バベルの塔 - 主人公の動きがカワイイです。

      2017/12/27

1986年7月 ナムコ


概要

主人公のインディを操作して、L字型のブロックを移動させて階段をつくり、各フロアの出口を目指すパズルゲーム。全64面。


バベルの塔とは

考古学者で探検家のインディ・ボーグナインは「バベルの探検記」(ペンネームはコギト・エラスムス)を書く予定です。

というのも、バベルの塔の頂上には神々も立ち寄るとされる美しい庭園があると信じられており、インディは自分の目で確かめずにはいられなかったのです。

バベルの塔」は旧約聖書の「創世記」に出てくる塔です。ノアの大洪水の後、ノアの子孫達はバビロンに都を建て、さらに天まで届く塔を作ろうとしました。これを見た神は人間の傲慢さを打ち砕く意味も込め、これまで全員が同じ言語を使っていたのをそれぞれ別々の言語にし、意思の疎通を図れないようにしました。それによってこの塔は建設を途中で中止されたのです。

このゲームの場合は塔は完成され存在しています。インディの意志が次元を超えてバベルの塔を完成させたようです。

バベルの塔は伝説の塔ですが、バビロンに実在した「ジッグラト」が伝説化したものとされています。ジッグラトは「高い所」を意味する巨大な「聖塔」で、一説には「神に訪れてもらう為に作られた人口の山」とされており、メソポタミアの各都市で建造されています。

バベルの塔は実際には無いかも知れませんが、考え方によっては存在しているかもしれません。

ちなみに「バビロン」はメソポタミア地方の古代都市で、イラクの中心にある首都バグダットから少し南の辺りにありました。また、メソポタミアは学校で習ったあの「メソポタミア文明」のアレです。これはチグリス川とユーフラテス川の間の「沖積平野」のことを指し、現在のイラクの一部です。

そうです。世界にこれだけの色んな言語が存在するのはこのバベルの塔のせいなんです。とはいえ、もともとは人間の傲慢さゆえなのですが…。

 


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ブロックの積み方

さて、このゲームはそんなバベルの塔の頂上を目指すゲームですが、要するにパズルゲームです。

インディはほぼ丸腰で塔に挑みます。同じく考古学者で探検家の「インディ・ジョーンズ」とは違い、武器なんて持ってませんし、ジャンプすらしてくれません。まぁパズルゲームですからね。でも、自分の体ほどもあるブロックを持ち上げることができる力持ちです。重さで体が半分に押し潰されてますけど。

そして、「スぺランカー」の主人公とは違い、どれほどの高さから落ちてもへっちゃらなので安心してください。

 

インディは、L字型のブロックを持ち上げ、運び移動させ、つなぎ合わせて階段を作り上げ、次の階への扉を目指します。階段は1マス分の高さしか昇ることができません。

まず基本ですが、L字ブロックはLの向きで置いてあるとは限らず、反対を向いている場合もあります。L字の背面からは2マス分の高さがあり昇ることができないので、反対にしてやる必要があり、その為にはそのブロックを乗り越えて反対側から持ち上げることになります。乗り越えるには、場合によっては別のブロックが必要ということになります。

前述の様に、ブロック1つをなんとか持てる腕力しかないので、ブロックの上にさらにブロックが載っている場合は持ち上げることはできません。また、ブロックを持ったまま2マス分以上落下した場合は着地時に押しつぶされてミスになります。但し、ブロックだけが途中で何かに引っかかった場合は押しつぶされないので大丈夫です。

 

階段状にしていく際には必ずしも下のブロックに載っている必要はなく、L字の縦棒の角に横棒の角が繋がっていれば階段は形成されます。この場合はブロックは下のブロックに載っているとは判断されない為、下のブロックは持ち上げることができます。

 

 

そして、下のブロックを持ち上げると、上のブロックはブルブルと震えた後、落下します。ブルブルと震えている間にブロックを戻すと落下を止めることができます。

 

階段になっているブロックの一つを持ち上げ、その空いた部分に進むとインディ自身は落下しますが、持っているブロックは元の位置で引っかかるので階段を崩すことなく、落下することが可能ということになります。

 

