1986年7月 ナムコ
概要
主人公のインディくんを操作して、L字型のブロックを移動させて階段をつくり、各フロアの出口を目指すパズルゲーム。全64面。
考古学者で探検家の主人公、インディ・ボーグナインは「バベルの探検記」(ペンネームはコギト・エラスムス)を書く為、バベルの塔の制覇に挑みます。
バベルの塔の頂上には神々も立ち寄るとされる美しい庭園があると信じられており、インディくんは自分の目で確かめずにはいられなかったのです。
パズルゲームなので、インディくんはほぼ丸腰です。
「インディ・ジョーンズ」と違って武器なんて持ってませんし、ジャンプもしてくれません。
ですが、自分の体ほどもあるブロックを持ち上げることができる力持ちです。
重さで体が半分に押し潰されてますけど。
あと、「スぺランカー」の主人公とは違い、どれほどの高さから落ちてもへっちゃらです。
バベルの塔
バベルの塔は旧約聖書の「創世記」に出てくる塔で、ノアの大洪水の後、ノアの子孫達はバビロンに都を建て、そこに天まで届く塔を作ろうとしました。
これを見た神は人間の傲慢さを打ち砕く意味も込め、これまで全員が同じ言語を使っていたのをそれぞれ別々の言語にし、意思の疎通を図れないようにすることで、塔は建設を途中で中止させます。
この塔は伝説の塔ですが、バビロンに実在した「ジッグラト」と呼ばれる塔が元になったと言われているそうです。
具体的には紀元前6世紀にバビロンのマルドゥク神殿に築かれた「エ・テメン・アンキ」というジッグラトがこの伝説のバベルの塔なのではないかとのことです。
ジッグラトは「高い所」を意味する巨大な「聖塔」で、一説には「神に訪れてもらう為に作られた人口の山」とされており、メソポタミアの各都市で建造されています。
ちなみに「バビロン」はメソポタミア地方の古代都市で、イラクの中心にある首都バグダットから少し南の辺りにありました。
また、メソポタミアとは学校で習った「メソポタミア文明」のそれです。
これはチグリス川とユーフラテス川の間の「沖積平野」のことを指し、現在のイラクの一部です。
世界にこれだけの色んな言語が存在するのはこのバベルの塔を作ろうとしたのが原因なんですね。
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ブロックの積み方
L字型のブロックを持ち上げ、移動させ、つなぎ合わせて階段を作り上げ、次の階への扉を目指しますが、インディくんは階段を1マス分の高さしか昇ることができません。
L字ブロックは同じ向きで置いてあるとは限らず、反対を向いている場合もあり、L字の背面は2マス分の高さなので背面側からは昇れないというわけです。
そこを乗り越えたい場合は別のブロックが必要になります。
また前述のごとく、自分の体ほどもあるブロックを1つ持てる力持ちですが、さすがにそれ以上は無理ということで、当然2つ重なっているブロックは持てませんし、ブロックを持ったまま落下すると着地時に押しつぶされてミスになります。
但し、ブロックだけが途中で何かに引っ掛かった場合は押しつぶされないので大丈夫です。
むしろ、この引っ掛かりを利用する箇所もあります。
階段状にしていく際には上のブロックが必ずしも下のブロックに載っている必要はなく、L字のカドに繋がっていれば階段は形成されます(下図)。
しかも、この場合はブロックは下のブロックに載っているとは判断されない為、下のブロックは持ち上げることができます。
また、先程の引っ掛かりというのはこのカドのことです。
この場合、下のブロックを持ち上げると、上のブロックはブルブルと震えた後、落下します。
ブルブルと震えている間に再びそこへブロックを戻すと落下を中止させることができます。
これを利用すると、階段になっている箇所の途中でインディくんだけを落下させることができます。
つまり、階段ブロックの一つを持ち上げ、その空いた部分に進みインディくんを落下させると、持っているブロックは元の位置で引っ掛かかるので階段を元通りにしつつ、落下することが可能というわけです。
パズルゲームということで、ブロックを持ち上げることができる回数が制限されています。
多少余裕を持たせてくれていますが、できるだけ必要最小限の行動で階段を作り上げましょう。
アイテム
水晶玉
次のステージへの扉は封印されていることもあり(塔の後半は大体封印されている)、水晶玉を取ると封印が解くことができます。
というわけで、まずは水晶玉を取る経路を探す必要があるわけですが、複数出現していることがあり、しかも全部取らないと封印は解けないので、なかなか骨が折れます。
たまに心も折れます。
補助アイテム
- 壺 ➡ 持ち上げ回数が1つ回復
- 王冠 ➡ 取る度に移動速度がアップ
- ダイヤモンド ➡ 一定時間無敵
- 魔法のランプ ➡ ブロックをすり抜けることができる
- 流れ星 ➡ 移動速度が大幅にアップ
補助アイテムはプレイしていると勝手にちょくちょく出現しますが、流れ星は隠しアイテム的存在で、出現条件が少し特殊です。
