりではビクともしない重車両も走ってます。
他にも「タンクローリー」や「ミキサー車」「ブルドーザー」など。
ダンプカー、タンクローリー、ミキサー車は、後ろから近づくと車体をブルブルと震わせた後、何かしらを落としていきます。
それぞれ「砂利」「オイル」「コンクリート」ですが、稀に1UPアイテムを落とすことがあります。
落下物に当たるリスクを考えるとあまり固執する必要はないですが、「オイル」を落とすタンクローリーは狙い目かと。(オイルは当たってもスリップするだけでミスにはならない)
ちなみにブルドーザーはただただゆっくりと走っているだけですが、狭い道幅コースが特徴の山岳地帯ステージだけに出現するので、そこにいるだけでかなり邪魔なのです。
また、重車両は体当たりではじくことはできませんが、ジャンプで踏み潰すことは可能です。
主人公「こんなデカイやつら…バギーで踏んづけたら、こっちが壊れちまうぜ!!」
実は高難易度ゲーム
このゲーム、最初はめちゃくちゃ簡単で、彼女がさらわれたというのにBGMがとても陽気で、むしろ快適なドライブを満喫するゲームのように思えてきてしまいますが、ステージ3ぐらいから少々難しくなってきて、ステージ5ぐらいからはもう激ムズです。
ジャンプしてれば無敵だ!と思いがちですが、そう甘くないのがファミコンの恐ろしさ!
途切れコースもそうですが、これでもか!というぐらいある障害物と無数の敵、またステージによってはやたらと道幅の狭いコースと、まさに鬼です。
時間をかけてレベルさえ上げればクリアできるロールプレイングとは違い、自分の腕を上げなければなりません。
クリアするには覚悟が必要です。
主人公「こ、これがブラック軍団の本当の狙いか…!」
エンディング
最終ステージの最後でやっとブラック軍団のボスである紫色の「ブラックバギー」が待ちかまえてます。
紫色なのに…ブラックバギー!
コイツは体当たりではじくことはできますが、ダメージを与えるにはジャンプで踏み潰す必要があります。
しかも、10回ぐらい踏まないと破壊できないタフネスです。
ちょくちょくパワーエネルギーを補充しながらでないと、パワー切れを起こします。
さて、コイツを倒すと感動のエンディングです。
夕日をバックに彼女と手を取り合います。
あぁ… 苦労の報われる瞬間…。
エンディング演出もなく、何事も無かったかのように1面に戻るよりは、こんなシーンが少しでもあると気分が全然ちがいますね。
…とはいえ、エンディング後はやはりステージ1の「ダレカ タスケテ」から再スタートになるということで、なんだかんだでループしてこそファミコンです。
主人公「やっと…やっと彼女を取り戻したぞー! な、長かった…」
彼女「あぁ!あなた… …? え?ちょ、ちょっと… キャーッ!」
ゲームメッセージ:
But they have taken her again from your arms...
(しかし、ヤツらはまたしても彼女をさらっていった…)
彼女「ダレカ タスケテー」
主人公「な、なぜだ…? なぜ彼女は… 俺に助けを求めないんだぁー!」
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