スーパーファミコン

真・女神転生 - 善も悪も完璧すぎない「人間」の魅力

投稿日:2023-06-26 更新日:

1992年10月 スーパーファミコン アトラス (開発・発売)

小説を原作としたFC「女神転生」、原作にこだわらずにそれを発展させた「女神転生2」、この2つを継承・発展させ、さらにはハードの性能も相まってまさに「女神転生」たる世界観の基礎が確立された、「真」シリーズの第1作です。

女神転生といえば「悪魔」の存在、このファンタジックな者たちが突然出現して敵味方問わず対峙するのが特徴ですが、その舞台となるのが我々の住む日本(東京)という点が他のファンタジーよりも生々しさを感じますよね。

今作はスーパーファミコンということで、ストーリーとその構成がほどよく出来上がってます。

例えば、ゲームを始めるといきなり怪しげな雰囲気のダンジョンからスタートし、そこで謎の人物3人と出くわし、しょっぱなからプレイヤーの頭を???にする演出だったり。

よくある演出ではありますが、実はそこは主人公の夢の中であり、登場人物の辿るかもしれない未来の形を暗示しているのですが、暗示なのでそれは必ずしも確定事項ではなく、主人公の取る行動・もしくは運命によって多少の変化が加わります。

主人公の運命については(ゲームということで)決まっちゃってますが、行動や選択についてはプレイヤーが決めることができます。

ということで、エンディングについては3パターンからなるマルチエンディングになってます。

主人公の運命に引き込まれる者たち

2つの夢

1つ目

ゲームスタート時の主人公の夢で最初に遭遇する2人は、白色の人型のシルエット姿をしてるので、その顔とか姿がハッキリとはわからないですが、3人目はノンシルエットで顔もばっちり見えてます。

見えてるといっても、このゲームでは顔はボヤけてるのでプレイヤーには見えませんが、主人公には見えてるはず。

顔どころか池で水浴び中ということで、見えているのはそのキレイな背中。

 

はい、ハダカです。

 

 

名前は「ゆり子」と名乗ります。

ゆり子は主人公に対し好意を持ってる感じなので、プレイヤーからするとははーんこれが今作のヒロインだな、ってなるあたり、すでに術中に落ちてます。

2つ目

最初の夢はゆり子と出会うまででその後一旦主人公は目を覚ましますが、ストーリーを少し進ませると再度主人公は夢の世界へと誘われます。

白シルエットの2人とは「また会ったな」ってなりますが、3人目はゆり子に代わって白シルエット女性型が登場します。

シルエットでなぜ女性だとわかるのか。

 

はい、ハダカです。

 

 

彼女とゆり子の違いは、プレイヤーの手によって名付けられることになる点。

あと、ゆり子の妖艶な感じに対し、彼女は清楚な感じ。

彼女は、主人公に好意的というよりもはや、主人公との出会いは運命で決まっているという自分の意思を超越した感情を持っているようです。

 

ヒロインはどっちだ?って一瞬なりますが、プレイヤーが名付けているあたり、ヒロインは後者の方なんだろうという予想はつきましょう。

 

では、ゆり子は一体何者なのか

 

ゆり子とヒロインだけでなく、白シルエット2人も一体何者なのか、そしてこの人物たちが主人公とどうかかわってくるのか、それがストーリー構成の根幹となってます。

序章「はじまり」

このゲームは「章」で区切られてるわけではないですが、個人的に分けると5つぐらいになります。

主人公

東京吉祥寺で母親と二人暮らしをしている普通の少年で、おそらく高校生ぐらい。

趣味はコンピューター。

ある日、DDS-NET(というパソコン通信)で送りつけられてきた「悪魔召喚プログラム」をインストールしたことによって、悪魔を召喚・使役することができるようになります。

この時代にインターネット的なことをしているのがなんかスゴイな、と今更ながら思った次第です。

主人公だけあって他人との大きな特異点がありますが、それが悪魔使役に対する強い精神力

通常、悪魔を使役し続けると、逆に悪魔に精神を乗っ取られてしまうらしいですが、主人公は全然大丈夫。

この強力な対悪魔精神力を有する根拠となるものであるかどうかは微妙ですが、彼のこの体質はゲーム後半で何となくそれを匂わせる彼の前世に関係してると考えるのも一興です。

主人公の母親

たまに茶目っ気を出す優しい母親です。

主人公が実質的に自分の運命の歯車に乗っかったのは母親によるところが大きいかもしれません。

後に起こる事件のせいで。

パスカル

主人公の飼っている犬。

ハスキー犬っぽいやつ。

序盤でとある変貌を遂げさせると、バトルでとても助かる存在になりますが、そのままずっと…というわけにはまいりません。

ゆり子

夢で見た女性「ゆり子」。彼女とは早々に主人公の自宅近くのアーケードで遭遇します。

夢で見た女性が現実に現れて、

「また会ったわね、こんな所で会えるなんて夢みたいね。」

とか言ってくるのがめちゃくちゃ怖いですが、こんな美人にそんなこと言われたら、怖さより好奇心が上回ること間違いなし。

あと、なんか期待感。

そして、それだけを言うとさっさと去って行きます。

ヒロイン

吉祥寺アーケードで幽鬼ガキとの遭遇後、家に帰って寝ると2度目の夢を見ることになり、前述通り、この夢で謎の儀式の生贄にされそうになっている白シルエットのヒロインの名前を呼んで(名前を入力する)、儀式から救い出してあげます。

救出後にパラメーター振り分けの入力画面になるので、彼女がヒロインであることは確定ですね。

彼女曰く、この儀式が実行されていたら恐ろしい魔王が甦っていただろうとのこと、さらに近い未来の予言を聞いた後、主人公は目を覚まします。

予言の内容は以下2つ。

  • 出会うのはもう少し先である
  • 出会った後に一度別れることになる

2つ目が気になるところですが、これが結構大層なことだというのが後々わかります。

ご老人

井の頭公園に行くと、謎の老人にわけのわからないことを言われた挙句、彼によって誘われた白昼夢の中で、冒頭の夢で出会った白シルエットの2人と共に、ある者と戦わされます。

これは老人による主人公たちの力量測定のためのイベントバトルなのですぐに終わりますが、現時点ではまだ未成熟ながらも、大いなるチカラを使いこなす素質があるとの判定がなされます。

この老人、セリフ的にこの世界の理(ことわり)的なものを見通していることからして只者ではありません。

ロンゲ君

最初に仲間になるロンゲ君は、実は夢で出会った一人目の白シルエットの彼です。

話し方から察するに、マジメで正義感溢れる好印象の人物です。

そんな運命的な彼との出会いの場は、病院の牢屋の中。

病院に牢屋があるのが怖すぎですが、先ずそれよりもなぜ病院なのか。

井の頭公園の老人との会話後、帰宅しようとすると自宅前でなぜか警官に逮捕されます。そして、なぜか病院の牢屋に入れられます。

なぜなぜばかりですが、実はすでにこの病院の院長は悪魔に体を乗っ取られており、無敵の兵士軍団を作るために人体改造をしているというマッドサイエンティストならぬ、マッドドクターなわけですが、おそらく警察と通じていたのでしょう。

無実の人間を捕まえて、しれっと病院へ送る。

多分警察の方にも悪魔人間がいるのかと。

ということで、主人公が入れられた牢屋と同じ牢屋にいたのがロンゲ君だったのです。

ロンゲ君は主人公の顔を見るなり、すぐに夢で出会った人物だと気づきます。

そして、夢で見た人と現実で会えたという感慨に浸る間もなくいきなり、さらわれた彼女を探すのを手伝ってほしいと頼んできます。

彼女持ちか。

彼女がさらわれるとか一体何事かと思いますが、意外にもこれがヒロインとの関連性があったりするわけです。

隙をみて牢屋から脱出した2人はその後、院長室で悪魔院長こと堕天使オリアスを倒し、病院を脱出することになります。

車椅子の男(Steven)

この人、実はゲーム冒頭で悪魔召喚プログラムをDDS-NETで不特定多数にバラまいていた人物なのですが、なぜか主人公やロンゲ君と同じく病院の別の牢屋の中にいます。

そんな状態にもかかわらず、唐突に悪魔召喚プログラムを作った理由を語り始めます。

  • 彼は瞬間移動装置「ターミナルシステム」を開発していた
  • このシステムによって、現世と魔界が繋がってしまう事故が発生
  • 現世に悪魔が出現し、現れた悪魔によって彼も大けがを負ってしまった
  • この事故を知ったゴトウ(後述)が、悪魔を使ってクーデターを実施
  • こちらも悪魔を操って、無秩序な状態を止める為に悪魔召喚プログラムを開発

 

すべての根源はこの人です。

 

まぁ、ターミナルシステムはその後開発に成功したようで、ゲーム内でちゃんと機能する便利な発明品なので、そこは賞賛すべきであり、その過程で起こった事故でこうなったのはしょうがないと言えなくもない。

事故によるこの世への悪影響を鎮圧すべく、悪魔召喚プログラムを作って対策を講じてますし。

 

彼は謎多き人物です。

  • 牢屋内にいるのに明らかに平常心なので、捕まってここにいるわけではない
  • ゲームを進めると至るところで主人公の目の前に現れる
  • やっとのことでたどり着いた先に、すでに主人公より先にそこにいる
  • この病院の院長室(BOSS : 堕天使オリアス)のロックを遠隔で解除してくれる

こんな非現実的な人ですが、このシリーズをやってる人なら「悪魔召喚プログラムの開発者」という肩書きを聞くとあの人的な存在なのかな、ってなることでしょう。

七:三分けですし。

ちなみにここでは悪魔召喚プログラムに新たな機能として「デビルアナライズ」(戦った敵のステータスを閲覧できる)を実装してくれます。

その後も度々登場しては特に見返りを求めることなく新たな機能を追加してくれます。

メガネ君

夢で出会った2人目の白シルエットの人物です。

そんな彼とは病院脱出後、吉祥寺アーケードにてなぜか不良達(オザワ一味)にボコボコにされている状態で遭遇します。

イジメられやすい気弱なキャラなのかと思いきや、実は正反対。

というのも、ボコボコにされた後なのに、俺は負けない…お前らみたいなゲス野郎には負けない、とブツブツ言ってるので、力は弱いけど気は強い感じです。

なので、彼はボヤきます。

この言葉はその後彼の運命に大きく関わることになります。

 

暴力を止めに入ったロンゲ君が主人公のことを名前で呼びますが、それを聞いたメガネ君は夢で会った人物であると気づきます。

ついでに、ロンゲ君のことも夢にいたもう一人だと気づきます。

現時点ではオザワ一味にも勝てないし、夢ではすでに主人公と知り合いだということで、有無を言わさず仲間になります。

アマノサクガミ

ロンゲ君とメガネ君を仲間にすると序章最後のイベントフラグが立つので、とりあえず自宅へ帰ります。

いつものように出迎えてくれる母親…ですが、何やら妙に急かしてくる感じに違和感が…。

実はもはや本当の母親ではなく、アマノサクガミ(=天邪鬼)が母親に化けていたのでした。

ということは、母親はすでに…。

 

これまでの経緯だと、イマイチ主人公が今後積極的に悪魔を使役もしくは駆逐していくキャラという感じがしませんでしたが、母親がこんなことになってしまったからには、これからどうするのか選択の余地はもう無いものかと。

これが前述した、主人公が自分の運命の歯車に乗っかった実質的なキッカケだったのではないでしょうか。

ドウマン

アマノサクガミを倒すと吉祥寺最後のダンジョン「エコービル」へ入る為のIDカードが入手でき、このビルの最上階(5F)にてターミナルシステムから悪魔を出迎えている変なヤツとのバトルになります。

この変なヤツは実は以前に会ったことがあるアイツです。

そう、井の頭公園の白昼夢で軽く戦わされたアイツ。

「超人ドウマン」

ちなみに種族「超人」は悪魔ではなく人間です。ちょっと強い人間。

 

さらに言うと一応平安時代に実在したとされる陰陽師かつ呪術師である「芦屋道満」がモデルで、あの有名な陰陽師「安倍晴明」のライバルとされる人物です。

この時代を描く文献では基本的には「善の晴明」に対し、「悪の道満」という構図となっており道満は卑劣で外道な人物とされてますが、安倍晴明のライバルとされるだけのことはあり、陰陽師としての腕は一級だったようです。

またよくある話ですが、現代では物語などで悪役とされてしまっている人物でも、その土地に代々住む人たちが受け継いできた色付けされていない伝承によると弱きを助ける人格者だったとも

 

そんなドウマンを倒してターミナルシステムに飛び込んで辿り着くのが、このシステムの開発をしていた「研究所」で、そこを抜けて外に出たその場所が第2章の舞台である「新宿」となってます。

 

ところで、このドウマン戦の直前に唐突にゆり子が現れてこのバトルに向けての激励をしてくれます。

なんか、元気湧いてきました。


「エコービル」以降に出現する悪魔

ボディコニアン

このゲームの発売時はまだバブルの余韻があり、その流れを汲んで登場したボディコン姿の女ゾンビという設定。

ゾンビだが、生前の美への執着からその姿はとてもゾンビに見えずカワイイままである。でも、ゾンビなので年を取らない。

その外観に誘われて自分に言い寄ってきた者を喰ってしまうという性質を除けば、ずっとカワイイままの彼女として重宝がられる事間違いなし。

しかし現実に、年を取らず死なないというのは「生きる」という事の価値を見失いかねないものであるし、また仮にパートナーがいた場合、パートナーだけが年を取っていく様を見続けなければならないのは寂しいものである。

第2章「出会い」

研究所を出て北へ向かうと見えるのが新宿地下街。この章のメインエリアである広大な街型のダンジョンです。

街型ダンジョンとは、ショップや邪教の館などの街施設のあるダンジョンで、今後訪れることになる街名のあるダンジョンは基本的に街型ダンジョンです。エンカウントもあり。

ゴトウ

新宿地下街の少し北にある大スクリーンでは車椅子の男の項目で少し触れたゴトウが熱弁を奮って演説しているのが映ってます。

彼は、陸軍一等陸佐で現戒厳令司令官

現在東京は彼によってクーデターが起きており、戒厳令が敷かれています。

大スクリーンでの演説によると、

  • 日本は現在、「ある勢力」による陰謀によって危機にさらされている
  • それが日本抹殺計画
  • この計画を阻止せんが為に、ゴトウは古の神々の力を借りた
  • この戦いに勝利した暁には古の神々と共存できるユートピアを築き上げる予定

この古の神々とは、このゲームに登場するいわゆる「悪魔」のことです。

これが車椅子の男の言っていた、ゴトウがクーデターを起こした理由と、起こすことになった原因です。

これらのことからゴトウは悪魔は排除するのではなく、協力体制を敷く悪魔使役派です。

第2章の重要人物。

研究所から逃げてきた研究員

新宿地下街のBARにいるターミナル開発研究所の研究員。

ただの会話の一つですが、彼はおかしなもの言いをしています。

ターミナルシステムという画期的な発明品ですが、実はこれは極秘プロジェクト扱いで研究開発が行われており、車椅子の男はそれの開発メンバー(もしくは中心人物)であるというのがわかります。

しかしこの研究員が言うには、

研究所はゴトウによって乗っ取られてしまったので、自分は逃げてきたのだが、その際研究所に来ていた車椅子の男はどうなったかな?

