1986年4月 ケムコ
ケムコ? ナムコと間違えてるんじゃないの?
いいえ!合ってます。ケムコでいいんです!
スパイの目的
「白と黒の同じ姿のスパイ(実はカラス)、ヘッケルとジャッケルが部屋の至るところに隠されているアイテム4種(設計図・カギ・カネ・パスポート)を探し出し、先に脱出した方が勝利となる。」
このゲームの場合、敵もスパイで、コンピューターもしくはプレイヤー同士で設計図を奪い合う「対戦」がメインです。
「設計図」というのは一応設定があるようです。
ヘッケル(白)はケムコのスパイで、ジャッケル(黒)はトムコのスパイであり、トムコというのはケムコのライバル会社です。
2人は「ジンテンドウ社」の開発した新型システムの設計図をめぐって争うという設定で、ジンテンドウ社はゲーム界の元締め会社だそうです。
設計図を失敬するっていうのは「情報」を盗むということでスパイっぽくてカッコよく聞こえますが、カネまで失敬するとなると途端に小物感を感じます。
何というか、プロのスパイともなるとカネなどはもはやどうとでもなる存在のように思えるわけです。
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敵地への侵入方法
エレベーターアクションとは違い、すでに侵入した状態で、いきなり部屋の一室からスタートです。
こちらは「対戦」がメインなので、侵入方法などの細かい部分は不要なのです。
ゲームの進行
舞台は複数の部屋(オフィス)が連なったビルの1フロアもしくは2フロアで、ゲームレベルによって部屋数に違いがあり、レベルが上がると部屋数も増え、階層も2フロアになります。
全体マップ画面を開くと、アイテムがある部屋はマーカーが表示されていますが、どの家具にアイテムがあるかまではわからないので、アイテムがある部屋まで来たら、しらみつぶしに引っ掻き回してアイテムを探し出します。
アイテムは一つしか持つことができないので、まずは複数の物を入れて持ち歩ける「カバン」を見つけるのが先決です。
カバンに、設計図・カギ・カネ・パスポートの4つを揃えたら、飛行機マークのあるドア(出口)を開けるとクリア(勝利)となります。BGMはなかなかリズミカルで今でも頭に残ってます。
バトルアクション
このゲームの醍醐味は罠の応酬です。
いかに家具や部屋・ドアに罠を仕掛けて相手スパイをやっつける(気絶させる)かにつきます。マップ画面を見れば罠のある部屋もマーカーが表示されるので仕掛けられていることはわかりますが、アイテム同様どの家具にあるのかまではわかりません。
また、アイテムも罠も両方とも潜んでいる場合はアイテムのマーカーが優先表示されるので、確実に罠を回避するには相手側の行動を実際に見ておくしかありません。
つまり、マーカーを確認してても罠にかかる時はかかってしまうのです。
罠の種類
ダイナマイト
仕掛けられた家具を触ると爆発して昇天します。
白バケツ(防火用具入れにある)を持っていれば回避できます。消火するってことですね。
時限爆弾
部屋自体に仕掛けることになります。その部屋に入って2秒後に爆発して昇天します。
この罠が仕掛けられている部屋に入った途端、プレイヤーの顔が真っ青になるので仕掛けられていることが判別できます。
一旦部屋を退出すれば罠を解除することができます。
2階建てのマップの場合ハシゴで昇降することになりますが、ハシゴモーションは2秒以上あるので、特に降りる先の部屋に仕掛けられている場合は確実に昇天します。
硫酸
ドアに仕掛けます。ドアを開けると硫酸の雨を浴びて昇天します。
個人的に一番残酷な罠だと思います。いっそ爆弾で吹き飛ばされた方がマシです。
傘立てにある傘を持っていると回避できます。普通の傘じゃありませんね。
スプリング
仕掛けられた家具を触ると吹き飛ばされて壁に叩きつけられて昇天します。
途轍もなく強力なバネなのです。
ペンチ(工具箱にある)を持っていれば回避できます。バネを切っちゃうということですね。
直接対決
スパイ同士が同じ部屋で鉢合わせすると直接対決となります。その際「武器」を持っていると圧倒的に有利で、武器持ちに対して素手だとほぼ負けます。
この対決の時だけABボタン同時押しでジャンプすることができます。
武器は「ナイフ」と「棒」の2種類があり、アイテム同様に家具に隠されています。
「ナイフ」の方が攻撃力が高く、リーチは短い。反対に「棒」はリーチは長いが、攻撃力は低めです。
その他のシステム
●罠は自分で仕掛けたものであっても、自分にも効果が発生します。
あんまり調子に乗って罠を仕掛けまくると、どれに仕掛けたのか自分でもわからなくなるので、むやみに仕掛けるのは得策ではありません。
●アイテムを全て揃えていない状態で出口のドアを開けると、バネと同様の効果で吹き飛ばされます。
この場合は出口ドアの配置の影響で、壁もしくは閉まっているドアにブチ当たるまで部屋を複数縦断する形で吹き飛ばされてから昇天します。
3部屋とか4部屋を縦断して吹き飛ばされると、それはそれで面白いです。
●プレイヤー達は、罠を仕掛けた時と相手が罠にかかった時に、首を高速で上下して「ケケケケッ」と笑うので、自分のプレイに集中していても、この笑い声で「あっ、今何か仕掛けたな」と相手の状況が確認できます。
アイテムのマーカーが優先表示されることを考慮すると、笑い声が聞こえたら一応マップ画面を確認しておくと有利に事が運べるかもしれませんが、あまり律義にやってると楽しめないのも事実です。
友達とやる場合は細かく考えずに体当たりでやった方が面白いかと。
●罠や対決でやられても一定時間後に復活しますが、自分の持ち時間がマイナスされていき、持ち時間が無くなるとゲームオーバーとなります。
もはやスパイ活動そっちのけで、相手をやっつけることに楽しみを見出しているカラスたちというわけなのです。
脱出成功
カバンに4つのアイテムを揃えて出口を開けると、脱出演出が始まります。
プレイヤーはセスナに乗って脱出し、後ろを走って追いかけてきた敵スパイは右往左往したあげく爆発して昇天します。
なんだかちょっとかわいそうです。
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