1984年10月 任天堂
概要
緑色の生き物「タマゴン」を操作して、迷路に敷き詰められた「ボワボワ」を消していくドットイートタイプアクション。
タマゴン
主人公は緑色の小さな恐竜(?)です。
タイトルに「デビル」が付いてるってことは、プレイヤーは「天使」なのかなと思わせておいて、その実なぜか恐竜。
でもよく見てください。
手が天使の要素っぽく翼になってます。
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ドットイート
ドットイートゲームの代表的なものと言えば、言わずと知れた名作「パックマン」。
パックマンは基本的には丸腰状態でぱくぱくとドットを食べて、いくつか配置されている「パワーエサ」を食べる事で今まで追いかけられっぱなしだったのが、逆に敵を追いかけて食らうという所業をなしますが、タマゴンの場合は「十字架」を装備することでドットを消すことが可能になり、かつ、火を吹く事で敵を倒せるので、基本的にはパックマンよりアグレッシブに動く事が可能です。
ちなみに、十字架は通路の十字架マーク上を通過すると装備され、一定時間経過で消滅します。
敵
メダマン
一つ目のチビ悪魔です。
メダマの悪魔という事で、火で攻撃すると「目玉焼き」みたいになるのでそれを食べる事で倒すことができます。
この目玉焼きは、目玉焼きであるにも関わらず動いて逃げていきますが、そんなものをタマゴンは追いかけてゴックンゴックン音を鳴らして食べまくります。
パックマンも逆転現象で敵を食べる側になれますが、両者ともドットだけでは飽き足らず、一定の条件下で敵をも喰らうというのが共通の特徴ですが、「倒す」のではなく「喰らう」という点がよく考えるとホラーです。
メダマンがメダマの悪魔なので火で焼かれて目玉焼きになるという発想は、これぞ正真正銘の「目玉」焼きということなんでしょうが、安心してください、グラフィック上ではちゃんとおいしそうな目玉焼きになってますゆえ。
子デビル
ステージ2から新たに登場するミニ悪魔。
「デビル」の子どもという事でメダマン同様一つ目なのに目玉焼きのシャレが効かず、それどころか倒すこともできない仕様になってますが、火を当てて追い払うことは可能です。
大悪魔と画面スクロール
敵は迷路上だけにいるのではなく迷路外にも存在しており、それが画面上部中央に表示されているひときわ大きな悪魔です。
先ほどの子デビルの親、もしくは血縁関係は無いにしてもデビルの親分といった感じでしょうか、コイツの指示で画面が上下左右にスクロールします。
この画面スクロールがパックマンとの大きな差異部分であり、難易度を高める原因となる部分でもあります。
画面が次に動く方向はこの悪魔のポーズで確認可能です。
基本的に腕の方向でスクロール方向がわかりますが、各方向が全部反対に見えてしまうのは自分だけなのかと思ってましたが、よく見るとこれはローラーを回しているメダマンに対する指示であり、ローラーを回転させることで画面がスクロールしているという見方をすれば大悪魔のポーズもとりあえず納得できるかなという感じです。
- 腕が右向き ➡ ローラーを時計回り回転させる ➡ 画面は左にスクロールする
- 腕が左向き ➡ ローラーを反時計回り回転させる ➡ 画面は右にスクロールする
- 腕が上向き ➡ ローラーを時計回り回転させる ➡ 画面は下にスクロールする
- 腕が下向き ➡ ローラーを反時計回り回転させる ➡ 画面は上にスクロールする
上下用のローラーは見えないですが、メダマンが右側にいるとしたら理屈的にこんな感じです。
要するに、大悪魔の腕の向きと逆方向に画面はスクロールするという風に覚えればいいかと。
ちなみに左右のスクロール時、画面下部のメダマンが一生懸命ローラーを回転させてスクロールさせている姿がちょっとカワイイです。
縦スクロールの時は足踏みして休んでます。
画面スクロールの存在意義
このスクロールは、タマゴンを挟んで圧死させるためのものです。
画面端と迷路内の壁に挟まれて圧死するのを大悪魔は狙っているのです!