その条件は「持ち上げたブロックの上に敵であるウルを長時間乗せておく」です。
長時間と言っても数秒ですが、なかなかテクニカルです。
大道芸みたいです。
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邪魔者(敵)
・コウモリ
コウモリなのに、飛ばずにピョンピョンと跳ね回ってます。
ゴムボールのように床やブロックにぶつかって跳ね返るという動作を繰り返しており、結構邪魔です。
・バベルズ
体がレンガでできているモンスターです。
こいつはブロックを次々と作り出しており、敵ですがこいつが作ってくれるブロックがないとクリアできないステージもあります。
・ウル
塔建造中の指揮官だった者で、バベルの塔の呪縛霊です。
インディを執拗に追いかけてきて、コウモリとは比較にならないほど邪魔してきます。
ステージ中は決まった数しか登場しませんが、倒してもすぐに上から補充されるので殲滅することは不可能です。
但し、動きはインディくんと同じなので、登ることのできないくぼみなどに誘導して閉じ込めることができれば、上から補充されることが無くなり、敵はいなくなったも同然となります。
そう簡単にはいきませんが。
「ウル」とは、メソポタミアのシュメール人の都市(国家)・その遺跡の事です。
前述の「ジッグラト」で、現在そこそこ保存状態の良いジッグラトとして「ウルのジッグラト」(別名エ・テメン・ニグル)と呼ばれるものがあり、紀元前2100年ごろ「ウル第三王朝」の初代王ウル・ナンムが建造したとされていることから、このウルが名前の由来と勝手に推測しています。
ちなみに「シュメール」とは、バビロニアの南半分地帯で興った最古の都市文明のことで、メソポタミア文明の初期に栄えました。
この文明を築いたシュメール人は謎多き種族として知られており、他のどの言葉とも似ていない「シュメール語」を用い、どこで得たのか不明な高度な技術で世界で最初の文明を作りました。
そもそも一体どこから現れたのかわからない人たちで、宇宙人説もありです。
階段を作り上げるだけでも難しいというのに、邪魔者、特にウルは本当に邪魔で、ブロックで押しつぶしてやっつけることはできますが、倒しても上から補充されるのでキリがないですし、ブロック持ち上げ回数も制限されているので、いつまでも相手にしているわけにはいきません。
そんな厄介者のウルですが、見ている分にはかわいいです。
上から降ってくる時の姿、インディくんにブロックで押しつぶされる姿、挙句には自ら下の針山に落下するなど、微笑ましいです。
閉じ込められて右往左往しているウルを見ると、もはやちょっとかわいそうな気すらしてきます。
出しはしませんが。
あと、インディくんの挙動もまたしかり。
- ブロックの重みで縮こまる
- 縮こまったままブロックを必死に昇降する
- 落下中に手をバタつかせる
さらに効果音。
- ブロック昇降時のヘンテコな足音
- ブロック上げ下ろし時のヘンテコな効果音
楽しカワイイです。
さらにコレ。
ステージ開始時、プレイヤーに対して「行ってくる!」の挨拶。
不条理な条件
「ドルアーガの塔」の宝箱の出現条件や、「ワルキューレの冒険」の虹の橋出現条件ように、バベルの塔も不条理ワールドが存在しています。
エンディング閲覧条件がそれで、以下のようになっております。
8面ごとに突入するステージにて、ビッグパスワードと呼ばれる壁画を、ある特定の操作を行うことで画面上に出現させ、それを8つ全て覚えておき、最上階で順番に全て入力することでエンディングを見ることができる。
がんばって64面を制覇しても、このビッグパスワードがわからないとエンディングを見ることができないのです。
鬼です。
ビッグパスワードの出し方は例えば「右ボタンを押し続ける」や「両端に触れる」などドルアーガっぽい上に、なによりこの特別ステージを「意味不明!」と言って早々に退出してしまう人が続出だったのではないでしょうか?
仮に壁画が偶然出現したとしても、それが最後に必要とはつゆ知らずメモすることもなく次のステージに行ってしまった人もいたと思われます。
エンディング
64面を見事クリアし、ビッグパスワードを全部揃えることができたら遂にインディくん念願の神も訪れると言われる空中庭園に到達です。
風船で登っていきますよ。
何か被りものをしている女神様らしき人が2人で宙に浮いており中央には「Congratulations」の文字。
文字表示が地味。
しばらくしてさらに上へ登っていくと神様らしき人が長椅子にゆったりと座っており、中空部分に英語メッセージ。
「タイトル画面で以下のボタンを押し、裏バベル に挑戦してください。」
上3、下5、右2、左1
裏ドルアーガへの誘導と同じパターンですね。
も…もうおなかいっぱいです。
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