という風に語ります。

 

まるで車椅子の男が部外者であるかのような。

 

研究所の存在自体を知っているこの人物は、研究所の関係者であることは間違いなさそうですが、車椅子の男は本当に研究員だったのでしょうか。

 

仮に、嘘をついていたとしたら考えられうる理由としては…

普通に考えたらマルウェアとしか思えない怪しすぎるプログラム「悪魔召喚プログラム」を人々に使って欲しい彼は、開発した「理由」が必要で現在の悪魔が実在しているという状況を利用して、悪魔に大けがさせられた事が原因でその対策として作った、とした。

そしてこれまたそもそも超常現象的に怪しすぎる存在である悪魔は「ターミナルシステム」が原因、とした。

なので自分はターミナルシステムの研究所の人間である、とした。

みたいな。

 

それでも普通ならこんな怪しすぎるものをメールとかで送られてきても絶対にインストールしませんけど、中には物好きな人もいるかもしれません。このゲームの主人公の様に。

 

車椅子の男はゲーム上では「人間」として登場してますが、彼自身が超常現象的存在の可能性が高く、もしかするとそもそも彼自身がターミナルシステムで別次元からやってきた存在なのかもしれません。

ヒロイン

ヒロインの立場

ヒロインの肩書きを持ってるのになかなか仲間として登場しないヒロインですが、ここ新宿にてようやく仲間になりそうな気配です。

新宿地下街で情報収集すると現在の東京の様子がわかります。

  • ゴトウのクーデターによって戒厳令が敷かれている
  • クーデターを鎮圧すべく動き出したのが日本の同盟国である米軍
  • そこに現れた謎の第3勢力のレジスタンス

という3つの勢力が東京の緊張を保っています。

力関係で言うとこんな感じ。

ゴトウ軍 ≒ 米軍 > レジスタンス

そんなレジスタンスを率いているのが主人公の夢で設定したヒロインの名を持つ女性とのこと。

そう、レジスタンスのリーダーこそがヒロインなのです。

ちなみにゴトウ軍はレジスタンスをそれなりに厄介に思っており、リーダーを捕まえることに必死ですが、名前と性別は判明しているものの人相が不明な為、この一帯に住むヒロインの名を持つ女性を全部捕まえるという闇雲作戦にでています。

厄介どころか、かなりの警戒感持ってます。

ここで一つわかるのがロンゲ君のさらわれた彼女の行方です。

実は彼女の名はヒロインと同じです。

つまり、彼女はゴトウ軍に捕まってしまっている可能性が極めて高いということです。

レジスタンスのアジト

地下街にある複数のBARの内の一つが実はレジスタンス派のBARになっており、バーテンの出す3つの問いを正しく答えることができると、レジスタンスのアジトの場所を教えてくれます。

おそらくヒロインはバーテンにこんな顔の人が来たら…みたいな通達をしていたんじゃないでしょうか。

 

レジスタンスのアジトでようやく会う事ができたヒロイン。

夢で見たヒロインの印象通り、その姿はとてもレジスタンスのリーダーとは思えないものでした。

その姿がコチラ。

 

 

 

彼女によると、ゴトウが大スクリーンで演説していたような理想は嘘で、本当は自分に都合のいい世界を作ろうとしているとのことです。

また、レジスタンスは米軍に対しても敵対していることがわかります。

ゴトウに対して敵対しているのはわかりますが、なぜ米軍にまで敵対しているのか。

これには実は大きな理由があり、第2章終盤にてそれが判明することになります。

ヒロインの希望

ヒロインが人間として主人公との運命の結びつきを感じているのとは別に、レジスタンスのリーダーという立場として待ち望んでいたのが主人公の類まれなる悪魔使役能力です。

それによって、レジスタンスは一気にゴトウ軍、米軍の戦闘力が上回ることができるというのがヒロインの直感でした。

直感に理由をつけるのはおかしいですが、あえて言うなら、ヒロインがそう思ったから、となりましょうか。

ヒロインの直感を信じるならば、主人公の悪魔使役能力は相当なものだということになりましょう。

 

主人公がレジスタンスに合流することでようやく次の行動に移ることができるようになったらしく、まず自分と同じ名前だったというだけで捕まってしまった人を助け、さらにゴトウの手下であるオザワ一味の壊滅を目的として行動を開始します。

さらわれた彼女を助ける為にここまでついてきたロンゲ君、そして憎むべきオザワの名を聞いたメガネ君、もちろん2人ともレジスタンスに是非とも協力すべきとの意思を表します。

ゆり子

ついにヒロインが仲間になるのかと思いきや、そこへ突如現れたのがゆり子です。

彼女は「やっと本物のレジスタンスリーダーを見つけた」と言ってヒロインをさらって消え去ります。

ここまで、ゆり子はヒロインではないだろうが、もしかして敵というわけでもないんじゃなかろうかとも思ってましたが、敵であることがはっきりしちゃいます。

今まで主人公に手を出すどころか、むしろ好意的とも思える言動を取っていたのはなぜだったのでしょうか。

ヒロイン救出

レジスタンス派のBARに戻るとヒロインが都庁にて公開処刑されるとの情報が聞けるので、都庁へ急行します。

処刑とか…

ゆり子は本気のようです。

都庁前広場では、十字に磔にされたヒロインの姿が見え、そして群衆に囲まれて今まさに処刑が行われようとしている状態です。

 

ゆり子曰く、

「偉大なるゴトウ様への数々の妨害工作、それをゴトウ様は寛大にも許されたが、その罪は消えない、よって…死刑だ!」

また、そこへ現れた主人公に対し言った言葉が、

「最初から私を選んでいればこんな悲しい目に合わずに済んだのに…」

です。

…何とも意味深な。

ゲーム的にはヒロインがヒロインであるのは決定されていますが、設定としてはヒロインとゆり子は何らかの部分で同格の存在とされていたということでしょうか。

そう考えると、これがゆり子が主人公に対して好意的な言動を取っていた理由です。つまりヒロインの言動もしかりってことでしょう。

ゲームの設定が無かったら、主人公はゆり子を選択していた可能性もあったということです。

ただ、ゆり子は自分とヒロインの存在がどういうものなのかは知っているようですが、ヒロインはそこまではわかっていないようです。

ゆり子は知っている分、主人公に選んでもらえなかったことが逆に相当こたえていると思われます。

 

主人公のパートナー選択は今後にどのような影響を及ぼすのか。

 

あと「ゴトウ様」という呼び方からしてゆり子はゴトウの手下のように見えますが、冒頭から主人公の夢に出てきたキーパーソン的キャラであろうゆり子が、ゴトウごとき人間の手下なのかについてはまだ断定はできかねますよね。

この後、ゆり子の放つザコ敵との連戦となり、勝利するとゆり子は結構あっさりと負けを認めて引き下がります。(ゆり子自体との戦闘は無い)

後で合流することを約束して、主人公とヒロインは別々にこの場を脱出します。

ヒロイン救出成功

レジスタンス派BARに戻ると、ヒロインと合流します。

自分を助けてくれたお礼にと、2つ情報を提供してくれます。

  • ロンゲ君の彼女の居場所
  • オザワ一味のアジトの場所

結果、ロンゲ君は彼女を助けにその場所である市ヶ谷駐屯地に向かい、メガネ君もレジスタンスがこれから強襲をかけるオザワ一味のアジトへ同行することに。

残った主人公に対してヒロインは、ゴトウとアメリカ大使の両人に会う為に同行するよう求めてきます。

ここでやっとヒロインが仲間に、しかもヤロウどもともお別れし、ヒロインとの2人旅となるわけです。

やりましたね。

 

 

 

 

 

 

 

ゴトウ & アメリカ大使

この2人に会うのは第2章のメインイベントであり、主人公ひいては世界の進むべき道に影響するもので、非常にインパクトのある結末となるところであります。

このゲームはマルチエンディング制なので、隠しパラメーターの数値によって3つのエンディングのどれかになるわけですが、このイベントの選択次第では大きくその数値が動きます。

ここだけでエンディングが確定するわけではないですが、余裕を持って選択の余地を残しておきたい場合、もしくは属性によって仲魔の召喚に制限をかけたくない場合は、先にゴトウに会いに行くことをオススメしておきます。

ゴトウ

彼は市ヶ谷駐屯地のクーデター軍本部にいます。

まず彼の身なりに驚くことなかれ、広い畳部屋に(フンドシ)一丁片膝を立てて座り、その手には刀が握られています

もうこれは関わっちゃいけない人ですね。

でも、そうは言ってられません。

先般のイベントではゴトウの指示でレジスタンスのリーダーであるヒロインの処刑が行われようとしていたこともあり、そこに当の本人であるヒロインがゴトウと直接相対するというのも不思議な光景ですが、意外にゴトウは穏やかなものです。

ゴトウ曰く、

ある勢力が神の名の元に千年王国を作り上げる計画を進めており、そこに生きる人は永久に安らぎが約束されるというが、それは神に選ばれた少数の人間だけであり、その他大勢は神の意思によって米軍により抹殺される、とのこと。

さらに、普通の人々が知らないところで、米軍のミサイル攻撃を我々の協力者である古の神々が防いでくれているとも。

しかし、それでもまだ米軍に完全に対抗できるというわけではない、だから主人公たちの力を貸して欲しいと切り出してきます。

 

まさかの協力要請なんですね。

これだけ大規模な事をやってのけるゴトウなので、主人公の力があれば米軍に対抗できると踏んでこう言っているのでしょうから、やはり主人公の力というのは相当なもののようです。

ちなみにここではとりあえず要請だけされるのみで、まだ答えを出す必要はないです。

 

ところでここで言うところの、ある勢力の「神」というのは普通に考えられているあの「神」です。そして、ゴトウが力を借りているのが悪魔なのですが、ゴトウはこれを「古の神」と呼んでいます。

どちらも神呼ばわりですが、

  • ある勢力  ➡「神」勢力 (=ロウ)
  • ゴトウ   ➡「悪魔」勢力(=カオス)

ということで理解しておけばいいです。

トールマン

アメリカ大使です。彼によってアメリカ軍は出兵しました。

多分ゴトウら人間だけのクーデターであれば簡単に鎮圧できたでしょうが、ゴトウは悪魔を味方に付けている為トールマンも「悪魔には勝てない」と言い切り、ちまたで噂になっている名うての悪魔召喚士である主人公に協力を要請してきます。

引く手あまたな主人公。

また、トールマンによるとゴトウはただただ悪魔を大量に味方に付けているだけでなく、最終的には魔界の王ルシファーをも呼び出そうとしているんだとか。

悪魔の行きつく先はやはりルシファー。

ここはトールマンの要請にしたがってゴトウを倒してあげるという意思を表示しておきましょう。

vs ゴトウ

ということで、早速ゴトウの元へ行くとどうするかの選択を迫られるので、「協力しない」の意思表明後、バトってやっつけてやります。

 

ゴトウ撃破!

 

ゴトウ
「私が死ねばどうなるか… 諸君らは考えなかったか…」

 

確かに言われてみると、トールマンのあの軽いノリも何かうさんくさい。

でもどちらも倒すので、とりあえずゴトウの言葉は気にせず、次にトールマンも倒しに再度大使館へ行きます。

 


ボスとの連戦を選んだ主人公、疲れた様子を見てヒロインが語り掛けます。(妄想です)

 

 

 

 

 

 


vs トールマン

ゴトウ討伐完了の報告を聞くと、トールマンは正体を現します。

実は、彼の正体は魔神トール

北欧神話に登場する神々で最高の戦闘力を誇るアース神族の神です。

魔神トールというより、「雷神トール」という方が有名ですね。

このゲームでは、本来なら自分の属性であるはずの雷系魔法がバリバリ効きます。

vs トール

正体を現したトールマンは「今後も神の為に働いてくれるか?」と聞いてくるので断ります。

怒ったトールは主人公を亡き者にしようとしてきますが、仲間にならないなら殺すという発想がとても神の軍勢のものとは思えませんよね。

 

トールも撃破!

