1990年10月 徳間書店
概要
女子多めの麻雀バトルRPGで、倒した敵のご褒美画像を拝みつつ旅するというものです。
と言ってもそこはファミコン、期待するほどのものではないですが絵柄はなかなかカワイイです。
誇張するとこんな感じ。
ストーリー
オニガルド国は強大な力を持っていたが、ある時攻めてきた「まじゃおう」の軍団にはあっさりと敗北してしまった。
まじゃおう軍の用いる麻雀攻撃に耐性が無かった為である。
オニガルド国王は、まじゃおう軍に占領されてしまった祖国を取り戻すべく、部下に麻雀の腕の立つ勇者を探すよう命じ、3年後、ついに見つけた勇者と共に反撃の狼煙を上げる。
別に無くてもいいストーリーのような気もしましたが、ただ相手を倒してご褒美画像を拝むより、用意してくれた世界観の中でご褒美画像を拝む方が燃えます。
システム
進め方
- フィールドはボードゲームライクなので、道筋は決められている
- 敵がいるマスに進むと麻雀バトルになる(敵とは必ずバトる)
- ゴールにいるボスを倒すと、そのエリアはクリアとなる(全10エリア)
「関所」マスにいる人
敗北するとそのエリアのスタート地点からの再開です。
特に損失などは無いですが、敵が復活しているのでちょっと面倒くさい。
レベルとステータス
レベル
エリアをクリアする度に勝手に上がっていくので、有って無いようなものです。
体力とPOW
- 「体力」 ➡「持ち点」の代わり
- 「POW」 ➡ これを消費してイカサマ(積み込み技)を使用できる
イカサマは、レベルが上がると強いものが使えるようになっていきます。
攻撃力と防御力
- 攻撃力 ➡ アガった時の役に攻撃力が加算される
- 防御力 ➡ アガられた時の役から防御力分が減算される
なので、武器と防具は揃えるとちょっとだけ有利になります。
施設
存在するのは以下の3つのみ。
- スタート地点の城(体力の回復)
- 武器・防具の店
- 道具店
国王とエリア毎の領主さまは同じグラフィックなのです。
武器と防具
ゲームの進行度合いに合わせて値段設定されているので、新しい物が売っていれば素直に買い替えるといいです。
道具
中でも「いっぱつリーチ」(一発でアガれる)がとても便利です。
でも高級品なので、ゲーム後半のどうしても勝てない相手の時の為に温存しておくといいです。
問題点
後半になるとすでに崩壊したゲームバランスと、もはや麻雀の体をなしていない麻雀バトルに心が折れかけますが、それでもクリアできたのはひとえにご褒美画像のおかげかと。
このグラフィックがもし「ポートピア連続殺人事件」のフミエやユキコのようなドット女子だったり、そもそも女子自体が登場しないものだったなら、エリア1クリア後ぐらいに静かに電源を落としていたことは想像に難くない。
崩壊したシステムの例
麻雀ゲームでなくなる!
最初はちゃんと麻雀で対戦していますが、エリアが進みイカサマ技を覚えると、敵とのバトルが面倒臭くなってくることも相まって、イカサマ有りきの勝負と成り果てます。
イカサマ技「パイこうかん(牌交換)」「タンヤオ」あたりはあってもいいかなと思いますが、特に以下の2つの使用によってもはや麻雀ではなくなります。
- 「ジハイ(字牌)」➡ 全て字牌で配牌され、加えてあと一手or二手でアガれる状態の時もある
- 「ドウシュハイ(同種牌)」➡ 全て同種牌で配牌され、加えてダブルリーチand清一色が成立している、or天和の時もある
敵も天和、九蓮宝燈、国士無双(しかも天和)なんかを連発してくるのでお互いカオスです。
ちなみに、「ジハイ」はほとんどの字牌が自分のところにある為、字牌が全然ツモれません。
運良く上がることができれば字一色(役満)なので消費POWの割にお得なイカサマですが、これが結構失敗しがちなので使いどころに悩みます。
使えそうで使えない技の例
- 「ヤクマン(役満)」➡ 役満が積み込まれる。但し、消費POWが多すぎて逆に使えない
- 「ドラマンカイ(ドラ満開)」➡ ドラ表示牌が最初から4つになる。但し、敵も恩恵を受ける
怠ける!
「ドウシュハイ(同種牌)」は消費POWは結構多いですが、運が良ければ天和が成立しているので、開始後すぐとりあえず「ツモ」を押してみて天和の炸裂を期待します。
炸裂しなかった場合は、そのままリーチを押して何でもいいから捨てれるものを捨てます。
つまり、もはや何が待ち牌なのか探すのも面倒臭くなってくるということです。
リーチした場合は、待ち牌の種類のものを全部ツモかロンしてみるという体たらく。
このゲームには待ち牌のお知らせ機能のような親切設計は無いのです。
見飽きる!
