1985年9月 コナミ (移植 ハドソン)
概要
さらわれた子ブタのプーヤンを助けるべく、母ブタがオオカミを弓矢で射まくるシューティングゲーム。親子愛溢れてます。
母ブタとオオカミと風船と
タイトルから、てっきりプレイヤーである母ブタが「プーヤン」と思ってました。
例えるなら、バカボンのパパのことをバカボンと思っていたかのように。
そんな名も無き母ブタはゴンドラに乗って上下しながら、上から降ってくるオオカミたちを弓矢で撃ち落とします。
撃ち落とすと言ってもオオカミは風船を使ってゆっくりと降下してくるので、狙う部分は風船です。
これがもしオオカミ本体を狙う設定だったらこのゲームの特徴であるほのぼの感は無くなっていたことでしょう。
風船なんて簡単に撃ち落とせそうですが、オオカミは盾のようなものをかざし風船を防御してきます。
なかなかのテクニシャンです。
ちなみに盾で防がれた矢は消えずに真下に向かって落ちていくので、真下にオオカミがいる場合はそいつの風船に当たって撃ち落とすことができます。
この流れ矢は防御されることがないのですが、オオカミが縦一列に並んでいることはそんなにないです。
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ところで、さらわれたプーヤンですがどこにいるかと思いきや母ブタの上下しているゴンドラの後ろの崖のふもとの岩の中に隠れています。
ステージをクリアするとその岩の中からプーヤンが現れて母ブタと帰っていく演出となりますが、ストーリーで「さらわれた」とあったのにどちらかと言うと、こちら側の岩の中に隠れているとはこれいかに?
しかも「プーヤン」という名前の子ブタと思っていたのに、岩の中から救出されるのは子ブタは2匹います。
もう一匹は一体どちら様で?
また、母ブタの乗っているゴンドラを崖の上で上下してくれているのは プーヤンの兄の「ブーヤン」とのことですが、これまた2匹います。
表示が寂しいのでとりあえず2匹ずつ置いとけ、みたいな感じなんでしょうが肝心の母ブタには名前が無いのが皮肉なものです。
ステージ構成
このゲームはステージが3面で1セットとなっており、それをループします。
- 1面 ➡ オオカミが上から降ってくる
- 2面 ➡ オオカミが風船で上に昇っていく
- 3面 ➡ ボーナスステージ
オオカミはステージごとの規定数を倒すとクリアとなり、ステージが進むにつれ規定数は増加していきます。
1面
1面では、撃ち損ねたオオカミはゴンドラの背後のハシゴを登って背後から母ブタを狙ってきます。
登られただけではミスにはなりませんが、数秒に一度身を乗り出して遠吠えするオオカミに母ブタが接触するとミスとなります。
ハシゴは全部で4つありオオカミ達は下から順に陣取ってくるので、徐々にゴンドラの移動範囲に実質的に制限がかかるという寸法です。
ちなみに、一応ハシゴ間の隙間にいれば接触を回避できますが、全部登られると以降は所詮は無駄な努力になるかと。
2面
2面では、撃ち損ねたオオカミは崖の頂上に到達します。
頂上には巨大な岩が用意されており、オオカミが7匹になるとこの岩をゴンドラ目掛けて落とされます。
たかだかブタ一匹に対する攻撃方法としては大げさですね。
ダイナミックというか残酷というか…。
ちなみに2面では風船に耐久力が備わっており、2~3発当てないと完全に割ることができなくなりますが、1発当たるたびに上昇速度は遅くなってくれます。
獣のクセにいい素材持ってます。
巨大お肉
母ブタの放つ矢は1画面に2本までです。
矢のスピードとオオカミまでの距離とオオカミの移動速度を考慮すると、1画面で2本というのはなかなか絶妙な制限となってます。
最初の方は撃ち落とすのも簡単ですしBGMも軽快なので楽しいですが、徐々にオオカミの防御も堅くなり、出現オオカミ数自体も増えていくので結構熾烈な戦いとなってきます。
4~5面ぐらいですでに難しいんですが、そう感じるのは私だけでしょうか?
そんな時に頼りになるのが、ゴンドラの上に定期的に出現する巨大お肉です。
巨大お肉を発射すると、オオカミの防御だろうが風船の耐久力だろうがお構いなしで一撃必殺できます。
しかも貫通性能まで備わっているのでうまく飛ばせば4~5匹を一気に撃ち落とすことができるという、このゲームの一番爽快なところです。
ちなみに、どう見てもお肉をブチ当てて撃墜していますが、設定によると「美味しそうなお肉につられたオオカミは、風船を手放してでも食らいつく」のだそうです。
オオカミはブタ肉食べたさにプーヤンたちを狙ってますが、ではその母ブタが飛ばしている目の前のブタたちをほったらかしてまで食らいつきたくなるほど美味しそうなお肉とは一体何の肉なのか?
めちゃくちゃ気になります。
また、このお肉は放つと放物線状に飛んでいきますが、綺麗な放物線ではなく最後の落下部分は少し重力が強くかかるので、ちょっとクセを感じますが、この辺は体感で覚えましょう。
そんな無敵のお肉ですが、意外にも単独で飛んでいる特定の風船は撃ち落とせずに弾かれてしまいます。
この跳ね返りを利用してオオカミを撃ち落とすこともできますが、無敵と思い込んでいたお肉が突然弾かれると「えぇっ!?」ってなります。
ボーナスステージは、このお肉オンリーでオオカミをひたすら撃ち落とす爽快なステージで、プレイヤーはもちろん楽しいですが、これってオオカミにとってもお肉の雨あられでハッピーってことですよね。
もはや「このお肉やるから今後ウチの子にかかわらないで下さい!」って言えばいいのに、と思いました。
ボスオオカミ
このゲームにも一応ボスが存在しており、偶数面の最後に登場するピンク色のオオカミがそうです。
他のザコオオカミより移動速度が速い上に、風船の盾防御が鉄壁で矢を8発弾き返してきます。
上昇開始した直後から正確に当てていかないと倒せませんよ。
コイツが頂上に到達すると倒すオオカミのノルマが5匹追加されます。
ちなみに、ボスオオカミと言えどもやはりお肉の誘惑には勝てないらしく一撃で倒せます。
やはり気になる謎の肉。
あとがき
子ブタがさらわれて食べられるのは可哀想ですが、オオカミにも子どもがおり、食べないと飢えて死んでしまうのも可哀想なわけで…。
大人になって自然の摂理で考えるようになると、別にオオカミは何も悪いことはしていないはずなんですが、なぜいつまでもオオカミは悪者なんでしょうか?
やはり童話などでオオカミは悪者だと刷り込まれているのでしょうか?または、単純に捕食する側だからでしょうか?
オオカミとて肉以外のみを食べて生きていけるなら、わざわざ体力を消耗する行為も行わないかもしれません。
そんなことを考えさせられたゲーム…とまでは言いません!
単純にオオカミが悪者の方がしっくりくるからゲームとして成立しているんでしょう!
…そう結論づけた私の頭はやはり「オオカミは悪者である」という刷り込みがなされているということですね。
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