 

トール
「神の千年王国に栄光あれ…」

 

このセリフでわかりますが、ゴトウのカオス勢力に対抗しているロウ勢力の人物がトールマン改め、このトールだったわけです。

これがヒロインの項目で触れたレジスタンスが米軍とも敵対している理由です。

ゲームでは主人公がどちらの勢力に付くか、又は今回のようにどちらにも付かないかの選択が委ねられてますが、レジスタンス的にはゴトウ率いるカオス勢力同様、どちらかの勢力に肩入れするというのが反対だったわけです。

この考えは井の頭公園の謎の老人の「問いかけ」に通ずるところがあります。

 

ところで、そんなトールはロウ勢力ではどのような立場だったかを考えると、ヒロインの米軍敵視や、アメリカ大使という有利な立場にまんまとなっていたことからして、ロウ勢力の地上でのトップ的な立場だったのではないでしょうか。

トールマンはアメリカ大使というその有利な立場を利用して、カオス勢力の進出を食い止める為に米軍を動かしていましたが、世界最強の米軍とはいえ相手は悪魔です。さすがに勝てません。

そこでゴトウ同様、主人公に助力を願います。

目先の一大勢力であるゴトウ軍を打ち破る為に、「悪魔を使役」している主人公に協力を求めているあたり、他に頼れるロウ勢力が無かった、つまりやはりトールが地上でのロウ勢力のトップだったということでしょう。

東京壊滅

さてこれでゴトウもトールも倒したし、めでたしめでたし… とはならず、前述したインパクト抜群なイベントが発生します。

それが、トールによるICBMの発射です。

ICBM(大陸間弾道ミサイル)は有効射程5600㎞以上の超長距離弾道ミサイルで、これが本番で使われる場合、基本的には核弾頭を載せて発射します。

仮にもトールは地上のロウ勢力のトップです。タダではやられません。

最後のあがきにこれを発射して、せめて東京にはびこる悪魔を一掃しようとするんですね。(ちなみにトールの要請に応え、ロウ勢力に協力する意思を示した場合でも、トールは同様の行動を取ります。)

ミサイルが発射されると画面中央に大きくカウントダウンが表示されます。(30秒後に直撃)

なんかめちゃくちゃコワイです。

直撃直前、このままでは2人とも死んでしまうと判断したヒロインは、ギリギリでトラポート(ダンジョン離脱魔法)を使い、主人公だけをこの爆発から脱出させます。

 

「…さようなら…。」

 

まるで死んでしまうかのような演出…、後で実は何とか生き延びてましたとかあるんじゃないかと思うでしょうが、ほんとに死にます。

 

… … …。しかし、思い返してみましょう。

序盤での主人公の夢2回目の方ですが、ヒロインはある予言をしてました。

 

「一度は別れる定め…」

 

 


「レジスタンスのアジト」以降に出現する悪魔

ドリアード

ギリシャ神話に登場する木の精霊。ギリシャ語風に言うと「ドリュアス」で、「ドリアード」という呼び方はフランス語読みだそうです。

ちなみに「精霊」はギリシャ語だと「ニュムペー」と言いますが(英語読みだと「ニンフ」)、例えば誰かに「ニュムペーのドリュアスはフランス語読みだとドリアードなんだよ!」とか言ったら、ポカーンとされた挙句、何を言ってるのかよくわからないちょっとオタクな人なんだなとか思われるのでご注意を。

 

さてそんなドリアードさんがこちらになります。

 

 

※このゲームでの種族は「妖精」です。それとゲームに登場するドリアードはもっとシンプルです。

 

ドリアードは一般に美しい女性の姿をした非常に魅力的な精霊で、人間に恋をすることもあるそうです。

雪女の恋物語のように儚いものになるかと思いきや、彼女は気に入ったオトコを自分の守護する木に引きずり込んでしまうという肉食系なのです。

しかも、この木の中は異空間になっており、この中での1日は外の何十年、もしくは何百年に相当するということで、ドリアードが可愛いからってホイホイついて行ったらエライ目に合います。

それでも良いという方はそれを踏まえた上でホイホイついて行って下さい。

但し、ドリアードが恋する人間はイケメンに限るそうです。

 

ちなみにドリアードは不老不死ではなく自分の守護する木の寿命と共にある為、木が死ぬと彼女も死にます。

なのでむやみに木を傷つけるのはやめましょう。

 

ドリアード「やめマしょー。」

 


「アメリカ大使館」に出現する悪魔

エンジェル

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のいずれにおいても、「神の使い(伝令)」・「神と人の中間の立場」とされる霊的な存在です。

例外的な役目をあげるとすると、「ヨハネの黙示録」におけるラッパを吹く役目で、ラッパを与えられた7人の天使が順番にラッパを吹くことで地上に激しい災いが起こり、地上の悪が滅びると共に世界が終末を迎えるというアレです。

ちなみにこれは終末論的な感じですが、この世界の終末の後に神による千年王国が始まるとされているので、結果としては幸福な世界となることを予言したものであります。

あとは、天界で悪魔と戦ったり。

 

そんな天使の姿ですが、一般的には翼を生やした美しい女性みたいなのがよく描かれてますが、当初は翼も無ければ、性別も不明なものが一般的だったようです。

それだともはや人と区別はつきませんね。

もっと古くは、下級天使は人の形をしてますが、上級天使になると顔から翼が生えていて、翼から手が生えているといった異形の姿をしています。中心になっているのが翼だったからまだよかったものの、これが他のナニかだったらもはや化け物です。

でも安心してください。人が接触するであろう天使階級は一番下の人型の天使だけとされています。

なので天使目撃例では人の姿の天使様しか報告されていないのです。

あーよかった。

 

 

この「天使階級で」言うと、「エンジェル」は9つある階級の一番下です。

一番下であるからこそ、人からしても一番親しみやすい天使とも言えます。

なぜなら天使は基本的には神の意思そのものとも言えるので、上級天使になるほど厳格なる善行の意識が強いはずで、時として悪を行う人は上級天使からするとヘタすると排除対象になりかねません。(というかたまになってる)

なので、一番下の階級だからその意識が低いとは言いませんが、「エンジェル」ならば人というものの性質を多少は理解してくれると思います。

 

最初に「天使は霊的な存在」と言いましたが、つまり触れることができません。

思うに、触れる触れないということよりも、天使だからって興味本位で触ろうとすることがそもそも失礼ですよね。人であっても普通は知らない人にいきなり触れたりはしないはずですし。

 

でもやっぱり天使様を触ってみたい…。

 

天使様が優しくて、自身が天使であることを証明する為にと、触らせてくれることを期待しましょう。


 

ドリアード その2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※先ほどの木に埋まっているのはイメージで、こっちがゲームに登場するドリアードの姿です。

 


 

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第3章「別れ」

エンノオヅノ(役小角)

ヒロインの魔法によって生き延びた主人公ですが、目を覚ますとそこは… 金剛神界でした。

そこは場所的には魔界、そしてここで行われるのは修行です。

主人公はここまでそのセンスだけで事を切り抜けてきましたが、そろそろ本格的な強さを身につけないとなりません。というのも、ゴトウとトールマンもそうでしたが、実は主人公は現世だけでなくその他の次元の存在からも注視される存在であり、ここの主であるエンノオヅノもその一人なのです。

井の頭公園の老人同様、とある世界のバランスの崩壊は別次元の世界にも悪影響を及ぼしかねない為、直接的ではないですが、見込みのある者に多少肩入れするみたいです。

ということで、主人公はここでエンノオヅノに修行をつけてもらうことなります。

「頼み事」をしてる風を装ってますが、実はあえて「修行」であることを隠しています。

 

エンノオヅノ曰く、他の2人ロンゲ君とメガネ君もここに流れ着いている、との事で、言い方からするとエンノオヅノが積極的にここへ導いたわけではないようですが、かつての3人が揃ってこの異界に流れ着いたという事態を運命と言わずして何と言いましょう。

ちなみにエンノオヅノとは、修験道(密教と山岳信仰が入り混じった日本固有の宗教)の開祖で、最初の山伏、という実在した人物です。(「山伏」=山で修行してる人、みたいなイメージで考えておきましょう。)

ついでに、金剛神界の元ネタは「金剛界曼荼羅」(曼荼羅は密教で使われるイメージ図)からきているものと思われます。

「金剛界曼荼羅」は、密教の仏である大日如来(奈良の大仏)の智慧を現した曼荼羅で、もう一つの「胎蔵界曼荼羅」は大日如来の慈悲を現したものと言われ、この2つは密教の宇宙観を現す代表的な曼荼羅と言われています。

まとめると、金剛界・エンノオヅノ・修験道・山伏  ➡  修行! というイメージのダンジョンとなってます。

 

そこそこ広めでエンカウント率も高め、敵も強めの金剛神界ですが、そこをエンノオヅノの指示であっちこっち行かされます。

そして気がつけばレベルが上がっているという寸法です。

レベルが上がる上に良い武器も手に入りますが、その良い武器を落とす敵である、超人・青怪人と赤怪人がそこそこ強く、特に青怪人は防御力が高いのか、物理攻撃があまり効かず苦戦しました。

バトル後に入手できる「光の小太刀」を装備できるのはロウ属性になっている場合のみで、「ギロチンアクス」はカオス属性の場合のみです。

ニュートラル属性の場合は、怪人たちを倒した後にエンノオヅノからもらえる「三日月の太刀」を装備することになりましょう。

それとイラストは赤と青怪人を合体させてますが、本来は別々に登場します。

 

お遣いイベントをすべてこなすと、最後にエンノオヅノの従者であるゼンキ・ゴキのタッグとの手合わせバトルが発生し、それに勝利することでようやく現世の東京に戻ることが許されるようになります。

 

話しは戻りますが、この世界でエンノオヅノが「修行」をつけるということを終始言うことなく回りくどいやり方に徹したのは、特定の人間にあからさまに肩入れすることを表面的に避ける為だったのではないかと思われます。

世界の均衡を保ちたいのはヤマヤマだが、だからと言っておいそれと人間界の者でない自分が人間に力を貸したとなるとそれこそ世界の均衡を崩しかねない、というような理屈なのかと。

それぞれの属性に応じた武器をあえて「怪人」なる者に持たせ、戦わせて自らの力で手に入れさせるというのもしかり。

ちなみに、伝説ではエンノオヅノは鬼神を従えるほどの法力を持っていたらしく、前鬼・後鬼(ゼンキ・ゴキ)という夫婦の鬼を従えていたのであります。

オザワ

金剛神界を出る際にエンノオヅノから、世界の変わり果てように驚く事が無いように、と忠告されますが、戻ってきた東京はまさに…、

 

ヒャッハーの世界でした。

 

トールの撃ったミサイルによって破壊し尽くされた日本の首都、東京。

特に最初に遭遇した「処刑ライダー」というザコ敵が、荒れ果てた世界観にめちゃくちゃマッチしてます。

こんな世界になっちゃいましたが、人間は滅びてはおらず、生き残った者たちで一応人間らしく生活しているようです。お店とかもあります。

また、他にも驚くことがいくつか。

 

まず、最初に出会う物乞いですが、彼にお金を渡そうとすると、「なんだよこれ、マッカを出せよ!」と言われます。

 

お金の単位が変わってます。

 

ここまで溜めてきた円は紙くずになり、ここにきてメガテンシリーズおなじみの「マッカ」の登場です(紙くずとなった円ですが、後で一割ほどマッカとして復活します)

なぜそんなことになっているのか?

 

次のビックリポイントがその答えとなってます。

以前ゴトウが演説をしていた新宿近くの大スクリーンに行くと、今度はメシア教徒(ロウ勢力の信者)が演説をしている映像が流れているのですが、その内容の一部に「30年前の大破壊」とあります。

「大破壊」というのはトールが発射したICBMによるものに違いないでしょう。

 

金剛神界から出たら、30年経過してました。

大破壊によって経済システムが崩壊した上にさらに、30年という歳月の経過によって新たなお金の単位が出来上がっていたというわけです。

 

この時間の経過については、確かに金剛神界では不思議なセリフがありました。

金剛神界にたどり着いた時、仲魔は全員ダンジョンのどこかに飛ばされてしまい、主人公が探し回って再会すると再度仲魔に戻るという仕組みになっていたのですが、その時の仲魔のセリフが、

「あら、お久しぶりね」(女性型悪魔の場合)

だったのです。

最初は何か違和感を覚えるセリフだなと思っただけでしたが、要するに金剛神界に来た時点で30年経過していたということがわかります。

仲魔である悪魔たちはその存在がすでに異次元のものなので、すんなり金剛神界に馴染めたのでしょうが、主人公たち人間はこの世界でその姿を形成するのに時間が掛かった、もしくはICMBで滅びかけた肉体の再生に時間が掛かったものと思われます。

 

最後のビックリとして、最初に行く場所である新宿地下街に行くと、そこは…

 

オザワの世界でした。

 

オザワとは、吉祥寺のアーケードでメガネ君をいじめていたあの不良達のリーダーですね。

彼はゴトウ亡き後、彼から引き継いだ悪魔を使って新宿の支配者となっていたのです。

 

オザワがそうなっているというのは地下街で人々の話を聞くことでわかりますが、オザワが目の敵だったメガネ君としては、憤懣やる方なかったことだったでしょう。

あんな奴が支配者だとぉ!?

