1985年12月 アイレム 売上本数42万本
豆つぶぐらいの赤ランプを見ると思い出すのが「スペランカー」。
タイトルである「スペランカー」の意味は「洞窟探検家(趣味としてやる)」だそうです。
昔はゲームのタイトルの意味なんて考えたりしませんでしたが、ちゃんとそれなりの意味のタイトルつけてるんですね。
これを踏まえて、早速このゲームの真髄ですが…
主人公は、洞窟探検家にはまったく向いてない。
というのもすぐ死ぬからです。自分の身長分ほどの高さから落ちただけで。
少し高く見積もって2メートルぐらいの場所から飛び降りても、ケガするの可能性はあっても、死ぬことはまずないでしょう。
頭からいったら別ですが。
そして、つけられたのが「史上最弱の主人公」という不名誉な異名。
おかげで一部ではクソゲー扱いされていますが、マリオがクリボーに触れた途端に飛び上がって死ぬのと何が違うのでしょうか。
ファミコンの世界では主人公があまりに弱いのは常識なのでは?
案外キャラクターの挙動がしっかりしてるので、それをちゃんと把握して動かす事ができれば逆に優良アクションゲームに変貌すること間違い無しです。
スポンサーリンク
アクション
断面図でこまごまと描画された地下世界には様々なトラップが張り巡らされてますが、それらを突破する為の演出が何気に凝ってます。
爆破
行く手を阻む岩石をブチ壊すには「爆弾」を使います。
使用方法は、アイテム欄から選択するなどというまどろっこしい操作ではなく、「下を押しながらBボタン」というスマート操作。
注意点は、設置後3秒ぐらいで爆発するので、仕掛けたらすばやく一定の距離まで退避しないと巻き込まれて爆死します。
初心者は、仕掛けたら爆破するまでの間ひたすら反対側へ逃げるべし。
真のスペランケストを目指すなら、ギリギリ安全な距離を手探りで見つけておきましょう。
酸素
ひたすら地下に向かう洞窟探検なので酸素不足の概念があり、途中途中に置いてある酸素補給アイテムを無視すると窒息死します。
酸素を補給してくれるアイテムはこんなの ↓
取ると画面上部の酸素メーターが勢いよく回復しますが、未だにこのアイテムの形が何を表しているのかよくわかりません。
コウモリ
主人公の行く手を阻むのはトラップだけではありません。
ところどころにコウモリが飛んでいます。
何をしてくるかと言うと、死に至るフンの撒き散らしです。
やってる事が「アトランチスの謎」のコウモリと同じ。
驚くべきはそのフンの量です。
猛烈な勢いでずーっとフンしてきますよ。
むしろフンをし続けるコウモリがかわいそうなので、「フラッシュ」を使ってラクにしてあげましょう。
アイテム「フラッシュ」は、使うとシュパッという効果音と共に打ち上がり、コウモリを一瞬で昇天させます。
どういう仕組みかよくわかりませんが、この演出は地味に気持ちいいです。
爆弾同様、フラッシュの使用方法もスマート操作で「上を押しながらBボタン」です。
ちなみに、真のスペランケストならこの大量のフンの雨をフラッシュ無しでくぐり抜けますが、きゆこうにはムリでした。
思っている以上にフンの量が多いです。
ゴースト
さらにゴーストまでが出現し、主人公に襲い掛かってきます。
ゴースト出現時は専用のBGMに変わるので、どこからゴーストがやってくるかまずは落ち着いて確認しましょう。
適度な距離を確保できたら手持ちのマシンガンみたいなやつをぶっ放してやっつけます。
注意点として、マシンガンを撃っても一瞬で倒せるわけではなく徐々に消えていく為、その残りカスみたいな部分に触れても死んでしまうという点です。
マシンガンの3つの欠点
- すぐには倒せない!
- 撃っている間は動けない!
- 遠すぎると「射程外」で倒せない!
なのでまずは適度な距離であることを確認してからぶっ放すようにしましょう。
それとマシンガン攻撃は、酸素が多めに減るので無駄撃ちは避けるべし。
というか、ゴーストみたいな霊体にマシンガンのような物理攻撃が効くのでしょうか?