次のステージへの扉は封印されていることもあり(塔の後半は大体封印されている)、「水晶玉」をとることで封印を解くと入ることができるようになります。ということで、まずは水晶玉を取る経路を探す必要があるわけです。また水晶玉は複数出現していることもあり、全て取らないと封印は解けません。

 

ちなみにその他のアイテムとしては、「」は持ち上げ回数を1つ回復する、「王冠」は取るごとに移動速度がアップする、「ダイヤモンド」は一定時間無敵になる、「魔法のランプ」はブロックをすり抜けることができる、「流れ星」はインディの移動速度が大幅に上昇する、があります。

流れ星 以外はプレイしているとちょくちょく勝手に出現しますが、流れ星は隠しアイテム的存在で、出し方は少し特殊です。その条件は「持ち上げたブロックの上に敵であるウルを長時間乗せておく」というものです。長時間と言っても数秒ですが。というより、そんなテクニカルな技があること自体に驚きます。

 

このゲームにおけるパズルとしての制約は、ブロックを持ち上げることができる回数が制限されているというものです。

階段は時間をかければ何とか作ることが可能ですが、この回数制限によってそのセコいマネをさせないように作られているのです。要は「できるだけ必要最小限の行動で階段を作り上げるべし!」ということです。

ちなみに、先ほどのアイテムの「壺」でいくらかは持ち上げ回数を回復させることが可能です。

持ち上げ回数がゼロの状態でブロックを持ち上げると、持ち上げた瞬間に押しつぶされてミスとなります。持ち上げたらミスとなる設定なのに、持ち上げることができるというこの演出…インディくん、カワイソス。

 


邪魔者(敵)

コウモリ…コウモリなのに、ピョンピョンと跳ね回ってます。床やブロックにぶつかって跳ね返る という動作を繰り返しています。よく跳ねるゴムボールのようで結構厄介です。ファミコンのゲームは「コウモリ」を敵として登場させるのが好きですね。コウモリってそんなに邪悪な存在なのでしょうか?

バベルズ…体がレンガでできているバビロニアの建造専門モンスターです。ゲーム内ではブロックを次々と作り出してくれます。触れたらミスとなるので敵には違いありませんが、コイツが作ってくれるブロックがないとクリアできないステージもあるので、「敵」兼「味方」と言った存在であります。

ウル…塔建造中の指揮官だった者で、バベルの塔の呪縛霊です。インディを執拗に追いかけてきます。コウモリとは比較にならないほど邪魔をしてきます。ステージ中は決まった数しか登場しませんが、倒してもすぐに上から補充されるかのように再登場するので殲滅することは不可能です。

但し、動きはインディと同じなので、登ることのできないくぼみなどに誘導して閉じ込めることができれば上から補充されることが無くなり、敵はいなくなったも同然となります。階段作りに専念できるでしょう。

 

 

ウル」とは、メソポタミアのシュメール人の都市(国家)・その遺跡の事です。前述の「ジッグラト」で、現在そこそこ保存状態の良いジッグラトとして「ウルのジッグラト」(別名エ・テメン・ニグル)と呼ばれるものがあり、紀元前2100年ごろ「ウル第三王朝」の初代王ウル・ナンムが建造したとされていることから、このウルが名前の由来と勝手に推測しています。

ちなみに「シュメール」とは、バビロニアの南半分地帯で興った最古の都市文明のことで、メソポタミア文明の初期に栄えました。この文明を築いたシュメール人は謎多き種族として知られています。他のどの言葉とも似ていない「シュメール語」を用い、どこで得たのか不明な高度な技術で世界で最初の「文明」を作りました。そもそもが一体どこから来たのかわからない人たちなのであります。もはや宇宙人かもです。

バベルの塔はジッグラトが伝説化したとの説がありますが、具体的には紀元前6世紀にバビロンのマルドゥク神殿に築かれた「エ・テメン・アンキ」のジッグラトがこの伝説のバベルの塔なのではないかとのことです。

 

階段を作り上げるだけでも難しいのに、邪魔者、特にウルは本当に邪魔です。持ち上げたブロックでウルを押しつぶしてやっつけることはできますが、倒しても倒しても上からまた降ってくるのでキリがないですし、ブロックを持ち上げることができる回数も制限されているので、いつまでも相手にしているわけにはいきません。