みたいな。

オザワは新宿地下街の南西の方にある旧ヤクザビルにいるので、メガネ君の反応にドキドキしながらそこへ行きます。

そこには、白髪でスーツを着たオザワの姿が。

なんか貫禄でてます。

 

さっそく噛みつくメガネ君ですが、オザワは当然メガネ君の事など覚えておらず、うるさい若造だ、やっちゃってくださいアニキ、みたいな感じで鬼神タケミナカタを呼び出し、攻撃してきます。

これはイベントバトルなので、攻撃されて力の差を感じた一行は一旦逃げることになります。

これにプッツン(死語)したメガネ君、とある提案をしてきます。

こんな感じです。

ロンゲ君がそんな無茶はやめるよう説得するも全く聞かず、その後邪教の館に入ると(その時点でもっともレベルの高い)仲魔と勝手に合体します。

 

そして誕生したのが、中途半端な武者姿のメガネ君、改め…

 

カオスヒーロー!

メガネ君はもともとカオスヒーローという肩書きなのですが、この姿こそその名にふさわしいのでここからはメガネ君はカオスヒーローと呼んであげましょう。

 

強くなったカオスヒーロー(レベル的には10ほどアップ)はオザワに再戦を挑みます。

それでもタケミナカタは攻撃力が高い上に3連続攻撃してきたりしてちょっとビビることもありますが、

ロンゲ君のアギラオあたりを地道に当てていけばそれほど長くはかからないかと。

タケミナカタは「古事記」に登場する日本神話の神さまの一人です。

大国主神(オオクニヌシ)の御子神(≒子供)で、日本の三軍神に一人に挙げられる戦いの神です。

古事記の説話にある「国譲り」の一つで、このタケミナカタと名前が似てる「タケミカヅチ」とのやりとりの部分でその怪力ぶりがわかります。

それによると千人がかりでやっと動かせる大岩を片手で持ち歩けるほどなんだとか。

でもそんな怪力タケミナカタですが、日本神話の最高神「天照大神(アマテラス)」の派遣してきた「タケミカヅチ」に一瞬でその手を握りつぶされ、ポイっと投げ捨てられましたとさ。

ちなみにその「タケミカヅチ」も日本三軍神の一人です。

 

オザワはもっとしつこく悪役をやるのかと思ってましたが、タケミナカタを倒された彼は意外にも命乞いをしてきます。

確かに複数でメガネ君をいじめたりする性根の腐ったヤツでしたし、頼るべきものが無くなったらこんなもんですな。

命乞いをされた主人公はとどめを刺すかどうか選択を迫られますが、どちらを選んでもカオスヒーローがとどめを刺します。

これは主人公の属性を多少変動させるための選択肢であり、どれを選んでもカオスヒーローがとどめを刺すことになってます。

オザワが生きる道は元々無かったのであります。

 

ついにオザワへの復讐がかなったカオスヒーローは、目的を達成したというのもありますが、人間を辞めてまで得たこの強力なチカラがあれば主人公たちと共にいる必要はない、と言って去って行きます。

ここまで共に生き延びてきたのに…。

ちなみに、「オザワによる新宿支配」についてですが、これはよく考えると一概に悪い事ではないとも言えるのではないのかと。

というのも、新宿の人々の話ではオザワに逆らったら云々と言ってますが、中にはオザワの持つ悪魔のおかげで新宿は他の悪魔から守られている、と感謝する声も聞こえてくるのです。

オザワがその後新宿をどのように支配していくつもりだったかはもはやわかりませんが、カオスヒーローの怨みだけで以て、早々にオザワを倒してしまったのは果たしてどうなのでしょうか。

リスクはありますが例えばとどめを刺さずに貸しを作り、新宿の守りをオザワに任せておくという手もあったかと。

…カオスヒーローが黙ってないか…。

 

というわけで、オザワを倒した後のこのヤクザビルの部分についてはやたらと高レベルの敵が出現するようになるので注意しましょう。

特に「鬼女郎」がめちゃ強くて全滅しかけました。コイツはこの時点では自分たちより頭ひとつ抜けた高レベルの悪魔なのです。

複数で出現されると先ほどのタケミナカタより強いです。

ちなみに一応「くノ一」です。

シンプルなデザインですが、なんかイイですよね。

サイコダイバー

カオスヒーローがオザワに再戦を挑んだ際オザワが、どうしても私に逆らうと言うならサイコダイバーに精神をいじらせて私の奴隷にしてやる!と言ってきます。

このサイコダイバーというのは、オザワの言うように人の精神に入り込み、その人を洗脳できる超能力者なのですが、オザワの仲間なのかと思いきや、オザワが脅して無理やりやらせているといった関係性で、逃げたり余計なことをしないように、レジスタンスの元アジトだった新宿の地下の牢屋に入れられてる可哀想なヤツです。

めちゃくちゃ悲観的状況にありながらも、主人公の異変に気付くとすかさず助言してくれるいいヤツです。

彼曰く、主人公が金剛神界から戻ってきた時から満月になる度に頭に響く助けを求める声の正体は、主人公のパートナーが発しているものであり、早く助け出さないとならない、とのこと。

パートナーたるヒロインは死んだはずですが、果たして…。

パートナー

次に訪れる渋谷ではメシア教徒が、メシア様が悪魔に憑りつかれた、と騒いでいます。

そのメシア様ですが、街の地下の一番奥の牢屋に繋がれています。

そこには石造りの牢屋に両手を繋がれた少女の姿が。

 

悪魔に憑りつかれているせいで意識が無く、頭が完全に前に垂れ下がっているのですが、彼女の前に立つ主人公の頭に満月時に助けを求めるあの声が響いてくるのです。

しかも主人公を名指しです。

「満月時に助けを求める声」については、金剛神界から現世へと戻った主人公は満月になると頭の中に助けを求める声が聞こえる、という現象が発生するようになっており、それがこの少女の前に立った時、満月でもないのに同様の声が聞こえてくる、ということはその声の主はサイコダイバーの言った通りこの少女のものということです。

なぜ主人公の名前を知っているのか、この謎を解くにはとにかくまずは悪魔祓いをしてからですが、意識の無いこの状況をどうするか… というわけで、ここで先ほどのサイコダイバーの出番となります。

オザワを倒してくれた主人公に対し、彼は喜んで協力してくれます。

しかも今回は洗脳ではなく人助けの為にその超能力を使うわけですから、彼のモチベーションもアップアップなことでしょう。

少女の精神世界

早速、少女の精神世界に連れて行ってもらいます。

サイコダイバー曰く、奥からどす黒い渦が漂ってきている…、とのことで、これが少女の精神をむしばんでいるようです。

精神世界の中心部へ向かう途中、少女の記憶をいくつか見ることになります。

  • 夢の中で魔王への生贄にされかけていた少女を助けた時の主人公のこと
  • レジスタンスリーダーとして、ゆり子らに処刑されかけているところを助けた主人公のこと
  • メシア教シスターに、救世主メシアとなるべく定められ生まれてきたと説かれている少女

上2つは完全にヒロインの記憶ですね。

ということは…。

 

ところで、ここはボスだけでなくザコもなかなか強かったです。特に以下の2つ。

堕天使オロバス ➡ 力が強い上にタルカジャで攻撃力をアップしてからぶん殴ってきます。

夜魔ナイトメア ➡ シバブー(マヒ魔法)、ドルミナー(睡眠魔法)連発で、動けなくされてからサクサクとサイフで刺されます。

特にナイトメアが5体ぐらいで出現したら全滅の危機です。

鬼女アルケニー

ボスのアルケニーは、状態異常魔法であるドルミナーとマリンカリン(誘惑魔法)で思ったように行動できなくさせられる上に、マハザンマによる全体攻撃をしてきます。

倒した時は、行動制限魔法によって回復が間に合わず結局高体力の主人公だけが生き残った状態だったという感じです。

マリンカリンでチャーム状態にされて同士討ちになるのが結構大ダメージなのですが、物理攻撃はそれほどでもないのが救いで、主人公一人になるとチャームになっても攻撃対象がアルケニーだけになるので普通に攻撃してくれます。

こうなると、最終的にはむしろ主人公一人の方が戦いやすかったような気も。

但し、仲魔に死なれる前にできればタルカジャを2回ほど重ね掛けしておくのと、あと回復用に宝玉も余裕をもって用意しておいた方がいいかと。

アルケニーを倒すと帰り道はエンカウント無しになるので、精神世界内では仲魔の召喚は不要です。

アルケニーは上半身が人間の女性で下半身が蜘蛛の「蜘蛛女」というモンスターとして有名ですが、これはダンテの「神曲」に登場してるパターンのやつで、本来はギリシャ神話に登場する機織り(はたおり)が超うまい少女がアテナの八つ当たりで蜘蛛女に変えられた姿なんだとか。

そしてこの天才機織り少女は下半身を蜘蛛に変えられた後も機織りを続けたそうです。

なんかカワイイ。

 

現実に戻ると少女は意識を取り戻しており、主人公にこう言います。

 

私、生まれ変わってこの世界に来たのね…。他の全ては忘れたけど、

あなたの事だけは忘れなかった。

私の定めはあなたと共に進んでいくこと。どこまでも行くわ、一緒に。

 

精神世界での少女の記憶も見ましたし、そしてこのセリフ…この少女がヒロインの転生体であることは間違いなさそうです。

※ちなみに本来の転生後ヒロインは黒髪ロンゲの濃厚顔キャラですが、せっかくなのでキユコブファミリーのセシルちゃんで描いてみました。

 

ここでのヒロインとの再会が「一度は別れる定め」という予言の意味するところだったわけです。

なんというか…ここまで慕われると嬉しさよりも、その慕う理由について興味津々なわけですが、ヒロインからするとそう思う理由は特に無いみたいです。

ただ物語を進めて、ある事実がわかるとその理由が何となくですがわかってくるようになります。

 

ちなみに、ヒロインの精神世界の記憶によるとメシア教シスターに、あなたは救世主である、と教え込まれてこれまでメシアとして生きてきた彼女でしたが、主人公との再会によって、あっさりとメシア辞めます。

メシア教徒、ショック!

ちなみにこの時点ではまだロンゲ君が仲間にいる状態なので、2人旅ではないのですよ。

アリス

「一度は別れる定め」ということは「二度は無い」という風にとれますし、これでようやくヒロインについては落ち着いた感じですね。

そうなると中途半端な立ち位置となってくるロンゲ君ですが、おそらくどこかの時点で彼ともお別れすることになるであろうことは想像に難くないかと。

それを踏まえて、次に向かうのが六本木になります。

 

六本木はこれまでと違い、街全体に結界が張られており地上から中に入ることができず、また内部も結界の影響で悪魔が出現しないため、エンカウントが無い街となってます。

街の人の情報によると、ここは赤おじさんこと「赤伯爵」黒おじさんこと「黒男爵」の2人によって治められている街とのこと。

ここに登場するアリスという少女(というか幼女)、彼女がここでのイベント発生のキッカケとなるキャラです。

アリスは主人公たちに物怖じすることなく話しかけてきて、赤伯爵に会わせてあげる(忙しいけどお構いなし)だとか、ヒランヤ(このゲームのアイテム)買ってきてーとか、そのわがまま&無邪気っぷりをいきなりいかんなく発揮してきます。

少女は最後に、主人公たちに究極のお願いをしてきます。それがこれです。

 

 

 

しかしこれは決して悪気があって言ってるわけではないのです。

 

実はアリスはすでに亡くなった人間です。

それを蘇らせることにしたのが赤伯爵と黒男爵。(実際に蘇らせたのは黒男爵の能力)

アリスは自分が死んだことを何となく理解しており、一旦死んでから蘇らせてもらった後は、永遠にこの世に存在できるとおそらく黒男爵に軽く教えてもらったのでしょう、主人公たちと永遠の友達でいたいアリスは主人公たちにも一旦死んで(そして蘇ってきて)という意味合いで言ってきたというわけです。

さらに言うと、六本木にいる人たちは全員死人で、それを動かしているのも黒男爵です。

これらがすべて赤伯爵と黒男爵による、アリスへの謎の愛情によるものなのです。(赤伯爵は街に結界を張ってアリスに悪魔の害を受けないようにしている)

本心で言っているのかわかりませんが、黒男爵曰く、すでに亡くなっていたアリスを蘇らせ、廃墟の街をまるで生きているような街にしたのは、ただただこの娘の笑顔が見たかったからだったそうです。

これだけ聞くと、2人ともとてもいいおじさんなのですが、街や人を生者に見せかけ動かし続けるエネルギーとして、人間の魂が大量に必要になってくるのです。

つまり、アリスの為に大勢の人間を殺してその魂を調達してきているということです。

 

やっぱダメだな。

 

もちろん主人公はアリスの願いを聞き入れることができず、泣かせてしまいます。

アリスを泣かせた事を知った赤伯爵は、アリスの望みを叶えるべく主人公たちに真の姿をさらして襲ってきます。

彼の正体はベリアル

ベリアルは新約聖書によるとサタンと同一視され、また悪魔学においても多数のグリモワール(魔術の書物)に登場する高名な悪魔で、その1つレメゲトンの第1書「ゴエティア」によると、序列68番目の強大で強力な「王」であり、80の軍団を率いています。