➡ 後日ふと調べると、これはマシンガンのような音はしますが、「ブラスター」と呼ばれるいわゆる光線銃(SF映画とかに出てくるやつ)とのことでした。
光線銃だとしてもやはり霊体だとすり抜ける気はしますけど…、ともあれ武器だけはスゲーもの持ってきてたんですね。
ちなみに撃たれたゴーストですが、すごく悲しそうな顔をして消えていきます。ナンマンダブ。
最弱伝説の一例
「身長分の高さから~…」は、もはやこの主人公を語る上で外せない説明文ですが、個人的にもっとシュールな死に様だと思うのが下り坂での前方ジャンプによる死亡です。
その死因は…
坂道の高低差によるもの。
そんなことあります?
これに関しては、ジャンプと着地の位置によっては死なないこともある特殊な事例であることからして、おそらくゲーム制作者も狙ってやったわけではないのかと思われます。
とにかくなぜかジャンプしたい衝動に駆られる下り坂ですが、進む際はおとなしく歩くことをおすすめします。
スポンサーリンク
隠しアイテム
地下洞窟には見えるアイテムと、見えない「隠しアイテム」が存在します。
隠してあるぐらいなので、どれも有利なものばかり(?)です。
とある場所でジャンプすることで音と共に4つあるうちの一つがランダムで出現します。
- 一定時間、得点が2倍になるアイテム
- 一定時間、無敵になるアイテム
- 一定時間、移動速度がアップするアイテム
- 1UPアイテム
どれもアップな感じで有利なものに見えますが、問題は3つ目の「移動速度がアップするアイテム」です。
見た目はビンっぽい何かで、中身は赤い、おそらく液体が入ってるやつです。
取る(飲む)とプレイヤーの動作速度が高速化します。
シビアな操作が要求されるこのゲームでその速度!
コントロール制御が難しすぎてよく死にます。
例えば、
- 止まろうと思ったところ以上に進みすぎて、着地点を誤って落下死
- 前方ジャンプ力もアップするので、飛びすぎによる高低差によって死亡
- ロープからジャンプしたときに、天井に頭が当たって落ちて死亡
もはやハズレアイテムとしか思えないのですが、真のスペランケストはこのアイテムが大好物。
このスピードで主人公を的確に操作する様には圧倒されますよ。
きゆこうは無難に「1UPアイテム」が一番嬉しかったり。
地味でスミマセン。
これを取った時のドキュンドキュンドキュン という重量感のある効果音が心地良し。
ちなみに、無敵アイテムで無敵になっても、さすがに落下した場合は死にます。
ダイヤモンド
大量のスコアが獲得できる得点アイテム「埋蔵ダイヤモンド」が存在しますが、壁の中に隠されているので通常は見えません。
このダイヤモンドは大体主人公と同じぐらいの大きさなので、プレイヤーが入れるぐらいのスペースがある壁を探せば見つけることができます。
めぼしい所を爆弾で爆破してみましょう。
天然のトラップ
その他のトラップとして以下のようなのがあります。
毒ガスA
地面が隆起した部分の先端から一定間隔で噴出してます。
噴出が途切れた瞬間にジャンプで飛び越えましょう。
触れた瞬間に死ぬ演出的に、これは超高熱ガスの可能性もあります。
毒ガスB
トロッコ乗車エリアで遭遇する毒ガスAの天井版で、一定の間隔おきにもにゃもにゃとガスが噴出してます。
ガスとガスの間で一旦停止してガスの噴出が引いた所を見計らって進まないとならないというのが3か所ほど連なっており、また、ガスとガスの間のスペースが主人公一人分しかないので、瞬時に停止位置を調整するテクがちょっとだけ要ります。
なぜここだけトロッコ移動にしたのかわかりませんが、でもイカしてます。
落とし穴
下に大きな空洞があって、明らかに地面が薄くなっている部分は通過すると道が崩れ落ちます。
定番ですね。
ジャンプして回避しましょう。
グニャグニャ道
地面が波打っていて歩きづらい所があります。