前述のように閉じ込めることができればいいのですが、慣れていないとそう簡単には閉じ込めることができませんし。

 

そんな厄介者のウルですが、上から降ってくる時の姿とか、執拗にインディを追いかけ、近づいてあっさりインディにブロックで押しつぶされたり、勝手に下の針山に落下していったり、その頑な姿を私は気に入ってます。

絶対に杖みたいなのも手放しませんし。

閉じ込められて右往左往しているウルを見ると安堵の半面、ちょっとかわいそうな気すらします。

 

そして、インディの挙動はもっとお気に入りです。ブロックの重みで縮こまっている姿、縮こまったままブロックを必死に昇降する動き、また落下中にバタつかせている手、それと効果音を挙げると、ブロック昇降時のヘンテコな足音、ブロック上げ下ろし時のヘンテコな効果音など、ほぼ全部が見ていて楽しいです。

こんな小さなグラフィックのキャラなのに不思議な魅力です。

極めつけは、ステージ開始画面の入り口に入る前に一旦立ち止まって、左手を上に挙げてこちらに向かって挨拶をしてくる姿、また、ステージ開始時も同じようにこちらを向いて手を挙げてきます。その姿が、何かシュールでたまりませんでした。一体誰に対して手を挙げているんだ⁉と。

もちろん私達プレイヤーに対してでしょうけど。

 


不条理な条件

ファミコンの世界では当時は当たり前みたいな風潮でしたが、今思うと不条理極まりない世界が広がっていました。他のナムコのソフトで例えると「ドルアーガの塔」の宝箱の出現条件や「ワルキューレの冒険」の虹の橋出現条件など、普通では考え付かない条件を当然のごとくノーヒントで配置しています。

そして、このバベルの塔も御多分に漏れず、不条理ワールドが存在します。それが「8面ごとに突入するステージにて、ビッグパスワードと呼ばれる壁画を、ある特定の操作を行うことで画面上に出現させ、それを8つ全て覚えておき、最上階で順番に全て入力することでエンディングを見ることができる」という条件です。

この難解なパズルステージを頑張って解いて64面を制覇しても、このビッグパスワードを知らないとエンディングを見ることができないのです。鬼です。

 

そして、そのビッグパスワードの出現方法というのが例えば「右ボタンを押し続ける」とか「両端に触れる」とかで、これ自体ドルアーガっぽくて、色々試さないとならないですし、それ以前にこのビッグパスワードのステージを「意味わからん」といって早々にステージを退出してしまう人が続出だったのではないでしょうか?

仮に壁画が偶然出現したとしても、「ん?」と思ったまま、やはり「意味わからん」といってそのままメモすることもなく次のステージに行ってしまう人もいたと思われます。

 

小中学生あたりで最初から壁画ステージの存在意義を理解し、マメに何の壁画だったかをメモし、特定の操作をすると壁画が出現する、というのを理解してエンディングに辿り着いた強者は果たしていたのでしょうか?

いたとしたら、天性のカンの持ち主に違いない!

今頃、立ち上げたベンチャー企業なんかで成功しているんじゃないでしょうか?


エンディング

さぁ、64面をクリアし、ビッグパスワードを全部揃えたらインディくん念願の神も訪れると言われる空中庭園に到達です。風船で登っていきます。

頭部に何か被りものをしている女神様(?)が2人で宙に浮いており中央には「Congratulations」の文字が地味に表示されています。

しばらくしてさらに上へ登っていくと神様(?)みたいな人が長椅子にゆったりと座っており、傍らには神様の世話係らしき人が2名と両サイドには天使の石像が置かれた場所に辿り着きます。

そして、中空部分に英語でメッセージが表示されています。

 

タイトル画面で以下のボタンを押し、裏バベル に挑戦してください。」とのことです。

ファミコンゲームのエンディングなので、まぁこんなものです。

 

ドルアーガの塔」の裏ドルアーガへの誘導と同じパターンです。

 

やっぱり「裏」って当然「表」より難しいんだろうなぁ…実は私はパズルゲームが苦手です。バベルも自力でクリアした記憶は…思い起こせないです。

うーん…「裏」は遠慮しておきます!

 


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 - ファミコン, パズル