あと、もともと美しい天使だったようです。

元天使だったベリアルは、天上にいた時は四大天使の長ミカエルよりも上の立場だったと自ら語り、また、ゴエティアによるとルシファーの次に創造されたとのことなので、天使のままだったならかなりスゴイ存在だったと思われます。

 

現時点で主人公たちのとてもかなう相手ではないですが、ここ六本木の地下にある「脇見の壺」なるアイテムを持っておくことで一瞬で封印してしまうことができるイベントバトルとなってます。

なので、壺無しでバトっても絶対に勝てません。(でも、一応ステータスは設定されているようです。)

 

赤伯爵が一瞬の内に壺に閉じ込められてしまったのを見たアリスは、ショックで消滅してしまいます。

 

ベリアルを封印した壺は、そこへ突如あらわれたゆり子によって強奪されます。

 

この時のゆり子のセリフはどれも一見単純な事を言ってるだけのようですが、色々とゆり子なりの心情を表したものとなっており、それがわかるのはゲームの後半の方となっております。

そして、赤伯爵の部屋を出ようとすると黒男爵登場。

アリスを消してしまった代償として、黒男爵は主人公たちの魂を取ろうとしますが間一髪かわすも、ロンゲ君に直撃してしまい、彼は魂を抜き取られてしまいます。

一旦黒男爵はその場を去りますが、ロンゲ君の魂を取り戻すため黒男爵を追う主人公。

辿り着いた先で黒男爵が現した真の姿、彼の正体は堕天使ネビロス。

ネビロスはヨーロッパに伝わる悪魔の一人で、グリモワール「大奥義書」によると、支配者たる3精霊であるルシファー、ベルゼバブ、アスタロトに仕える6人の上級精霊の一人です。

階級は少将(総監督官)ですが、順序で言うと6人の内の一番下の階級なので、管理職ではあるが一番下っ端的な感じなのかと。

でも、悪魔は全部で何百万といるらしいので、そう考えると上級精霊に名を連ねているというだけでもかなりの実力者であることは間違いないでしょう。

 

ネビロスで最も注意すべきは即死魔法ムドで、運が悪いと連発されて全滅です。

身近な対抗策としてはカオス神殿で売っている「タリスマン」があります。使用すると、ムドの対象者の身代わりとなって砕けてくれるアイテムなので、複数用意しておくといいかと。

 

ところでネビロスを倒して魂を解放しても、ロンゲ君は生き返りません。

ただ、成仏させることができる、に留まるわけですが、懐かしの白シルエット姿で現れたロンゲ君は主人公にお礼を言って、むしろすがすがしさを感じさせながら天に召されます。

そこへ唐突に現れた「神の使い」を名乗る者。

彼はロンゲ君を、神の元へ送るにふさわしい献身的な魂の持ち主である、と評し、天への案内をしに来たとの事。

これの意味するところは…、

メガネ君が悪魔と合体して人間を超える力を手に入れたことによって主人公を必要としなくなったことにより、彼がカオスヒーローというニュートラルヒーローである主人公とは独立した存在となった事の対比で、ロンゲ君はその善行によって天に認められ、神の使いによってカオスの対極の存在とも言える「天界」へ誘われた事でロウヒーローの誕生がなされた、

という事です。

そう、ここがロンゲ君の仲間離脱の場所だったのでした。

これで正真正銘ヒロインとの2人旅になります。

(仲魔の悪魔いっぱいいますけど!)

 

ちなみにロンゲ君の彼女ですが、大破壊でてっきり死んだと思ってましたし、仮に生きていたとしても30年の年の差が発生していたはずですが、実はここ六本木に彼女は当時の姿のままいました。

ボディコニアンになって。

(ボディコニアンについては第1章の最後にボディコニアンエルちゃんをご参照あれ。)

 

一部の人は羨む永遠の命ですが、やはり「生者ではない」彼女はこの状態に苦悩しており、「反魂香(はんごんこう)」で自分を成仏させてほしいと頼んできます。(反魂香はメシア教会で買えます。)

これを成仏させるかどうかは主人公の属性数値に影響を及ぼす選択となってます。


「金剛神界」に登場する悪魔

おなじみ、メガテンシリーズの常連悪魔。

PC内に仲魔枠が空いている内はこのネコちゃんを入れてます。

「渋谷」に登場する悪魔

リリム

ユダヤ教における夢魔。

通説では悪魔(サタン)とリリスの間にできた娘がこのリリム(他にもたくさんいる)であるが、異説ではわけあって一度アダムの元を去ったが戻ってきたリリスがアダムとの間にもうけたのがリリムであるとも言われる。(アダムはイヴの前にリリスという妻がいたとかいないとか。)

第4章「それぞれの道」

ロウヒーロー

次なる目的地の銀座は六本木の地下道から行くことになりますが、ここでついさっき天に召されたロウヒーローが早速登場して主人公に頼みごとをしてきます。

「さようなら…」と言って今生の別れをしたはずのキャラが間をおかず霊魂として登場して会話をしてくるという、さっきの別れは何だったんだというファンタジーあるあるですが、とりあえず気にしないでおきます。

して、霊魂となってまで現れての頼み事とは、

との事です。

…。

 

霊魂となって現れてまで頼むことではない気がする!

 

とはいえ、逆に死して尚頼んできたのを無下にするのも悪いでちゃんと行きますけど、それよりもこの地下道のザコ戦でへばったので先に銀座に行くことにします。が、さらにその前にちょっと寄り道を。

銀座方面への曲がる前にその角にある小部屋に例の車椅子の男がいるので会っておきます。

ここでも何の見返りも求めずに悪魔召喚プログラムをグレードアップしてくれます。(同時に呼び出せる仲魔の数 3体 → 4体へ)

セリフにもありますが、彼がここにいるということは、あの大破壊を生き延びたということです。

それだけに留まらず、30年前とその姿が全く同じというのがやはりフツーじゃないです。(オザワはちゃんとオッサンになってた)

ついでに主人公たちを見て、迷うことなく主人公であることを認識し名前を呼び、懐かしむ素振りも見せないあたり、主人公たちとずっと同じ時間軸にいたということでしょう。

旧警視庁ビル

銀座に着いたらすぐ近くのターミナルからどこかの街へ飛んで回復しましょう。というのも銀座の敵はまた一段階強いので、へばったままだと辛いです。

回復が済んだら、改めて六本木地下道から旧警視庁ビルへ。

ここは出現する敵がほぼロボットで複数回の物理攻撃が得意なので、何も考えずに直接攻撃メインで戦おうとすると結構メンドクサイです。時間的にも体力的にも。

なので、ロボにはジオ系がよく効く上に感電させて行動不能にすることもできるので、仲魔もジオ系特にマハジオ(グループ攻撃)を使える者を何体か用意しておくとラクです。

ヒロインのマハジオでもいいですが、消費MPが7とはいえ連戦で毎回使うとボス戦でMP切れを起こしかねません。

ボス戦もこのジオで感電作戦がオススメなのでやはりジオ部隊を用意しておくべきかと。

特にボスである「警備システム」は複数回の物理攻撃をしてくる上にかなりのダメージを食らいますし、物理防御力が高く、長期戦になるのでジオはほぼ必須かと。

ちなみにここはザコロボ戦が高エンカウントで発生する上に、得られる経験値がやたら少なく、戦うメリットがほとんど無いのでメンドクサければエレベーターで一気にボスのいる最上階まで行ってもいいです。

 

警備システム撃破!&「メモリーボード」をゲット!

 

メモリーボードを持って銀座へ戻りましょう。

普通にプレイしてきた場合、銀座は結構ザコ敵が強く感じると思いますが、頑張って地下2Fの車椅子の男の場所へ行きましょう。メモリーボードを渡すと、仲魔にできる数を2体増やしてくれます。

ちなみに彼に「まだアクマに意識を乗っ取られていないのか、スゴイね」とか言われます。

 

仲魔ストックが増えたら、ここ銀座でパーティを強化します。(以下はプレイ中に作った悪魔ですが、これといって特徴の無いヤツらです。作れる悪魔をただ作ったという感じ。)

  • 神獣ナンディ[LV42] (魔獣タムズ[LV35]+鬼女ラミア[LV33])
  • 地霊カワンチャ[LV35] (妖鬼プルシキ[LV34]+闘鬼ヤクシニー[LV30])
  • 龍王ナーガ・ラジャ[LV41] (聖獣パピルサグ[LV31]+女神アメノウズメ[LV16])
  • 夜魔チュルルック[LV35] (妖精ケルピー[LV23]+鬼女ラミア[LV33])

 

銀座は次の街、品川への単なる通過点的な所で、特にこれといったイベントは無いですが、地下3Fには序盤で会った井の頭公園の老人がいるので、話を聞いておきます。

車椅子の男とは種類が違いますが、この老人も金剛神界とか30年が経過した事とかを知っており、もちろん姿も老人のままということで、こちらも只者ではありません。

一体何者なのかはまだ不明ですが、まるで久しぶりにあった親戚のごとく主人公のこれまで経緯を労い、そして道に迷ったら自分を訪ねてこいだとか、とても暖かなことを言ってくれるので心休まります。

品川

ここはメシア教(ロウ信者)が幅を利かせており、敵もメシアンが多いです。

さらにはここにおかしな石像が置いてあるのですが、それが置いてある部屋に入ってヒロインが久しぶりに口を開きます。

 

「ねぇ、この像ロンゲ君にそっくりじゃない?」

 

その姿はメシア教の偉いさんみたいな感じで、ヒロインが言わないと気づかなかったぐらいロンゲ君とは似ても似つかない姿ですが、この像はロンゲ君なのです。

近くにいるメシア教徒によると、ロンゲ君改めロウヒーローは黒男爵の時の功績(自分を犠牲に主人公を助けた)などの善行によって、メシアとして甦ることになったそうです。

そういえばメシア教は現在、ヒロインのメシア放棄によってメシア不在でしたしね。その後釜です。

というかもうすでに蘇っており、3Fの中央の部屋に入るとそこには復活を遂げたロウヒーローの姿が!

 

なんかおかしな姿してます!

 

見慣れた友達が、次に再会した時にこういう思想に染まりました的な恰好になってるのが残念というか何というか。

彼は神に千年王国の計画を聞かされ、完全にそれにハマってしまったようで、計画の邪魔となるカオス勢力の大物、邪龍エキドナを倒して欲しいと頼んできます。

自分の思想とは反対の勢力を排除しようと、その意図を押し付けてくる感に抵抗感を感じざるを得ません。

ヤマ

早速エキドナのいる東方面に向かうため、品川に来る前に通った池袋の地下道を、今度は池袋方面の出口を目指します。

途中でカオスヒーローが現れなぜか「池袋方面には絶対に行くな」と警告してきます。

無視して進み地上に出ると、一歩目で再度カオスヒーローが登場。

俺の手でお前を捕まえたくはなかったんだ…、と言いながら強制的に連行された先はなぜか閻魔大王(ヤマ)による裁判所だったのです。

どうやら主人公は知らぬ間に悪魔界的には罪人とされていたようです。

 

ヤマ(閻魔大王)の裁きの結果、その罪状を要約すると、

本来悪魔を使役する場合その悪魔との契約が必要であるが、主人公は悪魔召喚プログラムなるもので契約無しに使役していたことが長期にわたる、ということで有罪である。

とのことです。

ちなみに、最初のカオス勢力の重要キャラであるゴトウですが、彼は悪魔召喚プログラムで悪魔を使役していたのではなく、悪魔との契約という古からの方法に則って悪魔を使役していたので、ヤマからするとちゃんとした悪魔使いということになります。

ここは主人公の属性によってヤマの判決内容とその後が変わり、ニュートラル属性の場合はヤマに司法取引的なものを持ちかけられます。

それが、カテドラル建設を阻止せよ、という内容です。

「カテドラル」とは神が降臨する為の施設で、ロウ勢力が造ろうとしている大掛かりな建造物です。

ちなみにヤマは、属性や選択によっては敵として戦うことになります。

 

ゴトウとトールマンの時同様、今度はかつての仲間であった2人、ロウヒーローとカオスヒーローの両勢力から同時に対立勢力の排除を要請されることになった主人公。

強制的に連れてこられたのでここがどこなのか不明でしたが、実は「スガモプリズン」という場所なのですが、ザコ敵がこれまた強いです。

ザコ敵が強くてたまらん、という時に使えるのが他のロープレには無いシステム、ザコ敵が仲魔にもいる場合に話しかけると即立ち去ってくれる、というシステムです。

これの利用で苦手な敵とか、即死魔法を使ってくる敵とかは仲魔にも入れておくと効率的に進むことができるわけです。

たまに去り際にマッカとかマグネタイトもくれたりします。しかも、戦って得る以上の量をくれます。

 

ちなみに「スガモプリズン」というのは、第2次世界大戦後に作られた戦争犯罪人の収容施設として実在した刑務所で、これが取り壊されてできたものというのが東池袋の「サンシャインシティ」なのであります。

ルイ・サイファー

上野・秋葉原の地下街ではとある人物と遭遇します。

悪魔界の超有名人でこの名前でわかる人はわかりますが、さらに彼はある人物が主人公に会いたいとのことで連れてきたと言います。

 

 

 

 

 

 

