1986年12月 サン電子
いいえ、これはビキニアーマーではありません。
なぜなら…おなか部分が覆われているから!
…という意見もありましょうが…いや、これはもうビキニアーマーですよ!
「つなぎビキニ」と呼ばれる水着「モノキニ」というものもありますし。
直感的に、これは露出が多いな、と思ったらそれはビキニアーマーです。
というわけで、このソフトのパッケージですが、「レイラ」同様買いたくなる見本のようなビキニアーマーキャラのイラストですね。
もちろんこのイラストレベルのグラフィックがゲーム中には登場するはずもなく、主人公の様相は相変わらずそれっぽいドット絵ですが、そのドット絵を脳内で変換してプレイすることができるのは、そもそもがこのパケ絵があるおかげなのであります。
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概要
少女戦士ルシアを操作して、一族の裏切り者ダルトスを倒すのが目的の横スクロールアクション。
ルシアは「ラメール」と呼ばれる一族の戦士で年齢は推定18歳、剣と魔法を使って戦います。
そして、もっとも魅力的な部分は冒頭で触れたその容姿、ビキニアーマーです。
そんなビキニアーマーを着た麗しき少女が戦う理由が…
手にした者は世界を支配できると言われる『マドゥーラの翼』
争いの元になるこの像は王の意思により地下に隠され、ラメール一族にその守護を命じた
しかし一族の一人であるダルトスが裏切り、像を我が物とする
像の力を手にしたダルトスは魔物軍団を率いて世界征服を企むが、王も戦士団を結成しこれに対抗する
この戦士団の中にルシアの姿があった
像の力を得たダルトスの前に戦士達は次々と倒され、残るはルシア一人となってしまう
世界の命運はルシアの手に委ねられたのである
というもので、戦士団の中でたった一人の生き残りからの逆襲劇ということですが、ルシアが他の戦士と違うのがラメール族の中で唯一「魔法」を使える人物だということです。
ラメール族というのは王様ご指名の一族からして特殊な力を持った集団なのかと思いきや、その特殊能力である魔法を使えるのはこの少女だけというこの意外性。
小部屋とステージクリア条件
ステージのあちこちに小部屋のようなものがあり、中に入るとアイテムがある、回復できる、敵のボスがいるといったイベントポイントとなってます。
アイテムは以下の物が置いてあります。
- 武器の強化アイテム
- 新たな魔法を覚える
- HP・MPの最大値アップ
- 回復アイテム
各ステージは封印された次のステージへの扉があり、これを開けるには特定の小部屋にいるボスを倒し、さらにその奥の部屋に進んで水晶玉のようなアイテムを取ることで扉の封印を解くことができます。
基本は横スクロールですが、ステージが進むと上下左右に道が分かれた迷宮のような場所もありますよ。
アクション
移動アクション
ブーツの形をしたアイテムを取得すると移動速度とジャンプ力がアップします。
アップした後のルシアのアクション性能はなかなかいい方だと思います。
攻撃アクション
「魔法が使える」というのがルシア最大の特異体質ですが、メインの攻撃は剣です。
そんな剣攻撃は、リーチがかなり短く、当たり判定も狭いです。
ダメージを受けるとその場で立ち止まってくれるタイプの敵なら問題無いですが、ダメージを受けても動いてくる敵の場合ダメージ食らいまくりです。
また、パケ絵では盾のような物も持っていますが、ゲームの中では持ってないので防御は不可能です。
ちなみにダメージを受けても残念ながらアーマーは壊れません。
アイテム取得でちょっとずつ強くなっていくRPG要素を含んでますが、経験値システムは無いので、敵を倒すメリットは一切無しです。
なので強いザコとは戦わずにかわして逃げるのが基本戦略となります。まともに戦ってたらあっという間にやられますよ。
魔法アクション
魔法は数種類用意されていますが、よく使う魔法は限られています。
よく使う魔法「フレイムソード」
最初に手に入る魔法で、振ると剣から炎が発生します。
発生する炎が攻撃射程を伸ばし、普通に剣で攻撃するよりもダメージも大きく、消費MPも少ないので手軽に使える魔法です。
基本的にこれを設定しておけばいいかと思います。
最終魔法「フラッシュ」
中盤に取得できる魔法で、画面内にいる全ての敵を攻撃できるかなり便利なものですが、その分MPも大量消費するので連発するとすぐにMP切れを起こします。
特にラスボスにはこの魔法に頼ることになるかと。
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あとの魔法はお好みで使う程度です。
回復とコンティニュー
回復手段
このゲームは特徴的かつ強い敵が多く、あっという間にHPが減っていく割に、回復魔法が存在せず、たまに置いてある回復アイテムか、ある程度ステージが進んでから登場する回復の泉の女神像に頼ることになります。
この女神像は、触れることによって何回でも無条件で回復できます。
コンティニュー
残機制ではなく、HPが無くなるとゲームオーバーですが、タイトル画面でセレクトを押しながらスタートすると、クリアしたところまでの面セレクトでのコンティニューが可能です。
タイトル画面にコンティニューの選択肢はないので、これは裏技になるのでしょうか?
コンティニュー後は、HP・MPが両方1000の状態で始まります。
ちなみにアイテム取得により増えるHP・MPの上限は5000となっており、また、1000という数値はボスクラスの敵だと2~3回触れられると死んでしまうほどの数値です。
ラスボスと王子様
パッケージにすでにラスボスである裏切り者のダルトスが描かれていてちょっとしたネタバレなのでは?と思いましたが、実際にゲームに登場するダルトスは人の形をしておらず竜人のような姿をしています。
なるほど。これでネタバレ回避というわけですね。しかしなぜダルトスがこのような姿になって襲い掛かってくるのかは謎です。
実はルシアだけでなく、ダルトスも竜人になれるという秘密の特異体質を持っていたとか、はたまたこれこそマドゥーラの翼の力とか?