こちらも頭では避難すべきなのが分かっているのに、実際やってみるとどうしてもギリギリまでドットを取ろうとしてしまうもので…、人間の欲とはかくも深きものです。まだイケる、ぎりイケる…
挟まれ判定が結構シビアなのか、あと一歩のところでよく引っかかって死にます。
ちなみに画面がスクロールすると言っても、迷路は上下左右すべてループしているので広さは実はたった1画面分だけです。
ステージ構成
1ステージは3つのラウンドから構成されています。
- 第1ラウンド ➡ ドットイートラウンドで、すべてのドットを消すとクリア。
- 第2ラウンド ➡ 画面の4隅に浮遊している「バイブル(聖書)」4冊を、真ん中の悪魔封印ボックスにはめ込むとクリア。
- 第3ラウンド ➡ ボーナスステージとなっており、4隅と中央に2個「?ボックス」が浮遊しているので時間内に取れるだけ取る。
第1ラウンドは前述の通り、十字架を装備して敵を撃退しつつ、ドットを全部消すとクリアというものですが、第2ラウンドは肝心の十字架が無く、ドットも無いです。
バイブルを持っている間だけ炎攻撃が可能で、中央にはめ込んだ後は丸腰状態となります。
バイブルが無いと攻撃ができないが、バイブルを手放さないとクリアできないというこの絶妙な緊張感。
第2ラウンドはドットイートとはまた違った趣向なわけです。
第3ラウンドは、「?ボックス」全6個中のどれかに入っている1UPタマゴをゲットするのが一応目的で、その他は得点です。
ここでは、通路にある矢印を踏むとその方向にスクロールさせることができますが、それでも6個すべて取るには絶妙な時間設定となっており、あと1つという時によくタイムオーバーになります。
タイムオーバーor挟まれで終了となりますが、残機は減らないのでご安心を。
ちなみにこれは秘密情報ですが1UPは4隅のどれかに入っているので、中央は後回しでいいですよ。
難易度上昇
ステージが進むごとにスクロール速度やステージ構成が変化して難易度が高くなっていきますが、特に通路の途切れ目が減ることで、敵に退路を断たれ、その上でスクロールで圧死するという状況が頻発するようになります。
ここまでくるとポップな見た目に癒されている余裕は無くなり、考えて動かないとすぐ死んじゃいます。
さらにメダマンの上位種である「ボンボン」というのも登場し、その動きと復活の速さでプレイヤーを追い詰めてきます。
ミスすると「タマゴ状態」(動けない代わりに無敵)で復活し、ボタンを押すとタマゴからかえりますが、この時ちょうど敵と重なっていたりするとタマゴからかえった瞬間ミスとなります。
調子が狂ってくるとなぜかタマゴからかえった瞬間に敵に触れてしまうというミスをしがちです。
何事も焦りは禁物ですね。
任天堂の十八番
対戦できます。
実際は対戦ではないですが、2P同時プレイが可能なので協力できる反面、任天堂お得意の対戦または妨害プレイが可能です。
- プレイヤー同士はすり抜けて交差することができないので通せんぼで邪魔できる。
- 火を当てると一定時間硬直させることができる。
これらを利用して相手をスクロールと敵の餌食にしてやるのです。
やってやるのです!
火を当てて一定時間硬直させるのは、連発して当て続けると「キン肉マン マッスルタッグマッチ」のブロッケンJr.の「毒ガス」同様、相手は一切動けなくなります。
やられるとかなり腹が立ちます。友達同士ケンカ注意。
とはいえ、ケンカになるほど対戦が熱いということでもあります。
なぜ人は対戦しがたるのでしょうか⁉
まとめ
我が家ではいつの間にかこのソフトが置いてあって、当たり前のようにやってましたが、後日調べたところによると実はあまり知られていないゲームなんだとか。任天堂なのに。
タマゴン、かわいいのに。
ドットイートアクション=パックマンという構図を覆すべく、「十字架を取らないとドットが消せない」「十字架を持っていると攻撃が可能」「画面が常にスクロール」「挟まれて死ぬ可能性がある」などオリジナル性を盛り込んで仕上げてくるあたり、さすが任天堂。
任天堂のゲームは抜かりが無い!
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