そこへ現れたのは… ゆり子 なのでした。

 

一体何をしに現れたのか…。

ゆり子のセリフからすると、彼女は演技などではなく本当に主人公に好意を持っていたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで謎の人物だったゆり子がついにその真の姿を現します。

 

 

 

ゆり子の正体は…

 

リリス

リリス

リリスは、人類の父アダムの最初の妻です。

いない方がマシだ!と言って主人公を殺そうとしますがすぐに、できない…、と言ってその場を去ります。

 

 

 

悩める乙女。

 

 

 

 

彼女がこれほど主人公に想いを募らせている理由が、これで何となくわかるような気がしてきましたね。

メガテンの初代デジタルデビルストーリーでは、主人公中島とヒロイン弓子は、実はそれぞれ日本神話の元祖神イザナギとイザナミの転生体でした。

そして今作主人公に想いを募らせるリリスという存在、リリスの元夫はアダムということは…、

主人公はおそらくアダムの転生体なのでしょう。(これが人より強い対悪魔精神力を持つ理由じゃないかと思ってます。)

となると、ヒロインはイヴということに。

であれば、主人公が選んだというより「選ばされた」というのも、ヒロインが理由はわからないが主人公と行動を共にするのが自分の運命と言っていた理由が、次元と時代を超えた「絆」とでも言いましょうか。

 

ちなみに、神話によると本来ならリリスがアダムを求めたのでなく、楽園を去ったリリスをアダムが求めたのであって、それを踏まえるとリリスとしてはなぜアダム(の転生体)なのに、自分を選ばないのか、ってなりますよね。

というのも、神話だとリリスが去った後、悲しむアダムを哀れに思った神がアダムの肋骨を一本抜き取って作り出した女性こそがイヴであり、言うなればアダムとイヴは元々一心同体、これ以上の繋がりがあるのかと問われると、確かに無いかと。

それと第3章の「ベリアルを封印した壺」の時のゆり子のセリフについてここで一つ、彼女の心情を表していたことがわかるかと。

 

「女の子を泣かせるのはよくないわね。」

 

これはアリスの事を言っているというのもありますが、自分のことについても言っていると思われます。

ヒロインを選んだ主人公に対する非難です。

りえ

ロウヒーローにお願いされた討伐対象であるエキドナは銀座の南東の小島にあるTDL(=東京ディスティニーランド)にいます。

東京ディ〇ニーランドではありません。

東京ディスティニーランドです。

ここはエキドナがいるというだけあって、カオス勢力の最大拠点で、入り口付近にはすでにカオスヒーローの姿もあり、さらには彼がなんとパートナーの女性を引き連れているではあーりませんか。

彼女の名は「りえ」。

カオスヒーローが紹介してくれますが、りえちゃんは静かにほほ笑むのみで喋りません。

 

ここにきて新キャラの登場。

2人が去った後にヒロインがりえについてその印象を述べますが、かなりの悪印象のようです。それもそのはず、言われずとも登場した時点で何者なのかは誰でもわかると思われますし。

 

 

それにしても、こちら側の新生ヒロインしかり、この世界のヒロインの衣装は足見せ&マントが流行ってるようです。

パスカル

序盤に登場して以来の主人公の飼い犬。

母親を殺された後、吠えるパスカルを連れていくことになりますが、この犬はどの悪魔でもいいので合体させると魔獣ケルベロス(LV43)が出来上がるという特殊合体の生き物なのです。

しかもレベル無視で仲魔になり、チート級の強さを誇りますがそんなのをずっと連れ歩くことはできないようになっており、一番最初のターミナル(吉祥寺エコービル)に勝手に入っていってしまい行方不明になります。

その後、パスカルのことは忘れてしまうぐらい長き旅も後半戦のここ、東京ディスティニーランドのある小島への橋のたもとには一匹のケルベロスが橋を通せんぼしています。

このケルベロスが、実はあのパスカルなのです。

初期状態は完全に主人公のことを忘れていますが、上野の地下に巣くう邪龍ラドンを倒すと手に入る「黄金のリンゴ」を持っていると正気を取り戻し、序盤でパスカルをケルベロスにしていた場合であれば、再度仲魔になってくれます。(ケルベロスにしていない場合は、正気を取り戻してくれた礼だけ言って去って行きます。)

邪神エキドナ

東京ディスティニーランドを支えているカオス勢力の大物悪魔。

ちょっと表情キツめの女性の顔のドアップ、という姿のグラフィックで一見恐そうですが、少したどたどしく喋るところがなんかカワイイです。

顔も見方によっては美人です。首から下はヘビですが。

ちなみに神話(ギリシャ神話)では、下半身こそヘビのようですが、上半身は美女です。

首から下がヘビ、と、腰から下がヘビという違いは大きい!

エキドナはテュポーン(ギリシャ神話の頂点であるゼウスに勝るとも劣らずの力を持つ怪物)の妻であり、ケルベロスその他多数の怪物たちの母とされています。

自分では「女神」であると語りますが、ゲームの設定では「邪神」となっており、さらにはカオスヒーローによると「地母神」、ロウヒーローによると「邪龍」と、見る人によって全部バラバラな属性のアクマです。(「地母神」は真メガテン2から追加される種族 )

属性図で見るとこんな感じです。赤丸の部分。

特にエキドナは、明確にカオス勢力側であることがわかりますが、自身の語る「女神」であるならば本来はロウ勢力側にいるはずなんですが、そう考えると種族がその属性に必ず属するというものではなく、もしかするとアクマとはいえ個の主義主張が属性の枠を超えるという事もあるのかと。

「人」と同じように。

 

ちなみにこの東京ディスティニーランドはここに建てたのではなく、ロウ勢力の拠点「カテドラル」への対抗拠点とすべく、エキドナがその巨体で絡めて建物ごとここに持ってきたというものです。

喋り方といい、やる事といい、そのギャップにちょっと萌えを感じますね。

 

(補足) 属性図の説明

LAW(ロウ)とCHAOS(カオス)はこれまでよく出てきましたが、簡単に言うと秩序を重んじるのがロウで、無秩序を好むのがカオスです。

例えば主人公がロウ属性の場合、カオス側のグレーの縦線より外側の方の悪魔は仲魔にできません。(合体で作成は可能ですが、召喚はできません。)

LIGHT(ライト)とDARK(ダーク)はイメージ通り、ライトは善行を重んじるいい者で、ダークは邪悪な性格の悪者です。

ゲームではどちらかに大きく偏っている種族は合体でしか仲魔にできないという区別になってます。

具体的には、極ライトの悪魔は主にイベントで登場する悪魔なので通常時にエンカウントすることもなく、また強大な力を持った悪魔が多いということもあり、そうなるとイメージとしては極ライトの悪魔は対話のみで人間ごときの仲魔になるということはまずないという感じです。

またダークに関してはゲームでもそうですが、レベルの低い極ダークに至ってはもはや会話が成り立たず、話しかけても唸られて攻撃されるだけです。そして魔王などを想像してもらえればわかると思いますが、彼らを交渉で仲魔にすることができないであろうことはいわずもがなです。

天使ハニエル

「翼に包まれてる系」のグラフィックの天使様で、エキドナに対抗するロウ勢力の先鋒。

品川の大聖堂(復活したロウヒーローにエキドナ討伐を頼まれた場所)に戻ると、ハニエルも来てます。

実際はユダヤ・キリスト教における七大天使の一人で、全9位からなる天使のヒエラルキー第5位の力天使(ヴァーチュース)、第7位の権天使(プリンシパリティ)の2つを支配している高位の天使です。

ただ、ミカエルを頂点とする四大セラフを除く残りの3人の天使については教派によって変わる為、七大天使から外れていることもあります。

 

ということで、きゆこうはニュートラルルートで進んできてたので、エキドナもハニエルもどちらも倒しました。

ここまで来ると、だいぶパーティと特に主人公がかなり強くなってしまっているので、ボス戦についてはいかようにしても勝てるという感じです。

ボスよりもそこまでの道中のザコ敵に苦戦します。

 


「合体」でのみ登場する悪魔

アメノウズメ

日本神話に登場する女神様。

「天孫降臨」イベント、天上界(高天原)の最高神であるアマテラス、その孫「ニニギ」が地上に降りて地上を支配することになる日本神話の一大イベントにて、地上の案内役サルタヒコとのやりとりで登場し、その後サルタヒコの妻となる、という部分でも登場しますが、個人的には「岩戸隠れ」伝説のアメノウズメの話の方が面白いです。

天照大神(アマテラス)が天岩戸に隠れた「岩戸隠れ」伝説の際、どうやっても出てきてくれないアマテラスを引っ張り出す事に一役買うことになります。

複数の神が連携して引っ張り出したわけですが、彼女の担当した役目は「踊る」でした。

そういうことがあってか、彼女は芸能の女神と呼ばれており、また日本で最初の踊り子となってます。

ちなみに「岩戸隠れ」とは、アマテラスがスサノオの乱暴で気分を害して天岩戸に引きこもった事件の事で、なぜ引っ張り出さないとならないかというと、アマテラスがいないと地上はもとより、天上も闇に覆われてしまい、様々な禍が発生し、神々でさえ困った事になったからです。

この話の注目すべきところは、アメノウズメのその踊りが非常にセクシーだったという点です。

 

まとめると、天岩戸の前でアメノウズメがセクシーダンスをすると、八百万の神々(観衆として観覧してた)とても沸きます。

説得しても耳を貸さなかったアマテラスは、外から聞こえるそれはそれは楽し気な歓声が気になってしょうがなくなってきます。

我慢できずに入り口を塞いでいた岩をチラリと開けたところ、タジカラオという力自慢の神様に引っ張り出されるという顛末です。

そして、この作戦を考えたのがオモイカネという神様だったというわけです。(あと2人ほど協力者あり)

 

神様たち、楽しそうですね。

 

最終章「輪廻」

物語の最終決戦はカテドラルにて行われます。

まずカテドラルとは簡単に言うと「大聖堂」のことで、前述したようにロウ勢力が神の降臨する場所として建設しようとしているものです。それを阻止しようとしているカオス勢力は当初カテドラル建設を妨害して中断させていたのですが、何を思ったか途中でカテドラルを乗っ取るという方向に方針転換しています。

ということは、最終的にカテドラルの支配者がこの世の支配者になるということに。

そのカテドラルの入り口にはまたしても井の頭公園の老人です。

老人との会話の中で各軍勢の総大将の名が出てきます。

  • ロウ勢力  ➡ ミカエル
  • カオス勢力 ➡ アスラ王

老人曰く、どちらがカテドラルを支配し、しいてはこの世を支配しても人間に幸福は訪れない、との事。

さて、その状況を打開できるのが…

 

  • 第3の勢力(ニュートラル) ➡ 主人公

 

ということになるわけです。

 

カテドラルにはロウヒーローとカオスヒーローがすでに到着しており、互いの思想を譲らず言い争いをしてます。

昔は共に助け合い戦った仲だったのにね。

どちらでもいいので話しかけましょう。そうすると…、

東京ほぼ全域が、水没します。

これはロウ勢力側、「神」の仕業なので、ロウヒーローはこうなることがわかっていたようですが、カオスヒーローは事態の状況把握ができずにいて少し動揺している感じ。

一部の場所以外行くことができなくなりますが、カテドラル内部にも街的な場所が2か所あるので戦いの準備は可能です。

魔神ヴィシュヌ

水没後の都庁の左側最上階に陣取っているロウ勢力の大物。

ラスボスより弱く、ハニエルより強い的な立場のキャラですが、ラスボスとハニエルとの違いとしては属性が合っていれば仲魔になってくれるのであります。(主人公がロウ属性なら仲魔に。それ以外ならバトルに。)

ヴィシュヌはロウの最上位種族である「魔神」の中でも最強のキャラです。

実際のヒンドゥー教でも最高神として崇められてます。

ちなみに男性型の神様ですが、その昔きゆこうはスーファミのグラフィックのクオリティのおかげで、きわどい恰好をした女神様と思ってドキドキして見てました。

…半裸のヤロウだったか…。

 

なのでこんな感じで描いてみました。

 

天魔ラーヴァナ

ヴィシュヌに対して、都庁の右側最上階にいるカオス勢力の大物。

こちらも属性がカオスであれば仲魔になってくれますが、それ以外だとバトルになります。

仲魔にする場合、ヴィシュヌは魔神でレベルも80オーバーの最強キャラの一人なのに対し、ラーヴァナは「魔神」の対極である「天魔」ではありますが、レベルはヴィシュヌより30近く下なのでちょっと物足りない感じ。

その分、敵として戦う場合はヴィシュヌより簡単という事になりますが、こちらについては撃破後に連戦でラーヴァナの息子、天魔インドラジットとも戦うことになります。

インドラジットはヴィシュヌほどではないですが、ラーヴァナよりも圧倒的に力ステータスが高く、2連戦目ということもあってまぁまぁ強敵に感じます。

でも多分ここまで来てると主人公がかなり強くなってますし、例えばニュートラルで手に入る「マサカドの剣」にタルカジャを合わせるとラーヴァナだろうがインドラジットだろうが余裕かと。

※「マサカドの剣」は、東京の守護神「平将門」の剣ですが、守るべき東京が水没してしまった今、もはやこの剣も不要といって主人公に譲ってくれる最強の剣です。但し装備できるのはニュートラル属性のみ。

 