さらにもうひとつわからないことと言えば、ダルトスを倒した後に登場する王子様っぽい人です。
ダルトスを倒した後に上の方にある小部屋に入ると金髪の王子様が倒れていて、そこに駆け寄るルシア。王子様を抱き起し、ルシアは王女様のような恰好に、そして王子様も正装に変化します。そして2人並んだ状態でエンディングのテキストが流れます。
2人は結ばれたということでしょう。
エンディングのテキストが英語で表示され、その最後の文でプレイヤーに対し以下のように述べられます。
「王子を救う為、ルシアに協力してくれた事に感謝します。」
そんな目的、今初めて聞きましたけど!?
それでこそファミコンソフト
このゲームは理不尽なほど難しいわけでもなく、かと言って決して簡単ではない、ファミコンゲームとしてはバランスの取れている方だと思いますが、唯一理不尽な部分を挙げるとすると、
- ラスボスのダルトスの出現条件 ➡ 「マドゥーラの翼」を取得した時点となっている
- 出現したダルトスはルシアのはるか上空で炎をまき散らしているが、ジャンプで進める足場が見当たらないという状態
- もしや、クリア必須アイテムでも取り逃したのか?などと思いつつ、色んなボタンを押すが解決に至らないまま、その内にダルトスがまき散らす炎でやられる
- 再度挑戦するも、これといったアイテムもなくやはり隠された操作方法があるとしか思えず、十字ボタンとジャンプボタンなどの組み合わせを押していると一瞬変な挙動のジャンプを発見
- ようやくわかったのが、下を押しながらジャンプボタン長押しで飛ぶことができる、という操作だった
「飛ぶ」というよりゆっくりと体が浮かんでいくような感じです。
いつの間にこんな技を使えるようになったのか?という疑問ですが、これは「マドゥーラの翼」を取ることで使えるようになる特殊魔法なのです。
さすがファミコン、ノーヒントワールドですよ。
さらに付け加えると、この浮遊アクションは一応魔法ということで、一度使うと1000ものMPを消費するというのに、ダルトスのまき散らす炎に触れると簡単に叩き落されてしまいます。
数回落とされると、MP不足で詰みます。
ようやくダルトスに手が届く足場に辿り着きますが、飛び跳ねながら炎を大量にまき散らすダルトスとまともに戦うのは大変なので、ここはフラッシュ4発(フラッシュは一回でMPを500消費するので合計2000MP必要)でとっととやっつけます。
ここで最後の落とし穴となるのが、ダルトスを倒した後にクリアする為に入る小部屋がさらに上空の方にあるということです。
つまりそこまで飛ぶ為にさらに1000MP必要ということです。
ラスボスを倒したというのに、MP不足でエンディングに辿り着けないというその仕様。
まとめると、ここまでに温存しておきたいMPは1000+2000+1000-500=3500MPとなります。
内訳は以下の通り。
- マドゥーラの翼を取る ➡ 500MPもらえる
- 浮遊魔法の消費MP ➡ 1000MP
- フラッシュ4発(500MP×4)の消費MP ➡ 2000MP
- エンディング用の浮遊魔法 ➡ 1000MP
2回分の浮遊魔法2000MPは必須なので、足りなさそうな場合はフラッシュを数発諦めて直接攻撃で頑張ります。
ダルトス撃破からクリアまでがこのゲーム一番のファミコンらしい理不尽さをはらんでますが、そこに到達するまでにまとわりついてくる紫色の浮遊スライムもなかなかのキャラとなってます。
正式名称は「ニュール」。
この敵の特徴は、
- 画面内に規定数が必ず出現する
- 倒しても無限に出現する
- ルシアと同じ速度で追ってくる
- 障害物を素通りする。
特に段差を昇降するシーンでまとわりついてきて何度も落下させられる、かなりイヤらしい敵です。
ほぼ無敵といっても過言ではないですが、ルシアをしゃがませた状態だと、頭上で浮遊したまま停止し特に何もしてこず、そのまま剣を振れば無傷で倒せます。
ただただ「移動を阻むだけが目的の敵」という感じでしょうか。
あとがき
パケ絵だけで買ってしまうソフトの定番「レイラ」と比較すると、
ゲームクリアの可否
- レイラ ➡ 自力で正しいクリアルートを探し当てるのは困難を極める。
- マドゥーラ ➡ ちょっとした迷宮になっている部分はあるものの、なんとか自力でクリアできる難易度。
アクションパート
レイラの銃を構えて走る、もしくは素手で走った時の女の子走りなど、ドット絵でもかわいいです。さすがのルシアもこれには敵いません。
主人公
パケ絵のおかげでドット主人公を脳内変換できる点は両者互角ですが、私はルシア派です。というか、レイラはジャケ買いはしがちですが、彼女のお召し物はさすがにビキニアーマーとは言えないですがね。
セリフ
ルシア派の私としては、できればルシアが喋るシーンが欲しかったなぁ、と思った次第でありますが、レイラは一応最後にセリフがあります。おまけみたないものですけど。しかも英語ですけど。
というわけで、引き分けという結果になりました。
おまけ
エル
「ビキニアーマー好きのシオンくんに、これをお披露目しておかなくっちゃ!」
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