ここはただ歩き辛いというだけで、この道を歩いただけで死ぬということはないですが、一部行動の制約を受けます。
それがマシンガンの使用不能です。
通過中にゴーストが出現したら速やかにグニャグニャ道から脱出しましょう。
ツタ
天井からぶら下がっているツタからツタへ飛び移りながら進む所ですが、かなり難しいです。
ツタから離れる直前にジャンプしないと落ちて死ぬ(方向キーとジャンプをほぼ同時に押さないとならない)という基本リスクに加え、ジャンプの際に天井に頭を打ち付けてそのまま落下(ツタからジャンプすると着地点はジャンプしたところよりも上になる)というリスクまであります。
そんなリスクの前提で、かなり短めのツタが連なっております。
主人公の体の中心にツタがあることを確認してからジャンプすると、失敗する確率は減るかと思いますが、天上頭打ちリスクについてはツタの下の方ギリギリまで下がってからジャンプする必要があるので、下がりすぎてよく落下死します。
個人的に上位の苦手トラップです。
階段
階段がトラップなのか?と思われがちですが、2段目から落ちると死にます。
「下り坂前方ジャンプ死」の次ぐらいにシュールな死に様。
これもたまに死なないこともあるという不安定トラップの類ですが、このゲームでは階段ですら命取りとなることを肝に銘じておきましょう。
エンディングと周回
最深部到達
さて、念願の最深部には何が置かれているかといいますと、なんともカワイイ宝の山が置かれているのです。
到達した主人公は大人げも無く飛び跳ねて喜びます。
きゆこうも飛び跳ねて喜んだものです。
その後はファミコン特有の2週目へ。
周回を繰り返すと地面の色とか一部クリア方法が変わってきます。
周回要素
例えば2週目は、次の階層に行く際に必要な「カギ」が非表示だったり、さらに3周目、4週目になるとカギがあった場所でジャンプしたり、フラッシュを焚かないとカギが取れない、みたいになってます。
フラッシュに至っては、フラッシュを焚かないとカギが取れないということは、フラッシュを温存しておかないと残機が残っていようが詰むということです。
ということは、コウモリのフン攻撃をフラッシュ無しで通過するというのは、ゲーム製作者としては「可能なアクション」として認知しているということの証です。
それとも、「どうせこんなゲームで周回を繰り返すヤツなんかいねーだろ!」と思って無茶な条件でも施したのか。気になるところです。
あとがき
あとがき1「赤ランプ」
ゲームを起動するとソフト本体についている赤いランプが点灯します。
たったこれだけのことですが、このソフトの印象を強くしています。
これはプレイヤーに、現在起動中ですよというお知らせの為に付けたものなんだとか。
ファミコンカセットは電源がついてようがいまいが、無理やり引っこ抜けますからね。
それでソフトが壊れた経験は無いですが、「ドラクエ3」とかでこれをやると確実に冒険の書が消えるので、ドラクエ3にこそつけるべきだったかも。
まぁ、正しく終了させてても冒険の書は消えましたけど…。
あとがき2「オープニングBGM」
このゲームは起動してもすぐにタイトル画面にならず、暗ーいBGMとともに徐々にタイトル文字が現れるというちょっと怖いオープニング演出があります。
このBGMはめちゃくちゃ暗く、絶望感を漂わせるその旋律に個人的に軽くトラウマです。
なので、音楽が鳴り始める前にすぐにスタート押してました。
プレイ中のBGMはとっても軽快なので、今となってはこのギャップがたまりません。
あとがき3「ファミコンのめり込み判定」
もし、友達とスペランカーの話になって「2周できる」と言ったり、言われたりするとお互い大体のファミコンのめり込み具合がわかります。
つまりファミコニアンのバロメーターになっています。(私見です。)
「3周以上できる」と言ってくるような人は、多分ファミコンカセット30本以上持っている猛者です。(私見です。)
スポンサーリンク