ちなみにヴィシュヌに対抗する神様であれば、同じくヒンドゥー教の最高神シヴァを置いておくべきな気もしますが、そうしなかったのはヴィシュヌとシヴァという二人がそれぞれ存在しているのが原因だったのかも。

というのも、ゲームではヴィシュヌとシヴァがそれぞれ個別に存在してますが、実際はヴィシュヌとシヴァ、そしてゲームには出てきませんがブラフマーと呼ばれるこの三神はそもそも一人なのだとか。

この三神はそれぞれ、宇宙の創造・維持・破壊という機能の異なる3つの様相を表しているのであって、個々として存在しているわけではない為、そう考えるとどっちかを仲魔にするかとか、ロウ勢力とカオス勢力の両方に存在していい、という者ではなかったのかと。

そこで登場したのが、インド神話で実際にヴィシュヌ(の転生体)と戦うことになるラーヴァナという羅刹(日本でいう所の鬼族)の王だったのです。

そして、インドラジットについてはヒンドゥー教の前身であるバラモン教時代における英雄神インドラに勝ったこともあるという有能な息子です。

そもそもインドラジットの元の名は「メーガナーダ」と言いますが、インドラを倒した功績として前述のブラフマーに認めさせた名前というのが「インドラに勝利した者」という意味であるインドラジットなんだとか。

インドラさん屈辱…。

ちなみにこのインドラジットについても、最後はやはりヴィシュヌの化身(ラーマ王子の弟であるラクシュマナ)に倒されてしまうのでありました。

※ラーマ王子とその弟ラクシュマナは兄弟にして、どちらもヴィシュヌの化身です。

 

カオス陣営本陣

スルト

北欧神話に登場する炎の巨人。

北欧神話には九つの世界が存在し、その内の「灼熱の世界」の番人であり、王でもあります。

ということで、攻撃方法もマハラギオンやファイアーブレスなどの炎系の攻撃がメインですが、力のステータスが高く物理攻撃もなかなかです。

ちなみにスルトの国「灼熱の国ムスペルヘイム」の者たちを「ムスペル」といい、北欧神話の神と巨人による最終戦争「ラグナロク」で、スルトはこのムスペルを率いて世界を焼き滅ぼすことになります。

ちなみにその炎で自身も消滅するという破天荒さんです。

アスタロト

悪魔学における高名な美しき悪魔で、前作から引き続きの登場です。

前作の解説に追加して、支配階級で表すと40の悪魔軍団を率いる大公爵であり、地獄の王ルシファー、君主ベルゼブブに次ぐ存在です。(でも前者2人の存在感にはほど遠いようです)

人類最古の文学とされる「ギルガメシュ叙事詩」によると、アスタロトは元々古代バビロニアの女神イシュタルだったそうで、このゲームでも撃破後に「もう少しでイシュタルの姿を取り戻せたものを…」と言いながら残念そうに消え去ります。

ちなみにイシュタルは堕天したというより、当時の文化・風習などの情勢によって悪魔とみなされるようになってしまった不遇の神で、前作の時でも触れましたが、アスタロトは「自ら堕天したわけではない」と語るのはその為なのかと。

アリオク

バトルに入る前のセリフで「復讐の牙を受けてみよ!」とかいきなり言われて、私、何かしましたっけ?ってなるボス。

というのも、コイツは本来自分を雇った人の復讐を代行する悪魔で、別名「復讐の悪魔」と言われているからなのです。

ジョン・ミルトン作「失楽園」では堕天使としてサタンに仕えており、またコラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」では黒い翼を持つ、という2つ合わせて暗黒の天使みたいなイメージに加え、このゲームではブヨブヨに肥えて、かつそのお腹部分には縦に裂けたような口唇がついてて、まさに悪魔の姿とはこうあるべき的な醜い姿をしております。

こんなのに復讐をされるとか怖すぎです。

※「ジョン・ミルトン」 ➡ 17世紀のイングランドの詩人。「失楽園」は、ダンテの「神曲」と共にキリスト教文学の代表作です。「失楽園」は後にキリスト教にも影響を与え、特にルシファーに関することについて影響が大きいのだとか。

※「コラン・ド・プランシー」 ➡ 19世紀のフランスの作家。彼の最大の代表作である「地獄の辞典」は、悪魔・オカルト・迷信・占いなどなど…、そういう系のものが無数に掲載されている辞典形式の作品で、悪魔とかのことが挿絵入りで載ってたりする。

カオスヒーロー

途中でパーティを離脱してますし、主人公はカオス勢力のヤツらもたくさん屠ってきましたが、ここまで昔のよしみで仲間に戻らずとも完全に対立することもなかったカオスヒーローですが、さすがに自陣営のボスに肉薄した主人公に対し、もはや諦めの意思で以て戦いを挑んできます(カオス属性以外の時)。

彼を倒すとこう言います。

俺は結局(主人公には)勝てなかった。

俺は神をもしのぐ力を得たはず… これは夢だったのか… 悪い夢… いや…

いい夢だった…。

はたから見ると、人間を捨てて悪魔に近い者になり、挙句昔の友と戦って負けて死ぬというのは悪い夢としか思えないわけですが、彼は一応カオスを象徴するキャラであることを考えると…、

カオス勢力の「カオス」思想は、チカラ至上主義で自由がモットーなので、友情や信頼、発展などはまるで無い思想の為、カオスヒーローは負けたのは自分のチカラ不足なのであり、主人公を恨む道理は無く、むしろ主人公と出会えたことでオザワを倒し、カオス勢力の幹部クラスまで登り、カオスヒロインというパートナーができ、そして最後は昔の友にチカラでもって敗北し、人生の幕を閉じることができた、というのは昔の自分と比べたら悪い夢どころか「いい夢だった」、ということなんじゃないかと思ってます。

そしてこのセリフで思い返されるのが、ゲームの導入部で見た主人公の夢での彼のセリフです。

悪魔に踏みつけにされながら眠っていた彼は、主人公に起こされた際にこう言いました。

 

…なぜ俺を起こした!せっかく

いい夢を見ていたのに…

天魔アスラ王

カオス勢力のラスボスです。

アスラと聞くと、日本で言うところの手が6本ぐらいある戦いの神「阿修羅」が思い浮かびますが、元々はインドにおける神々=ディーヴァの「敵対者」という意味になります。

人間にとってはディーヴァを応援すべき感じですが、アスラの中にも人間に良くしてくれる者もいるようで、例えばアスラはディーヴァと違い、不死ではないですが、想像を絶する修行によってディーヴァを超越する力を身につけ世界の主権の座を奪い取ったこともあり、その際人間へ善政を敷いたアスラもいたそうです。

要するに神でないが、神以上の力を持つ事もあるということです。

そんなアスラの王ですが、彼が言うには、

ロウ勢力の千年王国の計画を阻止し、このカテドラルを奪い取って自分らのもにすればルシファー様にも一目置いてもらえると思ったのに…

とのことです。

そう、アスラの王ですが、やはり大魔王ルシファーは別格のようです。

ロウ陣営本陣

ウリエル

聖書の正典には含まれておらずカトリック教会(キリスト教最大の教派)では認可されていないが、ヘブライの伝承、ユダヤ教では重要な天使(外典には登場する)。

この外典、新約聖書の外典「ペテロの黙示録」にてミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが「神の御前に立つ四人の天使」として登場しており、そこからゲームとかマンガでは、ミカエル、ガブリエル、ラファエルの三大天使にこのウリエルを含めて天使のトップ4、四大天使とされているようです。

  • キリスト教3大天使 ➡ミカエル・ガブリエル・ラファエル
  • ユダヤ教4大天使 ➡ ミカエル・ガブリエル・ラファエル・ウリエル

それと、魔王アリオクのところで触れたジョン・ミルトンの「失楽園」でも、ウリエルは天使階級の一番上位である熾天使(セラフ)として登場しています。

この四大天使としてのウリエルは一般的に、天使の中でも特に戒律に厳しく、戒律を破った者に過酷な罰を与えるようで、ちょくちょく悪事を働く人間からも恐れられてもよい天使様ですが、これも前述のペテロの黙示録にて「懺悔の天使」として登場する為なのでしょうか、ここでは神を冒涜する者は永遠に地獄の業火で焼き、または舌で吊り上げて火あぶりにするんだとか。

聞いてるだけで恐ろしい…。

 

また聖書に登場する頽廃(たいはい)の代名詞とされている町ソドムとゴモラを、神の命令によって焼き払って滅ぼしたのもウリエルであり、ここから「破壊の天使」とも言われてます。

このようにウリエルはよく「火」を使いますが、ウリエルという名前はヘブライ語で「神の火」を意味することからそもそもそういう意味で名付けられたんでしょう。

ちなみに町を滅ぼしたりしてますが、例えばソドムが滅ぼされたエピソードを読むと、そりゃ滅ぼされても文句は言えないかな、とも思えます。

 

さて、肝心のゲームのボスとしての特徴ですが、特にコレといったものはなく、普通に進めていればカンタンに倒せます。

銃攻撃で弾丸を「閃光弾」(相手を金縛り状態にする)にしてましたが、これもボスであるにも関わらず有効だったのがこのゲームらしいな、と思いました。

以下のボス達にも閃光弾は有効です。

ガブリエル

キリスト教、ユダヤ教4大天使の一人。

ガブリエルは神のメッセンジャーとしての役割が多く、イスラム教では創始者である預言者ムハンマドに神の啓示を伝えた天使(その為天使の中で最高位に位置付けられている)だったり、ユダヤ教(旧約聖書)ではダニエル書に登場してダニエルさんを手助けしたり。

※ダニエル書は、旧約聖書の中でも5大預言書の一つとされている書。

一番有名なものはキリスト教(新約聖書)のエピソードの一つ、聖母マリアのもとに訪れてその身にキリストを妊娠したこと告げる「受胎告知」でしょう。

このシーンはレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとした絵画でも有名かと。

あと、新約聖書ヨハネの黙示録で、最後の審判にてラッパを吹き鳴らして死者を蘇らせるのもガブリエルです。

さて、そんなガブリエルですが、ゲームのボスとしてまず特徴的なのが、物理攻撃が効きません(但し反射はしないので安全)。

物理攻撃は無効ですが銃は効くので、例によって閃光弾で金縛りも可能です。

この頃になると主人公の物理攻撃ダメージが頭ひとつ飛びぬけてると思いますが、それを封じられてしまう上に、さすがにラスボスの前哨戦だけあって敵の物理攻撃もそこそこ、かつマハジオ(グループ対象ジオ魔法)を放ってきてこちらも金縛りにされるのでちょっとだけ長期戦になりますが、誰か一人がメディアラハン(全体大回復魔法)を覚えていれば事足りるかと。

 

ちなみにガブリエルといえば、4大天使唯一の女性天使というイメージが強い昨今ですが、この頃のメガテンでは男です。

確かにそもそも天使は基本的には見た目性別不詳で、絵画でも美しい青年として描かれているものもあるので決めつけはよくないですが、きゆこうは時代に逆らわずガブリエルはガブリエルちゃんとして描きます。

そうすると、こーなりました。

ゲームのグラフィックとは全然別物になっちゃいました。

ラファエル

4大天使の一人ラファエルですが、個人的に一番印象の薄い天使です。

ミカエルは天使の隊長で天使長、ガブリエルはガブリエルちゃん、ウリエルは破壊の天使、みたいな感じですが、ラファエルについては、なんかある?みたいな。

そんな彼の存在は、聖書にも表れているのか、一応旧約聖書の外典(正典に選ばれはしなかったけど、選ばれる候補には挙がったもの)には登場しますが、正典には登場しません。

天使の概要としては、旅人や病人の守護者という肩書きがあったりして、人々を助ける事が多い天使であり、また性格も気さくでおっとりした天使なんだとか。

目立たないけど、一番人間に好かれそうな大天使様だったりします。

さて、そんなラフェルですが、このゲームでも3回目の大天使戦ということで、慣れというか、特に苦もなく倒せます。

ガブリエル戦で物理攻撃を封じられていた反動のせいか、タルカジャで主人公の攻撃力を上げながら戦ったら、3ターンで倒せました。

ロウヒーロー

何言ってるのかよくわからない理屈で主人公の立場を諫めてきます。

悪いヤツじゃないけども、ここまで来たら立ちはだかるものは倒すのみです。

ごめんよロウヒーロー。

 

ロウヒーロー撃破!