ご褒美ありきのこのゲームですが、敵の種類がそれほど多くないのである程度進めると、使い回しグラフィックがドシドシ登場します。
麻雀自体が面白ければまだマシですが、イカサマ合戦と成り果て、麻雀ゲームなのに麻雀勝負を否定した上に、正直グラフィックももう見飽きてきます。
ただ、もしかしたら進めると新たなグラフィックがあるんじゃないかという妄想にとりつかれつつゲームを進めることになります。
ちなみに、その妄想の一つとも言えそうな、オニガルド国王さま、門番ちゃん、店の店員のご褒美画像とかも、
無いです。
慰めとして、こんなのは有る。
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この「変身」という名の追加ご褒美画像ですが、結果、このリスさんが一番過激でした。
ザコが異常に堅い!
中盤辺りになると、
「ココとココのザコはこのイカサマを使って、最後のボスに「ドウシュハイ」で秒殺だ!」
という具合に消費POWの残量と相談をしながら進める感じになり、全くもって麻雀を楽しむ気配は消え失せます。
後半になると、
敵の体力と防御力がやたらと高くなり、「伝説の武器」(最強の武器)を持ってないと、天和をもってしても一撃で倒せない堅さになってきます。
反面、「伝説の防具」(最強の防具)は装備しているので全然ダメージを受けず、やられることすらできないという状況に。(敵から「逃げる」事はできない)
これについては、「伝説の防具」よりも先に「伝説の武器」を取ったら回避できるなぁ、って後で思いました。
クマちゃんは体力が異常に高い時がある。
さすがクマ。
預けただけなのに返ってこない!
リーチをすると持ち点(=体力)を1000差し出すことになりますが、体力という概念の為か、アガった後にその分が戻って来ず、リーチをすればするほど体力が減り、しまいにはリーチができなくなります。
リーチ以外の役が全然揃わないのがこのゲームなのです。自分がヘタという可能性もある。
ザコ敵さん
問題点が多かったので、気分転換に2枚。
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モッフモフのデカい猫。
鉄板です。
まじゃおう
ラスボスのまじゃおう戦ではイカサマが封じられるので、一応まともな勝負ということなります。
ラスボスなのにイカサマで一撃ノックアウトとか、さすがにシラけますしね。
また、まじゃおうは使い回しグラフィックではなく、専用のものが用意されてございます。そりゃそーだ
しかもカワイイです。
エンディングを含めると複数枚あって、頑張ってます。
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一応ラスボスだけあって、倒すと気合いで復活してきます。
本気出してなかっただけなんだからね!
変わった様に見えませんが、実はしっぽが9本になってます。
神獣「九尾の狐」というわけです。
最後に、個人的には予想外のエンディングだったのがちょっと満足でした。
以下ネタバレ。
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まじゃおうの弱点であるしっぽを捉えた主人公。
そして、トドメの一撃が振り下ろされようとした時、その剣がピタリと止まる。
そこで勇者は予想外の言葉を口にする。
自分と組んで、どこか別の国を攻めないか?
勇者曰く、
自分が受けた依頼はまじゃおう軍をオニガルドから撤退させるだけ。命まで奪うことではない。
オレはただ戦いが好きなだけなんだ。
提案と言いながら剣を突きつけたままなので、ほぼ脅迫ともとれますが、まじゃおうは仕方無く承諾します。
そうして今度は2人でどこかの国を攻めに行くというオチです。
「お前それでも勇者か?」と言うまじゃおうですが、エンディングのグラフィックではとても楽しそうな顔をしており、まんざらでもなさそうなのがいいです。
オニガルドは解放され、勇者は戦いが続けられる、まじゃおうも有望なパートナーと出会えて他の国を侵略することができる。
ウィンウィンウィンです。
おまけ
麻雀!
ご褒美画像!
と言えば、コレです。
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スーチーパイ!
いで立ちが良い。
- ヘッドセット ➡ ヒーローみたいでカッコイイ
- コスチューム ➡ 麻雀だけにチャイナ服っぽく(よく見たら全然違うけど)
- タイツ ➡ 色が絶妙
- ヘアスタイル ➡ お団子ではなくロング
ただ残念なのは、スーチーパイさんのご褒美シーンはそれほど多くない。
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という事で、ご褒美画像を1枚追加です。
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スーチーパイの絵は他にもコチラに。
「「もうちょっと待ってねエルちゃん」のページ Vol.2」(No.18の項目)