 

僕は再び死ぬのか…

僕は神に選ばれし者ではなかったのか…

神に捧げられし… そうか…

僕は… 生贄にすぎなかったのか…

 

カオスヒーロー同様、冒頭の主人公の夢で彼は十字架に磔にされていましたが、それが彼の運命を暗示していたわけです。

ある意味、神に選ばれし者であるのは間違ってはいないのかと、「生贄として」という点で。

セラフ ミカエル

言わずと知れた、全天使軍団を率いる大天使長。神に最も近い存在とされています。

軍団長だけあって鎧を着て天使軍団を率いている姿がよく描かれており、聖書によるとサタンよりも強いんだとか。

ちなみにイスラム教では創始者ムハンマドに啓示を伝えた天使がガブリエル(イスラム教だとジブリールと呼ばれてます)だったので、ガブリエルが天使の長で、ミカエル(イスラム教だとミーカール)はその次の存在とのこと。

 

さて、そんなミカエルですが、さすがラスボスだけあって強めです。

物理攻撃の一撃で200ぐらい食らいますが(こちらの最大HPは999)、それを4連発ぐらいしてきます。

一人に対して集中攻撃されたらひとたまりもないですが、そんなことはあまりなく大体分散されるか魔法攻撃を挟んできます。

リリス

アスラ王との決戦前にカオスヒーローと戦った(会話した)後、彼のパートナーであったカオスヒロインのりえちゃんはおもむろにその正体を現します。

それが彼女、リリスです。

やっぱり。

 

彼女の目的は主人公のパートナーになることです。色んな意味で。

彼女は、本来なら主人公と自分が新たなアダムとイヴになるはずだったと語ります。しかし、主人公はヒロインを選びました。

その怒りの矛先は主人公に対してではなく、ヒロインに対して向けられることになります。

レジスタンスのリーダーの公開処刑、転生したヒロインの精神汚染、そしてルイ・サイファーと共に現れた時、そしてここでの戦闘。

もしかしたらICBM直撃時に主人公の魂を金剛神界へ送り届けたのもリリスの仕業だったのかも。ヒロインは助けずに。

ちなみにヒロインの精神を乗っ取ろうとしたアルケニーについても、彼女が絡んでいたんじゃなかろうか。

リリスを撃破した後、彼女は完全に主人公を諦めその場を去りますが、カオス属性の場合、最後にもう一言言って立ち去ります。

 

「ごめんなさい。もう2度とあなたの前には現れないわ… さようなら…。」

 

いや、なんか… かわいそう!

 

もはや悪魔ではなくただの乙女です。

モテる男というのも問題なんだなと思いました。

 

ここで「ベリアルの壺」の時のゆり子のセリフにて、彼女の心情を表している部分についてですが、ゆり子はなぜベリアルの壺をあの時強奪していったのかです。

ベリアルの壺はリリスとのバトル勝利後にやっとこちらに戻ってきますが、この最終局面でこの壺が戻ってきた理由が、

この壺と合体剣の元になる錬気の剣を合体させると「火龍剣」ができあがりますが、これは女専用武器としては最強の剣だったから

なのです。

つまり、ヒロインへの嫌がらせだったわけですね。

女の子を泣かせるのはよくない、とか、ヒロインへの嫌がらせとか…

いじらしくてカワイすぎませんか?

老人

ニュートラル属性の場合、リリスが去った後井の頭公園の老人が現れます。

ついに明かされる老人の真の姿とは…!

この老人の正体は、

太上老君。

学校でも習った、道教の始祖「老子」が神格化されたものです。

道教の教えである「老荘思想」たる「無為自然」「道」をキーワードに考えると、ニュートラル属性の場合にここで彼が登場するのは主人公の行く末との関係に繋がらないわけがありません。

詳しくはエンディングにて。

ベルゼブブ

旧約聖書「列王記」に登場する悪魔。

元々はペリシテ人が崇める神バアル・ゼブル(豊穣を司る神)だったが、後にイスラエルに入植してきたヘブライ人がペリシテ人のその豊穣を祈る神への儀式(何やら変わった儀式だったようです)を嫌い、この異教の最高神を邪教神とし、バアル・ゼブルという名の語呂が似た「バアル・ゼブブ」(ハエの王)と呼んで蔑み、それが聖書に記された為にこの名で広く知られるようになりました。

バアル・ゼブブ ➡ ベールゼブブ ➡ ベルゼブブ(ベルゼバブ)

ベルゼブブは魔界の君主とされており、地獄においては権力と邪悪さでサタンに次ぐ存在であり、実力においてはサタンを凌ぐともされるすげーやつです。

サタンとルシファーは同一だったり、そうではなかったりしますが、もし同一の存在であったならば、元天使軍団の長だったルシファーよりも強いってことです。

そんなスゴイやつが、どこで何をしているかというと六本木の南にある孤島でただただ事の成り行きを見守っているだけです。もしくはどうでもいいのか。

普通にクリアするだけならベルゼブブに会う必要は無いですが、カオス属性だとなんと仲魔になってくれるので是非彼の孤島へ訪れることをおすすめします。

エンディング

ロウ属性時

ネビロスによって魂を取られ、その後神の使いによって救世主として復活したロウヒーローでしたが、彼の本当の役割は真の救世主である主人公の為の生贄でした。

ロウ勢力とカオス勢力との争いによって、荒れ果てた地上の人々を救ってやるのが救世主の役割であり、その後ようやく法の神による統治が始まる、と神の使いは言います。

法の神の統治、すなわち至福と喜びに満ちた永遠の楽園、千年王国が始まるんだとか。

一般に言われる千年王国の「千年」は長い期間という意味ではなく、本当に千年間のことで、それが過ぎると「最後の審判」が行われ、それまでの日頃の信仰と善行次第で天国へ行けるか地獄に堕とされるかが決定されます。

このゲームの場合、「最後の審判」を待たずして、ロウが台頭した時点ですべての人類が永遠の楽園で暮らすことができるといった感じになってますが、ゴトウの言葉を信じるならばこのロウ勢力には少し胡散臭いところがあり、実際に楽園で暮らすことができるのは神に選ばれた一握りの者たちだけのようです。

残りの者は、例えば楽園で暮らす人すべて神に忠実で至福に満ちている状態であると思わせる方法としては、神に疑念を抱いた者や不幸を訴える者に、その先にあるのが至福なのだと甘い言葉をささやき錯覚させ死ぬまで働かせる、それでも疑念を訴える者はそもそも存在しなかったこととされる、みたいな感じでしょうか。

独裁国家が長い間存続し続けられるのは往々にしてこんな感じなのでは。

 

このような思考が生まれるあたり、そもそも神と人はそれほど違いがないのではないかと思わされます。

神の種類にもよるでしょうが、各国の神話などを覗いてみるとまるで人間のように他者に愛を注いだり、嫉妬に狂ったり、ちょっと悪に堕ちたりしている神様がたくさんおられます。

そもそも人間が神の形を真似て作られたものなんだとしたら、中身もそれなりに似通っているのでは?

そう考えると、神が人間に似ているのと逆に、人間は神に似ているのではないでしょうか。

これらをまとめると、一握りの選ばれし者といずれ自分もそうなれると信じこまされて実際は選ばれし者の為に働かされている選ばれなかった多数の者たち、という構図が見えてきます。

これは現実世界でいうところの「格差」となります。

格差とは、おおまかに言えば上の「1」に対して、残りの「9」が下という構図です。多分。

言い換えると下の「9」は、上の「1」の為の「生贄」です。

これこそ、最初の夢に出てくるロウヒーローの姿の意味していたことなんじゃないかと思ったり思わなかったり。

カオス属性時

カオス属性でクリアするとやっとその姿を現すのが悪魔王ルシファーです。

すでにゲームの中でも人間の姿で登場していましたが、あのルイ・サイファーがそれですね。

この記事ではネコでしたが。

メガテンやってる人ならみんな知ってるルイ・サイファー。

彼が言うには、法の神の計画が阻止された今、魔界に堕とされた神々が復活し黄金時代が築かれるとのこと。

彼の言う黄金時代とは、破壊と再生の繰り返しによって次々とより強くそしてより美しいものが生まれる状態の世界のことであり、強い者はその強さで自分より弱い者を圧倒しますし、美しい者もしかり。

強さで言うと、弱者は強者に倒されますが、でもそのことにすら納得してしまうカオスの者たち。「自分のチカラ不足で倒された… のであればしょうがない…

しかしカオスの世界は破壊と創造の世界なので、しばらくすると新たなチカラを得て蘇ることになります。

アクションゲームの残機のように、よし次は強いキャラでうまくやってクリアするぞ!みたいに生きるのがカオスの人たちです。

アクションゲームやってる時は楽しいですよね?

これが最初の夢で見たカオスヒーローの言葉に繋がります。

「なんで起こした!今いいところだったのに!」

そこに規律や計画性などは介在せず、ただただそれを繰り返すというまさに混沌

ゲームをやめられない小学生のごとし。

でもそれほどにカオスの世界は魅力的で、どれだけ強く、どれほど美しいものに再生されるのか、そこに惹かれる!憧れる!

ロウのように規律を重視しすぎることで見えなくなってくる世界も、カオスの場合それが無いことで新たな世界を見いだせる可能性は高いでしょう。

しかし、無計画というものは何というか、やはり良くない方向へと向かいやすいものです。

そしてルシファーの最後のセリフですが、これが少し謎めいてます。

ルシファー曰く、

 

法の神の降臨計画は阻止できたが、法の神自体が滅びたわけではない。

すべて神によって創造されたものであるならば、自分自身も神の一部である。

これが何を意味するかよく考えてみろ。

 

と言って飛び去って行きます。

この後味の良くない感じ、これはまさにバッドエンドですね。

カオス勢力の裏ボス的存在ルシファーですが、彼は元大天使でしたが神への反逆により堕天されます。その後任的存在がミカエルです。

そのミカエルを筆頭にあとの3人のセラフや、その他の数多の天使軍団に加え、魔界に堕とされた神々や、そもそもルシファー自体も神が創造したものであることを鑑みると、神のチカラというのはおよそ常識では測れないものだという想像はつきましょう。

であれば、この地球でのカオス勢力の勝利ひいてはルシファーの勝利自体、法の神の思惑の中にあった一つの些細な事柄だっただけかもしれません。

ニュートラル属性時

ニュートラル主人公の場合、太上老君が労ってくれます。

彼曰く、カオスエンドで軽く触れたようにルールは必要だけど、それに縛られすぎるとそれ以上の発展は無いし、かと言ってルール無用の混沌な世界は刺激に溢れた魅力的な世界な半面、絶えず争いが起きます。

どちらに偏ることなくうまくバランスを取ることが大事、とのことです。

バランスを取る、というかバランスを取れるような環境に仕向けるという感じでしょうか。

老子(太上老君)の説いた「無為自然」のごとく、宇宙の在り方に従って自然のままに、知や欲を働かせず原理原則に沿った生き方をする、とまではいきませんが、それに近い状態でどちらもほどほどに取り入れた世界こそ理想的な人間の世界であると。

ニュートラルエンドの場合、神や悪魔に変わる存在が宇宙になるのでないかと。

無から生じた宇宙はやがて地球に生物を生み、気の遠くなるような時を経て人間が誕生しました。

人間を作りだしたのは宇宙であって、神様ではないです。(宇宙を作ったのが神というのは置いといて…)

宇宙に意思みたいなものはあると思えないですが、なぜ人が作られたのか、そして人の最後はどうなるのか、そもそも宇宙とは何なのか、その意図がわかる時は来るのでしょうか。

わからない事だらけの世の中なのに、20万年もの間、人はなるようにして生きてきました。

答えなど無くても人は生きていけるということの証明ではないでしょうか。

ちなみに神や悪魔が全く存在しないかというと、そうではないと思います。

この2つは人間が考え出した非常に便利なもので、その使い方は、説明のできない事柄に対して当てはめるモノ、それが神や悪魔。

ロウヒーローやカオスヒーローは、最初の夢ですでに自分の行く末を暗示した形を成していましたが、これが意味するところは輪廻なのかと。

彼らが白シルエットだったのは、その時その時で姿が違うからであり、それはヒロインもしかりです。

彼らはこの役目をひたすら繰り返しているのです。

宇宙の存在は、神や悪魔と似ています。

宇宙は確かに我々の頭上にありますが、その全容についてはほとんど解明不可能です。

そして神や悪魔は人の心に確かに存在しますが、その証明は決してできません。

この世の「普通」の代表例がまさにこの2つあって、人が人である限り決して解明・証明できないものを「受け入れること」で人はマトモでいられるのです。

例えば、自分が死んだら今この自分の「意識」というのは一体どこへいくのか?

…考えたら恐ろしくて泣きそうですよね。

「普通」が壊れた時、例えばこのゲームなら車椅子の男の次元を超越する行為や、現実で言うと悪魔の兵器と呼ばれる核爆弾によって地球が無くなりかけた時など、宇宙≒神が「普通」へと軌道修正を試みようとした時に現れるのがヒロインという存在。(基本は「普通」へと真っすぐに向かいます。)

そして人が「普通」を受け入れることができなくなって生まれるのが、ルール通りにしか考えないロウと、ルールを無視することしか考えないカオスという極端な概念。

さきほどの自分が死んだらこの「意識」云々は、時間の経過でいずれは必ず自身が経験する事柄ですが、今は考えないでおこうというのが「普通」だと思います。

しかし中には考えすぎてちょっと異常事態になったりも。

ヒロインは強制はしませんが、そのままだと基本は「普通」へと進む人に寄り添います。つまり、自分が死ぬ事についてはその時までそれほど深くは考えないという事。

一方、死を意識して例えば宗教的なものにハマったり、同じ生き物である肉を食べなくなったりするのがロウヒーロー的概念。

逆にいずれ来る死ですべて無に帰す事に耐え切れず自暴自棄になったりするのがカオスヒーロー的概念。

この世のパラレルワールドでは、ロウもしくはカオスヒーローの概念が圧倒してしまい手の施しようがなくなった宇宙≒神は、「普通」が壊れる前の状態に戻すために直前でセーブしたところからやり直しているのかもしれません。

要するに修正パッチでも修正できない場合、大事な部分で取ってあったバックアップからやり直しているということです。

それが輪廻=主人公の最初の夢です。

だから「普通」であるこの世では宇宙の果てをこの目で見ることは決してできないし、神や悪魔も決してその姿を見ることができないのです。

いや逆にそうであるから「普通」とも言えましょうか。

おまけ

ヒーローくんとセシルちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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